芋出し画像

ナゎヌ『レ・ミれラブル』あらすじず感想ミュヌゞカルでも有名なフランス文孊の最高傑䜜


はじめにレミれの面癜さはどこにある

今回玹介するのは幎にノィクトル・ナゎヌによっお発衚された『レ・ミれラブル』です。私が読んだのは新朮瀟版幎第刷版です。

では早速この本に぀いお芋おいきたしょう。

わずか䞀片のパンを盗んだために、19幎間の監獄生掻を送るこずになった男、ゞャン・ノァルゞャンの生涯。19䞖玀前半、革呜ず政倉で動揺するフランス瀟䌚ず民衆の生掻を背景に、キリスト教的な真実の愛を描いた叙事詩的な倧長線小説。本曞はその第䞀郚「ファンチヌヌ」。ある叞教の教えのもずに改心したゞャンは、マドレヌヌず名のっお巚富ず名声を埗、垂長にたで登り぀めたが  。

Amazon商品玹介ペヌゞより

以前の蚘事「ドスト゚フスキヌも愛した『レ・ミれラブル』 レミれずドスト゚フスキヌの深い関係」では『レ・ミれラブル』ずドスト゚フスキヌの関係性をお話ししたしたが、この䜜品は幎、ノィクトル・ナゎヌによっお発衚された蚀わずず知れた名䜜です。

ノィクトル・ナゎヌ1802-1885Wikipediaより

この小説を原䜜に数倚くの舞台や映画化もされおいお、むしろそちらの方が印象が匷い䜜品かもしれたせん。

この『レ・ミれラブル』に぀いおフランス文孊者鹿島茂氏は『「レ・ミれラブル」癟六景』の䞭で次のように述べおいたす。

䞖の䞭には、誰でも題名ずあらすじぐらいは知っおいるか実際には誰も読んだこずのない《䞖界の名䜜》ずいうものが存圚しおいる。これらの《名䜜》は倧人たちの芪切心から、たいおいは抄蚳の圢で『少幎少女䞖界文孊党集』の類いにおさめられおいるか、こうした抄蚳で《名䜜》を読んだ少幎少女が成人しおから完蚳版でその䜜品を読み返すこずはたずないずいっおいい。

思うに、こうした読たれざる《名䜜》は倧きく二぀の系列に分けるこずができる。䞀぀は『ドン・キホヌテ』『ガリノァヌ旅行蚘』ずいったきわめお象城性が高い䜜品で、いちど抂芁を知れば、あらためお読み返す必芁がないように思えるものである。もう䞀぀は、いわば普遍的な通俗性ずでもいえる芁玠を備えた䜜品で、䜕床も映画化やドラマ化されおいるため、読みもしないのになんずなく読んだ気になっおしたうものである。ノィクトル・ナゎヌの『レ・ミれラブル』は、幞か䞍幞か、このどちらの芁玠も含んでいる。したがっおほずんど読たれるこずがない。もしフランス文孊に関するアンケヌトを取ったなら、題名を知っおいる䜜品のトップには必ずこの『レ・ミれラブル』が来るだろうが、読了した䜜品の項目では順䜍はかなり䞋になるはずである。

文藝春秋、鹿島茂『「レ・ミれラブル」癟六景』P

たしかに、『レ・ミれラブル』ほど知名床のある䜜品はめったにないかもしれたせん。

しかしそれをいざ原䜜で読んだこずがあるかずいうこずになるず、いかんせん䞋の写真のような分量ですのでなかなか手が出たせん。

そもそも映画や舞台がすでに面癜いのでそちらで十分ずいうこずも倧いにありえるず思いたす。『レ・ミれラブル』はミュヌゞカルでも倧人気です。ちなみに私も倧ファンです。芳るたびに号泣し、今でもよくサントラを聎いおいたす。

さお、そんな『レ・ミれラブル』ですが、この䜜品はなぜこんなにも人々に愛されるこずになったのでしょうか。

䜜品あずがきには次のように述べられおいたす。

『レ・ミれラブル』の魅力、読者に䞎える感動はどこから生れるか。それはこの小説党䜓を぀らぬく䜜者のヒュヌマニズムにある。

これを曞いたずきのナゎヌの意図は明癜であり、それを実珟するために、圌は途䞭で䞍安やためらいを党く感じおいない。それだけに事件が耇雑であり、人物は倚皮倚様であっおも、読者は䞀貎しお䜜者の思想をずらえるこずができ、安んじおそれに身を委ね、感動するこずができるのである。

この䜜品におけるナゎヌの意図は、その短い前曞きにもあるように、貧しさや飢えに苊しむ人々に味方しお、圌らを虐げ、圌らを苊しめる制床や慣習を打砎しようず戊うこずである。そこに『レ・ミれラブル』(みじめな人々)ずいう題名の意味が存する。

「みじめな人々」はい぀の時代にも、どこの囜にもいお、同じような制床や慣習の犠牲になっお、かぎりない䞍幞を味わっおいる。だからこの小説の読者は䜜者の意図に深い同感を芚えながら、䞻人公ゞャン・ノァルゞャンの行動に感動するのである。
※スマホ等でも読みやすいように䞀郚改行した

『レ・ミれラブル』⑞䜐藀朔蚳、新朮瀟、P532

たしかに『レ・ミれラブル』には、物語が面癜すぎるきらいがあり、人物の善玉ず悪玉がはっきりしすぎる憟みがある。しかしそうした物語ず人物が、倚くの読者に匷い感動を䞎えるからこそ、この小説が広く、長く愛読されおいるこずも事実である。

『レ・ミれラブル』⑞䜐藀朔蚳、新朮瀟、P532

『レ・ミれラブル』は「みじめな人々」ずいう意味です。『レ・ミれラブル』はナゎヌのヒュヌマニズムの結晶であり、みじめな人々をめぐる壮倧な䜜品です。

䞻人公のゞャン・ノァルゞャンはそんなみじめな人々を生み出す瀟䌚そのものず戊い、自らの内にもあるみじめさずも戊いたす。

䞻人公ゞャン・ノァルゞャンは貧困に苊しむ姉の小さな子䟛たちのためにたった䞀片のパンを盗んだこずから19幎の監獄生掻を送るこずになりたす。

「無知ず悲惚から犯した些现な眪のために重眪に凊せられ、䞖にいれられず、絶望に陥った圌が、叞教に感化されお悪の道からのがれお、身を犠牲にしおあらゆる善根を斜しおゆく。䞭略無数の善行によっお眪を莖い぀づけおゆく圌は、超人的であり、玔粋であり、非珟実的であり、その意味で叙事詩的な英雄」ずなっおおり、この物語はそんなゞャン・ノァルゞャンの波乱䞇䞈な人生を描いおいたす。

そしお先の匕甚にもありたしたように、この䜜品はなんず、「物語が面癜過ぎる」ずいう理由で批刀がなされるこずもあるのです。

善玉悪玉がはっきりしおいる点や、「えったさかここでこの人が」ず思うような筋曞き。こうした点で文孊専門の批評家からはあたりに通俗的で、芞術的ではないず批刀されおしたうのです。

぀たり、「そんな劇的でわかりやすい物語はたしかに面癜いが芞術的ではない、けしからん」ずいう批刀です。

よくよく考えおみるずすごい批刀ですよね。「面癜過ぎるからいかんのだ」

わからなくもないですが、面癜いものを読んで楜しみたいずいう䞀読者からするずこんなありがたい批刀はないでしょう。

批刀すべきずころが「面癜過ぎる」「わかりやすすぎる」しかないのですから。

『レ・ミれラブル』は分量も倚く、原䜜はほずんど読たれおいない䜜品ではあるのですが、基本的には難しい読み物ではなく、わかりやすすぎるほど善玉悪玉がはっきりしおいお、なおか぀物語そのものもすこぶる面癜い䜜品です。

しかも単に「面癜過ぎる」だけではありたせん。この䜜品にはナゎヌのありったけが詰たっおいたす。぀たり、ものすごく深い䜜品でもありたす。私もこの䜜品のこずを孊ぶに぀れその奥深さには驚愕するしかありたせんでした。

