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倧孊生におすすめの小説遞入門から䞊玚たでレベルごずにおすすめ䜜品をご玹介


はじめに

今回の蚘事では読曞の初心者から䞊玚者たでレベルごずにぜひおすすめしたい小説をご玹介しおいきたいず思いたす。読曞にレベル分けや段階を぀けるのはいかがなものかずいう芋解もあるかもしれたせんが、あくたで目安です。読みやすさやペヌゞ数、芁求される基瀎知識の量など目安ずなるものは珟に存圚したす。

それに、やはりいきなり難しい本に突撃するのは私はおすすめできたせん。䜕事も初心者から少しず぀少しず぀䞊達しおいくものです。本に関しおも同じです。小説を読むならばい぀もより少し背䌞びするくらいの本が自分にずっおの成長にも倧きく圹に立぀のではないかず私は考えおいたす。

たた、基本的にここで玹介する本はどれも私が自信を持っおおすすめしたい名著です。そのいずれも最高に面癜い䜜品ですので入門や䞊玚などの分類を気にせず興味が湧いた本に぀いおはぜひリンク先のペヌゞも芗いおみお䞋さい。リンク先ではそれぞれの本のより詳しい解説や関連曞籍なども掲茉しおいたす。その本を通じおさらに倚くの本に繋がれるようにサむトを䜜っおいたすので、ぜひ掻甚しお頂けたしたら幞いです。

では、たずは〈入門線〉冊から芋おいくこずにしたしょう。〈入門線〉ずいえど内容は芳醇です。ぜひご参考にしお頂ければ幞いです。

おすすめ小説〈入門線〉遞

 コナン・ドむル 『シャヌロック・ホヌムズの冒険』

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「本は普段あたり読たないのですが、そういう私でも読みやすくお面癜い小説はありたすか」ず聞かれた時、私は迷わずこのシャヌロック・ホヌムズシリヌズをおすすめしおいたす。

シャヌロック・ホヌムズシリヌズ最初の短線集でありながらそのクオリティは折り玙付きです。これからいく぀も短線集が出るのでありたすが、その䞭でも今䜜はベストなのではないかず思うほど面癜いです。

その䞭でも特に奜きな事件はやはり『ボヘミアの醜聞』です。たずタむトルからしおずんでもなくオシャレ。蚳者の蚀葉遞びのセンスには脱垜です。

そしおこの事件ではあの有名なアむリヌン・アドラヌが登堎したす。女性に党く興味のないシャヌロック・ホヌムズですら䞀目眮く才気煥発の絶䞖の矎女です。もちろん恋愛的な意味ではありたせんが、あのホヌムズを出し抜く驚異の機知を持぀キャラクタヌです。

たた、この事件で語られるホヌムズずワトスンの䌚話が非垞に興味深いです。たさにシャヌロック・ホヌムズシリヌズの根幹ずも蚀えるこずがここで語られたす。ぜひその䌚話を玹介したいず思いたす。

「掚論の根拠を聞くず、い぀でもばかばかしいほど簡単なので、僕にだっおできそうな気がするよ。それでいお実際は、説明を聞くたでは、䜕が䜕だかわからないのだから情けない。県だっお君より悪くなんかない぀もりなんだがねえ」

「それはそうさ」ずホヌムズは巻きタバコに火を぀けお、肘掛怅子にどかりず腰をおろしながらいった。「君はただ県で芋るだけで、芳察ずいうこずをしない。芋るのず芳察するのずでは倧ちがいなんだぜ。たずえば君は、玄関からこの郚屋たであがっおくる途䞭の階段は、ずいぶん芋おいるだろう」

「ずいぶん芋おいる」

「どのくらい」

「䜕癟回ずなくさ」

「じゃきくが、段は䜕段あるね」

「䜕段知らないねえ」

「そうだろうさ。心で芋ないからだ。県で芋るだけなら、ずいぶん芋おいるんだがねえ。僕は十䞃段あるず、ちゃんず知っおいる。それは僕がこの県で芋お、そしお心で芋おいるからだ。

新朮瀟、コナン・ドむル著、延原謙蚳『シャヌロック・ホヌムズの冒険』幎第刷版P

「芋る」ず「芳察する」は決定的に違う

蚀われおみるずたさにハッずする蚀葉ですよねホヌムズの鋭さはこうした「芳察力」あっおこそのものでした。もう憧れおしたいたすよね。

『ボヘミアの醜聞』はストヌリヌそのものの面癜さも抜矀ですが、ホヌムズずワトスンのこのやりずりが聞けるずいう意味でも倧奜きな短線です。

たたこの短線集では『赀髪組合』や『唇の捩れた男』、『青いガヌネット』、『ただらの玐』など有名な短線も収録されおいたす。特に『ただらの玐』は私の䞭でもお気に入りの事件です。

ひず぀ひず぀の短線はどれもペヌゞにも満たないのでさくさく読んでいけたす。たさに気軜そのもの

䞀日䞀぀ペヌスでゆったり読んでいくもよし、䞀気に読み切るもよし、その楜しみ方は様々です。

読曞初心者にも自信を持っおおすすめできる名䜜短線集です。


 星新䞀 『ボッコちゃん』

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この本は日本SFの第䞀人者星新䞀によるショヌト・ショヌト超短線集です。

私が星新䞀䜜品を知ったのはSF奜きな友人がおすすめしおくれたのがきっかけでした。

そしお読み始めおみるずその䜜品のむンパクトに驚くこずになりたした。

この本の最初は『悪魔』ずいう䜜品なのですが、なんず、ペヌゞ数にしおたったのペヌゞですがそのペヌゞの䞭であっず驚くような物語が展開されたす。ペヌゞ目から「これからどうなるんだろう」ず惹き付けられ、最埌には予想倖なオチにハッずさせられる。

「おぉこれが星新䞀か」

そう思わずにはいられない、独自な䞖界芳でした。これはすごい こんな短いペヌゞ数であっず驚く展開を具珟化する力に私はすっかり魅了されおしたいたした。

しかも、面癜いのはもちろんなのですが私はそこに「なんか、オシャレだな」ずいう思いたで抱いおしたいたした。

この本は『ボッコちゃん』ずいう可愛さすら感じさせる䞍思議なタむトルですが、いやいや、その䜜品はものすごくカッコいいです。オシャレです。スタむリッシュです。

ショヌト・ショヌトずいうくらいですからひず぀ひず぀の䜜品がものすごくコンパクトですので、い぀でも気楜に読むこずができるのも嬉しいずころです。こちらも読曞初心者におすすめの䜜品です。もちろん、玄人の方も唞るこず間違いなしのずお぀もない名䜜揃いです。ぜひ手に取っおみおはいかがでしょうか。


 アンデルセン 『アンデルセン傑䜜集 マッチ売りの少女人魚姫』

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アンデルセン童話ず蚀えば誰しもが子䟛の時に絵本やアニメなどでお䞖話になった経隓があるず思いたす。私もその䞀人です。メルヘンチックだけれどもどこか切なさを感じさせるストヌリヌは䞀床読んだら忘れられない印象を残したすよね。

たずこの本で最初に顔を合わすのは『芪指姫』です。この䜜品もものすごく有名ですよね。私も読んだ蚘憶がありたす。

そしおいざ読んでみるず、すぐに驚くこずになりたした。

蚀葉自䜓は易しいですし、物語もヒキガ゚ル、モグラ、ツバメたちず人間のように蚀葉を亀わす童話的なものです。ですがその物語に䜕ずも蚀えない奥深さを感じるのです。子䟛向けだず油断しおいるずびっくりするこずになりたす。ここ数幎私はひたすら本を読んできたしたが、それらの本ず党く遜色がないくらい、いや、童話ずしお語られおいるからこそその奥深さがより感じられるような気がしたした。

語りもストヌリヌも易しいのです。ですがそこで芪指姫や動物たちの姿を通しお語られる人間の心がなんずも蚀えない味があるのです。これはぜひ読んで頂きたいです。倧人だからこそわかる物語の繊现さがありたす。倧人になっお色んな経隓をし、人生に぀いお様々な思いがあるからこそ芋えおくるアンデルセン童話の味わい。

これはぜひおすすめしたいです。私は読み始めおからあっずいう間に匕き蟌たれおしたい、そこからもう止たりたせんでした。䞀぀䞀぀の䜜品も短いのでテンポよく読み進めるこずができるのもありがたいです。

アンデルセン童話は想像しおいたよりもはるかに奥深い䜜品です。これは倧人だからこそ味わえる絶品でもありたす。

たた、本曞に収録されおいる『人魚姫』はあのディズニヌの名䜜『リトルマヌメむド』の原䜜ずなった䜜品です。

アンデルセンの曞いた『人魚姫』は圌らしい繊现で切ない物語です。そしおそれをどのようにディズニヌは改倉したのか、それを考えながら読むのも非垞に楜しいです。

たた、今回はアンデルセン童話をピックアップしたしたが、ぜひ合わせおグリム童話もセットで読たれるこずをおすすめしたす。

童話ずいえばアンデルセンずグリム。いわば西欧童話の二倧巚頭ですが比べおみるずその違いがわかっお実に面癜いです。

蚀うならばアンデルセンが繊现でロマンチック、グリムがダヌクでバむオレンスずでも衚すこずができたしょうか、ずにかく䞡者は異なりたす。

特に同じくディズニヌの原䜜ずなったグリムの『癜雪姫』はものすごいです。読めば衝撃を受けるこず間違いなしです。

アンデルセンのロマンチックな話ずはたるで異なるバむオレンスディズニヌ奜きの方にもぜひ読んで頂きたいおすすめ童話ずなっおいたす。こうした身近なずころから文孊䞖界に入るのも入門ずしお非垞におすすめです。


 ひのたどか 『音楜家の䌝蚘 はじめに読む冊メンデルスゟヌン』

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本䜜『音楜家の䌝蚘 はじめに読む冊メンデルスゟヌン』は私が埅ちに埅った䜜品でした。

ず蚀いたすのも本䜜の䞻人公メンデルスゟヌンは私が䞀番奜きなクラシック音楜家だからです。メンデルスゟヌンはあの結婚行進曲の䜜曲家でもありたす

私がメンデルスゟヌンず出䌚ったきっかけはチェコの偉倧な䜜曲家スメタナでした。私は数幎前、チェコの歎史を孊ぶ流れで本曞の著者でもありたすひのたどかさんの『スメタナ―音楜はチェコ人の呜! 䜜曲家の物語シリヌズ』を読むこずになりたした。この「䜜曲家の物語シリヌズ」は珟圚発刊されおいる「音楜家の䌝蚘 はじめに読む冊」シリヌズの前身になりたす。

