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アジングでカサゴしか釣れん夜|底に着いたままになる3つの理由

常夜灯の下でアジを狙てんのに、上がってくるんが赤いやつばっかりの夜がある。

コツン、やない。ゴンッ、や。ほんで抜き上げたら、赤黒いのが口を開けてこっちを見てる。ガシラや。1匹やったらまだええけど、2匹3匹と続いたら、さすがに手が止まるやんか。

ウチも最初は、これで一晩まるごと終わったことが何回もあるわ。アジのつもりで通てんのに、持って帰るんは赤いのばっかり。「今日はアジおらんかったな」で片付けて、次の夜も同じことをやってた。

けど、あの夜は何も残らんかった夜やない。

カサゴが掛かったカウントが、その夜の底や。

カサゴはその場から動かん魚やねん。せやから、そいつが掛かった深さは、今夜のあいだずっとおんなじとこにある。1匹上がった時点で、あんたはもう今夜の底をひとつ知ってることになる。暗い水の中でいちばん分からへんのが「いま自分のリグがどこにおるか」やのに、その答えが向こうから出てきたわけや。目盛りが1本、手元に入ってる状態やと思たらええ。

この記事では、リグが底に着いたままになってまう理由を3つに分けて、それぞれの直し方を書いていくで。底を攻めること自体はアカンことやないから、その線引きも途中で入れとく。カウントの数え方は変えんでええ。動かすんは、数え終わったあとのほうやねん。



まず、カサゴが掛かったカウントから5つ引く

カサゴが1匹上がったら、その一投で何カウント落としたかを思い出す。あとはその数字から引き算するだけで、アジのおるレンジへ戻れる。理屈が分かってへんでも、この一手だけで今夜のレンジは組み直せる。

ちなみにカウントいうんは、リグが沈んでるあいだに「いち、に、さん」と数える、あの数字のこと。秒数とぴったり合うてへんでもかまへん。自分の中で毎回おんなじテンポで数えられてたら、それで深さの物差しになる。

 

5カウント引いて、そこから上を刻み直す

カサゴが出たカウントから5つ引いて、そこから5カウント刻みで上へ戻す。

たとえば20カウント落としたとこでゴンッと来たなら、次の一投は15で止めて、そこを横に探る。反応が無かったら10、その次は5。上へ上へと戻していく。

なんで5ずつかというと、アジが許してくれるレンジのズレが、だいたい3〜5カウントの幅やからや。10も飛ばしたら、層をまたいで素通りしてまう。魚がおったのに気づかんまま「おらんかった」で片付けることになる。5刻みなら、どっかで必ずその幅の中を通るわけや。

ここでよくあるんが、上げたのに1投目で反応が無くて、すぐまた下へ戻してまうパターン。気持ちは分かる。さっき当たったんは下やから、下に魚がおる気がしてまうねんな。けど当たってたんは赤いほうや。同じ深さへ戻したら、また同じ魚が答えてくれるだけ。上げたら最低3投は同じカウントで通す。3投して何も起きひんかったら、次の5つ上へ。

ひとつだけ条件がある。投入点を毎回そろえること。同じとこへ投げてへんかったら、カウントは深さの数字にならへん。正面へ投げたときと斜めへ投げたときでは、同じ20カウントでもリグのおる場所がまるでちがう。角度が変われば水深も変わるから、数字だけ守っても中身がついてこーへんねん。カサゴが出た方向と、その次の投げる方向。そこはセットで覚えといて。

 

沈めたいときは、待つ時間やのうて重さを動かす

逆に、もうちょい下を見たい場面もある。上を刻んで何も無かったときとか、良型を狙って一段下げたいときとかやな。

そういうとき、たいていの人は「もう5秒待つ」で沈めにいく。ウチもそうやった。けど、TSURINEWSの井上海生さんはそこを重さで解いてはる。0.8gのヘッドで15カウントを目安にしたうえで、もっと沈めたいならヘッドを1gか1.2g程度に重くして、カウントは15のまま釣る、と。理由は、そのほうがリグの操作感を見失わんで済むから。

