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アジングのバラシ|ドラグを緩めるんは、伸びひん糸のため

アタリはちゃんと出てる。掛かってもいる。なのに手前まで来て、フッと軽なる。巻いてきたら、ワームだけがずり落ちて帰ってくる。もう一回投げて、また同じとこで軽なる。あの夜のしんどさ、ウチもようやったから分かるわ。

先に結論を置いとくで。バラシは、ひとつの原因で起きてるんやない。掛ける瞬間・寄せてくるあいだ・水から出る瞬間、この3つの区間で別々の事故として起きてる。しかも区間ごとに、ドラグに求められる仕事が逆を向く。

せやから「ドラグは緩めるんが正解か、締めるんが正解か」で悩んでも答えは出えへん。緩さが効くんは掛ける瞬間で、締めが効くんは水から出る瞬間や。ひとつの数字で全部を守ろうとしてるあいだは、どっちかの区間が必ず穴になる。

ほんで、みんなが「アジは口が弱いから」と言うて緩めてるあのドラグ。あれ、ほんまはアジの口のために緩めてるんやない。伸びひん糸を使てるから緩めてる。ここがひっくり返ると、設定の決め方まで一気に変わる。

今日は、3つの区間で何が起きてるんかと、秤を使わんでもできるドラグの合わせ方を書いていく。道具は買い足さんでええ。今夜、手元のリールとアワセの振り幅だけで直る話やからな。



「乗らんかった」と「バラした」は、別の事故や

最初に、自分がどっちで転んでるんかをはっきりさせてほしい。ここを混ぜたまま対策すると、正反対のことをやってまう。

空振り=そもそも口に入ってへん。バラシ=入って掛かって、そのあと外れた。

見分け方は簡単で、一瞬でも魚の重みが乗ったかどうかやで。乗らんかったんやったら、それはアタリの段階の話で、立ってる場所・レンジ・重さ・フックのサイズを疑う番になる。ドラグをいじっても一生直らへん。

逆に、コンと入って竿先が押さえ込まれて、そこから外れたんやったら、今日の話がそのまま効く。掛けたあとに起きた事故は、掛けるまでの道具立てでは直らへん。

 

空振りが「掛かるけど外れる」に変わったら、それは前進や

これ、けっこう誤解されてるとこやねん。前まで全部スカやったんが、掛かるけどすぐ外れる、に変わった。がっかりするやろ? でもあれ、進んでる証拠や。

転んでる場所が「口の中」から「口から出たあと」へ移動したということやからな。口の中の担当はフックのサイズで、口から出たあとの担当はフックの形とアワセの大きさや。同じ「獲れへん」でも、住所がちがう。

ほんで、住所が移ったあとにフックをさらに小さくしても、たいてい良うならへん。むしろ掛かりが浅なって、外れる側の事故が増える。サイズの話はここで一回閉じてええ。豆アジで乗らへん理由とフックサイズの決め方は、まるごとここにまとめてある。

 

バラシは、疑う順番7段の【5】アタリの内側にある

ウチが釣れへん夜に使てる「疑う順番7段」でいうと、バラシは新しい段として増えるんやない。【5】アタリの内側にある。

これ、順番として大事やねん。まだ立ってる場所も、レンジも、動かし方も詰めてへん状態でドラグだけ触っても、そもそも掛かる回数が少なすぎて、直ったかどうかが分からへん。確かめられへん修正は、修正やなくて願掛けや。

アタリが安定して出るとこまで来てから、この記事の話に入るのが順番として正しい。そこまでの順番は、この記事に全部書いた。



バラシは3つの区間で別々に起きてる

掛けたあとの時間を、3つに割る。

■【1】掛ける瞬間 → 糸がプツンといく/浅くしか掛からへん
■【2】寄せてくるあいだ → 掛かった穴が広がる(口切れ)/首を振られて外れる
■【3】水から出る瞬間 → 宙で暴れて外れる/抜き上げの途中で落ちる

同じ「バラした」でも、この3つは原因も対処も別もんや。ウチが昔いちばんやってたんは【3】やった。足元まで来てるのに、抜き上げの途中でポロッと落ちて、ラインだけ跳ね上がってくるやつな。あれを【1】のつもりでアワセを弱めても、当たり前やけど何も変わらへん。