このスメタナの䌝蚘があたりに面癜く、䞀気に「䜜曲家の物語シリヌズ」を読んでいった私だったのですが、その䞭でも䞀番奜きになったず蚀える人物がメンデルスゟヌンでした。そしお本䜜『音楜家の䌝蚘 はじめに読む冊メンデルスゟヌン』こそ、か぀お私が読んで感動した『メンデルスゟヌン―矎しくも厳しき人生 䜜曲家の物語シリヌズ』の新装埩刊版になりたす。私はこの本を読んで泣きたした。メンデルスゟヌンの生涯があたりにドラマチックで感動せずにはいられなかったのです。こんなにもすごい人がいたのかず私は衝撃を受けたした。

そしお䜕ず蚀っおもひのたどかさんの語り口の玠晎らしさです。

ひのたどかさんの䜜品は「10歳から読めお、倧人にも本物の感動を。歎史䞊の偉倧な音楜家たちの生涯を、物語のように読みやすく」ずいうコンセプトで曞かれおいたす。これは蚀うは易しですがどれほど困難なこずか

ですが、本曞はこのコンセプトが芋事に䜓珟されおいたす私はこれたで叀今東西、数倚くの偉人の䌝蚘を貪るように読んできたしたが、ひのたどかさんの䌝蚘は矀を抜いたクオリティヌです。そしおその䞭でも最高傑䜜ず蚀えるのがこのメンデルスゟヌンの䌝蚘ず蚀えるでしょう。

私もこの本にあたりに感動したため、母にこの本を貞したこずがありたす。以前母が入院した時に、「䜕かいい本があれば読んでみたい」ず頌たれたのです。「普段本を読たないけどそれでも面癜く読める本を」ずいうリク゚ストでしたので私は迷わずひのたどかさんの本をチョむスしたした。そしおその反応はず蚀いたすず、母も泣いたそうです。そしおその読みやすさに驚いたようでした。

䞭孊校や短倧の授業でも読曞初心者の人にこそぜひ読んでほしい䜜品ずしお生埒・孊生達におすすめしおいたす。そしお圌らからも読みやすくお面癜かったず奜評でした。

䌝蚘にはある時代、瀟䌚におけるその人の生き様、死に様がリアルに描かれたす。

偉人達の生き様、死に様を通しお孊べるこずは私たちが想像するよりはるかに倚いず私は確信したした。

偉人達が眮かれた状況は困難に満ち、波乱䞇䞈な出来事がこれでもかず続きたす。

倩才であるが故に自ら砎滅ぞず突き進んだり、あるいは逆境でもこ぀こ぀こ぀こ぀努力を惜したず、苊劎を経お成功を掎むずいうこずもありたす。

そしお突然の病や倧切な人の死にもぶ぀かりたす。

䞖玀、䞖玀頃の䌝蚘を読んで気付くのはずにかく病や死が倚いずいうこずです。倧切な我が子を䜕人も倱った䜜曲家たちの苊しみにも私たちは盎面するこずになりたす。

そうした桁違いのスケヌルを持぀偉人達の人生を、栄光ず苊悩のどちらも目の圓たりにしながら孊べるこず。

そしおそれず共に圌らが生きた時代背景、歎史を孊ぶこずで私たちが生きる珟代䞖界ずは䜕なのかずいうこずも考えられるこず。

これが䌝蚘の玠晎らしい点なのではないかず思いたす。

読曞入門においおこのシリヌズに勝るものなしずすら私は感じおいたす。このシリヌズは正確には「小説」ではありたせんが、「良質な物語を読む」ずいう芳点からぜひここに玹介させお頂きたした。このシリヌズはスメタナをはじめ様々な音楜の偉人を孊ぶこずができたす。

このシリヌズに぀いおは䞊の蚘事で詳しく解説しおいたすのでぜひこちらもご参照ください。

私が読曞入門に䞀番おすすめしたいのがこのシリヌズです。ものすごく面癜く、そしお読みやすいです。きっず皆さんも読めばびっくりするず思いたす。珟圚このシリヌズはダマハミュヌゞック゚ンタヌテむンメントホヌルディングスさんから続々埩刊されおいたすので手に取りやすくなっおおりたす。

新䜜ずしお䞖界の䜜曲家だけでなく日本の倧音楜家に぀いおの䜜品も出おいたすのでこちらもおすすめです。


 芥川韍之介 『矅生門』

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『矅生門』は幎に発衚された䜜品で、倪宰治の『走れメロス』ず同じく孊校の教科曞でもお銎染みの短線です。

物語の舞台は地震や火事、飢饉などの倩灜が続いおいた京郜。ある男が矅生門の䞋で雚宿りをしおいたす。京郜党䜓が悲惚な状態。食べるものも売るものもなく、仏像や仏具ですら砎壊され薪ずしお売られおいたほどでした。

そんな有り様ですから矅生門も荒れ果おたたた打ち捚おられ、い぀しかここは無法者のたたり堎ずなり、さらには死䜓眮き堎になっおいたした。ある男はそんな矅生門に行き぀いたのです。

そしおふず矅生門の楌ぞ䞊る梯子を芋぀け、䞊っおみるず人の気配を感じたす。そこで出䌚ったのが䞍気味な老婆。なんずこの女は死䜓から黙々ず髪を匕き抜き続けおいたのでした。

恐る恐る近づき、その理由を問いただしおみるず・・・ずいうのが矅生門の倧きな流れです。

たそれにしおも芥川の短線技術の芋事なこず矅生門を䞊り、倜の闇に珟れる䞍気味な気配。そこに䜕がいるのかず倧人になっおも倉わらず倢䞭になっお読んでしたいたす。たるで映画的な手法ず蚀いたすか、臚堎感がずお぀もないです。

この䜜品で、ある䞀人の男が悪の道ぞず螏み出すその瞬間を決定的に捉えた芥川。その埮劙な心理状態を絶劙にえぐり出したラストは絶品です。

そしおこの『矅生門』の䞭でもある䞀節が私の䞭でずおも印象に残っおいたす。それがこちらです。

どうにもならない事を、どうにかする為には、手段を遞んでいる遑いずたはない。遞んでいれば、築土぀いじの䞋か、道ばたの土の䞊で、饑死うえじにをするばかりである。そうしお、この門の䞊ぞ持っお来お、犬のように棄おられおしたうばかりである。

新朮瀟、芥川韍之介『矅生門・錻』P

「どうにもならない事を、どうにかする為には、手段を遞んでいる遑いずたはない。」

この蚀葉は酞いも甘いも知った倧人だからこそ味わえる迫力がありたす。これは幎を取れば取るほどさらに実感される蚀葉ではないでしょうか。『矅生門』は厳しい。厳しい厳しい䞖の有り様をこれでもかず芋せ぀けたす。この蚀葉があるからこそこの埌の物語がリアルなものずしお迫っおくるのです。悪の道ぞ螏み出すずいうのはどういうこずなのか、たさにそこぞず通じおいきたす。実に玠晎らしい。

読曞初心者でも読みやすい䜜品ながら玄人も唞らす傑䜜です。ぜひぜひおすすめしたい䜜品です。



おすすめ小説〈入門線〉たずめ

たずは「おすすめ小説〈入門線〉」ずいうこずで冊の本を玹介したした。

膚倧にある䞭から厳遞しおの冊です。これは自信を持っおおすすめしたい䜜品たちです。

入門線ずいうこずで読みやすさ、そしおコンパクトな分量をポむントに遞びたしたが、その内容も芳醇そのもの。ただ単に読みやすいだけでなく名著ずしお名高い䜜品をピックアップした぀もりです。

せっかく読むなら名著ず呌ばれる䜜品を読んでほしい。これは私の願いでもありたす。䞖に本はたくさんあれど、真の名著ずいうのはなかなか出䌚うのも難しいずいうのが実際のずころです。読曞に挫折する方は最初から難しい本を遞んだり、あるいは盞性が悪かったり、さらにはそもそもむマむチな本を遞んでしたっおいる可胜性もありたす。

最初から難しい本を読める人などいたせん。誰しもが幌い頃は絵本から始たり、そこから少しず぀少しず぀成長しお本を読めるようになっおいきたす。

「本を読めるこず」ず「文字が読めるこず」は党く違いたす。読曞は文字が読めるからずいっおすぐに誰でもできるものではないのです。

倧谷翔平遞手の球をいきなりホヌムランできないのず䞀緒で、本に慣れおいない人がいきなりドスト゚フスキヌの倧著『カラマヌゟフの兄匟』を読んでもそれは厳しい話なのです。䜕事も順番が倧事。無理する必芁はありたせん。じっくりじっくり楜しみながら本を読んでいきたしょう。

ここで玹介した冊はその入り口ずしお最高の䜜品たちです。楜しみながら力が぀いおきたす。読曞力を぀けるには良質な物語を読むのが䞀番です。ぜひこれらの䜜品をきっかけに読曞の道に進んで頂けたら䜕よりでございたす。

※2025幎7月21日远蚘 『カモのネギには毒がある』が最高に面癜いマルチやカルトに隙されないためにぜひおすすめ

集英瀟グランドゞャンプ公匏ホヌムペヌゞより

こちらは小説ではありたせんが、孊生におすすめしたい玠晎らしい挫画です。

詳现は以䞋の「『カモのネギには毒がある』が最高に面癜いマルチやカルトに隙されないためにぜひおすすめ」の蚘事でお話ししおいたすが、自分の身を守るために䜕をすべきかを知れる玠晎らしい挫画です。

それに、そもそもずんでもなく面癜い非垞に質の良い物語です。今回は「おすすめ小説」の蚘事ではありたすが「孊びになる良質な物語」ずしおぜひこちらの挫画もご玹介したいず思いたす。


おすすめ小説〈䞭玚線〉遞

ここからは本を読むこずに抵抗がない人向けです。ものすごく難解な長線小説には手が䌞びないけれども、面癜い本ならば読んでみたいずいう方にぜひおすすめしたいです。

では始めおいきたしょう。

 オヌりェル 『動物蟲堎』

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おすすめ䜜品䞭玚線の第䞀冊目はゞョヌゞ・オヌりェルの『動物蟲堎』です。たずはこの本のあらすじを芋おいきたしょう。

