日常にあるリーダーシップのかたち
今回は生徒から受けたこんな質問への僕なりの回答を記事にしてみました。
Q.森先生にとって、リーダーシップとはどのようなものですか?重要視されている点等を教えてください。
生徒からの質問に答える形で始まった『教えて森さん』前回はこちら。
「教えて森さん」だなんて、なんだかくすぐったいけど、相談してくれてありがとう。リーダーシップについて、君も色々と考えているのかな?
リーダーシップって聞くと、なんだか特別なスキルが必要で、前に出てみんなを引っ張っていく「すごい人」が持つもの、ってイメージがあるかもしれないね。
学校のクラス委員長とか、部活のキャプテン、会社のチームリーダーとか、きっとそういう役職に就いている人を思い浮かべるんじゃないかな。
もし、君がそういう立場になったり、あるいは周りに求められていると感じたりして、
「自分にそんなことできるのかな」
「失敗したらどうしよう」
って、ちょっと身構えたり、不安になったりしているなら、その気持ち、すごくよく分かるよ。
僕だって、初めて何かを任されたとき、期待に応えなきゃって思って、ドキドキして足がすくんだこと、あるもん。
会議で発言しなきゃとか、みんなをまとめなきゃって思うと、胃がキリキリしちゃうことだってある。
自分には向いてないって、そっと諦めちゃう人もいるかもしれないよね。
その気持ち、何も間違ってないと思うんだ。
じゃあ、僕が考えるリーダーシップって、どんなものだろう?
うーん、これはすごく難しい質問だけど、大上段に構える必要は全くない、というのが僕の答えかな。
特別なスーパーヒーローの力じゃなくて、もっと身近で、温かいもの。
僕が一番大切にしているリーダーシップの形はね、
「寄り添うこと」と「一緒に歩くこと」なんだ。
前に立って「ついてこい!」って言うだけがリーダーじゃない。
むしろ、後ろからそっと背中を押したり、「大丈夫だよ」って声をかけたり、隣で一緒に汗をかいたりすることの方が、ずっと多いし、ずっと大切だと感じているんだ。
例えばさ、会議で誰も意見を言わない時、沈黙を破ってぽつりと自分の考えを話してみること。
それは勇気がいることだし、その一言がみんなの議論のきっかけになるかもしれない。これも小さなリーダーシップだよね。
あるいは、チームの中で困っている人がいたら、「手伝おうか?」って声をかけること。これも立派なリーダーシップだと思うんだ。
みんなが話しやすい雰囲気を作ろうと、ちょっと冗談を言ってみる(スベることもあるけど!)とか、地味に見えるかもしれないけど、そういう「場を耕す」ことだって、リーダーシップの大切な役割の一つなんだよ。
僕が特に重要視しているのはね、「技術」よりも「心」なんだ。
相手を思いやる気持ち、誠実さ、そして何より、「ありのままの自分」でいること。
完璧なリーダーなんて、多分この世にはいないんじゃないかな?
いたとしても、きっとちょっと近寄りがたい感じがすると思うんだ。
人間って、ちょっとくらい不器用だったり、おっちょこちょいだったりする方が、かえって親しみやすかったりするし、そういう「隙」に人は安心してついていけることもある。
だから、借り物のリーダーシップじゃなくて、君にしかできない、君らしいリーダーシップを大切にしてほしいんだ。
君の優しさ、誠実さ、面白さ、ちょっとお茶目なところ、そういう君だけの魅力が、きっと誰かを照らす光になるはずだから。
ねえ、君にとってのリーダーシップって、どんな形をしているのかな?
きっと、大きな会議室や発表の場だけじゃなくて、もっと日常のささやかな瞬間に隠れているんだと思うんだ。
例えば、友達が落ち込んでいる時に、ただ何も言わずそばにいてあげることだって、立派なリーダーシップになりうる。
君のその存在そのものが、誰かにとっての支えや希望になっていることだってあるんだ。
だからさ、まずは難しく考えずに、今日、ほんの少しだけ、誰かのために、あるいは自分のために、何か温かいことをしてみることから始めてみない?
誰かの話をいつもより丁寧に聞いてみるとか、「ありがとう」や「助かるよ」を少しだけ多めに伝えてみるとか、自分の好きなことにまっすぐ向き合って、その楽しさを周りに伝えてみるとか。
リーダーシップって、肩肘張ってすごいことを成し遂げることだけじゃない。
みんなの中に眠っている、誰かを思いやる温かい心のことなんだ。
君が踏み出す小さな一歩は、思っている以上に大きな波紋を広げて、誰かの心に温かい火を灯すかもしれない。
君の中にある素晴らしい可能性を、僕は信じているよ。いつも君の味方だよ。応援しているからね。
