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豆アジで乗らん理由|アジングのフックサイズには下限がある

アタリはあんのに、乗らへん。

コツ、コツ、って手元まで来てんのに、合わせたら空振り。上げてみたらワームの尻尾だけ齧られてる。あれ、ほんまに腹立つやんか。ウチも豆アジの群れの真ん中で、それをずっとやり続けた夜があるわ。指先だけ冷たなって、何が起きてたんかも分からんまま帰ったやつ。

先に結論から言うわ。乗らへんのは、あんたの腕やない。 ほんで、フックを小さいのに替えたら直る、とも限らへん。

というのも「乗らん」って呼んでる現象は、ほんまは3箇所で別々に起きてるからやねん。口の外・口の中・口から出たあと。原因も対処もちゃうのに、ぜんぶまとめて「乗らん」の一言で呼んでるから、話がややこしなる。ほんで、フックサイズが引き受けてんのはそのうち真ん中の1箇所だけや。

これ、ウチが勝手に言うてるんちゃうで。34(サーティフォー)っていうアジング専門のメーカーが、豆アジ用ジグヘッドの製品ページの一行目にこう書いてる。「兎に角アタるのにフッキング出来ない。こんな悔しい事はないと思いませんか?」。メーカーが商品名にするくらい、みんな同じとこで転んでるっちゅうことやな。

今日は、その真ん中の1箇所——フックサイズの話をする。何番を買うたらええんかまで、ちゃんと落とすからな。



「乗らん」は、3箇所で別々に起きてる

先に地図を置いとくわ。アジが食いに来てから逃げていくまでを、3つに割る。

口の外 → そもそも吸い込まれてへん
口の中 → 吸い込まれたけど、針先が触れてへん。あるいは大きすぎて入りきってへん
口から出たあと → 掛かったけど、外れた

いちばん最初の「口の外」は、フックの仕事やない。ここは立ってる場所とレンジと重さの担当や。アジがそもそもリグを見つけてへん、あるいは見つけたけど食う気になってへん。この状態でフックだけ替えても、なんも変わらへん。当たり前やんな、口に入ってへんねんから。

真ん中の「口の中」が、今日の主役やで。吸い込まれた。でも掛からへん。ここでだけ、フックのサイズがものを言う。

ほんで最後の「口から出たあと」。掛かったのに外れる、いわゆるバラシな。ここはフックの形とアワセの大きさが効いてくる。サイズやなくて形、っていうのが今日のミソやから覚えといて。

自分がどこで転んでんのか分からんまま道具を替えると、たいてい効かへん。効かへんから、また別のを替える。その繰り返しで箱の中だけ増えていく。ウチも通ってきた道やから、よう分かる。


豆アジは「小さい個体」やなくて、今年の魚

そもそも豆アジって何なん、という話からいくわ。

東京都島しょ農林水産総合センターの図鑑がおもろいことに、マアジの地方名のとこに「マメアジ(小型魚:関西)」てちゃんと載せてくれてる。ウチらの言い方が図鑑に載ってるんは、ちょっと嬉しいわ。

ほんで同じページに成長が出てる。生後1年で体長10〜18cm、2年で18〜25cm、3年で20〜30cm、5年で35cm。夏の防波堤で釣れる10cm前後のやつを、ここでは「一年アジ」て呼んでる。つまりウチらが豆アジって呼んでる10〜15cmの魚は、ほぼ今年生まれた子やねん。小さい種類のアジがおるわけやなくて、単純に学年が下ってこと。

もうひとつ、同じページに食性のことも書いてある。ふ化したての仔魚は小型の動物プランクトンを食べてて、成長するにしたがって魚食性が強くなる、と。つまり大きいアジほど「魚を追って食う」側に寄っていって、小さいうちは「漂うてる小さいもんを吸い込む」側におる、という順番で育つわけや。

体が小さいということは、口も小さい。吸い込む力も弱い。ここまでは誰が考えても分かる話やんか。ただ、そこから先——「ほな小さい針にしたらええんやろ」で終わらせてまうのが、いちばんよくある落とし穴やねん。この話は後でみっちりやるわ。