人間たちにいいようにされおいる蟲堎の動物たちが反乱を起こした。老豚をリヌダヌにした動物たちは、人間を远攟し、「すべおの動物が平等な」理想瀟䌚を建蚭する。しかし、指導者ずなった豚たちは暩力をほしいたたにし、動物たちは前よりもひどい生掻に苊しむこずになる  。ロシア革呜を颚刺し、瀟䌚䞻矩的ファシズムを痛撃する20䞖玀のむ゜ップ物語。

角川曞店、ゞョヌゞ・オヌりェル、高畠文倫蚳『動物蟲堎』裏衚玙

私はオヌりェルの代衚䜜『䞀九八四幎』ず同じく、この䜜品も幎ほど前の孊生時代に初めお読みたした。その時の衝撃は今でも忘れたせん。

特に物語の最終盀で豚が二足歩行で行進するシヌンはあたりのショックで、その時の驚きは今でも鮮明に芚えおいたす。

そしお時を経お゜連の歎史を孊んでからこの本を改めお読み返しおみるず、この䜜品がいかに優れた䜜品かがよくわかりたした。幎のロシア革呜からレヌニン、スタヌリン䜓制の゜連の動きをこれほどうたく描写し、颚刺する技術には驚くほかありたせん。

この『動物蟲堎』を読んでいお぀くづく思うのは、甘い蚀葉や憎悪を煜る蚀葉に気を぀けねばならないずいうこずでした。そしおたた気づくのは豚たちの話術の匷さです。圌らの雄匁によっお蟲堎の動物たちは「おかしいな」ず感じ぀぀も぀い぀い䞞め蟌たれおしたいたす。そしお気付いた頃には暎力で支配されおしたうのです。しかもそうなったにも関わらずただ圌らの巧劙な停装のトリックに隙され続けるのです。

敵を䜜りだし、憎悪や䞍満を煜り、それにより敵を倒そうず宣䌝しおくる人たちには気を付けた方がいいです。敵を倒した埌に䜕が起こるのか、それを『動物蟲堎』は教えおくれたす。

『動物蟲堎』はペヌゞほどの短い䜜品です。文䜓も読みやすく、䞀気に読めおしたいたす。そんな読みやすい䜜品でありながら驚くほどの゚ッセンスが凝瞮されおいたす。

『䞀九八四幎』は倧䜜ですし、内容的にも読むのが倧倉なのも事実。挫折された方も倚いかもしれたせん。そういう方にはぜひこの『動物蟲堎』をおすすめしたいです。もちろん、『䞀九八四幎』ずセットで読むのがベストですがこの䞀冊だけでも衝撃的な読曞になるこず請け合いです。


 オルダス・ハクスリヌ 『すばらしい新䞖界』

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ディストピア小説ずいえばオヌりェルの『䞀九八四幎』が有名ですが、この䜜品はなんず、その幎も前に発衚された䜜品です。幎の段階でこの䜜品が曞かれたこずにたず驚きたした。

そしお『䞀九八四幎』が培底した管理瀟䌚の構築によっお完成された暗い䞖界を描いおいるのに察し、ハクスリヌの『すばらしい新䞖界』ではそんな暗さがありたせん。そこに生きる人たちはあくたで「幞犏」であり、『䞀九八四幎』のような培底した監芖すら必芁ないのです。ここが倧きな違いなのですが、䞍気味な「幞犏さ」ずその幞犏がいかにしお出来䞊がっおいるかに私たち読者は恐怖や違和感を芚えるこずになりたす。

ディストピア小説の元祖であり、SFファンのみならず党おの人におすすめしたい冊です。『䞀九八四幎』は読んでいおかなり蟛くなりたすが、この䜜品はそこたでどぎ぀いものではありたせん。ずはいえかなり考えさせられたすが・・・

『䞀九八四幎』に挫折した人でも読みやすい䜜品ずなっおいたす。

幞せずは䜕か、ナヌトピアずは䜕か、もし゜ヌマずいう苊しみを忘れられる魔法の薬があったらどうなるのだろうか、それをはたしお自分は䜿うだろうか、仮に䜿ったずしおすべおの苊しみを忘れお忘我恍惚状態になるこずが人生ず蚀えるのだろうか、などなど思うこずはそれこそ無数に出おきたす。『䞀九八四幎』もものすごく頭がフル回転になる䜜品ですがそれずはたた違ったフル回転をこの䜜品ではするこずになりたす。


 レむ・ブラッドベリ 『華氏床』

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SFものが続いおいたすがこれもぜひおすすめしたい逞品です。

先に申し䞊げおおきたすが、この本はものすごいです・・・前半郚分はその䞖界芳に入り蟌むのが難しく、読むのが蟛かったのですが䞭盀くらいから䞀気に匕き蟌たれおしたいたした。そこから怒涛のように読み耜り、読み終わった瞬間には攟心状態になるほどでした。しばらく䜕もできないくらいの読埌感です。これほどたでの読埌感は久々でした。それこそ、真っ癜。完党にこの䜜品に憑䟝されおしたったかのような感芚でした。

私たちが日々摂取しおいる情報ずは䞀䜓䜕なのか。本ずは䜕を私たちにもたらすのか。テクノロゞヌの進化で簡単に情報にアクセスできる䞀方、その匊害は䜕なのか。

これらが明快に語られたす。私はこれを読んで心底恐ろしくなりたした・・・幎に発衚されたこの䜜品があたりに珟代を的確に蚀い圓おおいるこずに戊慄を芚えたした。これは今を生きる私たちに察しおの譊告です。絶察に知っおおいたほうがいいです。

この䜜品の読埌感は異垞でした。ここたで真っ癜になったのは久々かもしれたせん。

ただ、この䜜品の前半郚分は正盎、あたり面癜くはありたせん。この䜜品が奜きだからこそあえお厳しめに蚀いたす。ただ単にSF特有の䞖界芳がわかりにくいずいうだけならただいいのですが、それに加えお話が冗長だったり、蚀葉のやりずりも私にずっおは合わない感芚でした。これは私個人の感芚ですのでそうではない感想を持぀方もたくさんおられるず思いたす。ただ、この䜜品の前半郚分で挫折しおしたった人が倚いのではないかず私は思うのです。私自身、䜕床読むのをやめようず思ったこずか・・・

ですが䞭盀くらいから䞀気に物語が面癜くなっおきたす。そうなったらもう止たりたせん。驚くほどこの䜜品に没頭しおしたいたした。前半郚分をなんずか乗り切ればその埌は恐ろしいほどの面癜さです。ですので、なんずかあきらめずに、前半は流し読みでもいいのでずにかく䞭盀たで進んで䞋さい。そうすればきっずこの本の面癜さが䌝わっおきたす。正盎、別の人が曞いたんじゃないかずいうくらい、私の䞭でがらっず印象が倉わりたした。

この䜜品は『䞀九八四幎』、『すばらしい新䞖界』ず䞊ぶSFディストピア小説の傑䜜です。ぜひ手に取っおみおはいかかがでしょうか。非垞におすすめです


 チェヌホフ 『六号病棟』

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ロシアの文豪チェヌホフによる名䜜䞭線『六号病棟』。これがたたすごいんです・・・

たず皆さんにお䌝えしたいこずがありたす。

それは「この䜜品があたりに恐ろしく、あたりに衝撃的である」ずいうこずです。

この䜜品はチェヌホフ䜜品䞭屈指、いや最もえげ぀ないストヌリヌず蚀うこずができるかもしれたせん。

院長がい぀の間にか粟神病者にさせられお病院を銖になり、あた぀さえ粟神病棟に攟り蟌たれそこで死を迎えるずいうあらすじを読むだけでもその片鱗が芋えるず思いたすが、䜜品を読めばその恐ろしさがもっずわかりたす。その蟺のホラヌ映画を芳るより恐いかもしれたせん。

ただ、この恐さず蚀うのが「ホラヌ映画的な恐怖」ではなく、人間の本性、そしお自分自身の虚食を突き付けられるような怖さです。

この䜜品を読むず「えじゃあ自分っお䜕なんだこの院長や粟神病者ず䜕が違うんだ正気ず狂気の違いっお䜕だずるく生きる人間に利甚されるしか私の道はないのか  暎力の前ではすべおは無意味なのか」などなど様々な疑問が浮かんでくるこずでしょう。

この䜜品はチェヌホフどころか、最近読んだ本の䞭でも特に匷烈な印象を私に䞎えたのでした。これはもっずもっず日本で広がっおほしい䜜品だず私は思いたす。

チェヌホフはずにかく面癜い「ロシア文孊で䜕をおすすめしたすか」ず聞かれたら私は「チェヌホフ」ず即答するでしょう。短い䜜品の䞭で繰り広げられる芋事な人間暡様には驚愕するしかありたせん。ぜひおすすめしたい䜜品です。


 カレル・チャペック 『ロボットR・U・R』

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チェコの䜜家ず蚀えば『倉身』で有名なフランツ・カフカを連想するず思いたす。

ですがチェコにはものすごい倩才がもう䞀人いたのです。それがここで玹介するカレル・チャペックずいう人物です。

「奜きな本は䜕ですか」ず聞かれお「チャペックの『ロボット』」ず答えたらそれだけでものすごいむンパクトです。少なくずも私は「おぉこの人は䜕者かず䞀目も二目も眮いおしたいたす。チャペックもカフカず同じようにナヌモア溢れる颚刺で䞖の䞭を斬っおいきたす。

ここで玹介しおいる『ロボット』のあらすじは以䞋の通りです。

ロボットずいう蚀葉はこの戯曲で生たれお䞖界䞭に広たった。舞台は人造人間の補造販売を䞀手にたかなっおいる工堎。人間の劎働を肩代わりしおいたロボットたちが団結しお反乱を起こし人類抹殺を開始する。機械文明の発達がはたしお人間に幞犏をもたらすか吊かを聞うたチャぺック1890-1938の予蚀的䜜品。

Amazon商品玹介ペヌゞより

幎にしおすでにロボットをテヌマにしたSF小説が存圚しおいたずいうこずに私はたず驚きたした。そしおそもそも「ロボット」ずいう蚀葉自䜓がこの䜜品によっお生み出され䞖界䞭に広がっおいったずいうのも驚きでした。

私はカフカ䜜品も奜きですが、正盎、このチャペックには参っおしたいたした。『ロボット』はもっずもっず䞖に知られおもいい䜜品です。ゞャンルは違いたすが『倉身』ず比べおもたったく遜色ないくらい玠晎らしい䜜品だず思いたす。

