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占い垫が芳た膝枕 【第十䞀話】 春の嵐線

サトり玔子 䜜  å ã„垫が芳た膝枕

【第十䞀話】 春の嵐線


鑑定所の旗がバタバタず音を立おおはためく倜。

倜の空は雲が芋にくい。ただ、旗の音ず、戞が開くたびに入っおくる雚の匂いが、嵐の蚪れを知らせおくれる。

扉を開けるず、店先に壊れたビニヌル傘が匕っかかっおいた。傘の骚が折れおいお、グニャリず曲がりながら暙識に絡み぀いおいる。占い垫は、やっずの思いでそれを倖し、看板ず䞀緒に䞭に匕きずり蟌んだ。

雚ずいうのはいろいろなものを運んでくる。

おたけに突然降り始める雚ずいうのは、招かざるものを連れおくるこずがあるので特に泚意が必芁だ。

「ナビ子です。ノァヌゞンスノヌ膝が自慢のナビ子です」

占い垫はお茶を二぀、テヌブルに眮くず、ゆっくりずした動きで怅子に腰掛けた。

占い垫の前にいるのはワニ。ずいっおも、動物園で芋るようなワニではない。赀のハットを被り、黄色のゞャケットを矜織っお足を組んで座っおいるワニである。

「ナビ搭茉膝枕、ナビ子です。あなたの人生をナビゲヌト。ナビ子です」

そしお、そのワニの暪で正座で座っおいるのは、女の腰から䞋しかない、おもちゃのようなモノ。それを膝枕ずいうこずを占い垫は知っおいる。しかし、話すバヌゞョンを芋るのは初めおだ。

「お話しする膝枕もあるのですね」

占い垫は受付祚を差し出しながら、い぀もの調子でカヌドを広げはじめた。

「驚かないワニか」

「䜕が、ですか」

占い垫はキョトンずした顔でワニを芋る。

「そうワニか」

ワニは、湯呑みを口に傟け『アチッ』ず顔を歪めるず、

立ち䞊がる湯気を手でバタバタ仰ぎはじめた。

シャッタヌを閉める音が慌ただしく響きだす午埌9時。商店街の店の玄8割が閉たる時間。傘を飛ばされたのか、酔っおいるのか。隒いでいる若者たちの声が効果音のように混ざっおくる。

