言葉は“ズレる前提”でうまくいく。——スキーマ理論と伝わる技術の話
言葉は“ズレる前提”。だからこそ、丁寧に扱いたい。
最近ね、学生と話をしていてよく思うことがあります。
「言ったつもり」と「伝わったつもり」って、
まったく別の生き物なんだよなぁ、って。
同じ言葉を使っていても、お互いが持っている“経験のフォルダ”が違うから、
まったく違う景色が浮かんでしまうことがあるんですよね。
心理学の世界では、それを スキーマ(Schema) と呼びます。
“これまで見てきた世界の、頭の中の地図”みたいなもの。
学生は学生の地図を持っていて、
社会人は社会人の地図を持っていて、
同じ「頑張る」という言葉でも、指している範囲が違う。
だから、言葉は“ズレる前提”で使ったほうがいいんです。
言葉がズレるのは、誰が悪いわけでもない
たとえば、ある学生が
「昨日、めちゃくちゃ頑張ったんです」
と言ってくれたとする。
僕の頭に浮かぶ「めちゃくちゃ頑張った」と、
その学生が浮かべている「めちゃくちゃ頑張った」は、
たぶん似てるけど、微妙に違う。
人はみんな、自分の見てきた景色で判断するからね。
だから僕は、すぐにこう聞くんです。
「どんなふうに頑張ったの?」
「具体的には、何をしたの?」

これだけで、言葉のズレが一気に解ける。
スキーマが違うから、誤解は“自然に”生まれる
誤解って、性格が悪いとか、コミュ力が低いとかじゃなくて。
単に、お互いのスキーマが違うだけなんですよね。
たとえば…
「明日までで大丈夫です」
→ 君の「大丈夫」と相手の「大丈夫」は同じ?「シンプルに考えよう」
→ 何を“シンプル”とするかの基準は一致してる?「ちゃんとやってます」
→ 君の“ちゃんと”と、上司の“ちゃんと”は一致してる?
曖昧な言葉ほど、人によって意味が広がっていく。
これ、学生生活でも、就活でも、社会に出てからも、ずっと続くんです。
誤解を減らすのは、才能じゃない。習慣。
じゃあどうすればいいか?
魔法はなくて、ただ一つの習慣です。
「補足する」
「具体に落とす」
「ちょっとだけ説明を足す」
これだけで、コミュニケーションの質は一気に変わる。
たとえば…
「頑張ります」だけじゃなくて
→「今日は◯◯をやり切ります」「気をつけます」だけじゃなくて
→「次から△△の確認を先にします」「大丈夫です」だけじゃなくて
→「◯時までに終わる想定です」
スキーマの違いをすべて埋めるのは無理。
でも、“ズレる前提”で少し補足するだけで、誤解はほぼ消える。

言葉って、本当はとても繊細な道具
僕はよく学生にこう話します。
「言葉ってね、包丁みたいなもんよ。
丁寧に扱えば、すごく役に立つ。
雑に扱うと、簡単に誰かを傷つける。」
だから、言葉がズレた時は自分を責めなくていい。
むしろ、ズレたことに気づけたら、それだけで一歩前進です。
大事なのは、
“伝わらない前提で丁寧に話す”
“相手も違う地図を持っていると理解する”
それだけで、コミュニケーションは驚くほど軽くなる。
最後に、今日の小さなおすすめ
今日、誰かと話すときに
たったひと言だけでいいので「補足」をつけてみてください。
「今日中にやります(夕方くらいのイメージです)」
「検討します(2つ案を出してみます)」
「大丈夫です(ここまで終わっています)」
言葉のズレを丁寧に小さくしていくと、
人間関係のストレスが驚くほど減ります。
そして何より、
“あなたの誠実さ”がじわっと伝わるんです。
森が日々の生活の中の気づきからお届けするエッセイ『森の一人語り』
小さな気づきがあなたに変化を与えます。
森が帝京大学で教えている『帝京学』とは?
体育会系のあなたへ
大学を何かを始めてみるきっかけとして使ってみてくださいね。
ちょっとだけ上の先輩の言葉、取り入れてみるといいかもしれません。
自分がいる世界が狭いと感じたら。。。
やりたいことが思い浮かばなくて焦る君へ
社会に出て抱く迷い、疑問。そんな時はこちら
学びの本質とは?
話してるのに伝わらない…そんなジレンマは誰でも抱えたことがあると思います。コミュニケーション力アップの秘訣
会社が合わないと感じた時に読む
インターンの本質について考えてみました。
SNSに一喜一憂してしまう人へ
リーダーシップとはズバリ…
努力しても報われないと感じてしまうそんな時に読んでほしい
https://editor.note.com/notes/n77a1becf7faa/