 

3つとも、突き詰めたら「伸びしろ」の話や

なんで区間で分けなアカンのか。3つの事故が、伸びしろの過不足という一本の軸の上で、逆向きに並んでるからや。

伸びしろっていうんは、急に力がかかったときにそれを逃がす余地のことやと思てくれたらええ。糸が伸びる、リーダーが伸びる、竿が曲がる、ドラグが出る。この4つのどれかが仕事をする。

■【1】掛ける瞬間 → 伸びしろが足りひんと起きる。逃げ場のない力が糸か口に全部乗る
■【2】寄せてくるあいだ → 張りが途切れると起きる。テンションが一定かどうかの問題
■【3】水から出る瞬間 → 伸びしろが余りすぎると起きる。ドラグがズルッと出た瞬間、ハリ先が暴れる

ナイロンで釣ってたころは、この4つのうち糸がいちばん働いてくれてた。伸びる糸が勝手に衝撃を吸うてくれるから、多少アワセが乱暴でも成立してたわけや。ほんで今、みんなが巻いてるんはエステルやろ。ほとんど伸びひんかわりに、水に沈んでくれて情報がよう返ってくる糸な。あのころ糸がやってくれてた仕事を、今はドラグと竿とリーダーの3つで分担してる。バラシが増えたと感じるんは、担当が入れ替わってることに設定が追いついてへんだけ、ということが多いで。

見てのとおり、【1】と【3】は要求が正面から逆を向いてる。ひとつの数字で両方を満たすことは、原理的にでけへん。せやから区間で担当を分ける。ドラグは、区間ごとに担当が変わるツマミやと思たほうがええ。

 

7段とも、5段とも、3つとも別もんやからな

ウチはこのブログで名前のついた順番をいくつか使てるから、ここだけ線を引いとく。

■ 疑う順番7段 → 釣り場で釣れへんときに疑う順番
■ 決める順番5段 → タックルを買う前に決める順番
■ 決めること3つ → ジグ単を組むときに決める中身
■ バラシの3つの区間 → 掛けたあとの時間の割り方

今日のは4つ目や。ほかの3つと混ぜんといてな。数え直すもんが違う。


ドラグを緩めるんは、伸びひん糸のためや

よう言われる説明のほうから、先に潰しとくわ。

「アジは口が弱いからドラグはユルユルに」。どこでも書いてあるやろ。この説明、間違いではない。アジの口は実際に破れやすい。井上海生さんも、アジは口破れしやすい魚で、いいところ──上アゴやな──に掛かってへんと簡単に外れてまう、と書いてはる。

ただ、その理由でドラグを緩めてるわけやない。

 

エステルにした時点で、伸びしろの担当がリールへ移った

考えてみてほしい。同じ口の弱いアジを、ナイロンで釣ってたころは、そこまでユルユルにせえへんかった。魚は変わってへん。変わったんは糸のほうや。

34は自社のエステルラインについて、限界の張力まで伸びずに来て、その張力に達した瞬間に切れると書いてる。ナイロンみたいに「伸びて粘って、そのあいだに気づく」がない。つまりエステルを巻いた時点で、伸びしろの担当が糸からリールへ引っ越してる。

リーダーも一枚噛んでる。バリバスはナイロンのショックリーダーを、魚の引きに対応して適度な伸びでショックを吸収するもんやと説明してる。ただ、こっちが組んでるんはフロロの40cmや。40cmぶんの余地は、一発の急な力を全部吸えるほど長ない。残りをドラグと竿で持つしかない。

エステルが切れる理屈と、切らんための手当てをまとめたんはこの記事や。

ついでに潰しとくと、アワセでプツンといくんはリーダーが細いからやない。あれはアワセの振り幅とドラグの問題で、太さを上げても直らへん。

 

メーカーが、事故を「アワセの瞬間」と「ファイト中」に分けて書いてる

区間で割るという見方の裏づけは、糸を作ってる側が出してる。

バリバスは、エステルとジグヘッドを直結で使うたときに起きることを、こう書いてる。感度──つまり伸びのなさ──ゆえに、急なアワセに耐えられずラインブレイク、あるいはファイト中に口切れを起こしてまうことがある、と。