これ、読んだときになるほどなと思たわ。待って沈めると、リグがどこにおるか分からん時間だけが伸びていくねん。20が25になり、25が30になり、そのうち自分でも数えてるんか祈ってるんか分からんようになる。しかも待ってるあいだは糸が緩んでるから、その時間に出たアタリはまるごと落ちる。深さを稼いだつもりで、情報を捨ててることになる。

重さで沈めたら、時間の長さは変わらへん。手元に返ってくる感触も、だいたい同じテンポで戻ってくる。同じ15カウントの中で、リグだけが一段下におる状態を作れるわけや。

このブログの初期値は1.0gにしてある。せやから底を測りにいく夜だけ、一段上げて1.3〜1.5gにして、カウントのほうは動かさへん。数字を2つ同時に動かしたら、どっちが効いたんか分からんようになるからな。

手元に1.0gしか無いんやったら、その一段上を1パック足しとくだけでええ。ジグヘッドは重さごとに別のパックで売ってるから、買い足すんはそこだけや。

仕掛けのほうは触らんでええ。フックは#10(ジグヘッドの針の大きさの表記や)、ワームは2インチ前後。今夜いじるんはレンジだけにする。重さの一段がどんだけ効くかは、こっちに書いてある。



カサゴは、その場から動かん魚

なんで1匹のカサゴが目盛りとして使えるんか。理由は、あいつが動かへん魚やからや。ここが分かってへんかったら、さっきの引き算はただのおまじないになってまう。

 

なわばりを持って、同じ岩で暮らしてる

大阪府と、大阪府立環境農林水産総合研究所の「大阪湾のさかな図鑑」は、カサゴのことをほぼ同じ文で説明してる。成魚は水深5〜50mの岩礁域に、それぞれがなわばりをもって生活します、と。公的機関が2つとも同じことを書いてるから、ここは断定してええと思てる。関西で言うガシラも同じ魚で、両方に別名として載ってるわ。

大事なんは「なわばり」のとこや。回遊してくる魚は、群れごと来て群れごと抜ける。せやから昨日おった場所に今日はおらん、が普通に起きる。カサゴはそれをせえへん。自分の岩を決めて、そこで暮らしてる。だから今夜そこで食うたということは、明日もそこにおる確率が高い。

東京都島しょ農林水産総合センターのほうは、もう一段こまかい。稚魚のうちは藻場におるけど、体長6cmくらいから海底に定着する、と書いてある。大人になるずっと前から、あいつらは底に住んでるわけや。しかも成長が遅い。満1年で6cm、2年で13cm、3年で18cm程度。あんたが釣った手のひらサイズは、たぶん何年も同じ岩の周りにおる。

家邊克己さん(34代表)も、掛けた魚の走り方を説明するとこで、アジのような回遊タイプと、自分の棲家を持つタイプでやり取りがちがう、と分けてはる。同じ海におっても、住所があるかどうかで別の生き物として扱え、という話やな。

つまり、カサゴは動かへん。動かへんから、そいつの居場所は座標として使える。アジの1匹は「さっきそこを通った」しか教えてくれへんけど、カサゴの1匹は「ここが底や」を教えてくれるねん。

 

着底と同時に食うてくる

ほんで、カサゴの食い方にはひとつ特徴がある。シマノの初心者向けの解説に、こう書いてある。

カサゴがいればワームが着底すると同時にアタックしてくることが多い

同じページに、カサゴは昼よりも夜のほうが活発に動いて、棲み家から出て小魚や甲殻類を捕食する、ともある。つまり夜の漁港でカサゴが当たるんは事故やのうて、あっちの活動時間に、こっちが底へ物を落としてるだけや。夜のほうが当たって当たり前やねん。

あいつらは岩の隙間から出て、底のエビやカニを食うてる。上まで追いかけるタイプの狩りやない。目の前に落ちてきたもんを、そこで食う。せやから「着底と同時」になる。

これがどういうことか。カサゴのアタリは「底に触った」の合図として、めちゃくちゃ速いということや。ラインの弛みで着底を取るより先に、向こうが答えを出してくれることさえある。腹立つけど、正確やねん。しかも1匹目より2匹目のほうが情報としては濃い。同じカウントで2匹続いたら、そのカウントが底やという裏が取れたことになる。