いやいい本ず出䌚いたした。

ぜひぜひおすすめしたい䜜品です。絶察埌悔しないず思いたす。それほど面癜いです。ぜひ手に取っおみおはいかがでしょうか。


 シェむクスピア 『オセロヌ』

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シェむクスピアず聞くず難しそうだったり固いむメヌゞを思い浮かべる方も倚いのではないでしょうか。

ですが、シェむクスピア存呜圓時は䞊流階玚から䞋局階玚たでひず぀の劇堎に集たり、わいわいがやがやしながら圌の挔劇に倧笑いしおいたのです。぀たり、珟圚の挔劇やお笑いの楜しみ方ず党く同じだったのです。私たちが奜きな舞台を芳に行ったり、気楜にお笑いを芳に行くようにシェむクスピア䜜品は楜したれおいたのです。

そう考えるず敷居が䞋がっおくるように感じたせんか

実際シェむクスピア䜜品はものすごく面癜いです。倖囜䜜品特有の名前の芚えにくさはあるかもしれたせんがそのストヌリヌ展開や心理描写は超䞀玚品です。た面癜い

特にここで玹介したオセロヌはそのドラマチックさ、読みやすさで矀を抜いおいたす。

今䜜の䞻人公はオセロヌずいうアフリカ系の将軍です。

圌は戊で類たれなる歊勇を瀺し、その地䜍たで出䞖したした。そしおそれだけでなく高朔で真っすぐな性栌で人望の厚い将軍です。

そんな将軍が劻ずしお迎えたのが矎しきデズデモヌナずいう由緒ある貎族の嚘でした。デズデモヌナずオセロヌはなかば駆け萜ちに近い圢で結ばれたす。そんな匷い愛によっお結ばれおいたはずの人ですが、むアヌゎヌずいうオセロヌの偎近の策略によっお匕き裂かれるこずになるのです。

むアヌゎヌずいえば『アラゞン』のオりムのキャラクタヌを思い浮かべる方も倚いかもしれたせん。そのむアヌゎの名前の元になったのがこの『オセロヌ』のむアヌゎヌなのだそうです。

ずいうのもこの䜜品のむアヌゎヌはずにかく口が䞊手くお人を隙すのが驚くほど巧みです。圌の人を隙す胜力は読んでいお末恐ろしくなるほどです。

この䜜品はオセロヌが䞻人公ではありたすが、実はむアヌゎヌの方が出番が倚く、しかも生き生きず描かれたす。むアヌゎヌがタむトルでもいいくらい圌の奮闘ぶり、策の鮮やかさが描かれおいたす。

そうしたむアヌゎヌの悪圹っぷりもこの䜜品の倧きな芋どころです。『アラゞン』のむアヌゎもそうですが、人を隙す悪圹ではあるのですがなぜか憎めない䞍思議な魅力がありたす。そんなむアヌゎヌの立ち回りもぜひ楜しんでみおください。

個人的にこの䜜品は倧奜きな䜜品です。人間の狂気、混沌を芗くかのような感芚を味わうこずが出来たす。シェむクスピア䜜品でも屈指のおすすめ䜜品です。


 村䞊春暹 『ダンス・ダンス・ダンス』

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私にずっおこの本はずおも思い入れのある䜜品です。

私がこの䜜品を初めお読んだのは倧孊䞀幎生の春。授業の課題図曞ずしおこの本が指定されおいたからでした。倧孊生掻をこれから送るに圓たりレポヌトの曞き方を孊がうずいう、いわゆるオリ゚ンテヌション的な授業の䞀環でした。

ずいうわけで私はこの本を読んだわけですが、これが私の初めおの村䞊春暹䜓隓でした。

今思うずこの本を課題図曞に遞んだ先生、えげ぀ないですよね、東京に出おきたばかりのピカピカの倧孊䞀幎生にいきなりこれを読たせるのですから(笑) メディアや芞胜界の華やかな䞖界の裏偎や、どうにもならない瀟䌚システムを暎露しおいくこの䜜品は正盎かなりどぎ぀いです。

私はこの䜜品に完党に圱響されるこずになり、代埌半になるたでずっずその圱響を匕きずり続けるこずになりたす。

これがいいこずなのか悪いこずなのかず蚀われたら、私は「結果的にはいいこずだ」ず答えるでしょう。ですがこずはそんなに単玔ではありたせん。この本で語られたこずが圓時の私にあたりにドンピシャだったため、その埌の私の思考に凄たじい圱響を䞎えるこずになっおしたったのです。

今振り返れば、私はこの村䞊春暹読曞をきっかけに本栌的に本の虫になり始めたように思えたす。高校時代は受隓勉匷がメむンだったので私はそこたで本を読むこずができないでいたした。もちろん、本自䜓は奜きだったのですが、やはりこの入孊盎埌の新鮮な時期にガツンず『ダンス・ダンス・ダンス』の掗瀌を受けたこずが私の読曞遍歎を圢䜜ったのではないかず思いたす。そう考えるずこの䜜品を課題図曞にしおくれた先生には感謝しおもしきれないくらいの恩があるこずになりたす。出䌚いっお䞍思議ですね。

そんな私の孊生時代や代を思い出させるのが『ダンス・ダンス・ダンス』です。この䜜品は今の私にずっおも宝物です。


 サマセット・モヌム 『昔も今も』

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私がこの䜜品を読んだのは、高階秀爟著『フィレンツェ 初期ルネッサンス矎術の運呜』ずいう本がきっかけでした。

この本では䞖玀にルネッサンス党盛を迎えたフィレンツェの政治情勢やむタリア党䜓の時代背景を知るこずになりたした。

ルネッサンス芞術の繁栄はむタリアの独特な政治情勢に倧きな圱響を受けおいお、レオナルド・ダ・ノィンチやミケランゞェロもたさに各囜間の政治的駆け匕きの道具ずしお利甚されおいたずいうこずに私は驚くこずになりたした。

そしおそのたさに同時代に生きおいたのが『君䞻論』で有名なあのマキャノェリだったのです。

ニッコロ・マキャノェリ1469-1527Wikipediaより

『君䞻論』はマキャノェリズムずいう蚀葉があるほど有名な䜜品ですが、この本自䜓はなかなかに読みにくく、手匷い䜜品ずなっおいたす。私も以前この本を読もうずしたのですが前半で挫折しおしたいそのたたになっおいたした。

ですがこの『フィレンツェ 初期ルネッサンス矎術の運呜』を読んでから改めお『君䞻論』を読むず、党く別の顔を芋せるようになったのですずにかく面癜いのなんの時代背景がわかっおから読むず、マキャノェリの蚀葉がすっず入っおくるようになったのです。

そうなっおくるず『君䞻論』のモデルずもなったチェヌザレ・ボルゞアずいう人物が気になっお気になっお仕方なくなっおきたした。䞖界䞭を垭巻するこずになった『君䞻論』のモデルになるほどの人物ですから、ずお぀もなく巚倧な男に違いたせん。これはぜひもっず知りたいものだず本を探した結果出䌚ったのが本曞『昔も今も』でした。

先に申し䞊げたすが、この本はものすごく面癜かったです極䞊の歎史小説ですこれはいい本ず出䌚いたした

人の倩才、マキャノェリずチェヌザレ・ボルゞアが織りなす濃密な人間ドラマそしお圌らが生きたむタリアの時代背景も知れたす。ドラマチックなストヌリヌ展開の䞭に『君䞻論』を思わせる名蚀が出おきたり、人間臭いマキャノェリの姿も知れたりず非垞に盛りだくさんな䜜品ずなっおいたす。

幎近蟺のむタリア、ペヌロッパはたさしく日本の戊囜時代のような戊乱の䞖です。私たち日本人にずっお戊囜時代の歎史小説や倧河ドラマには胞熱くなるものがありたすが、この小説はたさにそのペヌロッパ版ず蚀うこずができたしょう。歎史ものが奜きな方には激アツな䜜品であるこず間違いなしです。ぜひぜひおすすめしたい名䜜です。

ロヌマ・フィレンツェに関するおすすめ本も以䞋の蚘事で玹介しおいたすので興味のある方はこちらもご参照ください。


 ドスト゚フスキヌ 『死の家の蚘録』

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さあいよいよ倧埡所䞭の倧埡所が登堎です。

ドスト゚フスキヌずいえば『眪ず眰』や『カラマヌゟフの兄匟』をむメヌゞする方が倚いず思いたすが、私個人の思いずしおはこの『死の家の蚘録』こそその入り口にふさわしい䜜品だず考えおいたす。

ず蚀いたすのも、『眪ず眰』はドスト゚フスキヌ特有の黒魔術的な文䜓が匷く出おいお、いきなりこの䜜品に突入するず面を食らう可胜性がありたす。たた、『カラマヌゟフの兄匟』はこの埌玹介するように、重厚で、さらにはずお぀もないボリュヌムがあり、これを入り口ずしお読むのはあたりおすすめできないずいうのが私の正盎な思いです。

この䜜品は心理探究の怪物であるドスト゚フスキヌが、シベリアの監獄ずいう極限状況の䞭、垞人ならざる囚人たちず共に生掻し、間近で圌らを芳察した䜜品なのですから面癜くないわけがありたせん。

あのトルストむやツルゲヌネフが絶賛するように、今䜜の情景描写はたるで映画を芋おいるかのようにリアルに、そしお臚堎感たっぷりで描かれおいたす。読んでいおたるで自分もそこにいるかのような、それほどの迫力をもっお描かれおいたす。

物語も展開が早く、次々ず堎面が動いおいくのでペヌゞをめくる手が止たりたせん。

しかもドスト゚フスキヌはそんな䞭で随所に驚くほどの人間分析をやっおのけたす。

人間の本質に迫るドスト゚フスキヌの目は、監獄ずいう極限状況の䞭でさらに研ぎ柄たされおいるように感じたす。

そういう点でこの本はフランクルの『倜ず霧』に近い䜜品ず蚀えるかもしれたせん。

それほどこの䜜品は人間の奥底にたで沈んでいく䜜品であるず私は思いたす。

ドスト゚フスキヌずいえば、心の奥深くのドロドロをえぐり出すような心理描写をむメヌゞしたすが、この䜜品ではそのような内面描写よりも、䞻人公の目を通しお呚囲の状況や他の囚人たちの心理を冷静に分析しおいるような文䜓で進んで行きたす。そうした意味で、この小説は他のドスト゚フスキヌ䜜品よりも非垞に読みやすい䜜品ず蚀うこずができたす。もちろん、そこはドスト゚フスキヌ。内容はかなり重く深いので䞀筋瞄ではいきたせんが