立ってる場所が明るすぎるだけ、という可能性は先に潰す

あと、これだけ先に言うとく。豆アジしか釣れへん夜っていうのは、そもそも立ってる場所が明るすぎるサインやったりもする。常夜灯の明るい真ん中には体を晒せる小さいのが集まりやすいからな。

フックを一段落とす前に、一歩暗いほうへ動いてみる。それでサイズが変わるんやったら、そもそも今日はフックの話やなかった、ということになる。


フックサイズが引き受けてんのは、口に入るかどうかだけ

ほな本題や。フックを小さくすると、何がどう変わるんか。

ここはメーカーの人がはっきり書いてくれてる。DUOのソルトプロスタッフで、テトラワークスというブランドの責任者をやってはる萩原トオルさんが、豆アジングのレポートでこう説明してはる。

豆アジは口が小さいため大きすぎるフックサイズは吸い込むときに口の中に一気に入りきらずバイトがあったとしてもなかなかフッキングが出来ない場合が多くなる

大事なんは「一気に入りきらず」のとこや。アジは噛みつく魚やない。水ごと吸い込む魚や。せやから、口の入口に対してフックがデカいと、吸い込む水の流れに乗り切らんと、ヘッドだけ口の手前で止まってまう。手元には「コツッ」ときてる。でも実際には、リグはまだ口の外におる。これが空振りの正体やねん。

萩原さんはヘッドの重さのほうも同時に落としてはる。使うウエイトは0.3gと0.5gが基準で、使っても0.8gまで。理由は「吸い込む力の弱い豆アジに対して少しでもヘッドのウエイトを軽くすることにより吸い込むときの抵抗感を意図的に減らす」ためや、と。

ここ、大事なとこやから線を引いとくで。萩原さんは、フックサイズと重さの2つを同時に動かしてはる。これは現場ではよくやることやけど、初心者が真似すると「どっちが効いたんか分からへん」という状態にまっすぐ落ちる。


別のツマミやという証拠は、ダイワの棚に出てる

「重さとフックサイズって、結局セットちゃうん?」と思うやろ。ちゃうねん。別のツマミや。

証拠は売り場にある。ダイワの月下美人アジングジグヘッドは、フックサイズが#8・#10・#12の3種類あって、そのそれぞれに0.5g・0.8g・1.0g・1.3g・1.5gっていう重さが用意されてる。つまり重さをそのままにして、フックの番手だけ一段落とすことができるように棚が組まれてるわけや。

これ、地味やけどめちゃくちゃありがたい設計やと思う。変える条件はいっぺんにひとつだけ、というのがウチの基本やねんけど、それをメーカー側が担保してくれてるってことやからな。

ただし完全に独立してるわけでもない。同じシリーズでも#12は1.5gまでしか無くて、2.0gと2.5gは#10と#8にしか用意されてへん。重たいヘッドに極小のフックっていう組み合わせは、そもそも作られてへんねん。

重さそのものの決め方は、それ一本でごっつい話になるからここでは踏み込まへん。気になるんやったら覗いてみて。


小さくしすぎたら、今度は触れへんくなる

ほな、フックはちっちゃければちっちゃいほどええんか。

ここで話がひっくり返る。さっきの34が、オープンゲイプっていう独特な形のジグヘッドを出してて、その理由をこう書いてる。

その瞬間に少しでも針先が口の中に触れる事で吐き出す時間が長くなれば

「その瞬間」っていうんは、アジがリグを吸い込む一瞬のことな。読んで分かるとおり、針先が口の中の壁に触れてほしいという設計や。触れたら、アジは違和感で吐き出そうとする。けど触れてるぶんだけ、吐き出すのに時間がかかる。その時間を稼ぐために、わざわざ針の懐を開いてある。

さあ、萩原さんとぶつかったやんか。片方は「小さくして、まるごと口に入れろ」。もう片方は「口の中で針先を触れさせろ」。小さくしたら、触れる面積は減る。真逆のこと言うてるように見える。

けど、これ両方とも正しいねん。見てる工程がちゃうだけや。

■ 萩原さん → 口に入るかどうか(入口の話)
■ 34 → 入ったあと、出ていくまで(滞在時間の話)