だから、赤いのが続いた夜は「今日はアカン」で閉じたらもったいない。あんたは今夜、底の位置を2回も測らせてもろたわけやから。


リグが底に着いたままになる理由は3つ

底に着いてまう夜は、たいてい下の3つのどれかや。リグが底に着いたままになる理由は3つある。 刻まんと落としてる、引いてくるうちに底が上がってくる、止めてる時間が長い。

3つとも「底に着く」という同じ結果になるんやけど、起きてる場所も、直し方もちがう。1つ目は投げた直後、2つ目は巻いてる途中、3つ目は止めた瞬間に起きてる。

これは、釣れへん夜に疑う順番の【2】レンジの、いちばん下で起きてること。順番そのものは柱の記事に置いてあるから、そっちを見といて。

 

【1】刻まんと落としてる

いちばん多いやつ。表層から5カウントずつ降りてくるはずが、投げて、糸を送って、着底の合図が出るまで待ってしまう。底が取れたら安心するし、そこが基準になるから、気持ちとしてはよう分かる。

けど、沈めてる時間には、アジを探す仕事が入ってへん。落ちてる途中でアタリが出ることはあるけど、それは狙って出したもんちゃう。たまたま通り道におったアジが食うただけや。次の夜に同じことはでけへんし、何カウントで出たかも曖昧なままになる。

もうひとつ厄介なんが、着底までいっぺん落としてまうと、その一投で上の層を素通りしてることになる点。上に群れがおったとしても、リグはその中を「通過」しただけで、何も置いてきてへん。しかも足元まで引いてくるあいだに、散らしてる可能性まである。上を散らしてから底をやる、みたいな夜が普通に起きるわけや。

直し方はシンプルで、最初の一投から着底させへんこと。5、10、15と刻んで、それぞれで数投ずつ横に通す。底が知りたいんやったら、それは最後でええ。カサゴが答えを持ってきてくれるしな。

刻み方そのものの手順は、レンジの記事に全部書いてある。

 

【2】引いてくるうちに、底が上がってくる

これは自分では気づきにくいやつや。井上海生さんが同じ記事で、多くの波止や漁港は釣り場の手前に向かってカケアガリになってるから、同じレンジで引き続けると手前で根に捕まりやすい、と書いてはる。せやから手前になるほど、少しレンジを上ずらせるイメージで釣ると安全やと。

これ読んだとき、ウチもやっと腑に落ちたわ。投げた瞬間はちゃんと底の上におったのに、巻いてるうちに底のほうが寄ってくるねん。カウントは合うてる。数え方も間違えてへん。それでも後半だけカサゴが来る夜は、たいていこれや。

しかも漁港はたいてい足元に捨て石やら基礎やらが入ってて、そこがいちばん急に浅くなる。カサゴからしたら隠れ場所だらけの一等地やから、狙わんでも寄ってくる。沖でアジを掛けた同じレンジのまま足元まで持って帰ったら、最後の数メートルで必ず赤いのの家の前を通ることになるわけや。

対処は難しない。手前の3分の1くらいは、糸を張ったままロッドを立て気味にして、1〜2カウントぶん上げるつもりで通す。竿でリグを持ち上げるだけの話やから、糸を緩めてもうたら意味がない。あるいは、そこまで引いてこんとさっさと回収して次を投げる。どっちでもええ。沖でやってたレンジを、そのまま足元まで持って帰ろうとせんことやな。

ついでに言うと、この現象は自分の漁港の地形を覚える機会でもある。何メートルくらいから浅くなるんかが分かってきたら、次からは「そこから先は上げる」と決めて投げられる。1回ごとに賭けをせんで済むようになるで。

 

【3】止めてる時間が長い

アジングは止めて食わせる釣りやから、フォールを長めに取る人が多い。ウチもそう。けど止めてるあいだ、リグは沈み続けてる。エステルは海水より重いんやから、放っといて浮くことはないねん。

風の無い静かな夜ほど、これが効いてくる。糸が水面に張り付いて抵抗にならへんから、素直に落ちる。「今日はよう沈むな」と思てる夜は、たいてい沈めすぎてる。

そこへ、着底と同時に食う魚がおる。長く止めるたびに、カサゴに抽選券を1枚ずつ配ってるようなもんや。1投のうちに3回止めたら、3回配ってる。それが10投続いたら、そら赤いのが来るわな。