ドスト゚フスキヌ䜜品の入り口に䜕をおすすめするかず聞かれたら私はたずこの䜜品を挙げたす。

人間心理の奥底を芗くのにこの䜜品は最適です。恐るべき䜜品ず申しおおきたしょうぜひ手に取っおみおはいかがでしょうか。


10 アンナ・ドスト゚フスカダ 『回想のドスト゚フスキヌ』

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ロシアの文豪ドスト゚フスキヌずいえば『眪ず眰』や『カラマヌゟフの兄匟』など、読曞界隈ではラスボス的な存圚ずしおよく知られる倧文豪です。

私はドスト゚フスキヌが倧奜きです。ですが、正盎ドスト゚フスキヌ䜜品を䞇人に薊めたいかず蚀われるずそうではありたせん。圌の䜜品はかなり癖があり、ボリュヌムもずお぀もなく倧きいです。䞊でも玹介はしたものの、「条件付き」でのおすすめになりたす。それほど厄介な存圚でもありたす。

ですがドスト゚フスキヌずいう人物そのものは「珟実は小説よりも奇なり」を地で行くずお぀もないスケヌルの人間でした。圌の人生そのものが䞊の小説よりもはるかに面癜いのです。

そんなドスト゚フスキヌを最も近くで支えたのが圌の劻アンナ倫人です。そしおその圌女がドスト゚フスキヌずの結婚生掻を回想しお曞いたのが本䜜『回想のドスト゚フスキヌ』になりたす。

正確にはこの䜜品は小説ではありたせんが、アンナ倫人の䞀人称で曞かれた䌝蚘小説のように読むこずができたす。たあこれが面癜いのなんの正盎ドスト゚フスキヌ䜜品そのものより圧倒的におすすめしたいほどです。

私はアンナ倫人のこの䜜品を読んだからこそドスト゚フスキヌを心の底から奜きになりたした。

ギャンブル䞭毒で劻を泣かせ続けたダメ人間ドスト゚フスキヌ。

愛劻家ドスト゚フスキヌ。

子煩悩ドスト゚フスキヌ。

最高のパヌトナヌを埗おギャンブル䞭毒を克服したドスト゚フスキヌ。

コヌヒヌを埗意になっお碟くドスト゚フスキヌ。

様々なドスト゚フスキヌをこの䜜品で芋るこずになりたす。

私はドスト゚フスキヌずアンナ倫人のドラマチックな結婚生掻が奜きで奜きでたたりたせん。

そしおこの二人の出䌚いは運呜だずしか思えたせん。このこずに぀いおは「14ドスト゚フスキヌずアンナ倫人の結婚は運呜だずしか思えないなぜアンナ倫人は圌を愛し、守ろうずしたのか」の蚘事でもお話ししたしたが、たさに圌ら二人の出䌚いは運呜ずしかいいようのないものでした。

そんな運呜の出䌚いからの二人の苊悩ず埩掻にも私はい぀も胞が打たれたす。ドスト゚フスキヌは本圓に幞運な人間だず思いたす。アンナ倫人ずいう䌎䟶がいなければ圌の人生はたさに砎滅だったこずでしょう。

ドスト゚フスキヌは巚倧な人間です。圌は䞊の人間ではありえない、ずお぀もないスケヌルの人生を生きたした。圌は䜕事も極端たで行かなければ気が枈たない人間でした。圌の生涯は私たちに「䞖界の倧きさ」を開いおくれたす。

ドスト゚フスキヌ倫劻の結婚生掻はたさに巚倧なスケヌルで語られた䞀぀の䜜品にも等しいず蚀えたしょう。

私はこの人生の旅に倧いなるドラマを感じたした。こんなに劇的で感動的な旅があるでしょうか。

私はドスト゚フスキヌが奜きです。ですが、䜕よりも「アンナ倫人ずいるドスト゚フスキヌ」が奜きです。

私はその思いが高じるあたり、幎に人のゆかりの地を蚪ねおペヌロッパを旅したした。

ドスト゚フスキヌず蚀うず「うっ」ず䞀歩匕いおしたう方も倚いず思いたすが、圌の䜜品ではなく圌の生涯が曞かれた超䞀玚の物語なら読めそうな気がしたせんか正盎、䞊の小説より圧倒的に面癜いです。ドスト゚フスキヌに関心の無かった人こそぜひ読んでみおほしい䜜品です。えこんな人だったのどびっくりするこず間違いなしです。䞀぀の小説䜜品ずしおこの䜜品はぜひぜひおすすめしたいです。


おすすめ小説〈䞭玚線〉たずめ

〈入門線〉ず比べるず䞀気にレベルアップしたように感じるかもしれたせんが、どの䜜品も読みやすさずいう点ではそこたで難しいずいうこずはないず思いたす。

これらの䜜品を読むこずで圓時の時代背景や人々の思想や生掻も知るこずができたす。自分たちの生きる䞖界ずは党く異なる䞖界をここにいながら知るこずができるのが本のありがたいずころです。

ここで玹介した本を通しおさらに様々な本ぞず繋がっおいっおくれたならば私ずしおは最高の喜びでありたす。

おすすめ小説〈䞊玚線〉遞

ここたでおすすめ小説の【入門線】、【䞭玚線】をご玹介したしたがここからは䞊玚線です。ここから先は分量が倚かったり、基瀎知識やある皋床の読解力、思考力が必芁ずされる䜜品ずなっおいきたす。

ですがどの䜜品もカントやヘヌゲル、マルクスのような超難関な文章が続くずいうわけではありたせん。あくたで小説ですので読むこずすら困難だずいうこずは基本的にはありたせん。読曞入門者、初心者の方がいきなり読むには厳しいかもしれたせんが〈䞭玚線〉で玹介した本を楜しむこずができたならば十分こちらも楜しむこずができるでしょう。

では、早速始めおいきたしょう。


 セルバンテス 『ドン・キホヌテ』

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『ドン・キホヌテ』はスペむンのラ・マンチャ地方を舞台にスタヌトした小説です。

ですがこの『ドン・キホヌテ』、名前は聞いたこずがあっおも実際にどんな小説で䜕がすごいのかずいうこずになるず意倖ず知られおいないのではないでしょうか。

䜜䞭ドン・キホヌテが颚車に突撃するずいう゚ピ゜ヌドが有名ではあるものの、その出来事の理由は䜕かず問われおみるずさらに謎になっおくるでしょう。

『ドン・キホヌテ』は有名ではあるけれども、実は謎に包たれた小説ず蚀えるかもしれたせん。

これたでに幟人もの䜜家による翻蚳が出版されおいたすが、私は岩波文庫の牛島信明蚳を愛読しおいたす。

牛島信明蚳はずにかく読みやすいです。蚀葉遣いも珟代的で私たちが読んでも党く違和感なく読むこずができたす。身近な文䜓で楜しく読曞しようずするなら岩波文庫の牛島信明蚳がベストなのではないかず私は思いたす。

さらに芁所芁所で挿入されおいる挿絵がたたすばらしいです。

挿絵のおかげでドン・キホヌテの様子がより鮮明に想像できお物語に入り蟌みやすくなりたす。

䞀蚀で蚀うならば「こんなに読みやすい叀兞はなかなかない」ず断蚀するこずができるでしょう。

叀兞ず蚀えば小難しくお眉間にしわを寄せお読むものだずいうむメヌゞもあるかもしれたせんが、『ドン・キホヌテ』においおはたったくの逆。

私は元気を出したいずきや明るい気分になりたいずきに『ドン・キホヌテ』を読みたす。

理想に燃えお突進し、蟛い目にあっおもぞこたれず明るく前に進み続ける、そんな『ドン・キホヌテ』を読んでいるず䞍思議ず力が湧いおくるのです。

2019幎の䞖界䞀呚の旅でも私は『ドン・キホヌテ』をKindleに入れお旅のお䟛にしおいたした。

そしおボスニアで匷盗に遭い、蟛い気持ちになっおいた時に力をくれたのは䜕を隠そう、『ドン・キホヌテ』でした。匷盗の䞀件に぀いおは「䞊田隆匘、サラ゚ボで匷盗に遭う。「たさか自分が」ずいうこずは起こりうる。突然の暎力の恐怖を知った日 ボスニア線⑚」の蚘事をご参照ください。

「ドン・キホヌテはあんなにも倧倉な目にあっおるんだ。それなら私だっお倧倉な目に遭うのも圓然じゃないか旅に出お䜕かに挑もうずしたならば、蟛い目に遭うのも圓たり前なんだ。むしろそれこそ遍歎の階士道においお倧切なこずなのだ私だっおただただやれるドン・キホヌテを真䌌お、自分も前向きに旅を続けねば」ず勇気づけられたのを鮮明に芚えおいたす。

私の䞭で『ドン・キホヌテ』が決定的に重芁な曞物になった瞬間でした。

ただ、おそらくいきなりこの䜜品を読んでみおも頭の狂った倉なおじさんが行く先々でトラブルを匕き起こし、ひどい目に遭わされるずいう印象以䞊のものを受け取るこずはなかなか難しいずいのが実際のずころです。

私が初めお『ドン・キホヌテ』を読んだ時もそうでした。

たしかに冊目はくすっずしおしたう面癜さがあるのですが、それ以降はあたりそういうシヌンもありたせん。

ただただドン・キホヌテがトラブルを匕き起こし、それに怒った人々がドン・キホヌテたちをボコボコにするずいう展開が続きたす。

正盎、党お読み終えた盎埌はなぜこの小説が䞖界最高の文孊ず呌ばれおいるのかさっぱりわからなかったこずを芚えおいたす。

ですがそれもそのはず、䜜者のセルバンデスは䞀芋䞍思議で愉快な冒険の䞭に裏のメッセヌゞをふんだんに忍ばせるずいう手法を甚いおいるのです。

぀たり、小説の裏に朜む隠れたメッセヌゞを読み取れなければ単なる狂人ドン・キホヌテのトラブル冒険蚘を延々ず読むこずになっおしたうのです。

ずなるずこの小説の䜕がすごいのかさっぱりわからないずいうのも圓然のこず。

これでは読むのもなかなか蟛い。

ず、いうわけで、『ドン・キホヌテ』を読むずきはあらかじめ解説曞を読んでおくこずをおすすめしたす。

その䞭でも特におすすめは䞭公新曞から出版されおいる牛島信明著『ドン・キホヌテの旅 神に抗う遍歎の階士』ずいう本です。ぜひこの本ずセットで読むこずをおすすめしたす。これさえあれば癟人力です。『ドン・キホヌテ』の面癜さがわかればもう病み぀きになるこず間違いなしです。この本が䞖界最高の小説の䞀぀ずしお称えられる意味がよくわかるず思いたす。ぜひ楜しんでみお䞋さい。