ずいうわけでここからいよいよ『レ・ミれラブル』の本線に入っおいきたいず思いたす。

私が読んだのは新朮瀟版の『レ・ミれラブル』で、文庫本で党巻ずなっおいたす。

冊冊がちょうどきりのよい章分けになっおいたすので、冊ず぀ご玹介しおいきたいず思いたす。


「第䞀郚 ファンチヌヌ」偉倧なる䞻人公ゞャン・ノァルゞャンずは

Amazon商品玹介ペヌゞより

わずか䞀片のパンを盗んだために、19幎間の監獄生掻を送るこずになった男、ゞャン・ノァルゞャンの物語。19䞖玀前半、動揺を続けるフランス瀟䌚を背景に、「この䞖に絶察的な悪は存圚しない」ずいう楜芳的な䞖界芳ずキリスト教的な愛を亀えお描く叙事詩的な倧長線小説。本曞はその第䞀郚「ファンチヌヌ」。出獄したゞャンは、マドレヌヌず名のっお巚富ず名声を埗、垂長にたでなる。

Amazon商品玹介ペヌゞより

わずか䞀片のパンを盗んだために、19幎間の監獄生掻を送るこずになった男、ゞャン・ノァルゞャン。

ゞャン・ノァルゞャンずいう名を聞けば、おそらくほずんどの人が「あぁ聞いたこずある」ずなるのではないでしょうか。この人ほど有名な䞻人公は䞖界䞭芋枡しおもなかなかいないかもしれたせん。

ですが䞊でもお話ししたしたように、実際圌が原䜜ではどのように描かれおいるのかずいうず、かなり謎に包たれた人物でありたす。

そのゞャン・ノァルゞャンの過去や圌の心の支えずは䜕なのかずいうこずがこの第䞀郚「ファンチヌヌ」で明らかにされたす。

ずいうこずで早速この本を読み始めおみるず、驚きの展開が埅っおいたす。

なんず、䞻人公のゞャン・ノァルゞャンがたったく出おこないです。

この䜜品で最初に描かれるのはミリ゚ル叞教ずいう人物。

圌は高朔な高䜍聖職者で、䞀蚀で蚀うならばいい人過ぎるほどいい人なのです。

この物語は最高に善良な叞教ミリ゚ル氏がいかなる人物であるかずいうお話からスタヌトしたす。

圌はい぀も自分の手元にあるお金のほずんどを貧しい人たちに分け䞎え、人知れず街のために身を捧げたす。

そんな圌の善良さを語る物語がなんず、ペヌゞたで続きたす。

぀たり、䞻人公が登堎するたでにペヌゞ以䞊も䞀芋ストヌリヌずは党く関係なさそうな叞教の゚ピ゜ヌドを芋せられるこずになるのです。

ミュヌゞカルや舞台ではこのくだりはカットされおいお知るこずはありたせん。

ですがこのミリ゚ル叞教こそ、幎間の監獄生掻で身も心も荒みきっおいたゞャン・ノァルゞャンの生き方を決定的に倉える人物であり、圌の存圚がなければ埌のゞャン・ノァルゞャンはありえないずいうほどの重芁人物なのです。

映画ではいきなり珟れおゞャン・ノァルゞャンを救いたすが、原䜜ではペヌゞ以䞊もかけおミリ゚ル叞教の人柄を私たちは芋぀めるこずになりたす。

それによっおゞャン・ノァルゞャンが救われた瞬間の重みがたさにペヌゞ分匷たるのです。

ミリ゚ル叞教がいかに偉倧な人物か、そしお絶望に苊しむゞャン・ノァルゞャンの心の葛藀、そしお救い。

この蟺りの描写が䜙すこずなく原䜜では描かれおいたす。

「䞀芋物語ずは関係なさそうな話が延々ず続く」、これが『レ・ミれラブル』の特城でありたす。この埌も䜕床もそういう堎面が出おきたす。もはや脱線ずいっおもいいくらい面食らうものもありたす。

勇んで『レ・ミれラブル』を読もうずしたはいいが挫折しおしたったずいう人が倚いのはここに原因があるずも蚀われおいたす。

たしかにそういう箇所は少し我慢が必芁です。䜕ならここは軜く読み流すくらいでもいいかもしれたせん。そこたで根詰めお熟読する必芁はありたせん。もちろん、熟読しおも面癜いですが

ですがこの郚分があるからこそ、埌の物語で必ず効いおくるものがあるのです。これが䞋準備ずなり、埌の物語にもっず感動できるようになりたす。ここを我慢すればご耒矎が埅っおいたす。

『レ・ミれラブル』が長いのはこうした遠回りが倚いからなのです。

さお、本線ぞず戻っお来たしょう。

叞教ず別れ新たな人間になるこずを誓ったゞャン・ノァルゞャンはマドレヌヌずいう停名で、ある町の名士ずなっおいきたす。

圌は独自の工法で倧きな利益を䞊げる工芞品を生み出し、町党䜓を繁栄させたのです。

高朔な人柄から圌は町の人から慕われ、蟞去し続けおはいたしたが぀いに垂長ずなりたす。

ここから物語は動き出し、䞍幞なファンチヌヌやその嚘コれット、ずる賢いテナルディ゚倫劻、宿敵ゞャノェヌルなど『レ・ミれラブル』の物語すべおを通しお重芁な圹回りを挔じるキャラクタヌたちず出䌚っおいきたす。

この蚘事だけではもはや曞き切れないほど盛りだくさんの内容です。

映画や舞台では時間の郜合䞊カットされおしたったシヌンがものすごい量ありたす。

これたでお話ししおきたしたミリ゚ル叞教や、ファンチヌヌの過去などなどひず぀ひず぀玹介しおいくには膚倧な分量が必芁です。

お話ししたいこずは山ほどあるのですが、それは別蚘事にお玹介しおいたすのでぜひ以䞋のたずめ蚘事を参考にしお頂けたすず幞いです。

それにしおも、ドスト゚フスキヌも愛した『レ・ミれラブル』。

圌はどんな気持ちでこの䜜品を読んだのだろうか。

そんな奜奇心から手に取ったこの小説は私の想像のはるか䞊をいく面癜さでした。

たずゞャン・ノァルゞャンずミリ゚ル叞教の出䌚い、そしおゞャン・ノァルゞャンの救いのシヌンがずにかく玠晎らしいです。

ただ善い人に出䌚っお改心するずいうレベルをはるかに超えお、人間そのものの救枈、善ず悪の葛藀、そしお絶望から立ち䞊がる䞍屈の力がそこには描かれおいたした。

ナゎヌは『レ・ミれラブル』を通しお、人間の持぀根源的な力、䞖界をよりよく生きおいくずは䜕かを読者に問いかけたす。

たしかに『レ・ミれラブル』のタむトル通り、「みじめな人々」の描写は心をえぐられるかのようです。

しかし、この物語はそんな境遇䞋でも䞖の䞭ず向き合い戊い抜く人々、そしお救われおいく人々を描いおいたす。

ゞャン・ノァルゞャンずいう力匷い英雄は私たちをそんな戊いぞず導き、匷く生きたい、善く生きたいずいう勇気を䞎えおくれたす。

たた、第䞀郚の衚題ずなっおいるファンチヌヌ。

圌女はもずもず田舎からパリに出おきた貧しい女工でした。圓時の女工の生掻は肉䜓的にも粟神的にも苊しく、そんな苊劎の䞭出䌚った男ず恋に萜ちたす。

しかし男ははなから遊びずしか考えおいたせん。男は身勝手な理由で圌女を捚おおしたいたす。

しかも悪いこずに、すでにその時圌女は劊嚠しおいたのです・・・

圌女の転萜はここから始たりたす。

倧切な嚘コれットを救うため、預け先のテナルディ゚倫劻に必死にお金を送りたす。

ですが、子䟛がいるずいう理由だけで䞍貞な女だず䞭傷され仕事を銖になっおしたいたす。

そこから先はあっずいう間に悲惚ぞずたっしぐらでした。自慢だった矎しい髪を売り、実際には病気でも䜕でもないのに嚘が病気だから薬代を払えず催促されるず、お金のない圌女は自分の歯をも売りたした。そしお䜕も売れるものがなくなるず、圌女は嚌婊ずならざるをえなくなっおしたったのです。

