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【創䜜倧賞2025応募䜜品・恋愛小説郚門】「僕は君に恋しおる 舞×ナヌゞン線」第二話 目撃

2舞

 六時きっかりに到着したのに、圭二郎はマンションの゚ントランスで既に埅っおいた。その様子から想像するに、かなり前からここにいたのだろう。既にくたびれた顔をしおいる。

「䌚いたかった」

「  いったい䜕時からここにいたの」

「  いこう」 圭二郎はわたしの問いには答えず、マスクずマフラヌ、キャップで顔を芆い隠すずすぐに歩き出した。





 早朝の駅呚蟺は思いのほか混んでいた。改札に吞い蟌たれおいく人は皆、こんなに朝早くから電車に揺られお出勀するのかず思うず頭が䞋がる。

「意倖ず人、倚いな  」 圭二郎もぜ぀りず぀ぶやき、たすたす顔を隠した。

「どうする もう少し時間をずらす あるいは、タクシヌ䜿うっお手もあるけど」

「  倧䞈倫。倚分」 わたしの提案を圭二郎は拒吊した。「東京方面はずもかく、反察方面なら少しは空いおるんじゃないかな。  ああ、そうだ。子䟛の頃、俺たちきょうだいずそっちの家族ずで䜕床か行った県営の自然公園。あの蟺は人が少ないから、そこに行きたい」

 圭二郎が行きたいず蚀った堎所は、確かにこの駅から出おいる私鉄に乗れば行き着くこずが出来る。公園の区域は開攟されおいるから、早めに぀いおしたっおもすぐに散策できるはず。園内は広いので、人目を氣にするこずもないだろう。

「分かった。じゃあ、自然公園に行こう」 目的地が決たったずころで改札を抜け、ホヌムに向かう。

 圭二郎の読み通り、確かに䞋り線のホヌムは東京方面行きよりは空いおいた。それでも倚くの人が、次に来る電車に乗るため䞊んで埅っおいる。

 皋なくしお電車が到着する。が、既にそれなりの人数が乗っおいお、K駅からの乗客が乗り蟌むず、満員ずたでは行かないたでもかなり窮屈になっおしたった。

「  満員電車に乗ったこず、ある」

「ない」

 圭二郎は父芪がプロ野球遞手だったので、移動は基本的に芪か、お手䌝いさんの運転する車。ひょっずするず、電車にはほずんど乗ったこずがないんじゃないだろうか。

「初めおの満員電車で、倧䞈倫   無理、しおない  」

「舞がいおくれれば、倧䞈倫  」 満員に近い車内ず揺れに乗じお圭二郎がわたしの背に腕を回す。しかし、力の入れ方が少し、おかしかった。なんだか、苊しそうな  。

「  次の駅で、䞀旊降りよう」

 隙間のない車内。ドアが開いた瞬間に圭二郎の腕を取り、人をかき分けるようにしおなんずか降りる。乗車する人がわたしたちを䞍審な目で芋たが、構わず人の波を逆行し、空いおいるベンチに圭二郎を座らせる。

「  なんで降りたんだよ。倧䞈倫だっお、蚀っただろう」 睚んできた目に力はなかった。

「良く蚀うわ。党然倧䞈倫なんかじゃないくせに」

「    」

「蚀いたいこずがあるなら、包み隠さず話しおよ。堎所はどこだっお構わないでしょう」

 急にわたしの前に珟れたり、乗ったこずのない電車に乗っお出かけたいず蚀ったり  。昚日䌚ったずきから、わたしの知る圭二郎の行動ではないず感じおいた。わたしにしか蚀えない悩みがあるのだずしたら、早くそれを打ち明けお欲しい。隠されおいる方がこちらずしおは蟛い。

 圭二郎は顔を䌏せお蚀う。「満員電車をナメおたのは確かだ。でも、少し䌑めば倚分、倧䞈倫」

「そうは思えないけど」

「  舞。話したいこずはたくさんあるよ。だけど、ただ蚀えばいいっお問題でもないんだ。  分かっおくれ。俺は、これたでしおきたこずの逆がしたい。今はそういう氣持ち。だから、電車にも乗りたいし、自然の倚いずころにも行きたいんだ」

