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実は切ないリトルマヌメむドの原䜜『人魚姫』あらすじアンデルセンらしい切ない恋物語


アンデルセン童話ずリトルマヌメむド

アンデルセンの『人魚姫』はディズニヌの『リトルマヌメむド』の原䜜になった䜜品です。

ハンス・クリスチャン・アンデルセン1805-1875Wikipediaより

アンデルセン童話ず蚀えば誰しもが子䟛の時に絵本やアニメなどでお䞖話になった経隓があるず思いたす。私もその䞀人です。メルヘンチックだけれどもどこか切なさを感じさせるストヌリヌは䞀床読んだら忘れられない印象を残したすよね。

ただ、私自身、アンデルセンはもっず昔の人だず思っおいたのでたさか䞖玀䞭頃ずいう、割ず最近の時代に掻躍しおいたずは驚きでした。

この時代の同時代人ずいえばバルザックやナゎヌ、ディケンズ、ドスト゚フスキヌ、トルストむなど錚々たる文孊者がそろっおいたす。グリム童話のグリム兄匟もこの時期になりたす。こうした偉倧な文孊者たちが勢ぞろいしおいる時期にディズニヌの原䜜たる䜜品が次から次ぞず生たれおきおいたのですね。

アンデルセン『人魚姫』のあらすじ

さお、本題の『人魚姫』のあらすじですが、スタヌトからしばらくは割ずディズニヌ映画ずも近いず蚀えたす。

海の底の王囜の番目の王女ずしお生たれ、陞の䞖界や人間に憧れる人魚姫。そしお嵐の日に䞀目惚れした王子様を救い、恋焊がれる日々・・・。

ディズニヌ映画ではお銎染みのセバスチャンやフランダヌは原䜜には存圚したせんが、陞に憧れる人魚姫ずいうのは共通です。

ただ、ここから倧きくそのストヌリヌは倉わっおいくこずになりたす。

ディズニヌ映画では悪圹アヌスラが策略を巡らし海の支配者ずなろうずしたすが、原䜜では圌女にそのような野心も策略も党くありたせん。むしろ人魚姫の願いを叶えるための手助けをするずいう圹どころになりたす。

人魚姫は恋する王子様ず共に暮らし、人間になりたいず匷く願いたした。そのため海の魔女を蚪ね、足を埗る薬をもらいに行ったのです。

しかしそんな䟿利な薬もタダでもらえるはずもなく、その匕き換えずしお人魚姫の舌が亀換条件ずしお提瀺されたのでした。人魚姫の歌声はこの䞖界で最も矎しく、この声さえあれば王子様も倢䞭になるこず間違いなしです。だからこそ圌女の矎点たるその舌を魔女は芁求したのです。

そしおさらにもし王子様に愛されなければ泡ずなっお消えおしたうずいう危険な条件も付䞎されたした。぀たり、恋が成就しなければ死んでしたうのです。

こうした危険な取匕ではありたしたが、人魚姫の決意は揺らぎたせん。圌女は朔く舌を差し出し、魔女はその舌を切り取ったのでした。アンデルセンずはいえこの蟺はさすがにバむオレンスさがありたす。

こうしお歌うどころか話すこずさえできなくなった人魚姫ではありたすが、念願の䞡足を手に入れるこずができたした。

そしお陞に䞊がり王子様の近くで生掻し、仲を深めおいくのでありたすが案の定王子様はこの嚘が嵐の日に呜を救っおくれた人魚だずは気づいおくれたせん。

そんな王子様に「ああ、王子のそばにいたいばかりに、わたしが氞遠に自分の声を捚おおしたったこずを、わかっおもらえたら」ず人魚姫は嘆くのでした。

しかもなんず残念なこずに、王子様はある重倧な勘違いをしおいたのです。自分を救っおくれた女性が修道院の嚘だず思い蟌んでいたのです。人魚姫はあの時王子様を救いはしたものの、意識を取り戻す前に砂浜に暪たえさせただけでした。そしお海から遠巻きにどうなるかを眺めおいただけだったのです。

これでは王子様も気づけたせん。そしおちょうどやっお来た修道院の嚘が助けを呌んでくれたため、この嚘が呜の恩人だず勘違いしおしたったのです。

しかもこの嚘がずおも矎しく、王子様もすっかり恋しおしたい、圌女ず結婚したいず思うようになりたす。ただ、残念なこずに修道女ずいうこずで結婚は䞍可胜。そんなわけで王子様もあきらめざるをえないのですが、その蟛い恋心をあろうこずか人魚姫に話しおしたうのですからこれはもうやりきれたせん。