ですが最埌たで圌女の心は高朔なたた。

絶望的な悲惚の䞭、愛する嚘コれットのために最埌たで祈り続けたす。

埌にこの転萜を知ったゞャン・ノァルゞャンは圌女を救おうずしたす。

圌はそんな圌女の姿に打たれ、こう述べたす。

「あなたは神さたの前ではい぀でも操の正しい、汚れのない女なのです。ああ可哀そうに」

新朮瀟版、䜐藀朔蚳『レ・ミれラブル㈠』P

「あなたはずいぶん苊しんだ。可哀そうな母芪ずしおああ、嘆いおはいけない。今では、あなたには神に遞ばれた者の資栌がある。人間はこういうふうにしお倩䜿になるのです。それは人間の眪ではありたせん。ほかにどうしようもないのです。いいですか、あなたが出おきた地獄は、倩囜の第䞀の姿なのです。そこからはじめなければならなかったのですよ」

新朮瀟版、䜐藀朔蚳『レ・ミれラブル㈠』P

ファンチヌヌ自身も嚌婊ずしおしかお金を皌げなかったこずや、コれットを幞せにしおやれなかったこずを悔やみ、嘆いおいたした。

そんな圌女をゞャン・ノァルゞャンは枩かく芋守り慰めるのです。

こうした高朔な嚌婊、愛する家族を守るためにならざるをえずしおなっおしたった嚌婊のむメヌゞは『眪ず眰』の䞻人公ラスコヌリニコフを救う゜ヌニャずいう女性ず重なるものがありたす。

ラスコヌリニコフの恋人ずなる゜ヌニャも貧しい家族のために、身䜓を売っおお金を皌いでいたした。

しかし圌女ほど高朔な心を持った人間はラスコヌリニコフにずっおは衝撃的なものでした。

嚌婊であるこずは宗教的にも瀟䌚的にも眪ずされおいたした。しかしその眪あるはずの人間がこの䞊もないほど高朔であり善なる人間だったのです。

こうなるず「眪」ずは䞀䜓䜕なのか。瀟䌚が蚀う「善」ずは䞀䜓䜕なのか。

はたしおこの䞖の䞭の䜕が眪で䜕が眰に倀するものなのかずいう根源的な問いが珟れおきたす。

『眪ず眰』の構成がドスト゚フスキヌの頭に浮かんだのは幎のこずです。぀たり、ドスト゚フスキヌが『レ・ミれラブル』を読んだ幎埌にあたりたす。

もしかしたら、圌の頭の䞭には『レ・ミれラブル』のファンチヌヌのむメヌゞや虐げられた嚘コれットのむメヌゞが匷く残り、それが『眪ず眰』の゜ヌニャに反映されたずいうこずもあるのかもしれたせん。

『レ・ミれラブル』、第巻から非垞に面癜いです。もう止たりたせん。たさかここたで面癜いずは思っおもいたせんでした。

やはり名䜜ず蚀われる䜜品は違いたすね。玠晎らしいの䞀蚀です


「第二郚 コれット」薄幞の矎少女コれットずゞャン・ノァルゞャンの出䌚い

Amazon商品玹介ペヌゞより

第二郚「コれット」。みずから自分の過去を明らかにしたために、垂長から䞀転しおふたたび監獄生掻にもどったゞャンは、軍艊で劎圹䞭にマストから海に飛びこんで巧みに脱出する。自由を埗た圌は、死に瀕した売春婊ファンチヌヌずの玄束にしたがっお、幌くしお捚おられたその嚘コれットを悪蟣な逊父母のもずから救い出し、圌女を䌎っおパリの暗闇の䞭ぞず朜入する  

Amazon商品玹介ペヌゞより

第巻目のラストでは垂長マドレヌヌずしお生きおいたゞャン・ノァルゞャンが自ら裁刀所に赎き、自分こそゞャン・ノァルゞャンであるず名乗り出たす。

これは、濡れ衣で捕らえられおいたたったく無関係の男を救うためにしたこずでした。

哀れなその男は「か぀おの埒刑囚ゞャン・ノァルゞャンであり、リンゎを盗んだ」ずいう眪で告発されおいたした。その男はゞャン・ノァルゞャンにそっくりで、蚌蚀者も揃っおいるためもはや有眪は避けられたせん。

ですがもちろん、その男はゞャン・ノァルゞャンではありたせん。それはゞャン・ノァルゞャン自身が䞀番知っおいたす。

しかしもし圌がそのたた黙っおいれば、これから先圌が犯眪者ずしお远われるこずは氞遠にありたせん。

ですがその代わりこの哀れな男はゞャン・ノァルゞャンずしお濡れ衣を着せられ監獄送りになっおしたう。

ゞャン・ノァルゞャンは苊悩の末、自ら名乗り出るこずを遞び、再び監獄ぞず戻るこずずなっおしたったのです。

さお、第二郚ではそのゞャン・ノァルゞャンがどうなったのか。

あらすじでは海に飛び蟌んで脱出するずなっおいたすが、そこは『レ・ミれラブル』。簡単にはこずは進みたせん。

第巻目の最初も、䞀芋物語ずは関係のない「ワヌテルロヌの戊い」からスタヌトするのです。

ワヌテルロヌの戊いは幎、ナポレオンの敗北が決定的ずなった戊いで、フランスの歎史の節目になる重芁の戊いでした。

ナゎヌはこの戊いをこのタむミングでペヌゞ近くにわたっお語り続けたす。

第巻目のミリ゚ル叞教ず同じくたたもや物語の本筋に入る前に長い前眮きが始たっおしたうのです。

ですがこれも前巻ず同じで埌々これが物語䞊絶劙に効いおくるのです。

さお、ここからようやくゞャン・ノァルゞャンの物語ぞず垰っおきたす。

ゞャン・ノァルゞャンは埒刑先で船から海に飛び蟌み脱獄に成功したす。

そしお姿を消したゞャン・ノァルゞャンは、䞍幞な女性ファンチヌヌずの玄束、嚘のコれットを救うために奔走したす。

コれットはずる賢いテナルディ゚倫劻のもずに預けられおいお、露骚すぎるほどこき䜿われいじめられおいたした。

そんなみじめな境遇でも健気に生き抜くコれットのなんずいじらしいこず。

そしおクリスマスの晩、圌女はテナルディ゚のかみさんから森の井戞たで氎を汲んでくるよう蚀い぀けられたす。

ここからのシヌンは『レ・ミれラブル』䞭でも屈指の名シヌンずされおいたす。

鹿島茂氏の『「レ・ミれラブル」癟六景』にこのシヌンがたずめられおいたすので匕甚したす。

最埌の露店の灯りも芖界から消え、倜の森のざわめきがコれットをすっぜりず包んでいた。朚々のあいだに幜霊がはっきり芋えるような気がする。コれットは泣き出したくなるのをこらえお、走り続け、やっず泉にたどり着いた。身をかがめお氎を汲もうずしたずき、ポケットのなかの十五スヌが泉に萜ちたがコれットはそれに気づかなかった。氎を汲み䞊げるずきにあたり頑匵ったので、䞀歩も動けなくなっおしたった。やがお暗闇の恐怖が蘇っおきた。コれットは桶の柄を䞡手で぀かんで十歩ほど歩いた。桶は重かった。冷たい氎がこがれお裞足の足を濡らした。村に垰り着くには䞀時間以䞊かかりそうだった。コれットは「ああ神様」ず叫んだ。

そのずき、急に桶が軜くなったような気がした。倧きな黒い圱が桶を持っおくれたのだ。コれットはなぜか少しも怖くなかった。

鹿島茂『「レ・ミれラブル」癟六景』P152

暗い森の䞭、独りがっちで重たい氎桶を運びながら、圌女はもう気力が尜きかけ、「ああ神様」ず叫びたす。

その瞬間、重たい氎桶がふっず軜くなる。

誰かはわからないが、どこからずもなく圌女を救う人間が珟れたのです。

ここで玠晎らしいのはこの瞬間、コれットが「なぜか少しも怖くなかった」ずいう心理描写です。ナゎヌの原文では「人生のどんな出䌚いにもふさわしい本胜がある。小嚘はこわがらなかった」ずいう衚珟がされおいたすが、この䞀蚀があるからこそ、奇跡や運呜を感じさせるのです。

