MVP ARCHIVE HISTORICAL GALLERY | Documents : The Ringelblum Archive 1940–1943 / リングルブルム・アーカイブ - ワルシャワ・ゲットーが残した真実

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リングルブルム・アーカイブ
ワルシャワ・ゲットーが残した真実
1940年、ナチス・ドイツ 占領下のワルシャワで、歴史家 エマヌエル・リングルブルム を中心とする人々が、秘密裏に記録を集め始めた。
彼らが記録しようとしたのは、ワルシャワ・ゲットー で生きる人々の日常と、そこで起きていた迫害の実態だった。
日記、手紙、新聞、写真、行政文書、子どもの作文、食料配給の記録。
集められた資料は、やがて地下に埋められた。
戦後、その一部が発見され、現在も保存されている。
リングルブルム・アーカイブ、迫害を受けた人々自身が、自分たちの歴史を後世へ残そうとした記録群である。
秘密の記録組織
Oyneg Shabes
記録活動を中心となって進めたのは、歴史家 エマヌエル・リングルブルム だった。
彼は、ワルシャワ・ゲットー で活動していたユダヤ人の社会福祉組織や知識人たちと協力し、秘密の記録グループを組織した。
このグループは、イディッシュ語で「 安息日の喜び 」を意味する Oyneg Shabes( オイネグ・シャベス )と呼ばれた。
メンバーには、歴史家、教師、作家、ジャーナリスト、社会活動家などが含まれていた。
彼らは、ゲットー の生活を内側から記録し、将来の歴史研究に残すことを目的としていた。
何を記録したのか
Everyday Life and Persecution
アーカイブ には、ゲットー の生活を示す多様な資料が集められた。
食料配給や物価の記録、住居や衛生状態に関する報告、学校や文化活動の資料、新聞、ビラ、ポスター、個人の日記や手紙、子どもたちの作文、難民や移送された人々の証言、ナチス 当局やユダヤ人評議会に関する文書。
これらは、迫害の実態だけでなく、その中で人々がどのように生活し、考え、行動していたのかを伝えている。
大量殺害の記録
1941年以降、ナチス・ドイツ によるユダヤ人の大量殺害が拡大すると、アーカイブ の活動も変化していき、メンバーたちは、各地から届く大量殺害の情報や、ゲットー からの移送に関する証言を収集した。
1942年夏、ワルシャワ・ゲットー から トレブリンカ絶滅収容所 への大規模な移送が始まった。
アーカイブ には、移送の状況や、ゲットー 内で起きていた出来事を記録した資料が残されている。
地下に隠された資料
The Buried Archive
1942年、ワルシャワ・ゲットー からの大量移送が進む中で、アーカイブ のメンバーたちは、収集した資料を地下に隠すことを決めた。
文書は金属製の箱やミルク缶などに詰められ、ゲットー 内の複数の場所に埋められた。
1942年8月には、最初の資料群が埋められた。
1943年にも、別の資料群が隠された。
資料を埋める作業には、アーカイブ のメンバーや協力者たちが関わった。
彼らは、資料が将来発見されることを願い、記録を残した。
記録を残した人々
Emmanuel Ringelblum
エマヌエル・リングルブルム は、1900年に生まれたユダヤ人歴史家。
ワルシャワ・ゲットー では、社会福祉活動に関わりながら、秘密の記録活動を組織した。
1943年、リングルブルムは ゲットー の外へ脱出した。
その後、家族とともにワルシャワの隠れ家に身を潜めた。
1944年3月、隠れ家が発見され、リングルブルムは家族や他の隠れ家の住人たちとともに逮捕された。
その後、ワルシャワで殺害された。
アーカイブ のメンバーの多くも、ホロコースト を生き延びることができなかった。
戦後の発見
1946 / 1950
戦後、アーカイブ の生存者たちは、埋められた資料の捜索を進めた。
1946年9月、ワルシャワのノヴォリプキ通り68番地付近で、最初の資料群が発見された。
金属製の箱に収められていた文書が、瓦礫の下から回収された。
1950年12月には、別の場所から第二の資料群が発見された。
こちらには、ミルク缶に収められた文書が含まれていた。
第三の資料群も埋められたと考えられているが、現在まで発見されていない。
現存する資料
The Surviving Collection
現在、リングルブルム・アーカイブ には、数万ページに及ぶ文書が残されており、資料には、手書きの日記、タイプ原稿、新聞、手紙、報告書、写真、絵、行政文書などが含まれる。
紙の状態や保存状況は資料によって異なる。
地下に埋められていたため、水分や土壌の影響を受けたものもある。
保存・修復作業によって、これらの資料は現在も研究と公開に利用されている。
現在の所蔵・展示
Jewish Historical Institute
リングルブルム・アーカイブ は、ポーランドのワルシャワにあるユダヤ歴史研究所に保存されている。
Jewish Historical Institute( Żydowski Instytut Historyczny )
同研究所では、アーカイブ の保存、研究、デジタル化、公開を進めている。
資料を埋めるために使われた金属製の箱やミルク缶も、アーカイブ の歴史を伝える重要な実物資料である。
1999年、リングルブルム・アーカイブ は ユネスコの「 世界の記憶 」に登録された。
記録が残したもの
リングルブルム・アーカイブ には、ナチス 当局が作成した文書とは異なる視点が残されている。
そこにあるのは、迫害を受けた人々自身が記録した生活、文化、苦しみ、判断、そして未来への思いである。
国家の記録が政策や行政の動きを示す一方で、この アーカイブ は、その政策の下で生きた人々の姿を伝えている。
何が行われたのか、その中で、人々はどのように生きていたのか。
二つの視点をあわせることで、歴史の全体像はより具体的になる。


Basic Data
名称| リングルブルム・アーカイブ
English| The Ringelblum Archive
別名| Oyneg Shabes Archive
中心人物| Emmanuel Ringelblum
活動開始| 1940年
主な活動場所| Warsaw Ghetto, Poland
記録期間| 1940–1943年
主な資料| 日記、手紙、新聞、報告書、写真、行政文書など
第一の資料群発見| 1946年9月
第二の資料群発見| 1950年12月
第三の資料群| 未発見
現在の所蔵| Jewish Historical Institute, Warsaw
UNESCO世界の記憶登録| 1999年
資料分類| Documents / Historical Records

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