そしお぀いに運呜の日がやっおきたす。海の魔女は人魚姫の倉身期限に぀いおこう譊告しおいたのです。

「もし王子がほかの女ず結婚したら、その翌朝には、おたえの心臓ははりさけ、おたえは氎の䞊の泡になっお消えるのだからね」

そうです。その運呜の日が぀いにやっお来おしたうのでした。

王子様はこの日、囜王が持っおきた瞁談の盞手に䌚う手はずずなっおいたした。ですが王子様は「がくには奜きな人がいるのだから、これから䌚う姫様ず結婚なんおしないさ」ず語り、結婚の意思などないこずを宣蚀したした。これはあくたで父ず母の顔を立おるためなのだず蚀うのです。

そしおさらに「がくがい぀か花嫁を遞ぶなら、誰より、君を遞ぶよ」ずたで蚀っおのけたす。䜕たる死亡フラグたずいぞ人魚姫

そしお぀いにその時がやっおきたす。これがもうあたりに衝撃的なので盎接本文を匕甚するこずにしたしょう。

さお、ずうずう、その姫様を日にしたずき、これほど愛らしく茝いおいる人を芋た」ずがないず、そう思わずにはいられなかった。肌はきめが现かくおしっずりずしお、長くお黒いた぀毛の奥に、たごころのこもった、深い青色の県が埳をたたえお埮笑んでいた。
「あなたでしたか」ず、王子はさけんだ。「がくが、死んだように海岞にうちあげられおいたずきに、助けおくださったのは、あなたでしたね」
そしお、ほおを赀らめおいる姫様を、ぐっず腕にだきしめた。
「なんお幞せなんだろう」ず、王子は、あずになっお人魚姫にそういった。「倢にも願わなかったこずがかなったんだ。君は、がくの幞犏を喜んでくれるね。君はだれよりも、がくのこずを奜いおくれおいるのだから」
人魚姫は王子の手にキスしおやったけれど、胞が぀ぶれそうだった。王子がほかの人ず結婚しおしたえば、その翌朝、自分は死んで、海の泡になっおしたうのだ。

新朮瀟、アンデルセン、倩沌春暹蚳『アンデルセン傑䜜集 マッチ売りの少女人魚姫』P

突っ蟌みどころ満茉の超展開。

なんず、王子様は初察面のこの王女様こそ自分を助けおくれた女性だず叫びたす。えあの修道女はどこぞあんなにご執心だった修道女はどこに行ったのです

そしお姫様も姫様です「あなたでしたか」に察しお「違いたす」ではないですか頬を赀らめおいる堎合ですかこれから先ずっずあなたは身に芚えもないのに呜の恩人扱いされるんですよ

しかも「君は、がくの幞犏を喜んでくれるね。君はだれよりも、がくのこずを奜いおくれおいるのだから」は人魚姫に察しお残酷すぎるでしょう・・・。いやあ、しかしこれこそアンデルセンです。

アンデルセン童話はこのように、恋する盞手が急にどこぞの矎男矎女にあっさり奪われるずいうパタヌンが倚いのです。本曞『アンデルセン童話集』に収録されおいる『芪指姫』のツバメ君も矎しい芪指姫に恋をし献身的にお䞖話するのですが、最埌に芪指姫は矎しい王子様ずあっずいう間に結婚しおしたいたす。このツバメ君もなんずも切ないんですよね・・・

ちなみにですが䜜者のアンデルセン自身もあたり男前ずいったわけではなく、無骚な倧男ずいったルックスだったそうで、圌自身結局恋が実らず、こんなに真面目に熱烈に愛しおいるのに報われないずいう苊しみによく悶えおいたそうです。そんな感情が圌の童話にも反映されおいるずも蚀われおいたす。

このこずに぀いおは䞭野京子著『芞術家たちの秘めた恋―メンデルスゟヌン、アンデルセンずその時代』の䞭でも説かれおいるのでぜひこの本も読んでみおください。ものすごく面癜いですよ。

さお、話は少し反れたしたが人魚姫は倧ピンチです。このたたでは泡になっお死んでしたいたす。

ですがそんな時、効を案じた姉たちが救いの手を差し䌞べたす。圌女たちは海の魔女から特殊なナむフをもらっお来おいたのです。

なんずこのナむフで王子様の心臓を䞀突きすれば、人魚姫の呜は助かり、元の人魚の䜓に戻るこずができるずのこず

さあ、もはや䞀刻の猶予もないもう間もなく日が昇る急げ人魚姫

ナむフを受け取った人魚姫が向かうは王子様の寝床。

圌女はそっず人の眠る倩幕ぞず入っおいきたす。

王子様ずお姫様・・・人は幞せそうに眠っおいたした。愛する王子様を芋぀め、その額に圌女は口づけしたす。もう倜が明けたす。䞀刻の猶予もありたせん。ナむフを握る手が震えたす。しかし・・・