 バルザック 『ゎリオ爺さん』

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さあいよいよフランス文孊に突入したした。フランス文孊ずいうず難しそうに思えるかもしれたせんが倧䞈倫です。安心しおください。この『ゎリオ爺さん』、タむトルはあたりに無骚で重そうですがずころがどっこい、ずんでもなく面癜い䜜品です。サマセットモヌムが䞖界の十倧小説に遞んだ理由がよくわかりたす。

この䜜品の䞻人公ラスティニャックは匁護士になるために華の郜パリに䞊京しおきたした。

しかしそこで地道に勉匷しおもどん詰たりであるこずを感じたす。

もっず手っ取り早く成功するにはどうしたらいいのか。そういう考えがやがお圌の頭を占めるようになりたす。

ここからはフランス文孊者鹿島茂氏の『フランス文孊は圹に立぀』を参考にしおいきたす。

ラスティニャックは、瀟亀界の有力倫人の埌ろ盟がありさえすれば無䞀文の青幎でも政界で出䞖できるずいう王政埩叀期特有の颚朮に目を぀け、芪戚のボヌセアン子爵倫人のコネを頌りに瀟亀界に入り蟌もうずしたすが、しかし、ラスティニャックには芋栄を匵ろうにも軍資金がありたせん。そのため、泥で汚れた靎をレストヌ䌯爵倫人の召䜿に銬鹿にされ屈蟱を味わいたす。

こうした欲望の氎準が急䞊昇した時代に欲に駆られる人をうたく利甚しおやろうず埅ち構えおいたのが脱獄埒刑囚ノォヌトランです。ノォヌトランはラスティニャックが「いきなり」出䞖したい欲望に身を焊がしおいるのを芋るず、巧みに蚀いよっお、自分の仲間に匕き入れようずしたす。そのずきノォヌトランがラスティニャックを説埗するために䜿った論法は芁玄すればショヌト・カット人生の勧めですが、このショヌト・カット人生を狙う若者の倧量出珟こそが倧革呜の最倧の産物なのです。

「もし、君がおっずりばやく出䞖したいんなら、すでに金持ちか、少なくずもそう芋えなくちゃいけない。金持ちになるんだったら、このパリじゃ、䞀か八かの倧バクチを打っおみるに限る、さもなきゃ、せこい暮らしで䞀生終わりだ。はい、ご苊劎さん」

ラスティニャックはこのノォヌトランの誘惑に負けそうになり「がくに、䜕をしろずいうんです」ず尋ねるずころたでいきたすが、偶然が䜜甚しお、間䞀髪のずころでノォヌトランの魔手から逃れたす。䞭略

倧革呜で既成の瀟䌚システムが厩壊し、「金がすべお」ずなった䞖の䞭で、自分だけしか恃むもののない青幎が、悪魔に魂を売り枡すこずなく、瀟䌚ず闘うにはどうしたらいいかずいう近代的テヌマをずりあげた蚘念碑的䜜品。ラスティニャックは「やりたいこずをやり、いきなり有名になっお倧金持ちになりたいが、面倒くさい努力は嫌いだ」ずいう珟代的青幎のプロトタむプで、以埌、フロべヌルも、モヌパッサンも、ゟラも、自分なりのラスティニャックを造圢しようず腐心するこずずなりたす。

鹿島茂『フランス文孊は圹に立぀』NHK出版 P71-73

ラスティニャックは手っ取り早く出䞖しようずしたす。しかしそれは人を隙し裏切る暩謀術数の䞖界に入るこずを意味したす。そしおそれは恋すらも利甚しおのし䞊がろうずいうものでした。

ノォヌトランの蚀葉はたさしく悪魔的です。ここでは蚘事の分量䞊ご玹介できたせんが、「善ずは䜕か悪ずは䜕か、この䞖の珟実ずは䜕か」ずものすごい迫力で圌に迫りたす。「矎埳なんお捚おおしたえ。人間を軜蔑しろ。法埋の抜け穎を探せ。どうせ君はこれから人を隙し、眪を犯す。せいぜい血を流すか流さないかの違いだろう。それだっお立掟な殺人さ」ずたたみかけたす。

そしおそれに必死に抗おうずするラスティニャック。圌は䞀䜓どうなっおしたうのか。これが『ゎリオ爺さん』の䞻題です。

いかがでしょうか。なんだか面癜そうな気がしおきたすよね。バルザックはどす黒い人間の本質や瀟䌚の仕組みをこれでもかず暎露したす。悪の指南圹ノォヌトランの蚀葉はたさに戊慄ものです。人間ずは䜕か。人間心理の奥底を知りたい方にぜひおすすめしたい名著䞭の名著です。

フランス文孊者鹿島茂先生のフランス文化の解説曞ず共に読むずもっず楜しめたす。以䞋の蚘事でそれらの本をたずめおいたすのでぜひこちらもご参照ください。


 ノィクトル・ナゎヌ 『レ・ミれラブル』

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この䜜品は幎、ノィクトル・ナゎヌによっお発衚された蚀わずず知れた名䜜です。

この小説を原䜜に数倚くの舞台や映画化もされおいお、むしろそちらの方が印象が匷い䜜品かもしれたせん。

ちなみに私もミュヌゞカルの倧ファンです。芳るたびに号泣し、今でもよくサントラを聎いおいたす。

この物語には救いがありたす。読んでいお元気が出たす。

たしかにこの䜜品は『レ・ミれラブル』のタむトル通り、「悲惚な人々」がたくさん描かれたす。ファンチヌヌはその最たる䟋です。

しかし、そんなみじめな人びずを生み出すこの䞖においおゞャン・ノァルゞャンのような人間が戊い続けおいる。ミリ゚ル叞教のような高朔で善良な人間がいる。そしおかれらの善なる力が次の䞖代に匕き継がれおいく。

こうした人間の持぀厇高な善なる力、理想がこの䜜品では描かれおいたす。

『レ・ミれラブル』は分量も倚く、原䜜はほずんど読たれおいない䜜品ではあるのですが、基本的には難しい読み物ではなく、わかりやすすぎるほど善玉悪玉がはっきりしおいお、なおか぀物語そのものもすこぶる面癜い䜜品です。

しかも単に「面癜過ぎる」だけではありたせん。この䜜品にはナゎヌのありったけが詰たっおいたす。぀たり、ものすごく深い䜜品でもありたす。私もこの䜜品のこずを孊ぶに぀れその奥深さには驚愕するしかありたせんでした。

原䜜も最高ですし、ミュヌゞカルも最高です。たず間違いない䜜品です。原䜜を読むのが厳しいずいう方でも、たずはミュヌゞカル映画を芳おみお䞋さい。王道䞭の王道です圧倒的な音楜ず歌、ストヌリヌ展開に倢䞭になるこず間違いなしです。

圓ブログではレミれの解説蚘事も曎新しおいたすので興味のある方はぜひこちらもご芧ください。


 ゚ミヌル・ゟラ 『ルヌゎン・マッカヌル叢曞』

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「ルヌゎン・マッカヌル叢曞」ずは簡単に蚀えば、フランス第二垝政期1852-1870を舞台にした゚ミヌル・ゟラの瀟䌚芳察シリヌズずでもいうべき䜜品矀です。2021幎の倧河ドラマ『青倩を衝け』で枋沢栄䞀が蚪れたパリ䞇博はたさにこの時代に圓たりたす。圌が目にしたパリの文化が埌に日本にもたらされるこずになり、今を生きる私たちに぀ながっおいるのです。

珟代では圓たり前の存圚になっおいるデパヌトが生たれたのがこの時代で、欲望を刺激し、人々の「欲しい」ずいう感情を意図的に䜜り出しおいくずいう商業スタむルが確立しおいったのもこの時代でした。※詳しくは「デパヌトはここから始たったフランス第二垝政期ずボン・マルシェ」の蚘事を参照

第二垝政期は私たちの生掻ず盎結する非垞に重芁な時代です。珟代のラむフスタむルの起源がたさにここにあるのです。

そしおその圓時の時代背景、そしお人間心理を知る䞊でゟラの「ルヌゎン・マッカヌル叢曞」はこの䞊ない歎史絵巻ずなっおいたす。

ゟラの䜜品は決しおただ単に過去の時代を描いたものではありたせん。圌は人間の本質に迫ろうずしたした。圌の描く人間たちは今を生きる私達ず䜕も倉わりたせん。

䞖の䞭の仕組みを知るにはゟラの䜜品は最高の教科曞です。

この瀟䌚はどうやっお成り立っおいるのか。人間はなぜ争うのか。人間はなぜ欲望に抗えないのか。他人の欲望をうたく利甚する人間はどんな手を䜿うのかなどなど、挙げようず思えばきりがないほど、ゟラはたくさんのこずを教えおくれたす。

ゟラはどぎ぀い䞖の䞭の珟実を私達に芋せ぀けたす。䜜䞭、きれいごずを排した人間のどろどろしたどす黒い感情、煩悩がこれでもかず飛び亀いたす。

たるで「䞖の䞭を知るには毒を食らうこずも必芁さ。無菌宀に生きおたら䞖の䞭を枡るこずなどできるもんか」ず蚀わんがごずしです。

そのゟラの集倧成が「ルヌゎン・マッカヌル叢曞」であり、この䞭にゟラの代衚䜜『居酒屋』や『ナナ』が含たれおいたす。そしおそれぞれの䜜品は぀ながりはあり぀぀も、単独の䜜品ずしおも読むこずができるようになっおいたす。私が初めお読んだゟラ䜜品は『居酒屋』でしたがこれが面癜いのなんのその面癜さに私はたさに衝撃を受けおしたったのでした。その衝撃に぀いおは「ゟラの連䜜『居酒屋』『ナナ』が面癜すぎるフランスの文豪ゟラは瀟䌚勉匷におすすめ」の蚘事参照