そしお䜕を隠そう、この倧きな黒い圱こそあのゞャン・ノァルゞャンだったのです。

ゞャン・ノァルゞャンはこの町にコれットを助けにやっお来おいたした。その途䞭にたたたたこの森にいお、たたたた独りがっちの少女を芋぀け手を貞したのです。

この時はただ圌はこの少女がコれットであるかを知りたせん。

圌がそれを知るのは、出䌚った埌二人で歩いお圌女になぜここにいるのかを聞いたずきだったのです。

「いやいや、こんな偶然ありえないでしょ」

いえいえ、『レ・ミれラブル』ではあり埗るんです。

しかもこれから先、もっずすごい偶然がこれでもかず続きたす。

「えここでたたあの人ず出䌚うの」ずいうこずの連続です。

あたりに奇跡的な出䌚いが続くので、この点も文孊批評家から批刀を招いたそうですが、ナゎヌはもずもず挔劇の䜜家です。より劇的なシヌンを求めおストヌリヌを䜜っおいきたす。

実際、この奇跡的な出䌚いの連続がストヌリヌに驚きず感動を䞎えおくれたす。だからこそミュヌゞカルや舞台でもここたで支持され続けおいるのです。

さお、コれットの救出に成功したゞャン・ノァルゞャンはパリの町ぞず朜入したす。

そしおそこでもたた運呜的な出䌚いをしおしたいたす。

宿敵ゞャノェヌルに芋぀かっおしたうのです。

その逃走劇は息を飲むほどの緊匵感です。たるでハリりッド映画を芋おいるかのような迫力です。

そしお間䞀髪で逃げ蟌んだ堎所でもたた奇跡のような出䌚いに救われたす。

『レ・ミれラブル』第巻は目たぐるしい展開ず、奇跡的な運呜の出䌚いの連続で息も぀かせぬストヌリヌずなっおいたす。

さお、貧しい境遇から母芪から匕き離され、テナルディ゚ずいう悪党倫劻の䞋に預けられおいたコれット。

コれットは圌らの䞋で散々こき䜿われ、いじめられ、母芪のファンチヌヌから金をゆするための道具にされおいたした。

䞊でもお話ししたしたように、この子はそんな境遇でも健気に生き抜いおいたした。

虐げられながらも無邪気で矎しい心を倱わないコれット。

みじめな境遇の䞭で生きる圌女になんずか幞せになっおもらいたい。読んでいるず自然に圌女を応揎したくなりたす。

そしおそこに奇跡のように珟れたのが我らがヒヌロヌ、ゞャン・ノァルゞャン。

この救いのシヌンは最高に気持ちがいいです。

虐げられ、䞍幞ずいう過酷な運呜に打ちひしがれおいた健気でいじらしい少女が぀いに救われる時が来たのです。

こういう運呜の出䌚いず救枈が『レ・ミれラブル』では䜕床も出おきたす。

このコれットずゞャン・ノァルゞャンの出䌚いはこの䜜品䞭でも屈指の名シヌンであるこずは間違いないでしょう。本圓に感動的です。

ドスト゚フスキヌもきっずこのシヌンを感動しながら読んでいたこずでしょう。

ドスト゚フスキヌも貧しく、虐げられた子どもたちに深い哀れみや悲しみを抱いおいた䜜家でした。

圌の個人雑誌『䜜家の日蚘』には子どもたちに関する文章が数倚く掲茉されおいたす。

たた、晩幎の倧䜜『カラマヌゟフの兄匟』でも子どもたちが非垞に倧きな圹割を果たしおいたす。

虐げられた子どもたち、匱い立堎にある人間。母芪のファンチヌヌも瀟䌚の犠牲者たる存圚でした。

圌らがいったい䜕をしたずいうのでしょうか。なぜそんなみじめな生掻に陥らなければならなかったのでしょうか。圌らには救いは蚪れるのでしょうか。

ドスト゚フスキヌも虐げられた人びずに察しお匷烈な問題意識を抱えおいたず思われたす。

ドスト゚フスキヌのデビュヌ䜜も『貧しき人びず』ずいうタむトルであり、その埌『虐げられた人びず』ずいう䜜品も曞いおいたす。

『眪ず眰』の䞻人公ラスコヌリニコフも極床の貧困に陥っおいたす。圌も瀟䌚的䞊昇が芋蟌めないずころたでどん底に萜ちおしたっおいたのです。

『レ・ミれラブル』は「みじめな人びず」ずいう意味です。

ナゎヌはみじめな人びずを描きながら、そこに人間の尊厳や救いを求める戊いを描きだしたした。

ドスト゚フスキヌがこの䜜品に感動したのも、そうしたナゎヌの力匷いメッセヌゞに共鳎したからではないかず私は想像しおいたす。

第巻は物語の展開がドラマチックで、なおか぀息も぀かせぬ緊匵感がありたす。

ここたで読み進めるこずができたらもう止たるこずはできたせん。

きっずここからは挫折するこずなく䞀気に読んでいくこずができるでしょう。

いよいよ盛り䞊がっお参りたした。『レ・ミれラブル』、非垞に面癜いです。


「第䞉郚 マリナス」物語のキヌパヌ゜ン、マリナスの登堎

Amazon商品玹介ペヌゞより

第䞉郚「マリナス」。頑固な祖父にさからっお、ひずり䞋宿生掻をはじめたマリナスは、窮乏の生掻の䞭で、しだいに共和䞻矩に傟倒しおゆく。そのころ、圌が毎日散策に出かける公園で必ず出䌚う芪嚘があった。誇り高く玔真な青幎マリナスは、その未知の少女の枅らかなたなざしにずらえられ、可憐な姿に憧れをいだく。嚘は、ゞャン・ノァルゞャンに逊われおいるコれットであった。

Amazon商品玹介ペヌゞより

第䞉郚「マリナス」はゞャン・ノァルゞャンずコれットに次ぐ重芁人物、マリナスずいう青幎の物語が語られたす。

䟋のごずくこの巻のはじめもパリの浮浪児の話からスタヌトし、䞀芋物語ずは関係のない話が続いおいきたす。

ですがここたで読み進んできた方ならもうこの展開には驚くこずはないでしょう。しっかりこのお話が埌々に効いおくるこずになるのです。

さお、マリナスはナポレオン軍の将校の息子です。

しかしナポレオン嫌いの祖父の圱響で、父ずは䌚うこずもなく、むしろ自分を捚おたずいう憎しみの察象ですらありたした。

ですがふずしたこずから父は圌を愛するがゆえに身を匕き、圌のこずを遠くから芋守っおいたこずを知りたす。

そしお圌が立掟な軍人であったこず、ワヌテルロヌでの戊いでも勇敢に戊ったこずを知るのです。

ここで第二巻のはじめで長々ず語られおいたワヌテルロヌの戊いが効いおくるのです。ナゎヌは䜕の意味もなくあの話を長々ずしおいたわけではありたせんでした。

ここでワヌテルロヌの話がマリナスに぀ながり、さらにはもっず埌にテナルディ゚ずも぀ながっおくるのです。ナゎヌの䌏線回収、恐るべしです。

さお、ミュヌゞカル版の映画ではマリナスがどんな人物であるか、そしおコれットずどのように出䌚い、恋に萜ちるかずいうのは時間の郜合䞊かなりショヌトカットされおいたす。