アジの口の中でリグが過ごす時間は、「入る」と「出る」の2段階に分かれてる。萩原さんは1段目を、34は2段目を潰しにいってる。1段目が済んでへん人がいくら2段目の道具を握っても意味ないし、1段目だけを極めて針を小さくしすぎたら、今度は2段目でスカを食う。

つまり、こういうことや。

フックの小ささには、下限がある。

小さいフックは「掛けるための道具」やない。「口に入れてもらうための道具」や。入れてもろたあと掛けるんは、また別の仕事やねん。せやから、乗らんからいうて番手を2つも3つも落としていくと、どっかで必ず逆効果の側に踏み込む。


34は、豆アジ用を2段に割ってる

どのへんが下限なんか、っていうのは正直ウチにも一発では言えへん。漁港によっても魚の型によっても変わるからな。

ただ、メーカーがどう刻んでるかは見といて損はない。34の豆アジ用は、実は2種類ある。

■ ザ豆 → 豆アジをフッキングするために作られたやつ。ページには「豆アジの口の大きさに合わせて当然小さくし」と書いてある
■ 小豆(こまめ)ちゃん → 「ザ・豆がターゲットにしていた15cm前後のアジよりも更に小さい豆アジ」用

つまりこのメーカーは、豆アジという言葉をさらに2段に割ってる。15cm前後と、それより下や。ウチらが「豆アジ」の一語で片付けてる範囲の中に、作る側は段差を見てるっちゅうことやな。

線径も刻んである。ダイヤモンドヘッドなんかで使うてる線径が0.51mmで、ザ豆はそれより0.08mm細い0.43mm。0.08mmって聞いたらアホみたいな差やけど、その0.08mmのために別の商品にしてあるわけや。


「乗らん」の中身が変わったら、それは効いてる合図

一段落としたあと、どこを見たらええか。匹数やないで。アタリの出方や。

空振りばっかりやったんが、掛かるけどすぐ外れる、に変わったとする。これ、失敗したように見えて、実は前進や。転んでる場所が「口の中」から「口から出たあと」に移動したということやからな。ほな次にやることは、フックをさらに小さくすることやない。ここから先は形とアワセの話になる。

逆に、一段落としても何も変わらへんかったら、そもそも転んでる場所が「口の外」やった可能性が高い。フックの箱を閉じて、立ち位置かレンジのほうに戻る。


ゲイプの開きは、掛けやすさやない。どっちの事故を潰すかや

ここまで「大きさ」の話をしてきたけど、フックにはもうひとつ、大きさとは別の顔がある。ゲイプ——針の軸と針先のあいだの開きな。

これがな、おもろいことになってんねん。さっきから出てる34、同じ会社の中でゲイプの向きが真逆の商品を持ってる。

■ ダイヤモンドヘッド、ストリームヘッド → オープンゲイプ(開いてる)
■ 小豆ちゃん → 「あえてクローズドゲイブにすることで極豆がバレないよう工夫」(閉じてる)

同じメーカーで、同じ人が監修してて、開くほうと閉じるほうの両方を出してる。どっちかが失敗作、っていう話やないで。

答えは、さっき引用したオープンゲイプの理由のとこに書いてある。開いてるほうは「吐き出す時間を稼ぐ」ため。つまり口の中で起きる事故を潰しにいってる。ほんで閉じてるほうは「バレないよう」。掛かったあとに起きる事故を潰しにいってる。

つまりこういうことやねん。

ゲイプの開きは、掛けやすさの目盛りやない。どっちの事故を潰すかっていう選択や。

カタログで「オープンゲイプ=フッキングがええ」と読んでしまうと、閉じてるほうが劣ってるように見える。ちゃうねん。潰しにいってる事故が別なだけや。

ほんで、これは34だけの話やない。ティクトのアジスタも、SとMは「速掛け対応のオープンゲイプ」やのに、いちばん小さいSSだけ「針先ネムリ仕様」にしてある。ネムリっちゅうのは針先が内側を向いてる形のことな。別々の会社が、示し合わせたわけでもないのに、いちばん小さいサイズだけ針先を寝かせにいってるわけや。ここまで揃うんやったら、偶然やないと思う。