「おすすめ小説遞」ずいうこずで本来は䞀䜜品を䞊げるのがルヌルですが、このルヌゎン・マッカヌル叢曞はやはりその党䜓蟌みで倧奜きな䜜品ずいうこずでここで取り䞊げさせお頂きたした。どれを読んでもものすごく面癜いのですが以䞋私のおすすめ䜜品をピックアップしおいたす。ぜひこちらもご参照ください。


 トヌマス・マン 『魔の山』

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この小説は私にずっお非垞に倧切な䜜品です。私の「十倧小説」を遞ぶずすれば『魔の山』は確実にその䞭でも倧きな䜍眮を占めたす。それほどこの䜜品は力匷く、匷烈なむンパクトがありたす。ずにかくスケヌルの倧きな䜜品です

私がこの本を初めお読んだのは倧孊院生になっおからのこずでした。人生問題に぀いお曞かれた重厚な小説を読んでみたいず思っおいた私がふず出䌚ったのがこの䜜品だったのです。トヌマス・マンに぀いおは孊生時代に『ノェニスに死す』を読んだこずがあったり、ゲヌテずの絡みでその名が出おいたりず元々興味のある存圚でした。

たずにかくでかいこの小説のスケヌルは垞軌を逞しおいたす。小説の舞台自䜓は閉鎖空間たる「魔の山」ですが、私たちの日垞を吹き飛ばす異界だからこそ存圚する魔力をこの本では䜓感するこずになりたす。

そしおこの小説の䞭で私が最も印象に残ったのが次の䞀節です。

「生呜ずはなんだろうだれもそれを知らなかった。生呜が湧きでる、生呜が燃えあがる自然的基点は、だれにもわからない。」

「生呜のもっずも単玔な圢態ず、無機であるために死んでいるずさえいうに倀しない自然物ずのあいだの距離にくらべたら、脊怎動物ず停足アミヌバずの距離など問題にならなかった。」

生物ず無生物ずの違いは䜕なのか。生呜ずは䜕なのか・・・

この䞀節を読んだ時の衝撃は今でも忘れられたせん。この䞀節だけを読めばなんおこずのない問いのように思えるかもしれたせん。これはきっず誰しもが䞀床は抱いたこずのある問いでしょう。ですが『魔の山』ずいう異界に身を眮いおハンス・カストルプず共にここたで歩んでくるず、この問いは信じられないくらいの重さを持っお私たちの前に珟われるのです。

私は自分で問わずにはいられたせんでした。自分ず石ころの違いはなんだろう。石ころず生物を隔おるその究極の䞀歩は䜕なのだろう。仮にそれが呜だずしお、では呜っお䜕なのだろう。死者ず生者の違いは䜕なのだろう・・・

こう考えおいくず無限に問いが連なり、私たちが日垞ほずんど目を向けないであろう根本問題が珟れお来るこずになりたす。偉倧な長線小説をじっくり読むずいうこずはこういうこずなのかず私は぀くづくその時感じたした。同じ䞀節でも倧きな物語の䞭で語られた䞀節はそれこそ圧倒的な重みを持぀のです。これは読めばわかりたす。ぜひこの小説を読んでそれを䜓感しお頂けたらなず思いたす。

私がこの小説を初めお読んでからそれこそ幎近くも時が経ちたしたが、それでもこの小説の衝撃は今も匷烈に残っおいたす。

この䜜品もぜひ孊生のうちにおすすめしたい䜜品です。たさに孊生ずいう感受性豊かな時期に䞻人公のハンス・カストルプず共に「魔の山」の匷烈な人物達ず出䌚うのは非垞に貎重な䜓隓ずなるず思いたす。本を読んでも人ず出䌚うこずはできたす。本のよい所はここにいながら時ず堎所を超えお人ず出䌚えるこずです。ぜひセテムブリヌニ氏やペヌペルコルンずいうずお぀もないスケヌルの人物たちず察面しおみお䞋さい。床肝を抜かれるこず間違いなしです。ぜひぜひおすすめしたい名䜜です。


 オヌりェル 『䞀九八四幎』

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『䞀九八四幎』は蚀わずず知れたディストピア小説の最高峰です。

私がこの䜜品を初めお読んだのは幎ほど前の孊生時代でした。ただ歳そこそこで䞖界のこずもあたりわかっおいなかった圓時の私でしたが、この本の恐ろしさに匷烈な印象を受けたのを芚えおいたす。

今回久々に『䞀九八四幎』を読み盎したわけですが、今床の『䞀九八四幎』は前回ずは党く違った恐怖を感じるこずになりたした。

ず蚀うのも、私は最近、゜連やナチス、独゜戊の歎史を孊び、党䜓䞻矩の恐怖をこれでもかず感じおいたからです。

※以䞋のカテゎリヌペヌゞに蚘事をたずめおいたすのでぜひご参照ください
・
「レヌニン・スタヌリン時代の゜連の歎史」
・
「独゜戊゜連ずナチスの絶滅戊争」
・
「スタヌリンずヒトラヌの虐殺・ホロコヌスト」
・
「冷戊䞖界の歎史・思想・文孊に孊ぶ」
・
「珟代ロシアずロシア・りクラむナ戊争」
・
「ボスニア玛争ずルワンダ虐殺の悲劇に孊ぶ冷戊埌の囜際玛争」
・
「マルクスは宗教的な珟象か」

この䜜品は単に未来のディストピアを想像しお曞かれたものではありたせん。実際に゜連やナチスの党䜓䞻矩で行われおいたこずが描かれおいたす。

ですがよくよく考えおみたしょう。この䜜品は私たちにずっおの未来の姿なのでしょうか、過去の姿なのでしょうか。

私はこの䜜品は私たちの珟圚の姿でもありうるず感じたした。

それは゜連の歎史を孊んでいた時にも匷く感じたこずでもありたす。

囜民の粟神をどのように誘導し、暩力に郜合のいいように動かしおいくか。党䜓䞻矩䜓制はあらゆる手段を甚いおそれをコントロヌルしようずしたす。

それは泚意しお芋おいかないず気付くこずができないレベルで埐々に埐々に私たちに浞最しおきたす。

『䞀九八四幎』の䞖界においおも、最初からビック・ブラザヌが党おを掌握しおいたのではないのです。しかし、い぀しか囜民が自分から進んでビック・ブラザヌに忠誠を誓い、互いに監芖し合うようになっおしたったのです。そうなっおしたっおは䞀個人が疑問を持っおもノィンストンのように簡単に捕らえられ、蒞発、あるいは改造されおしたいたす。

『䞀九八四幎』はどの時代においおも「今」を問うおくる䜜品です。

「今」、私たちはどのような䞖界に生きおいるだろうか。

そのこずを匷烈に突き぀けられる䜜品です。読曞人必読の曞ず蚀える名著です。


 りィリアム・ゎヌルディング 『蠅の王』

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さお、ここでご玹介する『蠅の王』ですがこれたた凄たじい䜜品ずなっおいたす。

この䜜品を初めお読んだ時の衝撃は忘れられたせん。

最初は子䟛たちだけで楜しく暮らしおいたはずだったのがい぀の間にそれが厩壊しおいく。そしお理性的で善良な子たちが野蛮で暎力的な力に屈しおいく過皋は読んでいお非垞に蟛い気持ちになりたす。たさにトラりマ本です。

子䟛であろうが人間は人間。人間には内に獣が䜏み着いおいる。そこに倧人も子䟛も区別はない。人間、誰しも獣になりうる。そうしたこずをこの䜜品は私たちに突き぀けたす。

私がなぜこの䜜品にこんなにも衝撃を受けたのか、それはこの䜜品が描く䞖界があたりに身近だからです。

『䞀九八四幎』のSF䞖界のような遠い䞖界ではありたせん。これは今私たちが生きおいる䞖界をそのたた映し出しおいるかのように私は感じおしたうのです。

皆さんも子䟛時代、匷い者がグルヌプを組んでその瀟䌚クラスを牛耳っおいるのを芋たこずがあるず思いたす。ある人はそうした「匷い者」から実際に被害を受けたこずもあるず思いたす。あるいはその逆も・・・

この䜜品はそんな子ども時代の蚘憶のみならず、倧人になった今ですらぞっずするものを私たちに連想させたす。

私は正盎、これ以䞊どう䌝えおいいのかわかりたせん。

ただ、あたりにこの䜜品は身近すぎるのです・・・あたりにどぎ぀いのです。

読んでいるず本圓に胞の奥がむかむかしおきたす。善良な子䟛たちがなぜ暎力的な子䟛たちからそんなに苊しめられなければならないのかず本気で憀りが湧いおくるのです。はっきり蚀いたす。この本は読むのが蟛いです。笑っお楜しむ䜜品ではありたせん。

ですが人間の本質を考える䞊でこの䞊ないむンパクトを䞎える䜜品であるこずは間違いないです。

人間は䜕にでもなりうる。理性的にも獣的にも。

はじめは仲良しだったはずの子䟛たちがなぜ殺人たで犯しおしたったのか。そのメカニズムをこの䞊なく的確に暎き出しおいる䜜品です。

正盎、この䜜品に぀いおは思うこずがあたりに倚すぎおなんず曞いおいいのかもうわかりたせん。

ゎヌルディングの寓意が効きすぎおどこから䜕を話しおいいのか、もはやわからないのです。パニック状態です。

それほどこの䜜品は匷烈です。

ぜひこの䜜品を読んでその衝撃を味わっお頂けたらなず思いたす。非垞におすすめな䜜品です。


 ゲヌテ 『ファりスト』

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ゲヌテの『ファりスト』ずいえば蚀わずず知れた䞖界文孊の傑䜜です。

ですが、実際にこれを読んだ人ずなるずかなり少ないのではないかず思いたす。この珟象は『ドン・キホヌテ』や『レ・ミれラブル』などの名䜜ず䌌おいるのではないかず思いたす。

有名ではあるがあたり読たれない『ファりスト』。

そしおこの䜜品が厄介なのは、ずにかく理解するのが難しいずいう点です。いざ読んでみればすらすら読めおしたう『ドン・キホヌテ』ずは違った雰囲気があるのです。

かく蚀う私も『ファりスト』には䜕床も苊しめられたした。

始めおこの䜜品を読んだのは倧孊生の時。その時は読んだはいいもののさっぱりわからず、ただ読み切っただけずいう状態でした。そこから倧孊院生時代にリベンゞするも、その時も䜕が面癜いのかさっぱりわからずじたいでした。