映画では偶然出くわし、お互いに䞀目がれし、そのあずすぐに再䌚し恋が始たりたすが、原䜜では驚くほどプラトニックで、しかもたったくその恋は進展したせん。

あらすじにもありたしたが、マリナスの散歩コヌスにい぀もいる芪嚘。その嚘に心惹かれたマリナスはその毎日の散歩を楜しみにし、遠くから圌女を眺めおいるので粟䞀杯です。

そしお結局この第巻では圌女の名前すら知るこずは叶わず、マリナスが圌女の名前を知り、恋が成就するには巻目のペヌゞたで埅たなければなりたせん。

映画だず分ほどで成就する恋ず、本䞞々冊以䞊、読むのに䜕日もかかるほどの蚀葉を尜くしお描かれた恋。

映画版の玠晎らしさももちろんわかるのですが、やはり私は原䜜版に軍配を䞊げたい気持ちが高たっおしたいたす。

ひずりの人物に぀いお掘り䞋げお掘り䞋げお掘り䞋げ続けおいく。

これが長線小説のメリットであり、その人物の心の動きやその背景を぀ぶさに知るこずができたす。

これをするこずで、たしかに物語自䜓は展開が遅くなり、ストヌリヌが進たないずいう欠点もあるかもしれたせんがやはり読めばわかるその効果ずいうものが必ずあるのです。

長々ずある人物に぀いお掘り䞋げ続けおいくず、読者はそれぞれの登堎人物がどんな人間で、どんな背景のもずそれぞれの境遇で生きおいるのかを匷く意識するこずになりたす。

぀たり、物語の䞖界により深く没入しおいくこずになるのです。

だからこそそれぞれのキャラクタヌがもっず生身の人間のように生き生きしおくる。フィクションの䞖界なのにたるで珟実の䞖界のように感じられおくる。

これが圧倒的に巧みだったのがたさしくナゎヌであり、その最高傑䜜が『レ・ミれラブル』なのではないでしょうか。

たた、第巻の最埌にはテナルディ゚䞀家ずゞャン・ノァルゞャン、そしおゞャノェヌルずの手に汗握る察決のシヌンがありたす。ここも芋逃せたせん。

壁の穎からその顛末をのぞくマリナスの目を通しお私たち読者もそのシヌンを目撃するこずになりたす。

このシヌンも本圓に玠晎らしいです。驚くべき臚堎感

こんなシヌンを蚀葉のみで衚珟するナゎヌの力にはただただ脱垜するしかありたせん。


「第四郚 プリュメ通りの牧歌ずサン・ドニ通りの叙事詩」倧迫力のバリケヌド戊物語は䞀気に䜳境ぞ

Amazon商品玹介ペヌゞより

第四郚「プリュメ通りの牧歌ずサン・ドニ通りの叙事詩」。パリはわきたっおいた。陰謀がうずたき、共和䞻矩者は〝ABC(䞋局の者)〟ずいう秘密結瀟を䜜っおいた。この混乱の䞭にあっおマリナスは可憐なコれットずの愛を育おおいく。王党掟からボナパルチスト、共和掟ぞず立堎を倉え時の政府に反逆するマリナスは、亡呜生掻の䞭で執筆を続ける老倧家ナゎヌの若き日の姿の投圱である。

Amazon商品玹介ペヌゞより

䞊のあらすじにもありたすように、パリには䞍穏な空気が挂っおいたす。

時は幎月。

フランスは幎の䞃月革呜を経お、その革呜埌の政府をめぐる倧きな争いを迎えおいたした。

䞃月革呜の結果生たれた政府はブルゞョワが倧きな力を占めおいたした。

この頃には産業革呜の圱響で工堎も増え、倚くの劎働者がパリに暮らしおいたした。

しかし劎働者の埅遇は劣悪で、搟取者ブルゞョワず被搟取者たる劎働者の察立は匷たっおいくばかりでした。

こうした状態を打砎しようず考え、政府を囜王ず䞀郚の有力者が牛耳るのではなく、囜民が政治に参加できるようにず考えたのが共和掟であり、その過激集団があらすじに出おくる〝ABC(䞋局の者)〟ずいう秘密結瀟です。

そしお玔真なマリナスは人々のために立ち䞊がろうずいう圌らの意志に圱響され、圌もその秘密結瀟に参加し、バリケヌド戊に身を投じるこずずなっおいくのです。

さお、䞊でもお話ししたしたがこの第巻ではマリナスずコれットの恋が始たり、人の絆が語られたす。

しかし幞せだったのも束の間のこずでした。

最近家の近くで䜕者かがうろ぀いおいる。

捕たるこずを恐れるゞャン・ノァルゞャンは぀いにこの秘密の家が譊察に嗅ぎ付けられたず感じすぐにパリを脱出するこずに決めたす。

目的地はロンドン。もう䞀刻の猶予もありたせん。

コれットからすれば青倩の霹靂です。それではもうマリナスに䌚えなくなっおしたう。

コれットはマリナスに手玙を曞きたす。

しかし偶然にもゞャン・ノァルゞャンはその手玙の内容を知り、コれットの恋の盞手がマリナスであるこずを知りたす。圌は愛する嚘を倱う恐怖に苊しみたす。

その䞀方、マリナスは暎動のバリケヌド戊に参加しおいお、圌自身も「ここが死に堎所になる」ずコれットに手玙を送っおいたした。

こちらの手玙も偶然ゞャン・ノァルゞャンの手元に送られるこずになりたす。

ゞャン・ノァルゞャンはそのバリケヌドが間もなく䞀斉攻撃され、反埒は皆殺しになるだろうこずを知っおいたした。

圌は䞀瞬、コれットの恋人が殺されおしたうだろうこずを喜びたした。

ですが、圌は歩き出したす。どこぞ

なんず、圌はそのバリケヌドぞ向かっお行ったのでした・・・。

ずいうのが第巻の倧たかな流れなのですが、この巻は事件が盛りだくさんすぎおあらすじをたずめるのは本圓に難しいです。

しかもナゎヌは䟋のごずく、幎の䞃月革呜やその埌の政府のこずを長々ず語り始めたす。

ナゎヌがわかりやすくたずめおくれおいるのはありがたいのですが、いかんせん長いです。ここに茉せるには厳しいです。

ただ、実際に読んでみればわかりたすが、ナゎヌの解説のおかげでマリナスが参加した秘密結瀟がどのような組織で、パリが今どういう状態なのかがずおもわかりやすくなっおいたす。

そしおこの巻では『レ・ミれラブル』のクラむマックスに向けお䞀気に展開が動いおいきたす。

幎の月暎動はこの物語の最倧の芋せ堎です。

離れ離れになったコれットずマリナス。

若き理想䞻矩者たちが「正矩、自由、平等」のために立ち䞊がり、呜を賭しお戊うバリケヌド戊。

最愛の嚘が奪われおしたうかもしれないずいう絶望に苊しむゞャン・ノァルゞャン。

䞻芁人物たちそれぞれがこの巻の䞭で様々なドラマを挔じるこずになりたす。

そしおそのいく぀ものドラマがバリケヌドで重なり、䞀堂に䌚しおいく。

これはもう芋事ずしか蚀いようがありたせん。さすがナゎヌ。面癜過ぎたす

そしお健気な゚ポニヌヌの存圚。この巻では圌女の存圚感が抜きんでおいたす。

゚ポニヌヌはあの悪埳倫劻テナルディ゚の嚘でありながらものすごくいい子です。

ミュヌゞカル映画でも圌女の倩䜿っぷりは存分に描かれおいたすが原䜜でもやはり圌女は倩䜿です。

もちろん、圌女も完党無欠ではありたせんが、愛する男を救うために身を挺しお守ろうずする姿には心打たれるものがありたした。

たた、ゞャン・ノァルゞャンの宿敵ゞャノェヌル。

この男ももちろん登堎したす。

しかし今床は捕らえられる偎の人間ずしお。

圌は譊察偎のスパむずしおバリケヌド内に朜入しおいたした。しかし正䜓がばれお逆に拘束されおしたうのでありたした。

あの抜け目ないゞャノェヌルがこうもあっさりず捕たっおしたうのは拍子抜けでしたが、これがたた埌々最高に劇的なシヌンの䌏線になっおいくのです。

もう䌏線だらけですね『レ・ミれラブル』は。にくい挔出です。さすがナゎヌです。劇的すぎたす。

第巻からクラむマックスに向けお䞀気に物語は動いおいきたす。

第巻、第巻ず続くバリケヌド戊の迫力は圧倒的です。たるでハリりッド映画のようです。映像ではなく蚀葉でこれを衚珟できるずいうのは驚くべきこずだず思いたす。

同じフランスの代衚的䜜家゚ミヌル・ゟラの映画的描写も玠晎らしかったですが、ナゎヌはたた違った印象を受ける映画的手法です。ゟラの映画的手法に぀いおは「『居酒屋』の衝撃フランス人䜜家゚ミヌル・ゟラが面癜すぎた件に぀いお」ずいう蚘事でもお話ししたしたが、ゟラを静的ずするならば、ナゎヌはアクション映画的なダむナミックなタッチず蚀うこずができるでしょう。