「あぁ、そういうこず  」 今の発蚀で、圭二郎が奇行に出た理由がなんずなくわかった。だが、もしわたしの想像の通りだずすれば、圭二郎は盞圓、心を病んでいるこずになる。

「  ずにかく、ゆっくり行こう。今日はただ始たったばかりだもの。  もう、そんな姿勢しないの らしくないよ」 䞞たった背䞭をビシッず叩く。

「いっおぇ  。でも、これぞ、舞っお感じ。今日、䌚う玄束を取り付けられお良かったっお、改めお思うよ」 盞倉わらず背䞭を䞞めたたた、圭二郎はくすくすず笑った。





 䜕本かやり過ごし、比范的空いおいる電車に乗り蟌む。それでも頻繁に人が乗ったり降りたりしお車内が混雑するので、そのたびに圭二郎の調子が悪くなった。䜕床も乗降を繰り返し、䌑みながら移動する。

「実はわたしもあたり電車は利甚しないんだよね  。もう少し調べおから䌚う時間を決めれば良かった。ごめんね」

「いや、構わないよ。俺が電車に乗りたいっお我が儘を蚀ったんだ。舞は悪くない」

「そう蚀われおも、眪悪感はあるよ」

「  䞀床こう蚀うの、経隓しおみたかったんだ。だから、これでいい」

「  もしかしお、『普通』に憧れおるの」

「そうかもしれないし、違うかもしれない」

「はっきりしないなぁ  」

「  たぁ、あずで話すよ」





 結局、県営の自然公園の最寄り駅に着いたのは九時ちょうど。ずいぶん時間がかかっおしたったが、乗客が枛りだしおからは圭二郎も萜ち着きを取り戻し、顔色も良くなった。これには誰よりも圭二郎自身がホッずしおいる様子だ。

 䞋車した駅の人氣ひずけはたばらだった。䜙裕が出おきたからか、はたたた人の少なさに安心したからか、圭二郎はマスクを倖した。

「ふぅっ  。こい぀を぀けおるず息苊しいんだよな。でも、俺ず氣付かれるのも面倒だし  」

「有名人も楜じゃないんだね」

「そう  。本圓に自由がない。おちおち電車にも乗れない」

「なのに、今日は電車に乗るのにこだわった、ず。『普通』を䜓隓したくお」

「ああ  。だけど、あれはキツいな。毎日乗っおる人の氣が知れない」

「通勀通孊に電車を利甚しおる人はきっず慣れっこだから、キツいずも思っおないんじゃないかな」

「それはそれですごいこずだ」 圭二郎は肩をすくめたあずで、わたしに右手を差し出した。「  寒くないか 俺ず手、繋がない」

「  倧䞈倫。ちゃんず手袋もっおきおるし」

「そっか  。それは残念だ」 圌はもう䞀床肩をすくめ、わたしの䞀歩先を歩き出す。





 県営䞘陵゚スきゅうりょう自然公園は珍しい野鳥が飛来するこずで有名な堎所だ。たた、幎間を通しお季節の花々が芋られるため、老若を問わずカップルや倫婊、家族連れが倚く蚪れる。

「わあ、懐かしいなぁ」

 ほずんど倉わっおいない景芳を芋お、幌少期の蚘憶がよみがえる。子䟛の頃に連れおきおもらったずきは、遊具が蚭眮された広堎で駆けずり回ったり、それこそキャッチボヌルをしたりしお遊んだものだ。

「忙しいうちの芪に代わっお、舞のお父さんが俺たちきょうだいず舞をよくここに連れお来おくれたんだよな」

「そうだね。もっずも、子䟛の䞭で最幎長だったお兄ちゃんは぀いおきた䟋しがなかったけど。  それもそっか。わたしが小䞀の時、お兄ちゃんはもう䞭䞀だったんだもんなぁ」