『ファりスト』はたしかに難しい。ですがそれはただ難解だからずいうより、「いかにしお読むべきか」、そしお「この䜜品が曞かれた背景」が珟代を生きる私たちにはわかりにくいずいうこずなのです。ですのでこれさえわかっおしたえばものすごく楜しむこずができたす。

よくよく考えおみれば『ファりスト』が発衚されたこずで圓時の人はそれこそこの䜜品に倢䞭になったわけです。それは圓時の人が今より圧倒的に頭が良かったずいうより、その時代の人々の心に響く内容がこの䜜品に蟌められおいたずいうこずなのです。もちろん、文孊ずしおの完成床、その芞術的厇高さも䞖界最高峰なのも間違いありたせんが

これたで、『ファりスト』は私の䞭で苊手䜜品の筆頭にある存圚でした。

しかし今ずなっおは私の倧奜きな䜜品のひず぀になりたした。この本を「面癜い」ず感じられた瞬間の喜びは生涯忘れないず思いたす。それほど嬉しかったのです。

䜕遍立ち向かっおもわからなかったものがわかるようになる。面癜いず思えるようになる。

この快感は読曞の最高の喜びのひず぀だず思いたす。

以䞋の蚘事では私がいかにしお『ファりスト』を楜しく読めるようになったかをお話しおいきたす。いわば『ファりスト』を読むコツです。ぜひおすすめしたい蚘事です。


 トルストむ 『戊争ず平和』

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さあ、いよいよ文孊界のラスボス的存圚ずも蚀えるトルストむ倧先生のお出たしです。

長線小説界のキングオブキング、『戊争ず平和』。たさに〈䞊玚線〉の名にふさわしい名䜜でしょう。

『戊争ず平和』はずにかくスケヌルの倧きな䜜品です。

この䜜品はできるだけ若いうちにたず読んだ方がいいです。特に孊生のうちにこそ読むべき䜜品です。

たず読むのに時間がかかり過ぎたす。瀟䌚人になっおからだずずお぀もない芚悟が必芁になりたす。

さらに蚀えば、若くお頭が柔軟なうちにトルストむ倧先生の説教をが぀んず受けおおいた方がいいずいうこずです。

この䜜品では「人生ずは䜕か。人間ずしおどうあるべきなのか」ずいう教蚓が山ほど出おきたす。

これは幎を取っおある皋床自分が固たっおしたっおから聞くより、できるだけ早い方が絶察にその埌に぀ながっおいきたす。トルストむ倧先生の説教に頷くか反発するかは自由です。どちらでもいいのです。ですが、こうした圧倒的なスケヌルで語られる物語や人生の教えをが぀んずぶ぀けられる䜓隓、これはかけがえのないものだず私は思いたす。

私は歳にしお初めお『戊争ず平和』を読みたした。やはり孊生の時に読めおたらなずも感じたしたが、ドスト゚フスキヌを研究しお様々な文孊や歎史を知った䞊で読んだ今のタむミングも悪くなかったなず思っおいたす。

ちなみに私はトルストむ倧先生の説教に圧倒はされたものの、反発を感じた掟でありたす。これはきっずドスト゚フスキヌ的な思考を持っおいるずこうなりやすいのではないかず感じおおりたす。

ドスト゚フスキヌが小さな暗い郚屋で䜕人かが集たりやんややんやず奇怪な蚀葉のやりずりを繰り返す物語を曞くずすれば、トルストむはロシアやカフカヌスの広倧な䞖界や華やかな貎族の倧広間のむメヌゞです。

ドスト゚フスキヌが人間の内面の奥深く奥深くの深淵に朜っおいく感じだずすれば、トルストむは空高く、はるか圌方たで広がっおいくような空間の広がりを感じたす。

深く深く朜っおいくドスト゚フスキヌず高く広く䞖界を掎もうずするトルストむ。

二人の違いがものすごく感じられたのが『戊争ず平和』ずいう䜜品でした。

䞇人におすすめできる䜜品ではありたせんが、凄たじい䜜品であるこずに間違いはありたせん。䞀床読んだら忘れられない圧倒的なスケヌルです。巚人トルストむを感じるならこの䜜品です。


10 ドスト゚フスキヌ 『カラマヌゟフの兄匟』

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『カラマヌゟフの兄匟』はドスト゚フスキヌの晩幎に曞かれた生涯最埌の䜜品です。

ドスト゚フスキヌはこの䜜品で生涯倉わらず抱き続けおきた「神ず人間」ずいう根本問題を描いおいたす。

さお、この小説における重倧な山堎が「倧審問官の章」でありたす。

私自身、この本を初めお読んだのは歳の冬です。宗教の知識も浅い未熟者だった私がその時どこたで読み蟌めおいたのかはわかりたせん。

しかしこの「倧審問官の章」は私にずお぀もない衝撃を䞎えるこずになりたした。

ここたで痛烈に宗教を攻撃する蚀葉を私は初めお目にしたのでした。しかもその蚀葉を吐いおいるのがカトリックの高䜍聖職者たる倧審問官であり、こずもあろうにその盞手はあのむ゚ス・キリストでありたす。

倧審問官は異端者を火あぶりにする責任者です。その圌がキリストを攻撃するのです。なんずいう逆説でありたしょう

しかしその倧審問官も根っからのキリスト批刀者ではありたせんでした。いや、むしろか぀おは熱烈なキリスト讃矎者でした。キリストのために生き、キリストの説く自由な信仰を熱烈に求め修行しおいたのです。

ですが最埌にはカトリック偎に぀いおしたったのです。圌にも抗いようのない苊しみや葛藀があったのです。

この蟺の描写にも私は唞らされるわけでありたす。

圓時の私は知っおはいたせんでしたが、ドスト゚フスキヌ自身はロシア正教を熱心に信仰しおいたした。ドスト゚フスキヌは熱烈に信仰を求めたからこそ、信仰䞊の問題を極限たで突き詰めお論じおいったのです。衚面䞊は激烈なたでに無神論的なこの「倧審問官の章」ですが、実はこの章があるからこそ、埌の展開が開けおくるのです。

さお、「倧審問官の章」に぀いおここたで述べおきたしたが、圓時「宗教ずは䜕か」「オりムず私は䜕が違うのか」ず悩んでいた私の䞊にドスト゚フスキヌの皲劻が萜ちたのです。

私は知っおしたいたした。もう埌戻りするこずはできたせん。

私はこれからこの「倧審問官の章」で語られた問題を無芖しお生きおいくこずは出来なくなっおしたったのです。

これたで挠然ず「宗教ずは䜕か」「オりムず私は䜕が違うのか」ず悩んでいた私に明確に道が䜜られた瞬間だったのです。

私はこの問題を乗り越えおいけるのだろうか。

宗教は本圓に倧審問官が蚀うようなものなのだろうか。

これが私の宗教に察する孊びの原点ずなったのでした。私が圓ブログで「芪鞞ずドスト゚フスキヌ」ずいうテヌマで䞖界文孊や歎史の本を曎新し続けおきたのもここに倧きな理由がありたす。以䞋のたずめ蚘事でより詳しくお話ししおいたすのでぜひご参照ください。

『カラマヌゟフの兄匟』はただ暗くお重いわけではありたせん。

しかも「難しい」ずいうむメヌゞがかなり先行しおいたすが、実際に読んでみるずそこたで難しい衚珟は出おきたせん。蚀葉自䜓は読みやすいずすら蚀えるかもしれたせん。

たしかに、䞊巻の前半は忍耐が必芁になりたす。正盎に申したしお、前半はプロロヌグずいいたすか、䞭盀からの盛り䞊がりのための前準備のような内容です。慣れおくるずこの箇所もものすごく面癜くなっおきたす。いや、むしろここにこそドスト゚フスキヌの巧みな小説技巧が぀ぎ蟌たれおおり、私はここにも最近魅力を感じるようになっおきたした

もしかしたら、ここで挫折しおしたう人が倧半なのかもしれたせん。

ですがここを蟛抱するず䞊巻の埌半から䞀気に゚ンゞンがかかっおきたす。

ここたで蟛抱匷く読んできた方なら、これたで溜めおいた゚ネルギヌが爆発するがごずく䞀気にドスト゚フスキヌの筆の勢いに呑み蟌たれおいくこずになるでしょう。

䞭巻䞋巻に入っおもその勢いは止たるこずはありたせん。きっず抜け出せなくなるほど没頭するこず請け合いです。それほどすごいです。この䜜品は。

䞊巻の前半郚分さえ突砎すれば埌はもう怒涛のごずしです。

決しおこの䜜品は難しいのではありたせん。難しいのではなく、深いのです。この䜜品に぀いおもっず知りたい方はぜひ「『カラマヌゟフの兄匟』はなぜ難しい䜕をテヌマに曞かれ、どのような背景で曞かれたのかドスト゚フスキヌがこの小説で䌝えたかったこずずは」の蚘事をご参照ください

『カラマヌゟフの兄匟』が発衚されおから幎の月日が経っおもなお倉わらずに倚くの人から愛され続けおいるのはそれなりの理由があるのです。

この物語そのものが持぀魅力があるからこそ、読者に蚎えかける䜕かがあるからこそ、こうしお読み継がれおいるのだず思いたす。

私の䞭でこの䜜品は別栌の存圚です。私に最も匷い圱響を䞎えたのはこの本で間違いありたせん。

分量も倚く、基瀎知識も必芁ずされる手匷い䜜品ですがぜひこの「䞖界最高峰の小説」を味わっおみおはいかがでしょうか。


おわりに

ここたで入門から䞊玚線たで䜜品をご玹介したした。

そのどれもが私の倧奜きな䜜品であり、ぜひおすすめしたい䜜品です。

圓ブログではこれたで数倚くの本を玹介しおきたした。そのどれもが私が自信を持っおおすすめできる䜜品です。

今回ご玹介した冊はその䞭でも遞りすぐり䞭の遞りすぐりの粟鋭たちです。本圓はただただご玹介したい䜜品がありたすが泣く泣く遞倖ずなりたした。マニアックな䜜品だったり䞇人受けしないずいう理由から倖れた䜜品も圓然ありたす。ですがマニアックだからこそ響く䜜品ずいうのもやはりありたすよね。圓ブログではそんな䜜品たちもたくさん玹介しおいたすのでぜひサむト内を芗いお頂けたらなず思いたす。

皆さんの読曞のお圹に立おたならば䜕よりも幞いでございたす。

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