豆アジは、掛かる場所が浅い

なんで極豆用がわざわざ閉じるほうを選んだんか。ここを考えると腑に落ちる。

口が小さいということは、針が刺さり込める奥行きも浅いということや。浅いとこにチョンと掛かってるだけの魚は、首を振ったら簡単に外れる。豆アジはやたら暴れるしな。サイズが小さい魚ほど、掛かったあとの事故が増えるわけや。せやから、そこを潰しにいく設計になる。

ほんで、これは道具だけの話やない。掛かりが浅い魚に対してデカいアワセをくれてやったら、そら口も切れるし外れるわな。速さは即、大きさは小さく。ここはウチが前から言うてるとおりや。アタリの取り方と合わせ方そのものは、こっちに全部書いてある。


サイズの呼び方は、4社で4通りある

ほな、実際に何番を買うんか——という話に入る前に、ひとつだけ厄介なことを片付けとかなアカン。

フックのサイズの呼び方が、メーカーごとにバラバラやねん。

先に言うとくと、日本の釣り針は産地がほぼ一箇所に集まってる。兵庫県が出してる地場産業の資料によると、釣針の生産高は兵庫県が全国一で、約8割を占めてる。加東市・西脇市・丹波市のあたりや。作ってる場所はほぼ同じ。それやのに、売り場に並んだときの呼び方だけが揃うてへん。

■ ダイワ(月下美人アジングジグヘッド) → #8 / #10 / #12。番手だけで、線径は書いてへん
■ 土肥富(レンジクロスヘッド) → スペック表の欄名が「規格号数」で、中身はM(4号)。ほんで標準線径0.56mmも一緒に載せてる
■ TICT(アジスタ) → SS / S / M。番手も号数も出てこえへん
■ 34 → サイズ表記そのものが無い。商品名(ザ豆・小豆ちゃん)と、線径のmmで喋る

萩原さんが「SSサイズ」て言うてはったテトラワークスも、アルファベット組や。つまりアルファベット組だけでも複数社あって、そのSS同士が同じ大きさなんかどうかは、どこにも書いてへん。ウチも確かめられてへん。

ややこしいのが向きや。#の数字は、上がるほど針が小さなる。 ダイワの棚で言うたら#12がいちばん小さい側で、#8がいちばん大きい側。一方で号数のほうは逆で、数字が上がるほど大きなる。同じ数字の話をしてるつもりで、正反対のもんを喋ってまうことがあるわけや。

これ、ダイワが公表してる推奨ワームサイズを見たら一発で分かる。#12は0.9〜1.5インチ、#10は1.5〜2.0インチ、#8は1.8〜2.2インチ。番手の数字が下がるほど、勧めてるワームがデカなっていく。針が大きなってるからやんな。


測ってる場所が、そもそも違う

もう一段めんどくさい話をするで。番手と線径は、測ってるとこがちゃう。

■ 番手・号数 → 針の大きさの話
■ 線径(mm) → 針の太さの話

大きさが同じでも、太さは変えられる。34がザ豆でやったんが、まさにそれやんな。標準の0.51mmに対して0.43mm。細いほうが刺さり込みは軽いし、吸い込むときの抵抗も減る。けど細いということは、当然デカいのが来たときの余裕は減る。

ほんで、この2つを両方公表してるメーカーは多ない。ダイワは番手だけ、34は線径だけ。土肥富は両方出してる、という具合や。メーカーをまたいで確実に比べられるんは、線径のmmだけ。しかも全社が出してるわけやない。


他所の「#10がええ」は、その棚の中でしか通じひん

ここまで来たら、実務の結論はもう出てる。

他所の人が言うてる「#10がベスト」は、その人が使うてるメーカーの棚の中でしか通じひん。 あんたが別のメーカーの#10を買うても、同じ大きさとは限らへんし、そもそも番手を出してへんメーカーもある。

せやから、こう覚えてほしい。動かすんは、自分の箱の中の一段だけ。 よそから持ってきた数字を正解にせんことや。

これ、ワームの色のときとまったく同じ構造やねん。あっちも各社が好き勝手な名前を付けてて、他所の「このカラーが最強」は棚をまたいだ瞬間に通じひんようになる。


ほな、何番を買うたらええんか

待たせたな。買うもんの話や。

結論から言うわ。

迷たら#10。一段下が#12、一段上が#8。

これで帯を作る。数字を覚えるんやなくて、真ん中と、その上下、っていう段で覚えるんが大事や。番手の呼び方はメーカーで変わってまうけど、「真ん中の一段下」という考え方はどこ行っても通じるからな。