「そんなに離れおるんだっけ」

「うちのお兄ちゃんは圭二郎の兄そうたさんの二個䞊。圭二郎からするず、四個䞊かな」

「  そっか。でも、あんずきゃ創倪も俺たちず䞀緒に遊んでたけどなぁ」

「たぁ、お兄ちゃんはわたしたちず違っお芞術肌だから」

「翌はそうだよなぁ  」 圭二郎は兄の顔を思い浮かべおいるのか、空を芋やった。「  俺も翌みたいに、芪の期埅を裏切るこずが出来おたら人生、違っおたのかな」

「え  」 思いがけない発蚀に戞惑う。「プロにたでなっずいお  。実は野球が奜きじゃなかったっお蚀うの」

「奜きは奜きだよ。でも  芪のプレッシャヌなしにここたでやっおきたかず聞かれれば、俺ははっきりずいう。それに、奜きなだけじゃ出来ないのがプロの䞖界だ。俺はそれを、実際に入っおみお痛感した。婚玄もその䞀぀」

「    」 あたりにも衝撃的な話に蚀葉も出ない。圭二郎は続ける。

「ほかは知らないけど、野球界には特殊なルヌルが存圚する。それに埓っおるや぀は、自分を倱う代わりに生き残るこずが出来るが、反発するや぀は、野球界から攟り出される。そしおそのルヌルの䞭にはスポンサヌの意向が倚分に含たれる。  俺は今回の婚玄のこずで、そのルヌルに埓うこずがずこずん嫌になったんだ。これ以䞊埓っおいたら俺は病んでしたう。だから、自分が操り人圢ず化す前になんずしたかった」

「それで婚玄を取りやめたの  」

「そういうこず  。埌悔はしおない。むしろ、こう蚀う時間を持おるこずに喜びすら感じおる」

「だけど、それじゃあ本圓に球界を远われるこずになるんじゃ  」

「なるかもしれないけど、俺はそれでも構わない。  蚀っただろう 舞が結婚しおくれるなら転職する芚悟もあるっお」

「  わたしを圭二郎の家のこずに巻き蟌みたくないから」

 婚玄䞭の圭二郎に奜きだったこずを告癜したずき、圭二郎もたたわたしを奜いおいたこずを聞かされた。が、想いを告げなかったのは、わたしを野球䞀家の䞀員にしたくなかったからだず  。

「ああ。前にも蚀ったずおり、舞には野球挬けの生掻をさせたくない。俺だっおこれからは野球ず関係ない人生を送りたいず思っおる。俺の人生は俺が決める。そういう぀もりで話しおる」

「野球しかしおこなかった人に䜕が出来るっお蚀うの」

「  それは舞だっお同じだろう 二人で探しおいこうよ。野球以倖に出来るこずを」

 その誘いはずおも魅力的だった。しかし、わたしず圭二郎ずでは、野球を離れようず決意するに至った原因がたるで違う。立堎も違う。簡単に返事などできるはずがなかった。

 そのずき、スマホが振動した。誰かからのメヌルを受信したようだ。

こんなに朝早く、いったい誰だろう  

「あヌ  。ちょっず喉が枇いちゃったな。あそこの自販機で飲み物買っおくるね」 わたしは前方に芋えた自動販売機たで走り、飲み物を遞びがおら圌に背を向ける栌奜でメヌルをチェックした。

あ、ナヌゞンさんからだ   
䞭身を芋おみるず、今晩の食事のお誘いだった。レッスンも出来るずいう。
食事にレッスン぀き もう   絶察行くし

 しかし今は圭二郎ず䞀緒にいる。わたしは玠早く『です』ずだけ入力し、返信した。

「  誰かにメヌル もしかしお、男」 圭二郎の声が聞こえた瞬間、背筋が凍った。さっきたで向こうにいたはずなのに、わたしがスマホに意識を向けおいた数十秒の間に移動しおきたのか  。平静を装おうずしたがうたくいかない。

