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【創䜜倧賞2025応募䜜品・恋愛小説郚門】「僕は君に恋しおる 舞×ナヌゞン線」第1話 意倖な蚪問者

あらすじ

倱恋を機に自身の人生を芋぀め盎した野䞊舞のがみたいは勀めおいた䌚瀟を蟞め、産䌑䞭の埓効の代理ずしお喫茶店で働いおいる。最近知り合ったギタリスト・ナヌゞンに恋心を抱き始めた舞の前に突劂ずしお珟れたのは、前の思い人䞔぀幌なじみの本郷圭二郎ほんごうけいじろう。話を聞くず、プロ野球遞手を蟞めお舞ず新しいこずを始めたいず蚀う。

折しもその堎に居合わせたナヌゞンは、自身も思いを寄せる舞ず、萜ち蟌む圭二郎のため、圌には内緒で応揎歌を䜜るこずを提案。そこから二人の距離は埐々に瞮たっおいく。舞の兄倫婊䞀家、ナヌゞンのバンド仲間、圭二郎の䞡芪含む先茩野球人たちが圌らの背䞭をそっず抌し、成長を促しおいく。

登堎人物玹介

◎野䞊舞のがみたい䞻人公31
元高校球児、野䞊路教のがみみちたかを父に持぀。その父に圱響されお幌少より野球に芪しむ。父の野球郚時代の友人、本郷祐茔ほんごうゆうすけ氏の子どもたちずは幌なじみ。舞は次男の圭二郎けいじろうを奜いおいたが、告癜しないうちに圌の婚玄発衚を耳にし、途方に暮れる。その埌、なんずか立ち盎ったものの、勀めおいた女子野球郚のある䌚瀟は退職。珟圚は「喫茶ワラむバ」で働く。


◎音村祐仁おずむらゆうじん䞻人公26
通称、ナヌゞン。゚レキギタリスト。双子の効匟、セナずリオンがいる。ブラックボックスず蚀うバンド名で掻動しおいたが、サザンクロスず䞀緒にラむブしたのを機に六人組バンドの結成を提案し、実珟させた。


サザンクロスアコギバンド
麗華れいかボヌカルアコギ、拓海たくみアコギ、智節ずもあ぀ボヌカルアコギ
実幎霢は内緒。麗華はメゞャヌで「シンガヌ゜ングラむタヌ・レむカ」ずしお、拓海ず智節はむンディヌズバンド「りむング」の名で掻動しおいたが、拓海の病を機にか぀おのバンド「サザンクロス」を再結成した。
拓海を死の淵から救ったタむミングでなぜか代の容姿に。ミュヌゞシャン歎は幎以䞊。
珟圚はブラックボックスずずもに新しいバンド「サザン×ビヌビヌ」を結成、掻動の幅を広げおいる。


舞

 玄䞀幎、䞖話になった兄倫婊の家を出お、近くのワンルヌムに移ったのは幎初のこず。圌らはずっず䞀緒にいおもいいず蚀っおくれたが、そろそろけじめを付けなければずの思いもあり、匕っ越しを決めた。ずはいえ、転居したのは同じ町内だからい぀でも䌚うこずは出来るし、なんなら毎日顔を出すこずも可胜な距離である。わたしも圌らのこずが奜きだからこその「近居きんきょ」ずいうわけだ。


◇◇◇


 倏の終わりから、産䌑・育䌑を取る埓効いずこのめぐちゃんに代わっお働き始めた喫茶「ワラむバ」での仕事にも慣れおきた。瀟䌚人野球チヌムに属しながら䌁業勀めをしおきたわたしは、孊生時代もずっず野球挬けでアルバむトの経隓もなかったが、店の雰囲氣や双子の店䞻、理人りひずさん、隌人はやずさんの人柄の良さもあっお職堎にはすんなり銎染むこずが出来た。野球奜きのお客さんず話しおいるず、぀い぀い盛り䞊がっお仕事がおろそかになっおしたうこずもあるが、ここは、人々の憩いの堎でもあるので「話し盞手も立掟な仕事」ず、理人さんは倧目に芋おくれる。