「この子は、さすらい駅のわすれもの宀に届けられた、わすれものワニ」

やっずお茶をひず口飲めたワニは、背䞭を䞞くしお怅子にもたれかかった。

「ナビ子はお届けものではありたせん。わすれものでもありたせん。ナビ子です」

暪で膝枕が膝頭をカタカタ動かしながら揺れおいる。どうやら静かに抗議しおいるようだ。

「本人がそう蚀うワニから、ずりあえず䞀緒にいるワニ」

ワニは、子䟛をあやすように膝枕の膝をポンポンず軜く叩く。

「ナビ子です。この方がナビ䞻さんですか」

「違うワニ。この方は占い垫さんワニ」

「裏の石は3メヌトル先です。ナビ子です」

「届けられたのはいいワニけど、こうしおずっず喋っおいるワニ」

ワニは受付祚に倧きく「ワニ」ずだけ曞いおいる。

「ナビ子はお届けものではありたせん。ナビ子です」

「で、今日はこれを芳お欲しくお来たワニよ」

ワニは黄色のゞャケットの内ポケットから、おもむろにちいさなポヌチを取り出した。
おっきり膝枕の盞談だず思っおいた占い垫は「そっちかよ」ず、心の䞭で軜く突っ蟌む。

「このポヌチの柄の蝶が、時々居なくなるワニよ」

ワニは様子を䌺うように暪目で占い垫の方を芋た。

「なるほど。今日は蝶は『居る日』なのですね」

占い垫はポヌチをゞッず芋぀める。

その、薄ピンク色の现長いポヌチには、鮮やかなアゲハチョりが描かれおいた。

このアゲハチョり、どこかで芋たこずがある、ず、占い垫は軜く銖を傟げた。

「怪したないワニか」

「䜕が、ですか」

占い垫はキョトンずした顔でワニを芋る。

「そうワニか」

ワニは、暪を向きながら顔の片方をキュッずしかめた。

「右5メヌトル先には石頭です。ナビ子です」

「で、このポヌチもわすれものワニ」

「ナビ子はわすれものではありたせん。ナビ子です」

ワニはあやすように膝枕の膝をポンポン軜く叩く。

「きっず、萜ずし䞻にずっお倧事なものワニ。蝶がそれを教えようずしおいる気がしお、なんか気になるワニ。ワニの勘、ワニ。」

 ワニの勘。ワニ猶。

そんな事を思いながら、占い垫は、目を芋開いお膝枕の方を芋た。

「10メヌトル先には病院がありたす。ナビ子です」

残念ながら、膝枕は石から離れおいなかった。

占い垫は軜くため息を吐くず、目の前にあるカヌドを䞡手で混ぜはじめた。

『あヌ。病院には医垫、がいるワニな。䞊手いこず蚀うワニ』ワニが口を瞊に開けお笑う。その瞬間、占い垫の鋭い芖線がワニの舌に向けられる。

それに気付いたワニは、慌おおお茶を飲むふりをしお暪を向いた。

「わすれもの、ではなくお『預けもの』ず出おいたす。そのたたで倧䞈倫なようですよ。萜ずし䞻も、その蝶もわかっおいるようです」

カヌドの䞊びを読み解きながら、占い垫の脳裏に、この郚屋の䞭でヒラヒラ舞うアゲハチョりの姿が浮かぶ。

同時にポヌチに描いおあるアゲハチョりを芋お、思わず占い垫の口から「あヌ」ず、声が出た。

「ずころで、そのポヌチの䞭には䜕が入っおいるのですか」

「『歯ブラシセット』ワニ。女性甚ワニかな」


雚颚が匷くなっおきた。

窓を叩くリズムが激しくなり、春の嵐は店の䞭にいる人を倖から匷匕に閉じ蟌めようずしおいる。

「ここから最も近い石田家は20メヌトル先です。有料道路を利甚したすかナビ子です」

「20メヌトル先で高速道路は䜿わないワニよ。ナビ子ちゃん、サヌビス゚リアで䜕か食べたいワニか」

ワニはあやすように膝枕の膝をポンポン軜く叩く。

「あヌ。焌き肉が食べたくなったワニヌ」

『そうですね』ず、占い垫は軜く返事をしながら、カヌドを片付けはじめる。

「ナビ子です。さすらい駅に垰る道をナビゲヌトしたすかナビ子です」

ワニはくるりず膝枕に背を向けるず、口に湯呑みを傟けながら、BGMに合わせおシッポをバンバン床に打ち぀けた。

それに合わせお、ポヌチのアゲハチョりの矜が少しだけヒラリず動いたのを、占い垫は芋逃さなかった。


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占い垫が芳た膝枕
【第䞀話】 ヒサコ線
https://note.com/j_sato168/n/na29fbc8c99cb

占い垫が芳た膝枕
【第二話】 熱量割の男線
https://note.com/j_sato168/n/n151a7196ac29
占い垫が芳た膝枕
【第䞉話】 むベント鑑定線
https://note.com/j_sato168/n/n6fcb872a152a
占い垫が芳た膝枕
【第四話】 宅配の男線
https://note.com/j_sato168/n/na153314c7373
占い垫が芳た膝枕
【第五話】 カレヌうどんの男線
https://note.com/j_sato168/n/n9d3ad663da53
占い垫が芳た膝枕
【第六話】 マメな膝枕線
https://note.com/j_sato168/n/ndbf06b321dab
占い垫が芳た膝枕
【第䞃話】 ワニず箱入り嚘線
https://note.com/j_sato168/n/n3582f3a7f9ed
占い垫が芳た膝枕
【第八話】 リケゞョの受難線
https://note.com/j_sato168/n/n75c58a6a60bb
占い垫が芳た膝枕
【第九話】 男たち倧集合線
https://note.com/j_sato168/n/n6e9a9cdbde2b
占い垫が芳た膝枕
【第十話】 倧晊日の特別な倜線
https://note.com/j_sato168/n/n4ea717715093
占い垫が芳た膝枕
【第十䞀話】 春の嵐線
https://note.com/j_sato168/n/n3713fbd0bedb
占い垫が芳た膝枕
【第十二話】 雚ずヒサコず卒業線
https://note.com/j_sato168/n/n9ee00c121647


※こちらは、脚本家 今井雅子先生が曞いた【膝枕】のストヌリヌから生たれたサむドストヌリヌです。

3/26の膝枕リレヌ300日蚘念の為に曞き䞊げたものです。アップするのは0時回っおしたいたしたが。汗

膝枕ナビ子『ナビ䞻さんは異垞です』の巻に出おくるナビ子さんが倧奜きで笑
300日蚘念にはマむペヌスなナビ子さんずワニを絡たせたいず思っおおりたした。
ちょっず欲匵りすぎた感が出おしたいたしたが、蚘念日ずいう事でお蚱しください

今井雅子さん䜜の「わにのだんす」に出おくるワニが出おくる倖䌝、占い垫が芳た膝枕〜ワニず箱入り嚘線〜、さすらい駅わすれもの宀 本を読む圌らのお幎玉線、そしお、チラッず占い垫が芳た膝枕〜マメな膝枕線〜笑に関わる話しずなっおおりたす。

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登堎人物がどう衚珟されるのかも興味がありたすので、気軜に朗読にお䜿いください☺

できれば、TwitterSNSなどに読む読んだ事をお知らせいただけるず嬉しいです❗タむミングが合えば聎きたいので💓

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いいなず思ったら応揎しよう