「誀魔化そうったっお無駄だよ。舞は感情がすぐ顔に出るからな」

 今日ほど自分のクセを呪ったこずはない。「  そうよ」 玠盎に癜状するこずしか出来なかった。



3ナヌゞン

 サザン×ビヌビヌず蚀うバンドは、゚レキ匟きのオレずボヌカルの効・セナ、そしおキヌボヌドの匟・リオンからなる「ブラックボックス」ず、䞉人党員がアコギ匟きの「サザンクロス」の蚈六人で構成されおいる。結成にあたり、ギタリストが倚すぎるのではないかず指摘されお急遜、オレが昔やったこずのあるドラムを叩くこずになったものの、やっぱり身が入らず、我が儘を蚀っお元の゚レキギタリストに戻しおもらった経緯がある。

 それに䌎い、䞻に週末に入っおいる仕事の合間を瞫っおは「ドラマヌ探し」をしおいる。しかしこれがなかなか芋぀からない。ドラムが叩ける人は芋぀かっおもオレたちが所属する、メゞャヌずむンディヌズの䞭間に䜍眮する䌚瀟「ゆうび奏瀟そうしゃ」の方針を聞くなり申し出を断られるケヌスが埌を絶たないのだ。

 今日、面䌚したドラマヌに至っおは、最悪なこずに「サザンクロス」が垂営球堎を貞し切っお行った初ラむブに悪印象を持っおおり、䌚った瞬間から愚痎を聞かされる矜目になった。奇しくも圌は、反瀟䌚的な歌を䞖に攟っおいた「サザンクロス」の掻動を劚害する目的で同日に執り行われた「ハむスカむ・ミュヌゞック」䞻催のミュヌゞックフェスでサポヌトミュヌゞシャンをしおいたのだずいう。しかし最終的にアリヌナ客のほずんどを「サザンクロス」に奪われおしたったこずで自分の芋せ堎が倱われ、それ以来ずっず根に持っおいるず蚀うこずだった。

「ちっ。朝䞀なら䌚えるっお蚀うから来おやったのに、蚀うこずは愚痎かよ。アリヌナ客がこっちに流れおきた䞀番の芁因は、プロデュヌス力の違いだっお蚀っおも聞きゃあしない。あんなや぀、たずえ腕が良くおも僕はお断りだね」

 今日のドラマヌ探しが空振りに終わったからだろう、先方の元から匕き䞊げるなり智ずもさんががやいた。

「  もう䜕床蚀ったか分からないけど、すみたせん。オレが我が儘蚀っお、゚レキに戻っちゃったせいで皆さんにご迷惑を  」

「ナヌゞン それは蚀わない玄束でしょう みんな奜きな楜噚を匟いたり歌ったりしおるバンドなんだから、ナヌゞン䞀人が我慢する必芁なんおないのよ」

 ――そうだぜ。今日に限っお蚀えば、恚たれおるのは俺ら䞉人であっおナヌゞンじゃない。それに、ドラマヌがいなくたっおなんずかなるんだ。そんなに責任を感じるこずはないぜ

 メンバヌの麗華さんは矎声で、声を倱っおもなおミュヌゞシャンで居続ける拓海さんは手話で、それぞれオレを励たした。

「そういうこず たぁ、氣長にやりたしょう。  あ、そうだ せっかくこんなずころたで来たんだし、みんなで芳光しおいかない 普段は忙しくおなかなかこういう機䌚もないし」

 麗華さんの思い぀きに、みんなの衚情がぱっず明るくなった。ここは郜心から二時間ほど離れた山間の町。これず蚀っお目立った斜蚭はないが、山の䞊の展望台から芋える景色は絶景だず聞いたこずがある。

芳光、ねぇ  。

 散々愚痎を聞かされお粟神が参っおしたったオレは、党くそういう氣分になれなかった。普段なら熟睡しおいるような時間に目芚たしを掛けお起きたから、寝䞍足だずいうのもある。それに、このメンバヌで芳光するのはちょっず、違う。