 私生掻の方では、昚幎に知り合ったミュヌゞシャンたちず懇意になったこずで音楜の魅力にすっかり取り憑かれおいる。野球をしおいた父の圱響を受けたわたしはそっちの道に進み、぀い最近たで野球に人生を捧げおいたが、幌少の頃から興味があったギタヌを孊ぶ機䌚を埗た今は、匟くのが楜しくお楜しくお仕方がない。それもこれも、ナヌゞンさんが懇切䞁寧に教えおくれるお陰。あんたり優しいから心底奜きになっおしたいそうだが、「生埒」ず「先生」の関係を超えないよう、自制しおいる。

 ずいうのも、倱恋したばかりの頃に出䌚った人をすぐ奜きになるのは「いけないこず」ずいう思いがどうしおも湧いおきおしたうのだ。おそらく、䞀途にひずりの人を愛し続けお結婚に至った実兄や叔父アキ兄さんを間近で芋おきたせいだろう。これたでの垞識を捚おお生きようず決めた割に、未だ頭を切り替えられないわたしがいる。

軜い女に芋られたくないんだろうなぁ  。

 倚分、ナヌゞンさんはわたしに奜意を抱いおいる。そこたでではなかったずしおも、悪くは思われおいないはず。そんな圌に自分の氣持ちを真剣に䌝えれば恋人同士になれる可胜性は高いず思うが、向こうもたたこちらの出方や様子をうかがっおいるのが感芚的に分かるのだ。

焊りは犁物。だけど、守りに培しすぎおもダメ。恋愛っお難しいなぁ  。

 呚りを芋れば、じゃれ合うカップルばかりが目に぀き、氣持ちが急くこずもあるが、そんなずきこそ「わたしはわたし」ず自分に蚀い聞かせおいる。


◇◇◇


 寒さが厳しい䞀月某日の午埌は、珍しくお客さんがひずりもいなかった。音がないのは寂しいからずを流しおはいるものの、人氣ひずけのない店内はやはり物足りなさを感じた。店䞻の理人さんもこう蚀う雰囲氣は苊手のようで、普段なら雑談をしおくるずころだが、今日に限っお静かに野球雑誌を読んでいた。

 誰でもいいから来店しないかな  。そんなこずを思ったずき、タむミング良く店のドアが開いた。

「いらっしゃいたせ」

 ようやく仕事が出来る、ず匵り切っおお客様に笑顔を向けた。が、キャップの䞋から露わになったその顔を芋た瞬間、わたしは衚情を倱い、身動きがずれなくなった。

「ん」

 劙な空氣を察しお顔を䞊げた理人さんは、客の顔を芋るなり「䜕しに来たんだよ  」ず蚀っおカりンタヌから出、わたしの前に立ちはだかった。

「ここは、あんたみたいな人間が来る堎所じゃない。悪いけど垰っおくれ」

「  芪からは、誰でもりェルカムな店だっお聞いたんですが」

「それは建前。おれにだっお客を遞ぶ暩利はある。店員みうちのためなら尚曎だ」
 理人さんは、わたしがその「客」ず䞀悶着あったこずを知っおいる。

「これを芋せおも断りたすか」

 客が出したのは、元プロ野球捕手・氞江孝倪郎ながえこうたろう氏のファンクラブ䌚員蚌だった。喫茶「ワラむバ」には、氞江さんが珟圹時代に着甚しおいたナニフォヌムや甚具などを展瀺したスペヌスがあり、䌚員のみが芋孊可胜ずなっおいる。さすがにそれを芋せられおは理人さんも断れないのか、枋々店の奥に客を通した。

「  あの、店員さん、、、、に展瀺品の説明をお願いしたいんですが」
 芖線を向けられ、どう察応しおいいか分からずにう぀むくず、理人さんがすぐに助け船を出しおくれる。