対処は、待つときにラインを張っとくこと。フリーで落としてる時間は、そのままアタリを捨ててる時間になる。張っとけば、底に着いた瞬間の「フッと軽なる」がちゃんと手に返ってくるから、そこで気づいて上げにいける。逆に緩めたまま止めてたら、着いたことにも気づかんまま、次のアタリを待ち続けることになる。

もうひとつ。止める長さは、一定にしといたほうがええ。3秒止める夜は、ずっと3秒。長さがバラバラやと、同じカウントで通してても、実際にリグが居った深さは毎回ちがう。カウントを数える意味が薄なるねん。


底には、ちゃんとアジもおる

ここまで読むと「底に入れたらアカンのやな」に聞こえるかもしらん。そうやない。底はアジのおるレンジのひとつで、そこを捨てたら獲れる魚まで捨てることになる。

 

「ボトム付近」と「着底」は別もん

井上海生さんは、さっきの記事の書き出しにこう置いてはる。

アジングではボトムをとる釣りはしないものと考えて話を進めたい。あくまで、ボトム「付近」だ

同じ人が、ボトム付近は釣りやすいレンジではない、これが問題だ、とも書いてる。狙う値打ちはあるけど扱いが難しい場所、という位置づけやな。理由も分かる。底に近づくほど根掛かりが増えるし、アタリも小さくなるし、掛けてからのやり取りもバタバタする。

おもろいのは、いわゆるボトムステイパターンは特定の地域のものらしくて、大阪湾近郊で通年アジングをしてる本人はまだ経験したことがない、と正直に書いてはるとこ。ネットには「底に置いといたら食う」という話がいくらでも転がってるけど、関西の漁港でそれを期待するんは、ちょっと分が悪いということでもある。少なくとも、最初に試す手やない。

狙うんは底やのうて、底の一段上や。

言い方を変えたら、底は着くもんやなくて、位置を知るための基準ということやな。基準は1回取ったら覚えとけばええ。毎投確かめにいく必要はない。

 

風の強い日は、逆に沈まへん

ただし、条件が変わったら話も変わる。

家邊克己さんは、真冬の日中・宮城県の牡鹿半島・秒速10mを超える爆風という場面で、デイゲームではボトム付近に良型がいます、と言い切ってはる。ほんで着底したらロッドを上にあおって、風の力で少しずつボトムを引きずるようにしてルアーを操作する、と。底に置くどころか、引きずってはるわけや。

ただしここ、但し書きを落としたらアカンとこや。使てるジグヘッドは3gで、途中で4gまで上げてはる。真冬の日中で、風が秒速10m超え。常夜灯の下で1gを振ってる夜とは、前提がまるごとちがう。

なんでこんな逆のことが起きるかというと、風がラインを引っ張ってる日は、リグが浮こうとするからや。糸が風で膨らんで、その膨らみがそのままリグを持ち上げにかかる。だから引きずるくらいでやっと底に居てくれる。反対に風の無い静かな夜は、何もせんでも勝手に沈む。

同じ「底を狙う」でも、風がどっちを向いてるかで手が正反対になるということやな。せやから、他所の記事で読んだ底の攻め方をそのまま持ってきても噛み合わへんことがある。書いた人が立ってた漁港の風まで、記事には書いてへんからな。

 


底で待っとる魚は、1種類やない

底の話には、専門家の言うてることが正面から割れてるとこがひとつある。ここが、底に置きっぱなしがアカン理由そのものやねん。

 

同じ底で、掛け方が正反対に割れてる

シマノは、カサゴには早アワセが基本で、もたもたしてると根に潜られてしまう、と書いてる。食うたらすぐ掛けろ、や。

家邊克己さんは、ボトムの釣りでは遅アワセが定石です、早アワセやと掛かってもフッキングが浅いことが多い、と書いてはる。竿先が少し持っていかれるくらいまで待て、や。

同じ「底」の話で、掛け方が真逆やねん。どっちを信じたらええねん、となる。

けど、この2つは喧嘩してへん。見てる魚がちがうだけや。

底で待っとる魚は、1種類やない。 棲家を持ってて動かへんカサゴと、通りかかっただけのアジが、おんなじ深さに同居してる。この線引きは家邊さん本人が別のとこで書いてはって、アジのような回遊タイプと、自分の棲家を持つタイプでやり取りがちがう、と分けてはった。