揃えるときは同じシリーズ・同じ形で3段。これはジグヘッドの重さのときと一緒や。シリーズをまたぐと、形も線径も一緒に変わってまうから、何が効いたんか分からんようになる。

動かす条件は、3つだけでええ。

■ ① 豆アジ主体で、数を釣りたい夜 → 一段下げて#12
■ ② 良型が混じる、底が荒い → 一段上げて#8
■ ③ ワームをひとまわり大きいのに替えた → #8側へ

③は、さっきのダイワの推奨ワームサイズがそのまま基準になる。1.5インチ前後を使うんやったら#10、2インチ超えを挿すんやったら#8、という具合や。ワームを大きくしたのにフックだけそのままやと、針先がワームに埋もれる。埋もれた針は、どんだけ吸い込まれても出てこえへん。

ほんで、動かすんはいっぺんにひとつだけ。 ①をやるときに重さも一緒に落としたら、また分からんようになる。萩原さんみたいに両方いっぺんに動かすんは、どっちが効くか分かってる人のやり方やねん。


最初の1パックは #10 の1.0g

具体的に置いとくわ。ダイワの月下美人アジングジグヘッドの1.0g・#10。4個入りで、メーカー希望本体価格は450円(税抜・2026年8月時点)。オープンゲイプのショートシャンクで、アジング用として素直な形や。推奨ワームは1.5〜2.0インチやから、よう売ってる2インチ前後のワームがそのまま乗る。

1gが真ん中、っていうのはウチがずっと言うてることやけど、フックの番手も同じで、まず真ん中に立つ。真ん中に立ってへんかったら、上下どっちに動いたかも分からへんからな。


一段下を持っとくなら #12 の0.8g

豆アジの夜用に、一段下も持っといたらええ。同じシリーズの0.8g・#12。値段は同じ450円(税抜)や。推奨ワームは0.9〜1.5インチ。

ここで「ワームも替えたら2つ動くやん」と思た人、鋭い。せやからウチは、フックサイズとワームサイズはワンセットで一個のツマミやと数えてる。メーカーが最初からその2つを紐づけて設計してるからな。別のツマミとして残るんは、重さのほうや。

同じシリーズで番手だけ違うもんを2つ持っとくと、フックサイズだけを一段動かす実験が現場でできる。別メーカーの豆アジ専用ヘッドを買い足すより、まずこっちのほうが得るもんが多い。専用ヘッドは、この一段で足りひんかったときの三の矢でええ。

消耗品やから、そんなに気張らんでも大丈夫やで。ハリ先はいっぺん根掛かりを外したらもう鈍ってるし、そこをケチると全部が台無しになる。


フックを替えても、直らへんもんがある

最後にひとつ、大事なことを言うとく。

ウチはこれまで、竿の長さもリールの番手もリーダーの太さも、釣れへん夜に疑う順番の中には入らへんと書いてきた。あれは全部、手元側の道具やからや。手元でなんぼ感度を上げても、魚が食うてへんかったら伝わってくるもんが無い。

ほんで、フックだけは順番の中に入る。

理由ははっきりしてる。竿もリールも糸も、魚の口の中には入らへん。フックだけが、魚の口の中に入る唯一の金属やねん。しかも自分の目では絶対に見えへん場所で仕事してる。せやから「乗らん」という症状に対して、フックは容疑者として正当や。

ただし、順番は守ってな。立ってる場所 → レンジ → 動かし方 → 重さ、ここまで潰してから、ようやくアタリまわりの話になる。フックの出番はそこや。ここを飛ばして先にフックを替えると、たまたま釣れたときに「フックが効いた」と誤解して、次の夜にもういっぺん迷子になる。