「説明なんお必芁ないだろう 氞江センパむは珟圹時代、同じくプロ野球投手だったあんたの父芪ず同じチヌムだったんだから。あんたはただ、マむマむず話したいだけ。違う」

「  そうですね。おっしゃるずおり、俺は野䞊舞のがみたいさんず話したくおここを蚪れたした。だから、話せるたでは垰りたせん」

「マむマむが話したくないず蚀っおも」

「話したくないかどうかは本人に聞きたす」
 理人さんが遠ざけようずしおも客は匕き䞋がるどころか、むしろ匷氣な姿勢でわたしの前に立ち続けた。

 どういう意図があっお今曎わたしの前に珟れたずいうのか  。その匷いたなざしを芋る限り、よほどの決意があっおここを蚪れたに違いない。だったらわたしも、逃げるわけにはいかない。

「理人さん、わたし、話したす。それで、どうしおも無理っおなったらそのずきはお願いしたす」

「マむマむ  。だけど、倧䞈倫なの」

 倧䞈倫かどうかは分からない。しかし、立ち向かわなければいけない氣がするのだ。わたしは理人さんの問いに頷き、その埌、客ず察峙する。

「  久しぶりだね、圭二郎けいじろう」

 そう。わたしの前に珟れた客の正䜓は、幌なじみ䞔぀、わたしが長幎恋い焊がれた珟圹のプロ野球遞手。その圌の婚玄を耳にしお人生のどん底を味わったのは、今から䞀幎ほど前のこず。玆䜙曲折の末、最終的には奜きだったこずを告げ、完党に思いを断ち切っお今に至っおいる。

「シヌズンオフだからっお、こんなずころに来る䜙裕があるなんお。もしかしお、干されちゃったの」
 皮肉った぀もりだった。しかし圌は真顔で答える。

「たぁ、䌌たようなものかな。実は  婚玄を解消したこずで、今ちょっずばかり揉めおるずころ。お陰で緎習にも参加させおもらえない」

「はぁ」
 あたりにも衝撃的な話だったので、思わず倧きな声が出る。
「砎談になったっおこず 䜕よ、それ。いったいどういうこずなの」

「たぁ  。元々うたくいく道理はなかったんだ。向こうの芪の政略結婚的な意味合いが匷くお。あヌ、婚玄者の芪はスポンサヌ䌁業の瀟長でね  。圧力がすごかったからお互いに䞀床は意向に埓ったんだけど、やっぱり氣が合わなくお  。結婚しおからじゃ取り返しが぀かなくなるから、その前にけじめを付けようっおこずになったんだ」

 その話を聞いた瞬間、わたしが長幎の想いを告げるために電話した際のこずを思い出した。あのずき既に婚玄者ずそのような話し合いが行われおいたのだずすれば、婚玄者のこずをはぐらかすような反応をしおきたのにも玍埗がいく。

「  その報告をするためにわざわざここぞ」

 確かにずんでもないニュヌスではあるが、いくら幌なじみずは蚀え、わたしの珟圚の勀め先を調べお盎接足を運び、この話だけをしに来るずは思えなかった。匷氣な姿勢で詰め寄るず、圭二郎も䞀歩前に出おわたしの顔ををじっず芋぀めた。

「  俺ず付き合っおほしい。今日はそれを蚀いに来た」

「    」
 わたしは声を倱い、すぐそばにいた理人さんは「ええっ」ず倧きな声を発した。圭二郎は間髪を容れずに続ける。

「  舞に想いを告げられおはっきり分かったんだ。やっぱり俺も舞のこずが奜きだっお。あの時はただ婚玄䞭だったから舞の次の恋を応揎するっお蚀ったけど、今は晎れお自由の身になった。だからこれからは自分の氣持ちに正盎に生きおいく」

「  わたしの方から想いを打ち明けさせおおいお、今曎告癜 あれから半幎以䞊が経っおるっおいうのに、わたしがただあの時ず同じ氣持ちでいるず思っおるの あり埗ないんだけど。それだけじゃない。舞には野球は向いおいない、だから俺ずは䞀緒にいない方がいい  。そう蚀っおわたしを振ったのは、どこのどい぀」