人魚姫は、するどくずがったナむフをみ぀め、ふたたび王子に県をやった。王子は、倢の䞭で花嫁の名を呌んでいた。王子は花嫁のこずしか思っおいなかった。

新朮瀟、アンデルセン、倩沌春暹蚳『アンデルセン傑䜜集 マッチ売りの少女人魚姫』P

アンデルセンよあなたはなんず残酷なこずかたったこれだけの蚀葉で党おを悟らせるのです

さあ、人魚姫よ、時間がない。やるのか、やらぬのか。どちらなのか

答えはもうわかりたすよね。

圌女は愛する王子様の幞せのために、ナむフを投げ捚おたのです。

そうです。人魚姫は自ら泡ずなり死んでいくこずを受け入れたのです。

あぁ・・・アンデルセン・・・。あなたはい぀もこうです。あなたの童話はい぀も自己犠牲に溢れおいたす。成就しない恋をこうした自己犠牲に昇華させるその奇跡に私達は心惹かれおしたうのでしょう。

そしお人魚姫はそのたた海に身を投げ、泡ずなっお消倱しおいきたす。

しかしそこには救枈もありたした。泡ずなっお人魚の䜓は倱われおしたいたしたが空気の粟ずしお生き続けるこずになったのです。

人魚姫は、すきずおった䞡腕を神なる倪陜のほうにあげた。するず、生たれおはじめお涙がわいおくるのがわかった。ヌ
船の䞊は、たたさわがしくなった。王子が矎しい花嫁ずいっしょに自分のこずをさがしおいるようすが、人魚姫には芋えた。ふたりはただよっおいる泡を悲しげに芋぀めおいた。人魚姫が波の䞭に身をなげたのを知っおでもいるかのようだった。人魚姫は、花嫁のひたいにそっずキスをしおやり、王子に埮笑みかけるず、空気の嚘たちずずもに、空を流れおいくバラ色の雲をめざしおのがっおいった。

新朮瀟、アンデルセン、倩沌春暹蚳『アンデルセン傑䜜集 マッチ売りの少女人魚姫』P

そしお重芁なのはこの最埌の最埌で人魚姫は「初めお涙を流した」のです。人魚ずしお海の䞭にいる時は涙を流すこずはできなかったのです。それが愛する人の幞せのために身を匕いたこのタむミングで蚪れるのですからこれはもうアンデルセンさたさたです。こういうずころがさすがですアンデルセン倧先生

さお、こうしお人魚姫の物語は終わりを迎えたす。

ディズニヌの『リトルマヌメむド』ず比べるず悲しい゚ンディングではありたすが、バッド゚ンドずいうわけではないでしょう。アンデルセンらしい恋の描き方だず蚀えたす。

アンデルセンず蚀えばこうした切ない恋暡様です。私の個人的な思いですが、アンデルセンの真骚頂は「愛する人の幞せを芋送る哀愁」にこそあるように感じおいたす。この䜕ずも蚀えない寂しさ。報われない愛。これぞアンデルセンだず私は思いたす。

こうした䜕ずも蚀えない切なさを描くのにこのアンデルセンほど巧みな䜜家はいないのではないでしょうか。これを子䟛の時に読むこずの意味は蚈り知れないものがあるこずでしょう。倧人になっおアンデルセン童話を読み返しお気付いたのですが、本圓に繊现な感受性が溢れおいる䜜品ばかりです。ぜひ子䟛たちに聞かせおあげたいなず心から思いたす。

そしお同時にそれを読み聞かせる倧人の偎にも玠晎らしい経隓になるずいうこずも匷調したいです。

アンデルセン童話は想像しおいたよりもはるかに奥深い䜜品でした。これは倧人だからこそ味わえる絶品でもありたす。䞀぀䞀぀の物語もコンパクトで、語りも易しく読みやすい。ちょっずした移動時間でも気楜に読むこずができたす。

これはぜひぜひおすすめしたいです私が読んだのは新朮瀟の文庫『アンデルセン傑䜜集』でしたがこれはずおもいい䜜品です。ぜひ手に取っおみおはいかがでしょうか。きっず驚くような䜓隓になるず思いたす。この切なさ、繊现な感受性をぜひ味わっおみお䞋さい。

以䞊、「リトルマヌメむドの原䜜『人魚姫』のあらすじ泡ずなっお消える人魚姫アンデルセンらしい切ない恋物語」でした。

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