そう考えたら、2つの助言はどっちも筋が通ってる。カサゴは咥えたまま巣穴へ帰る魚やから、待ったら根に入られる。アジは吸い込んで違和感があったら出す魚やけど、底では当たり方そのものが弱いから、待たな乗らへん。潰そうとしてる事故が最初からちがうねん。

ほんで、そこから出てくる答えがこれや。底に置いたままの一投は、どっちの魚に向けた一投なんかが決まってへん。決まってへんまま置いといたら、先に食うほうが釣れる。動かんでええカサゴのほうが、そら速いわな。

「カサゴしか釣れへん」は、腕の問題でも、その日の運の問題でもない。誰に向けて投げてるか決めんまま、両方の家の前に置いてただけの話や。

 

「速さは即、大きさは小さく」が効くんは、宙に浮いてるあいだ

このブログはアワセについて、速さは即、大きさは小さく、と書いてきた。あれを取り消すつもりはない。ただ、あれは中層の物差しや。

根拠は家邊さん自身の言葉や。通常のアジングのようにルアーが中層にある場合は確実に掛けられる、と言うたうえで、ボトムアジングのアワセは難易度が高い、と認めてはる。実際その日は何度もバラした、とも書いてある。アジング伝道師と呼ばれてる人が、底では手こずってるわけや。

理屈もつく。リグが宙に浮いてるあいだは、アジが吸い込んだぶんだけ、リグが動く。その動きが糸を通って手に来るから、即、小さく合わせたら掛かる。ところが底に着いてもうたら、リグは底に乗ってもうてる。吸い込んでも動く距離が短い。手に来る情報も減る。おまけに合わせた先で針が石を拾うこともある。

「速さは即、大きさは小さく」が効くんは、リグが宙に浮いてるあいだや。 底に置いた瞬間、その物差しの外に出てまう。

せやから、底での掛け方を練習するより先に、底から一段上げるほうが早い。上げたら、いつもの物差しが戻ってくる。難しいことをできるようになるより、難しい場所から出るほうが手っ取り早いこともあるねん。


一段上げてもカサゴなら、次は立ち位置

5つ引いて、10引いて、それでもまだ赤いのが来るんやったら、レンジの問題やない。そこは単純に、底が近すぎる場所や。

浅い漁港やと、表層から10カウントで底に着くようなとこもある。そういう場所で「アジのレンジを刻む」も何も、刻む幅がそもそも無い。カウントをこれ以上いじっても答えは出えへんねん。

次に動かすんは立ち位置。変える条件はいっぺんにひとつだけやから、レンジを触るのは一旦やめて、足のほうを動かす。行き先は明暗の境目の側。カサゴが濃いということは、そこは石や基礎が入ってる場所やということでもあるから、そこから離れる方向に2〜3歩でええ。ついでに岸壁のギリギリから1〜2歩下がって、自分の影を海に落とさんようにしとく。立つ場所の話は、明暗の記事にまとめてあるで。

根に潜られたときは、引っ張り合いをせんこと。家邊さんは別の連載のほうで、根に走られたらすぐロッドを倒してテンションを抜き、ラインをフリーにしてやると、1mも走らんうちに止まる、と書いてはる。引っ張り合いをせえへんほうが結果的に獲れる、という話やな。掛けた瞬間に反射で竿を立ててまうのが、いちばんアカン。

ドラグは緩めたままでええ。締めても切れる側の事故が増えるだけやから、そこはバラシの記事と同じ考え方でいける。

井上海生さんも、エステルラインでは引き出せないサイズの根魚がきたら終わり、と書いてはる。0.3号で大きいカサゴと綱引きはできひん。無理せんと、切れたら結び直したらええ。リーダーは消耗品やし、そこでムキになって竿を曲げ続けるほうが、よっぽど高い買い物になるで。