 身勝手な告癜に怒りが噎出した。しかし圌は開き盎っお蚀う。

「舞の氣持ちが倉わっおしたったように、俺の氣持ちもあの時から倉わった。぀たりはお互い様っおこずだよ。  俺は舞ず䞀緒にいたい。そのためなら芪の期埅に応えるこずもやめるし、転職だっおする。  俺のマゞな氣持ちを聞いおも突っぱねる」

「  それっおもしかしお、野球をやめるっおこず」

「舞ず付き合えるなら  いや、結婚も考えおくれるならそうする芚悟はある」

「    」
 銬鹿な発蚀もここたで来るず呆れおしたう。
「あのさ、いくら奜きだからっお、そこたでする っお蚀うか、珟実的じゃないよ、そんなの」

「珟実的かどうか  。問題はそれだけ」

「    」

「舞は俺のこず、完党に嫌いになっちゃったの 顔も芋たくない、声を聞くのも嫌になったっお蚀うなら、今すぐここで平手打ちを食らわせおくれ。それができないっおいうなら考え盎しおくれないかな」

「考え盎すも䜕も  」

「  もしかしお、今ほかに奜きな人が」

「    」
 ナヌゞンさんを「いいな」ず思っおいるこずを蚀うべきかどうか迷い、結局無蚀を貫いた。しかし圭二郎はそれを「む゚ス」だず受け取ったらしい。

「たぁ、俺が舞の背䞭を抌したんだから、誰かに恋心を抱いおいたっおおかしくはないだろう。でも、その様子じゃただ恋仲っおわけでもなさそうだ。なら、俺にもチャンスはある」

「今曎そんなこずを蚀われたっお困るよ  」
 なぜ、前に進み出したわたしの行く手を塞ぐような真䌌をするのか。こっちは心の傷をようやく治し、昔の恋を忘れようずしおいるのに。

 困惑しおいるず、静芳しおいた理人さんが意倖なこずを蚀い始める。

「あのさぁ、マむマむを困らせるような発蚀、やめおくんない っおいうか、そうやっお自分の乱れた心を恋愛で埋めようずするの、良くないず思うぜ。さっきは垰れっお蚀ったけど、悩みがあるなら話は別だ。おれが聞いおやる」

 さすがは理人さん。ずっず黙っお、圭二郎の心の動きを芳察しおいたのか  。

「  やはり、聞いおいたずおり、マスタヌは心の広いお方のようですね。きっず舞もあなたのお人柄に魅了されたからここで働いおいるのでしょう」

 理人さんの蚀葉に感動したのか、圭二郎は少し衚情を和らげた。

「  お心遣い、感謝いたしたす。ですが、マスタヌに聞いおもらうのはもう少し埌にしたす。  舞、仕事が終わっおから䌚えるかな。その頃にたたここぞ来る」

「仕事が終わるのは、䞃時ごろだけど  」

「じゃあ、䞃時に迎えに来るから」
 圭二郎はそういうず、氞江氏のファンクラブ䌚員向けに開かれたスペヌスを芋孊するこずなく垰っお行った。

「迎えに来る  か。信甚、ないなぁ  」
 圌は、終わったら連絡をくれずは蚀わなかった。逃がす぀もりはないずいう意思を匷く感じた。

「  あの、いろいろずありがずうございたした」
 お瀌を蚀うず、理人さんは倧袈裟にため息を぀いた。

「  ったく。しょうもない男だなぁ。マむマむはあんなのが奜きだったの 向こうは本氣っぜいけど、おれはやめずいた方がいいず思うね」

「さすがに未緎がたしいのは、わたしもちょっず  。でも、なんか悩んでるみたいだし、話は聞いおあげようかなっお思いたす」

「二人きりで話すの、倧䞈倫 おれも同垭しようか 閉店埌なら、ここで話しおもいいぜ」

「それもありですね」
 圭二郎は、二人きりで話したいずは蚀わなかったし、堎所の指定もしおこなかった。ならば、䌚うこずを条件にこちらから堎所の指定をしおしたおう。どうしおも話がしたいなら受け入れおくれるはずだ。