読み流したらアカンで。メーカーが、事故を2つに分けて並べてる。 急なアワセの瞬間に起きるんは糸が切れる事故で、ファイト中に起きるんは口が切れる事故や。同じ「直結はアカン」の理由として、別々の区間の別々の事故が書いてある。

区間で割るんは、ウチが勝手に思いついた整理やない。部品を作ってる側が、最初からそう分けてる。

ほんで、この「相手は自分側やった」という形、うちの記事ではこれで3回目になる。リーダーの号数を決めてんのは結び目やった。ワームをまっすぐ刺すんは、自分が答え合わせをするためやった。ほんで今日のドラグや。アジのためやと思てた設定は、たいてい自分の道具の都合やねん。


ドラグの合わせ方は、手とアワセで測る

ほな実際どう合わせるか。その場で測る方法を2つ渡すわ。

 

手で引いて、スーッと出るか

ひとつ目は、投げる前にやるやつ。井上海生さんが書いてる方法で、ラインをガイドに通したあと、スプールと一番目のガイドのあいだに張った糸を、指で引っ張ってみる。

このとき、そんなに力を入れてへんのに、スーッと糸が出ていくくらいが目安になる。ぐっと踏ん張らんと出えへんかったら締まりすぎ。触っただけでズルズル出るんやったら緩すぎや。

なんで数字で覚えへんのかというと、リールが違えば同じ目盛りでも滑り出しがちがうからや。ドラグは最大何kgまで締まるかやのうて、緩めたときにちゃんと滑るかを見る。カタログの最大ドラグ力は、アジングではほぼ見んでええ数字やねん。

ほんで、投げる前に一回やっとくだけで、その日の基準ができる。ウチは糸を巻き替えた日と、しばらく使てへんかったリールを出した日は必ずやる。寝かせたリールのドラグは、初動が固まってることがある。

 

もうひとつは、掛けたあとに測る方法や。SWマガジンwebで中瀬直行さんが、豆アジから20cmくらいまでを相手にするときの目安をこう書いてはる。

軽く合わせを入れるとラインが30㌢ほど引き出される程度

ほんで尺から40cmクラスになると、これが変わる。中瀬さんは、アワセを入れたときにドラグがジッと鳴って10cmほど出る程度、と書いてはる。目指す形は、魚が走ったら糸はスムーズに出るのに、巻き寄せてるあいだは出えへん、という状態やと。

ここで「あれ?」と思ってほしいねん。小さい魚のほうが緩くて、大きい魚のほうが締まってる。 引きが強いんは大きいほうやのに、逆向きに見えるやろ。

理由は、サイズによっていちばん危ない区間が入れ替わるからや。豆アジは口が小さいぶん掛かりが浅い。危ないんは【2】と【3】、つまり穴が広がるのと、宙で暴れて外れるほう。せやから糸を出して衝撃を逃がす。

一方で尺クラスになると、危ないんは【1】に寄る。エステル0.3号は1.5lb前後しかない糸で、走られたら強度のほうが先に足りひんくなる。緩すぎたらいつまでも寄ってけえへんし、寄ってこん時間が長いほど口の穴は広がる。せやから、出しすぎへんところで止める。

数字が矛盾してるんやない。守ってる区間がちがうだけや。


【1】掛ける瞬間のバラシ|速さは即、大きさは小さく

ひとつ目の区間や。アタリが出て、掛けにいく、あの一瞬。

ここでやることは決まってる。速さは即、大きさは小さく。 反応は遅らせへん。でも振り幅は手首を返すだけに留める。腕ごと振りかぶるアワセは、この釣りでは要らん。

 

大きく煽ると、3つ同時に悪なる

なんで大きさが要らんのか。デカいアワセを入れた瞬間、ええことが何ひとつ起きひんからや。

■ 糸に逃げ場がない → 伸びひんエステルに一気に力が乗って、限界まで一直線
■ 掛かった穴が広がる → 浅く刺さってるだけの針が、口の薄いとこを裂きにいく
■ レンジが抜ける → せっかく合わせてた層から、リグが上へすっ飛ぶ