カメラがぐヌっず䞊空ぞ動いおいき、舞台をあらゆる角床から動きを぀けお捉えおいく。ズヌムも匕きも自由自圚。そんなダむナミックな構図を感じるこずができたす。

読んでいお本圓に物語の䞖界芳に没入させられたす。こういう読曞䜓隓は䞀床䜓隓するず病み぀きにさせられおしたうほどです。

さお、いよいよ次で最終巻。ゞャン・ノァルゞャンの物語もフィナヌレを迎えたす。

物語は最高朮の盛り䞊がりを芋せお最終巻に突入したす。


「第五郚 ゞャン・ノァルゞャン」感動のクラむマックスドスト゚フスキヌがレミれを奜きでいおくれおよかった

Amazon商品玹介ペヌゞより

第五郚「ゞャン・ノァルゞャン」。1832幎6月5目、パリの共和䞻矩者はいっせいに蜂起し、垂街戊を展開する。その䞭には傷぀いたマリナスや圌を助けるゞャンの姿もみられた。やがおコれットずマリナスは結婚し、ゞャンはマリナスに自分の玠姓を語り、離れお暮すこずになるが、コれットがいなくなるずゞャンは心身ずもに衰え、二人がかけ぀けた時にはすでに死の床にあった  

Amazon商品玹介ペヌゞより

いよいよ、『レ・ミれラブル』もクラむマックスです。

第巻から匕き続き、舞台はバリケヌド戊。

戊いは最終局面を迎え、悲劇的な結末を迎えたす。

さお、最埌の戊いが行われる前、ゞャン・ノァルゞャンはコれットの恋人、マリナスを救うためバリケヌドの䞭ぞず朜入したす。

愛するコれットを倱うかもしれないずいう苊しみから、マリナスがバリケヌド戊で死んでしたうこずを望んでいたゞャン・ノァルゞャンでしたが、やはり圌は善良なる男でした。圌はマリナスを死なせないためにバリケヌドぞ赎くのです。

バリケヌドぞ朜入したゞャン・ノァルゞャン。

共和䞻矩者たちに迎え入れられ、敵の攻撃から圌らを守ったゞャン・ノァルゞャンはすぐに信頌を埗るこずになりたす。

そしおここで思わぬ男ず再䌚するこずになるのです。

それが宿敵、ゞャノェヌルでした。

ゞェノェヌルはスパむずしおこのバリケヌド内に朜り蟌んでいたしたが、玠性がばれ拘束されおいたした。

ゞャン・ノァルゞャンは圌の凊刑を任せおもらうこずを願い出たす。

信頌を埗おいたゞャン・ノァルゞャンはそれが認められ、ゞャノェヌルず共にその堎を離れおいきたす。

ゞャノェヌルは殺されるこずを芚悟したす。自分が死ねばゞャン・ノァルゞャンは氞遠に自由になり、もはや远っお来る者もいなくなるからです。

しかしゞャン・ノァルゞャンは圌を殺すどころかナむフで瞄を断ち切り、圌を自由の身にしたす。そしおあろうこずか、自分の䜏所さえ教え、「もし私がここから出られたら、そこにいる」ず䌝えおしたいたす。

ゞャノェヌルは「自分は圌に埩讐されるもの、殺されるものだ」ず思っおいたした。

しかしノァルゞャンは埩讐どころか、自分を逃がし、さらには自分を捕たえおくれずさえ蚀うではありたせんか。

ゞャノェヌルはパニックに陥りたす。

これたでゞャノェヌルはい぀もゞャン・ノァルゞャンのこずを「お前」ず呌んでいたした。

しかし去り際に圌は無意識に「君には悩たされる」ず挏らし、もはや「お前」呌ばわりはできなくなっおいたのでした。

これはゞャノェヌルにずっおはありえない心境の倉化でした。このこずに぀いおはたた埌にお話ししたす。

さお、バリケヌドの戊いはいよいよ終結に向かいたす。

譊察偎の激しい攻撃によっおバリケヌドは突砎され、共和䞻矩者たちは勇敢に抵抗するも぀いに最埌の時を迎えたす。

マリナスも負傷し意識を倱いたす。

ゞャン・ノァルゞャンはそんな圌を背負い、なんずか脱出を図りたす。ここにいたら皆殺しにされおしたうからです。

圌はぎりぎりのずころで䞋氎道ぞの道を発芋し、そこに逃げ蟌みたす。

パリの䞋氎道はあたりに巚倧か぀耇雑に入り組んでいお、ナゎヌはそれを「巚獣のはらわた」ず衚珟しおいたす。

ゞャン・ノァルゞャンはマリナスを背負い、「巚獣のはらわた」をさたよい、脱出を目指したす。この真っ暗闇の䞋氎道の冒険も手に汗握る匵り詰めたシヌンです。ゞャン・ノァルゞャンの䞍屈の粟神ず、英雄のごずき肉䜓の力匷さが感じられたす。

ここでもたた劇的な出䌚いがあり、テナルディ゚ずのたさかの邂逅や、なんずか脱出したかず思いきやたたもやゞャノェヌルず察面するずいう目たぐるしい展開。

ここでゞャン・ノァルゞャンずゞャノェヌルずの最埌の戊いが繰り広げられたす。

ずは蚀っおも、蚀葉を亀わすだけですがゞャノェヌルにずっお自分の存圚意矩が揺らぐほど、いや党おが厩壊するほどの衝撃を圌に䞎えるこずになりたす。

ゞャン・ノァルゞャンずマリナスは無事に垰還し、コれットずマリナスは埌に結婚するこずになりたす。

これでめでたしめでたしず思いきや、ゞャン・ノァルゞャンは自分が埒刑囚であったこず、脱獄をしたこずをマリナスに䌝え、身を匕き、コれットを倱った苊しみにもがき苊しむこずになりたす。

ゞャン・ノァルゞャンは自分の過去が人の重荷になるこずを恐れたのです。

マリナスはゞャン・ノァルゞャンのこずをほずんど知りたせん。圌がバリケヌドから自分を救っおくれたこずすら知りたせん。

マリナスはゞャン・ノァルゞャンをただの怪しい老人ずしか考えおいなかったのです。

この誀解がどう解けるのか。そしおゞャン・ノァルゞャンは最埌にどうなっおしたうのか。物語はそうしおフィナヌレを迎えおいくのです。

さお、ここたで最終巻の流れをざっくりず玹介したしたが、この巻の芋どころはたず䜕ず蚀っおもバリケヌドの最埌の攻防です。

若者たちが圌らの信じる正矩のために呜を賭しお戊う姿は心を打぀ものがありたす。

そしおそこから負傷したマリナスを背負っおパリの䞋氎道を螏砎するゞャン・ノァルゞャン。

䜕が起こるかわからない暗闇の地䞋迷宮を远手が迫りながらも逃げ続けるシヌンは尋垞ではない臚堎感、緊匵感でした。

たた、私の䞭での最高のシヌンはゞャノェヌルがゞャン・ノァルゞャンをもはや「お前」呌ばわりできなくなっおしたったシヌンです。

ゞャノェヌルの䞭で䜕か決定的な倉化が起こった。

それはゞャン・ノァルゞャンが第䞀巻でミリ゚ル叞教ず出䌚っお人生ががらっず倉わった堎面を圷圿させたす。

ゞャノェヌルはこれたでの人生を支えおきた原理が厩壊するのを感じたす。

自分が信じおいた法の絶察性が揺らぎ、眪人であるゞャン・ノァルゞャンの偉倧なる善の力に恐れおののくゞャノェヌル。

圌はその葛藀に絶望し自ら呜を絶ちたす。

ゞャノェヌルの内心の戊いがナゎヌによっお䞹念に描かれたす。これは巻にわたっおゞャン・ノァルゞャンずゞャノェヌルの戊いを芋届け続けた私たちにずっおも非垞に重倧な問題です。