 その埌、お茶の時間になるず普段通りの客足が戻った。忙しく過ごしおいるうちに圭二郎のこずはすっかり忘れおいたのだが、圌は䞃時きっかりに戻っおきた。盞倉わらずためな性栌だず、半ば感心する。

「話は聞いおあげる。だけど、堎所はここがいいわ。どっちみち、話す堎所は必芁でしょ」
 CLOSEDの札ず内鍵を掛けたわたしは、そう提案した。

「  それは、マスタヌも俺たちの話を聞くっおこず」

「理人さんがわたしのこずを心配しおるの。圭二郎に劙なこずをされないか、っおね」

「俺は䜕もしないよ」

「本圓にぃ」
 そこぞ理人さんも加わる。
「奜意を持っおる男ず二人きりにしたらどうなるか、誰でも想像が぀くっおもんだろう」

「なるほど  。マスタヌも舞のこずが奜きなんですね。でなければそんなこず、蚀うはずがない」

「お生憎様。俺がマむマむを擁護する䞀番の理由は、野䞊倧センパむ、、、、、の嚘だからだよ。䞇が䞀のこずがあったら、おれの身が危うい」

「あヌ、そっちですか  。確かに、舞のお父さんに知れたら厄介ですね」
 圭二郎はしばし、考え蟌んだ。
「うヌん  。やっぱりマスタヌには聞かれたくないな。  じゃあさ、次の䌑みに二人で䌚えないかな。日垰りでどこかに行こうよ」

 どうしおも䞀察䞀いったいいちで話がしたいらしい。「日垰りで出かけたい」ずいう提案を聞いお、誰䞀人自分のこずを知らない堎所に行きたいず蚀う意味ではないかず、盎感的に思う。理人さんの芋立おでは、䜕らかの悩みを抱えおいるのではないかず蚀うこずだったが、もしかするず圌は盞圓に病んでいるのかもしれない。

「  分かった。実は次の䌑みは明日なんだけど、空いおる」

「ああ  。さっきも蚀ったずおり、緎習に参加させおもらえないからここんずこ、ずっず暇にしおる」

「    」
 せっかく䞀緒に出かけるこずが決たったずいうのに、その声には党く芇氣がなかった。たすたす心配になる。

「じゃあ、決たりね。うヌんず  。どこか、行きたいずころはある 集合堎所ずか時間ずか、擊り合わせないず」

「自然の倚いずころがいいな。あヌ、最寄りの駅に集合しお、そこから電車で移動できた方が舞は楜 そっちに合わせるよ」

「  っお蚀うか、今倜はどこに垰る぀もり たさか垰る堎所もない、なんお蚀わないよね」

「どうかな  」

 わたしの冗談に真顔で返す圭二郎。さすがの理人さんも「ホントに寝るずこがないなら、うち、来る  」ず声を掛けた。

「いや、今倜は実家に泊めおもらうこずにしおるんで  。ここに来おるこずは内緒ですが  」

「なら、実家たで芋送るよ。マむマむの方も。なんか、心配だし」
 理人さんはそう蚀うず、店の奥にいたもう䞀人の店䞻、隌人さんにその旚を䌝え、䞊着を矜織った。わたしも垰り支床を枈たせ、䞀緒に店を出る。





 䞉人で歩く垰路は党く䌚話がなかった。気たずさを感じながらも結局、䞀蚀も話さないたた圭二郎の䞡芪が䜏む駅前のマンションが芋える堎所たで来おしたう。人の倚さに、圭二郎はキャップを目深にかぶり、マフラヌで顔の䞋半分を芆った。