疑う順番そのものは、こっちに全部並べてある。

フックサイズは、ジグ単で決めること3つのうちの1つや。仕掛け全体をどう組むかは、こっちにまとめてあるわ。


まとめ

「乗らん」は3箇所で別々に起きてる。 口の外(吸い込まれてへん)/口の中(フックの担当)/口から出たあと(形とアワセの担当)
フックサイズが引き受けてんのは「口に入るかどうか」だけ。 掛けるための道具やなくて、口に入れてもらうための道具や
小ささには下限がある。 小さくしすぎると、今度は針先が口の中に触れへんくなる
ゲイプの開きは、掛けやすさの目盛りやない。 開く=吐き出されるのを防ぐ/閉じる=掛かったあと外れるのを防ぐ。どっちの事故を潰すかの選択や
サイズの呼び方は各社バラバラ。 番手(#)・号数・アルファベット・線径mm。他所の「#10がええ」は、その棚の中でしか通じひん
迷たら#10。一段下が#12、一段上が#8。同じシリーズで3段揃えて、動かすんはいっぺんにひとつだけ

一段落としたあと見るんは、匹数やない。アタリの出方が変わったかどうかや。空振りが「掛かったけど外れる」に変わったら、それはもう次のステージに移ってる証拠やからな。


よくある質問

Q1. アジングにおすすめのフックサイズは何番ですか?
A. #10です。ここを真ん中に置いて、豆アジ主体の夜だけ#12へ一段落としてください。いきなり最小を買うほうへ行かんほうがええで。真ん中を知らんまま端っこに行くと、戻ってくるときの物差しが無いからな。#12で反応が変わらへんかったら、それはフックの問題やなかった、という情報が手に入る。それも立派な収穫や。

Q2. フックを小さくすると、良型が来たときに伸びたり折れたりしませんか?
A. 細軸のフックは、線径のぶんだけ余裕が減ります。ただし先に効いてくるのはドラグの設定です。アジングで使うドラグはもともと緩めやから、そこがちゃんと滑る状態なら、豆アジ用のフックに20cm級が来ても即アウトにはなりにくい。心配なんは、底が荒い場所とか良型が混じる夜やな。そういう晩は最初から#8側に置いといたらええ。

Q3. #10とSサイズは同じ大きさですか?
A. 同じとは限りません。各社が対応表を公表していないため、確認できないというのが正直なところです。ウチも確かめられてへん。番手で書く会社、号数で書く会社、アルファベットで書く会社、サイズ表記そのものを出さん会社がある。せやから比べるんは同じシリーズの中だけにして、他所の数字を持ち込まへんのが安全や。

Q4. アジングでアシストフックを使うデメリットは何ですか?
A. ジグ単では、ラインへの絡みが増えるのがいちばんのデメリットです。アシストフックは、メインのフックとは別に短い糸で針をもう1本ぶら下げる仕掛けで、乗らへんアタリを拾う目的で足します。ただ1g前後の軽いリグやと、フォール中に糸がたわんだ拍子にリーダーへ絡みます。針が2本になるぶん、豆アジを外す手間も増えます。乗らへん夜にまず見るんはフックのサイズのほうで、アシストを足すんは、サイズを一段ずつ動かし切ってからでも間に合います。

Q5. フックを一段下げても乗りません。次は何を疑えばいいですか?
A. アタリの出方が変わったかどうかで、次にやることが分かれます。掛かるけどすぐ外れる、に変わったんやったら前進や。次はアワセの大きさとフックの形(開いてるか閉じてるか)の話になる。何も変わらへんかったら、そもそも口に入ってへん可能性が高いから、フックの箱は閉じて立ち位置とレンジに戻ってきてな。そこが本丸やったりする。


針のサイズなんて、正直いちばん地味な話や。竿やリールみたいに持って嬉しいもんでもない。

けど、あんたが今晩いちばん長い時間くっつけてんのは、その3センチにも満たん金属やねん。しかも、水の中で唯一アジに触れてるパーツや。そこが合うてへんかったら、上の道具が何万円でも意味あらへん。

乗らん夜が続いても、腕を疑わんといて。口の中で何が起きてるかを一個ずつ潰していったら、ちゃんと辿り着くからな。

このブログ、こんな感じで夜の漁港の「なんで?」ばっかり書いてます。よかったらフォローして、次の記事も覗いてみてな。

夜の漁港で、これ1本開けば順番に潰せる。この手帖の順番を、まとめて1冊にしてあるわ。

ほな、また。

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