まとめ

今日の話をまとめとくわ。

カサゴが掛かったカウントが、その夜の底や

そのカウントから5つ引いて、5カウント刻みで上へ戻す

沈めたいときは、待つ時間を延ばさんとヘッドを一段重くする

底に着いたままになる理由は3つ。刻まんと落としてる/引いてくるうちに底が上がってくる/止めてる時間が長い

底は狙てええ。狙うんは着底やのうて、底の一段上

一段上げてもカサゴなら、次に動かすんはレンジやのうて立ち位置

カサゴは外道あつかいされがちやけど、あいつが出してくる数字はほんまに正確やねん。なわばりから動かへん魚が、今夜の底を1本ぶん教えてくれたわけやから。文句を言う前に、カウントを覚えといて。

赤いのが3匹続いた夜も、手ぶらでは帰ってへん。次に同じ漁港へ行ったとき、いきなりその数字から逆算して組み立てられる。1回目より2回目、2回目より3回目のほうが早い。それが同じ場所へ通う値打ちやと思うわ。


よくある質問

Q1. カサゴの毒はやばいですか?
A. 素手で握らへんかったら大丈夫です。カサゴは背ビレとエラブタに鋭いトゲを持っていて、刺さると痛みが出ますし、腫れることもあります。ただ夜の漁港でほんまに気をつけなアカンのは、暗がりでは魚の種類が見分けにくいことのほうです。同じ底には、ゴンズイやハオコゼみたいに、はっきり毒を持つ魚も混じります。せやから、底で掛かった魚は種類が分かるまで素手で握らへん。フィッシュグリップかタオルで掴んで、針を外してください。

Q2. アジングのタックルでカサゴを掛けても大丈夫ですか?
A. サイズによります。TSURINEWSの井上海生さんは、エステルラインでは引き出せないサイズの根魚がきたら終わり、と書いています。ドラグは緩めたままにして、根に潜られたら引っ張り合いをせず、いったんテンションを抜くのが基本です。切れたら結び直したらええだけやから、意地になって竿を曲げんといて。

Q3. カサゴは昼と夜どっちが釣れますか?
A. 夜のほうが釣れます。カサゴは昼のあいだ岩や敷石の陰に潜んでいて、暗くなると岩の上や物陰の外へ出てくるからです。アジングの側から見ると、夜にカサゴが掛かりやすいんは当たり前ということになるので、掛かっても場所の評価は変えんでええ。ただし昼にカサゴばっかり掛かるときは判定が変わります。日中は底付近に良型のアジがいる時間帯で、34の家邊克己さんも、デイゲームではボトム付近に良型がいると解説しています。昼のカサゴ連発を「レンジが下すぎる」と決めつけずに、上げる前に一度、底の一段上を丁寧に通し切ってください。

Q4. カサゴとアラカブは一緒ですか?
A. 同じ魚です。アラカブは主に九州での呼び名で、関西ではガシラ、標準和名がカサゴです。同じ魚に土地ごとの名前が付いてるだけなので、釣り方や生態のちがいはありません。ここは道具の話とおんなじで、名前がちがうと別モノに見えるけど、中身は1つということがよくあります。ネットで情報を集めるときは、3つとも同じ魚やと思て読んだら、拾える話が増えるで。

Q5. 釣れたカサゴは持ち帰ってもいいですか?
A. 食べられる魚なので持ち帰って構いませんが、成長がかなり遅い魚です。東京都島しょ農林水産総合センターの資料では、満1年で体長6cm、2年で13cm、3年で18cm程度とされています。手のひらに乗るサイズでも2年ものくらいと考えると、小さい個体まで全部持ち帰る釣りではありません。トゲが多い魚やから、外すときは素手で握らんようにな。締め方と持ち帰り方は、アジと同じでええで。


夜の漁港で起きてることを、ひとつずつ理屈に落として書いてるで。同じ場所に通ってるのに答えが出えへん、みたいな夜がある人は、たぶん役に立つと思う。

新しい記事はフォローしといたら流れてくるから、よかったら。

夜の漁港で、これ1本開けば順番に潰せる。この手帖の順番を、まとめて1冊にしてあるわ。

ほな、また。


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