売り手市場=有利は半分正解。“使いこなす”という発想。
生徒からの質問に答える形で始まった『教えて森さん』
今回は生徒から受けたこんな質問への僕なりの回答を記事にしてみました。
「最近“売り手市場”って聞くけど、本当に有利なんですか?
企業の囲い込みとか地域限定採用ってよく見ますが…
就活の市場って今どうなってるんでしょう?」**
市場は“有利・不利”だけでは語れません。
大事なのは、今の就活をどう“読み解くか”です。
こういう質問は、今年とくに増えています。
SNSでは「超売り手市場!」という言葉が飛び交い、
一方で現場の学生は「全然実感ないんだけど」と困惑している。
このズレには理由があります。
今日は、その“今の就活市場をどう捉えるか”について
お話したいと思います。
前回の『教えて森さんはこんなお話』
“売り手市場”は事実。でも全員に有利なわけじゃない。
今年の就活市場は、数字の上でははっきり売り手市場です。
・学生1人あたりの有効求人倍率は高い
・新卒採用を強化する企業が増加
・業界によっては歴史的な人材不足
ただし――
これはあくまで 「企業全体」 の話であって、
あなたの志望業界が「売り手市場である」とは限らない。
具体例でいうと:
● IT・インフラ → 深刻な人材不足で売り手市場
● メーカー → 回復傾向だが職種により差が大きい
● コンサル・広告 → 相変わらず“買い手市場”寄り
● 地方企業 → 売り手市場+採用が追いついていない

つまり、
“市場全体”より“自分の志望領域の需給差”が大事
ここを見誤ると、戦略がズレてしまうんです。
囲い込みが増えているのは、企業側も焦っている証拠
最近多いですよね、
「早期での個別面談」
「リクルーターの継続接触」
「特別ルートの案内」
などの“囲い込み”。
実はこれ、
企業が人を確保できない不安を抱えている証拠
です。

とくに強いのが以下の3パターン:
成長産業(IT/物流/インフラ)
地方企業(採用母集団が作りにくい)
専門職採用(理系・技術系)
企業側は“早期で関係をつくれたら勝ち”だと思っています。
ただし、
学生側のリスクは 「早く囲われるほど視野が狭くなる」こと。
囲い込みを悪いと言うつもりはありません。
実際、僕が見てきた学生でも、良い出会いにつながる人は多い。
でも、
「この企業が一番最初に優しくしてくれたから」
は、選ぶ理由には弱いです。

視野が狭くなる時期だからこそ、
比べる軸、情報の質が大事になります。
地域限定採用は“妥協”ではなく、キャリア戦略になってきた
意外と誤解されているのがここ。
昔は「地域限定=昇格が遅い」「出世できない」など
マイナスのイメージがありました。
でも今は、
働き方ニーズと企業の人材確保がちょうど噛み合って、
“戦略的な選択肢”になっている。
メリットははっきりあります
・転勤がない(生活設計が立てやすい)
・地域密着の仕事ができる
・配属の透明性が高い
・早期に営業・顧客との関係を作れる
もちろんデメリットもあるので誤魔化しません:
・給与テーブルは全国採用より低いことが多い
・異動が少ない分、経験の幅は狭くなりがち
でも、
「地元にいたい」「生活を大事にしたい」に
企業側が本気で応える時代になっています。

むしろ、
“働く価値観が明確な人ほど向いている”
と感じます。
中小企業の採用は、いま本当に“限界ギリギリ”でやっている
もうひとつ、学生が意外と知らない事実があります。
中小企業にとって、新卒採用は “普通にコストが高すぎる” ということ。
・求人媒体掲載:数十万〜100万円超
・採用1名あたりの採用単価:30〜80万円
・説明会やイベントの人件費
・ミスマッチ時のダメージが大きい

だから中小企業は、
「採りたいけど、たくさんは採れない」
という矛盾の中で戦っています。
その結果起きるのが:
・採用が“本気の企業”と“諦めている企業”の二極化
・地方創生系企業がSNSで発信を強化
・学生との“相互理解”を重視する動きの増加
つまり、
中小企業は「数を取る採用」から「関係を作る採用」に完全に移っている
というのが今の流れです。
市場の波は“読む”ものじゃなく、使うもの
最後に、僕が学生にずっと伝えていることがあります。
就活の市場は、「どう変わるか」より
「その中で、どう動ける自分でいるか」
のほうが大事。
売り手市場でも、囲い込みがあっても、
地域採用が増えても、中小企業が苦しくても。
“環境”に左右されない人は、
自分の軸・価値観・意思決定の基準
を持っています。
就活の市場は、環境です。
環境は変わります。
でも、
意思決定の軸は磨けば一生モノです。
情報に振り回されすぎず、
「自分はどう生きたいか」を中心に置いてみてください。

そのうえで市場を“使う”。
これが一番強い就活の仕方です。
生徒からの質問に答える形で始まった『教えて森さん』初回はこちら。
信頼関係の築き方
リーダーシップについて
もし森が大学3年生だったらどんな夏を過ごすのか
就活で1番時間を割くべきこと
業界の絞り込み方
就職氷河期を乗り越えるために、今できること
相手に想いを伝えるために
学歴が気になっちゃう人はこちら
地方学生からの質問におこ与えしています。