「送っおくれおありがずう。ええず  。明日の埅ち合わせ堎所はそこの駅改札前で」

「改札前  。そこは郜合が悪いんじゃない  」
 長身ず蚀うだけでも目立぀のに、人目を氣にするように顔を隠した人間をそんな堎所に立たせる趣味はない。

「あたしがマンションの゚ントランスたで行くよ。その方がずっず安党のはず」

「  氣ぃ遣っおくれおありがずう。そうしおくれるず助かる。時間はどうする 俺的には早いほうが有り難いんだけど」

「んヌ  。通勀通孊時間垯は混雑するから、それより早くずなるずメチャクチャ早くなっちゃうけど」

「それでもいい。俺は倧䞈倫」

「じゃあ  。六時、でどう」

「ああ、それでいいよ」
 実家にも居堎所がないのだろうか。少しでも早く䌚いたいずいう、焊りのようなものを感じずにはいられなかった。

「了解。それじゃあ、明日の朝六時に、マンションの゚ントランスで」

「うん。  それじゃ、たた明日」
 圭二郎はわたしず理人さんに䞀瀌するず、ゞャケットのポケットに手を突っ蟌み、背䞭を䞞めるようにしお去っお行った。

 姿が芋えなくなったずころで理人さんがぜ぀りず蚀う。
「  おれには、あい぀が心を亡くしおるように芋えた」

「そうですね  」

「マむマむ。明日はあい぀のこず、頌むよ」

「はい。  だけど、どうしお今日初めお䌚った圭二郎をこんなにも想っおくれるんですか 圭二郎が、理人さんの野球郚時代の先茩である本郷祐茔ほんごうゆうすけさんの息子だからですか」

 さっきの理人さんの蚀葉を匕甚しお問うた。しかし予想ずは違う答えが返っおくる。

「䌌おるから  かな。か぀おのおれに。だから、あい぀の氣持ちがなんずなく分かるし、攟っおおけないんだず思う」

「それっお、父に救われたころの  」

「そうそう 野䞊センパむ――マむマむのお父さん――は、荒んでいたおれに寄り添い、理解し、すべおを受け容れおくれた。お陰で改心したんだけど、その恩返しをおれは、お客さんを救うこずで果たしたいんだよね」

 力匷く蚀い切った理人さんが栌奜良く芋えた。
「わたしもその父の遺䌝子を受け継いでいるずいいんですが  」

「倧䞈倫、倧䞈倫。䜕しろ、センパむの野球の胜力は兄さんの方じゃなくお効のマむマむが受け継いだんだから、きっず救う力だっおあるさ」

「本圓に父のこず、尊敬しおるんですね」

「ったり前よ。䜕しろ『神様、仏様、野䞊様』だからな」
 そう蚀っおい぀ものように、パンパンッず顔の前で手を叩いた。
「ううっ   立ち話しおたら寒くなっおきたな。さお、次はマむマむを郚屋たで送ろう」

「  いろいろず、ありがずうございたす」
 深々ず頭を䞋げるず、理人さんは「早く行こうぜ」ず蚀っお先を歩き出した。


※芋出し画像は、生成で䜜成したものを加工しお䜿甚しおいたす。

【二話以降党十六話】

第二話 目撃
第䞉話 察峙
第四話 心に、玠盎に
第五話 倧切な人のために
第六話 支えおくれる人
第䞃話 奜きだからに決たっおる
第八話 圭二郎ぞの手玙
第九話 嫉劬
第十話 ただ、䌚いたくお  
第十䞀話 愛する人のために
第十二話 戞惑い
第十䞉話 応揎歌䜜り
第十四話 ラむブ
第十五話 キミに送るメッセヌゞ
最終話 僕は君を愛しおる

いいなず思ったら応揎しよう

いろうた愛ず調和を描く芞術家 芞術家が集う癒やしの堎を提䟛するのが倢。共感者を倧募集䞭💖蚘事を読んでずきたらお声がけを💕䞀緒に愛ず調和の䞖界を物語りたしょう💖