「皆さんはどうぞ、ゆっくりしおいっおください。オレは䞀足先に䞊がらせおもらいたす」

「えヌ お兄ちゃんも行こうよヌ」
 効のセナが匕き留めるように蚀った。

「そうだぜ。氣分転換は必芁だろう」
 匟のリオンも同様のこずを蚀ったが、今日はどうしおもみんなず䞀緒にいたくなかった。

「週末もむベントが控えおるし、今日は心身を敎えおおきたい。氣分転換も確かに倧事だけど、こうやっおポッず時間が出来たずきにこそ、緎習しおおきたいんだよ」

「え、緎習  」
 語氣を匷めお蚀ったからか、セナが䜕かを察したような衚情をする。
「あヌ、アタシ分かっちゃった そうだよね、暇が出来たらそりゃあ、お兄ちゃんだっお  」

「あ、そうか、そうか。おれも分かったぜ」
 リオンも勘づいたらしく、二人は顔を芋合わせおうなずいた。

「なんだよ、お前ら。そんなに嬉しそうな顔をしお」

「ううん。䜕でもない。  それじゃあ、アタシたちは芳光しお垰るね。遅くなるかもしれないけど、構わないよね」

「ああ、どうぞお奜きに」
 呟くように蚀ったオレは、みんなから離れるずすぐに最寄りの駅に向かった。





 六人での曲も増え、アルバムもいよいよ発売、ず蚀うずころたで来おいる。出来は䞊々。りェブチャンネルで告知した際の反応もいい。バンド掻動は実にうたくいっおいる。なのに、オレの氣分は晎れない  。

 原因は分かっおる。䞀぀はさっきあげた、ドラマヌ探しが思うようにいっおいないこず。二぀目は、メンバヌの䞭でオレだけが思い人にすぐ䌚えないこずだ。

 サザン×は、麗華さんず拓海さん、セナず智ずもさん、そしお今日はここにいないが、アルバムのゞャケット画を担圓しおくれおいる、さくらさんずリオンが思い合う関係になっおいる。さくらさんは画家だが、もはやサザン×のメンバヌの䞀員ず蚀っお良く、䌚えばリオンずばかり話しおいる。

 肝心のオレの思い人はずいうず、さくらさんの友人に圓たる野䞊舞のがみたいさん。オレのギタヌ挔奏に惚れ蟌んだ圌女からギタヌを教えお欲しいず頌たれたのがきっかけで、䜕床も䌚ううちに「いいな」ず思うようになった。ただ、圌女は珟圚、喫茶店で働いおおり、䌚うにはオレが店に行くか、オレの掻動が䌑みの時にギタヌレッスンをしお䌚うか、のどちらかになっおしたう。基本的にオレの方が䌑みが少なく、この頃は月に䞀床䌚えるかどうかずいった状況。なので、バンド内恋愛を楜しむメンバヌが矚たしいし、そんな圌らに芳光しようず誘われおも楜しめるはずがない。

 そう。二人にはバレおしたったようだが、オレはこれから舞さんのずころに行こうずしおいる。唐突に空いた時間、誰ず䞀緒に過ごしたいかず聞かれればもちろん  。

 舞さんの魅力はなんず蚀っおもその笑顔。感情が顔䞭に溢れるずいうか、想いが顔に出おしたうず蚀うか、ずにかく嘘が぀けないタむプで、レッスン䞭にオレが耒めるずメチャクチャ恥ずかしがったり喜んだり  。ず、わかりやすすぎる反応を瀺す。それがかわいくお぀い、揶揄っおしたう。

 結局思いが届かなかった麗華さんのこずは今でも奜きだけど、冷静になっおみお思うのは、やっぱり幎霢差がありすぎたな、ず蚀うこず。倚分麗華さんは圓時も今もオレのこずを子䟛だず思っお接しおる。だからオレがどんなに愛をささやいおも本氣にしおもらえなかったし、「少幎がかわいいこず蚀っおるな」で片付けられおしたったのだず思う。

 かくいう舞さんも幎䞊である。が、歳はオレの五぀䞊。圓然のこずながら麗華さんず比べれば圧倒的に話が合うし、䟡倀芳も近い。それに、互いに党く違う分野で掻動しおきたから、双方が自分の埗意分野を教えるこずで刺激しあえる。オレはそれがすごく氣にいっおいおこの先も続けおいきたいず思っおるんだけど、果たしお圌女はどう思っおくれおいるのだろうか。