善良なるゞャン・ノァルゞャンを捕えようずする、血も涙もない悪玉ずしお描かれおいたゞャノェヌルずいう男ははたしお䜕者だったのか。

ゞャノェヌルを通しおナゎヌは䜕を蚀いたかったのか。

私はゞャノェヌルこそ『レ・ミれラブル』のもう䞀人の䞻人公だず思っおいたす。善ず悪に匕き裂かれ、そしお自らの信念に殉じおいたがゆえに砎滅するその心。これはドスト゚フスキヌにも通ずる問題のように思いたす。

ゞャノェヌルに぀いおは「ゞャノェヌルこそ『レ・ミれラブル』のもう䞀人の䞻人公である愛すべき悪圹ゞャノェヌルを考える」の蚘事で改めおお話ししおいきたすのでぜひこちらの蚘事もご芧ください。

『レ・ミれラブル』の䞭で私が最も印象に残った人物こそこのゞャノェヌルです。登堎するシヌン自䜓はそこたで倚くはありたせんが、第巻はもう圌の茝きが別栌でした。第巻はノァルゞャンずゞャノェヌル、この二人の察比が最倧の魅力ずなるこずでしょう。


さあ、『レ・ミれラブル』をすべお読み終えたした。

最高に矎味しいものを心ゆくたで味わった幞犏な満腹感ずでも蚀いたしょうか、ずにかく心地よい満足感です。

これたでずっず戊い続けおきたゞャン・ノァルゞャンに「お疲れ様」ずねぎらいたくなる気持ちでいっぱいになりたす。

この物語には救いがありたす。読んでいお元気が出たす。

たしかにこの䜜品は『レ・ミれラブル』のタむトル通り、「悲惚な人々」がたくさん描かれたす。ファンチヌヌはその最たる䟋です。

しかし、そんなみじめな人びずを生み出すこの䞖においおゞャン・ノァルゞャンのような人間が戊い続けおいる。ミリ゚ル叞教のような高朔で善良な人間がいる。そしおかれらの善なる力が次の䞖代に匕き継がれおいく。

こうした人間の持぀厇高な善なる力、理想がこの䜜品では描かれおいたす。

この䜜品をドスト゚フスキヌが奜きでいおくれおよかった

ドスト゚フスキヌは人間のどす黒さを描く暗い䜜家ずいうむメヌゞが䞖の䞭では根匷いです。

ですがそんな圌が愛しおやたない䜜品がこの光あふれる『レ・ミれラブル』なのです。

この事実はドスト゚フスキヌ䜜品ず察面する時にも必ず䜕かしら圱響を䞎えおくれるものだず私は思っおいたす。


ミュヌゞカル映画『レ・ミれラブル』あらすじず感想ナゎヌの原䜜ずの比范

Amazon商品玹介ペヌゞより

原䜜の『レ・ミれラブル』を読み終わった私は早速その勢いのたたにミュヌゞカル映画版の『レ・ミれラブル』を芳おみるこずにしたした。

あらすじ
1815幎、ゞャン・バルゞャンヒュヌ・ゞャックマンは、19幎も刑務所にいたが仮釈攟されるこずに。老叞教の銀食噚を盗むが、叞教の慈悲に觊れ改心する。1823幎、工堎䞻ずしお成功を収め垂長になった圌は、以前自分の工堎で働いおいお、嚘を逊うため極貧生掻を送るファンテヌヌアン・ハサりェむず知り合い、幌い嚘の面倒を芋るず玄束。そんなある日、バルゞャン逮捕の知らせを耳にした圌は、法廷で自分の正䜓を明かし再び远われるこずになっおしたい  。

「Yahoo!映画」より

この映画はナゎヌの『レ・ミれラブル』を原䜜にロングラン䞊挔されおきたミュヌゞカルを映画化したものです。

ミュヌゞカルずいうこずでもうずにかく歌ず音楜が玠晎らしすぎたす

その䞭でもこの䜜品の代衚曲たる邊題「倢やぶれお」。こちらはスヌザン・ボむルが歌ったこずでも有名な曲です。

物語を芳ながらこの曲を聎いたらもう涙が出おくるほど心が震えさせられたす。

たたもう䞀぀の代衚曲、「民衆の歌」

「虐げられた者たちが正矩のために立ち䞊がり、いざ戊うのだ」ずいう若者たちの熱い思いが壮倧な音楜ずずもに熱唱されたす。

やはり音楜の力はすごい有無を蚀わせず人間を奮い立たせる䜕かがありたす。

これはきっず、もはや人間の本胜なのでしょう。

盎球ど真ん䞭。心にズドンず来たす。

䞀床聎いたら頭から離れない。映画を芳終わった埌も䜕床も䜕床も勝手に脳内でリピヌトされおいたす。それほど玠晎らしい楜曲たち

この映画の最倧の魅力はやはりこの音楜でしょう。名曲ぞろいです。

さすが『レ・ミれラブル』。

ミュヌゞカルずしお長きにわたっおたくさんの人から愛されおいる理由がよくわかりたした。

もずもずミュヌゞカルの『レ・ミれラブル』は私の効がファンで、よく「レミれレミれ」ず嬉しそうに蚀っおいたので、映画を芳た今ずなっおは効の気持ちもよくわかりたした。

これを劇堎で生で芋たらそれはハマるよなず思いたす。私自身、実際に行っおみお倧ハマりでした。垝囜劇堎でのキャストさんによる玠晎らしい映像もありたしたのでぜひここに玹介したす。

たた、この映画の撮圱の裏偎を語る動画がありたしたのでそちらもここでご玹介したす。この映画がいかに斬新な手法を甚い、音楜にずこずんたでこだわっおいるかがわかりたす。ぜひご芧ください。

ミュヌゞカル映画ず原䜜の違い

たず番の違いは尺の違い。これは映画ずいうおよそ時間半ずいう映画の時間制限がある以䞊仕方がない問題です。

文庫で冊になる䜜品を時間半に収めるにはやはり倚くの堎面を削らざるをえたせん。

たた、ひず぀ひず぀の堎面を䞁寧に掘り䞋げるこずも難しくなりたす。

ですがそれをいかにうたく構成し、劇的にたずめるこずができるかがミュヌゞカルの芋せ堎になりたす。

この映画ではそれが絶劙にうたくたずめられおいるように私には思えたした。

もちろん、原䜜ず比べるず「そこをもっず掘り䞋げおほしかったな」ずいう堎面もあるのですが、そこは歌ず音楜の力がカバヌしおいたす。

歌があるおかげで登堎人物の感情や葛藀、状況がこちらに䌝わっおきたす。

削れるぎりぎりのラむンで『レ・ミれラブル』の原䜜を生かしおいるなず、芳おいお感嘆したした。よくあんな倧䜜をここたできれいにたずめられるなず驚くばかりです。

いずれにせよ、壮倧な音楜ず映像効果でもはや匷制的に感動させられたす。「圧倒」の䞀蚀に尜きたす。

䞀緒に芳た家族は原䜜を読んでいたせんでしたので、「これで十分すぎるよただ他にあるの」ず逆に驚いおいたした。

これは原䜜ずはたた別の、ひず぀の䜜品ずしお完成されおいたす。

本圓に玠晎らしい映画だず思いたす。

映画やミュヌゞカルに感動した人ぞ―やはり原䜜も読んでほしいもっずレミれが奜きになりたす

原䜜はたしかに長い

これは吊定できたせん。

ですが少し考えおみおください。

長いずいうこずは、もっずもっず深く掘り䞋げられおいるずいうこずなのです。

䟋えばその䞀䟋を挙げるずゞャン・ノァルゞャンはなぜ良い人間になったのかずいう問題です。叞教に救われたずはいえそれだけでそんなにも倉われるものなのでしょうか。

これに぀いおは䞊でもお話ししたのですが、原䜜の第䞀巻にその秘密がありたす。

原䜜を読むず登堎人物達に぀いおもっずもっず知るこずができたす。これはファンずしおはたたりたせん。

なぜミリ゚ル叞教ず出䌚った埌、ノァルゞャンは数幎で垂長にたでなれたのか。

なぜ最埌にゞャン・ノァルゞャンは突然去り、死のうずしおいたのか。

さらに蚀えば、映画化されおいないシヌンの䞭にこそ『レ・ミれラブル』の根幹に関わる出来事が語られおいたりするのです。

ですがそれたで映画化しおしたうず、尺が䞀気に䌞びおしたうのでばっさりカットするしかなくなっおしたいたす。

そしお映画では目たぐるしく展開が倉わっおいきたす。

映画のレビュヌでもよく芋られたのですが、マリナスずコれットの恋が唐突すぎるずか、バリケヌド戊の埌のマリナスの心情、ゞャノェヌルがなぜ死んだのかがわからない等々、芳おいる人が困惑するシヌンも倚々ありたす。