 オレの䜓感では、圌女はオレに奜意を寄せおいる。だけどお互いに倧人だし、双方ずも倱恋したばかりだから様子を芋ながら少しず぀距離を瞮めおいく぀もり。





 駅に着き、止たっおいた電車に飛び乗る。電車は皋なくしお発車し、東京方面に走り出す。

 東京方面、ず蚀っおもここは隣接する県の䞭でも山偎に䜍眮する堎所。舞さんの勀め先に行くためにはもう䞀本、乗り換えなければならない。

 乗換駅には十五分で到着した。ずころが接続埅ちがないらしく、オレは寒颚が吹く人気ひずけのないホヌムで二十分も埅぀矜目になった。さすがに座っお埅っおいようず思い、ベンチを探すもホヌムの䞀番奥にしかない。仕方なくそこたで歩いおようやく座る。

 寒さに震えおいるず、電車がやっおくるずいうアナりンスが入った。だが、入線したのは向かいのホヌム。寒さをしのぐために駅舎で埅っおいた人がちらほらずホヌムに珟れ、電車が停止するのを今か今かず埅っおいる。

 オレもはじめからあそこで埅っおりゃ良かった  。冷え切った身䜓に鞭を打ち、切笊売り堎のある駅舎に足を向ける。ひなびた田舎の駅。乗り降りする乗客は少ない。

 だからだろう、降りおきた人に目が留たっおしたったのは。

「え  」
 数十メヌトル先。ホヌムに降り立った女性の背䞭はあたりにも舞さんに䌌おいた。䞀緒に降りたのは男性で、カップルのようにも芋えるから他人のそら䌌かもしれないが、ショルダヌバッグやゞャケット、スニヌカヌを芋る限り、舞さんに間違いなさそうだ。

だずしたら、どうしおこんなずころに  

 確かこの近くにも自然豊かな公園があり、䞭には動物園も䜵蚭されおいるから、䞀緒にいる男性ずそこに遊びに行くずころだ、ず考えれば䜕ら䞍思議はない。しかし、オレが玍埗できないのは盞手が男である点だ。それだけじゃない。

どこかで芋たこずがあるんだよな、あの人  。

 顔は芋えない。だけど長身でガタむのいいその男性を、オレは知っおいる氣がする。でも、どこで芋たのか、思い出すこずが出来ない。

 远いかける   いや、片思いの盞手の埌を぀けるなんお、そんなストヌカヌみたいなこずは出来ない。だけど  芋なかったこずにも出来ない。

 迷っおいるうちに二人の姿は芋えなくなり、駅舎で身䜓を枩めようず思ったずきにはもう、乗る予定の電車が到着するずいうアナりンスが流れおきおしたった。

今日は぀いおるんだか、぀いおないんだか  。

 電車に乗り蟌んだオレは、座垭に身を預けたあずで舞さんにメヌルを䞀通、送るこずにする。

 ――今日は仕事が早く終わりそうなので、もし良かったら䞀緒に倕食でもどうですか 䞃時に喫茶店ワラむバたで迎えに行きたす。ギタヌのレッスンも出来たすよ。連絡、埅っおたす。

 今芋かけたのが舞さんだったずすれば、甚事が枈むのはきっず倕方以降だろう。別人だった堎合でも、今日が圌女の出勀日なら、二人きりで䌚えるのは閉店の䞃時以降。そうでなくおもこんなに朝早くからメヌルしお「今から䌚えたすか」ず尋ねるのは氣が匕けるので、ちょっず嘘も亀え぀぀、過去に䌚ったずきず同じ時間垯でアポを取っおみる。

 もちろん、さっき芋たのが党くの別人䞔぀、舞さんが䌑み䞔぀、すぐに䌚えるず連絡をくれるのが䞀番理想的ではあるが  。

どうか、さっきの男が圌女の恋人じゃありたせんように  

 せっかく奜きな人が出来たっおのに、想いも䌝えないたた終了なんお悲しすぎる  。


続きは第䞉話ぞ

※芋出し画像は、生成で䜜成したものを加工しお䜿甚しおいたす。


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