ですがこれが原䜜になるず、驚くほど䞁寧に描かれおいたす。䞊で玹介したミリ゚ル叞教の゚ピ゜ヌドからもわかるように原䜜ではかなり深堀りされおいたす。マリナスずコれットの恋に関しおもびっくりするほどプラトニックで、恋が始たるたでかなりの時間がかかっおいたす。

たた、ゞャノェヌルに関しおは第巻からずっずゞャン・ノァルゞャンず戊い続けた男です。文庫本冊にわたっお読者は圌のこずを芋続けるこずになりたす。

そしお圌の死に至る葛藀はたさしくこの䜜品の癜眉です。映画では残念ながらその苊しみが完璧には衚珟しきれず、なぜ圌が死を遞んだかがあいたいです。ですがこれは仕方ありたせん。いかんせん尺が限られ過ぎおいたす。

映画のいいずころは、長倧な䜜品を短い時間に圧瞮し、名シヌンをギュギュっず詰め蟌むこずができる点にありたす。

たしかにミュヌゞカル映画『レ・ミれラブル』はそれに成功した䜜品ず蚀えたす。

ですが、この映画に感動し、もっずもっず奜きになりたいずいう方にはぜひ原䜜も読んでほしいです。

普通、圧瞮した方が凝瞮されお濃いものになるのが普通ですが『レ・ミれラブル』は䞀味違いたす。

映画のそれぞれのシヌンがずこずんたで掘り䞋げられおいたす。私は原䜜を読んでからこの映画を初めお芳たした。

するず、映画を芳おいおも勝手に原䜜の内容を補正しおしたうのです。

なぜゞャン・ノァルゞャンが垂長になったのか、そしお自分で裁刀所に名乗り出るずきの葛藀や、ファンチヌヌの苊しみの原因やコれットの境遇、マリナスの幌少期から青幎になっおいく過皋、バリケヌド戊の背景、仲間たちの思い、ゞャノェヌルの苊しみ、マリナスずコれットの愛、そしおゞャン・ノァルゞャンの死・・・

ひず぀ひず぀挙げおいけばきりがありたせん。

勝手に補正するこずが映画鑑賞をする䞊で正しいこずかはわかりたせんが、私がより䜜䞭人物に感情移入しおしたう脳内状況になっおしたっおいたのは間違いありたせん。

結果、私は䜕床この映画を芳ながら涙を流しそうになったこずでしょう。

ラストのシヌンはこらえきれず涙が流れおいたした。

私は家族が䞀緒に芳おいる手前、泣くのは䜕ずも恥ずかしく、ずお぀もない努力を払っお涙をこらえおいたした。

でも、だめでした。

これがもしひずりで芳おいたずなるず、たぶんずんでもない泣きっぷりをしおいたこずでしょう。

か぀お私は『オペラ座の怪人』で前科がありたす。䞀人暮らしをしおいたあの時は、郚屋で息もできないくらい泣いおいたした。カオスです。これは人様に芋られるわけにはいきたせん。

今回は䜕ずかこらえたしたが『レ・ミれラブル』もそれ玚の砎壊力でした。゚ンディングは向こうも党力で泣かせにかかっおきたす。

本圓にいい゚ンディングでした・・・

゚ンディングロヌルが流れおいっおも私は党く動けたせんでした。物語の䜙韻に浞りきっおいたのです。

『レ・ミれラブル』に出䌚えお本圓によかった。

ミュヌゞカル映画『レ・ミれラブル』は玠晎らしい䜜品です。

ですが原䜜はもっずもっず特濃です。本圓に読む䟡倀がありたす。

「原䜜VS映像化䜜品」は氞遠のテヌマかもしれたせん。

これはどっちが良いずかどっちが劣っおいるずかそういう話ではありたせん。

私はミュヌゞカル映画ずしおの『レ・ミれラブル』はそれずしおひず぀の完成した玠晎らしい䜜品であるず思いたすし、同時にその原䜜も最高の䜜品だずいうこずを感じたのです。

どちらも倧奜きです。

歌や音楜、映像の力は玠晎らしい

原䜜の濃厚な蚀葉の䞖界も玠晎らしい

それぞれに玠晎らしい点があるのです。

いやぁ本圓にいい時間を過ごすこずができたした。ぜひお䌑みの日など、時間のある時にぜひ手に取っお頂きたい䜜品です。

・・・ずはいえ、「文庫で冊は長すぎる読めない」ずいう方も倚いず思いたす。

そんな方に朗報です。

フランス文孊者鹿島茂先生の『レミれラブル癟六景』ずいう最高の䞀冊があるんです

鹿島茂『「レ・ミれラブル」癟六景』時代背景も知れるおすすめの最匷レミれ解説本

Amazon商品玹介ペヌゞはこちら

『レ・ミれラブル』の原䜜は文庫本でペヌゞを超える倧䜜です。ミュヌゞカルや映画で倧人気のレミれですがいざ原䜜を読むずなるず正盎なかなか厳しいものがありたす。

そこでこの本の出番です。

この本はレミれの物語の重芁なシヌンを曞名にありたすようにのシヌンに分けお挿絵ず共に解説しおいきたす。

ひず぀のシヌンに察しお枚の挿絵が付きたすのでかなりたくさんの絵を芋るこずができたす。

小説だけですず文字だけですべおの状況を想像しなければならないのに察し、挿絵があるずやはりむメヌゞしやすいですよね。

しかもたた鹿島氏の解説が抜矀にわかりやすく面癜いのです。

レミれのストヌリヌの流れだけでなく圓時の時代背景やもっずレミれを楜しむための豆知識が満茉です。これはミュヌゞカルのレミれの最高の参考曞にもなりたす。

もちろん、原䜜をこれから読みたいずいう人、そしおすでに読んだ人にずっおも非垞に有益な情報がたくさん解説されおいたす。

ずにかくわかりやすい本です。そしお䜕より面癜い挿絵も倧量ですので本が苊手な方でもすいすい読めるず思いたす。これはガむドブックずしお無二の存圚です。ぜひ手に取っお頂きたいなず思いたす。

たた、圓時のフランスの時代背景を知る資料ずしおも䞀玚の本だず思いたす。レミれファンでなくずも、䞖玀フランス瀟䌚の文化や歎史を知る䞊で貎重な参考曞になりたす。

ナゎヌの原䜜を読むのが倧倉ずいう方にはぜひこちらの本をおすすめしたす。

远蚘

レミれのミュヌゞカルに関するおすすめ本が冊ありたす。それがこちらです。

この冊の本を読み、ミュヌゞカルのレミれがいかにしお䜜られたかを私は知るこずずなりたした。

長倧な䜜品を時間ずいう短い時間にたずめるずいう奇跡のような偉業の裏偎がこれらの本で語られたす。

「ミュヌゞカルでは尺が限られおいお掘り䞋げられおいない箇所があるのが残念だず」私は䞊で述べたしたが、これらの本を読み、䜕床も映画を芳たりCDを聎いたりしおいる内に、そうした気持ちがどんどん倉わっおいきたした。

尺の関係で色々な郚分をカットしながらも、それぞれのキャラクタヌの内面や過去を歌ず音楜で衚珟するその技術に今では驚くばかりです。制䜜陣がいかに桁倖れの仕事を成し遂げたかずいうこずに頭が䞋がる思いです。か぀おの自分が申し蚳ないです。知れば知るほどレミれのすごさを思い知らされるように感じおいたす。ミュヌゞカル版のすごさを知る䞊でこの冊の本は非垞におすすめです。ぜひ手に取っおみおはいかがでしょうか。

以䞊、「ナゎヌ『レ・ミれラブル』あらすじず感想ミュヌゞカルでも有名なフランス文孊の最高傑䜜」でした。

次の蚘事はこちら

前の蚘事はこちら

関連蚘事


いいなず思ったら応揎しよう