3つ目は見落とされがちやけど、けっこう痛い。1匹掛けるたびにレンジが崩れてたら、群れが浮いてるあいだの時合いを自分で短くしてることになる。

ほんで、竿は軽く握っといてな。ぎゅっと握り込んでる手は、アタリが来た瞬間に必ず大きく動く。指2本で支えるくらいのつもりでおったほうが、勝手に小さいアワセになる。

アタリの正体そのものと、アワセの2軸の話は、この記事に全部入れてある。

もうひとつ、浅掛かりについて正直に書いとくわ。上アゴに掛かるか、横の薄いとこに掛かるかは、こっちで選べる部分と選べへん部分がある。選べるんは、掛けにいく瞬間に糸が張ってるかどうかだけや。フリーで落としてるあいだに食われたら、まず張ってへん。そこは運の比率が上がる。ウチにできんのは、張ってる時間を長うして、確率のほうを上げることだけやと思てる。

具体的にひとつだけ挙げるなら、風で糸が膨らんでる夜は、アワセより先に立ち位置を直したほうがええ。膨らんだぶんだけ力が伝わるまでに間が空いて、その間を埋めようとして振り幅だけが勝手にデカなる。小さいアワセで足りひんように感じてるとき、原因が糸の置き方にあることは、けっこう多いで。


【2】寄せてくるあいだのバラシ|緩いまま、速さを変えへん

掛かった。乗った。ここから足元までが2つ目の区間や。

この区間は、緩いまま寄せるんが正解でええ。34の家邊克己さんが、はっきりこう書いてはる。

ドラグが緩いままで手前に寄せてくるのは非常にイイことなのです

家邊さんは、掛けるまでは緩く設定して、掛けてからは少し締めるという調整ができたらええ、とも書いてはる。ドラグは掛けてから動かす余地があるもんやと考えてはるわけや。この記事で家邊さんは、緩いドラグでどこまでアジを弱らせて手前まで連れてこられるかがドラググリスの役割やとして、グリスの粘度そのものを詰めていく話まで書いてはる。それくらい、この区間を大事に見てるということやな。

 

やったらアカンのは3つ

この区間で外れるんは、たいていテンションが切れた瞬間や。掛かった穴は、寄せてるあいだにも少しずつ広がっていく。広がった穴で針が遊んだら、そら抜けるわな。

■ ポンピングする → 竿を起こして、寝かせながら糸を巻き取る、あの寄せ方な。竿を戻す一瞬に必ず張りが緩む
■ 巻くのを止める → 止めた瞬間が空白になる。走られたらドラグに任せて、巻くほうは一定で
■ 竿を寝かせる → 角度が消えると、竿が持ってた伸びしろも一緒に消える

ポンピングについてだけ、ひとこと足しとくわ。あれ自体が悪い動作やない。竿の弾力を使わんと寄ってこーへん魚が相手なら、ちゃんと意味のある寄せ方や。ただアジのサイズでは、そこまでせんでもリールだけで寄る。わざわざ張りが緩む瞬間を、自分で作りにいくことはないということやな。

竿の角度の話だけ、ウチのやり方を書いとくわ。真横まで寝かせてまうと、曲がりが浅うなって竿が仕事をせえへん。かというて真上に立てすぎると、今度は穂先の先っぽだけがお辞儀してる感じになって、胴まで乗ってけえへん。ウチが目安にしてんのは45度前後や。手元に一定の重みがかかり続けてる角度、と言うたほうが近いかもしれん。掛けた瞬間に立てて、そのあとは角度のほうを動かさへん。動かすんは巻く手だけやで。足場が高い漁港やと、そもそも45度をキープするんが難しいことがある。そういう場所では、糸に一定の重みが乗り続けてるかのほうを優先して見といて。

意識するんは、糸を巻き取る速さを変えへんことだけでええ。走られてるあいだは無理に巻かんと、ドラグが出るのに任せる。止まったらまた同じ速さで巻く。竿は45度前後をキープして、曲がりを保っといて。その曲がりが、【1】で足りひんかった伸びしろの続きを引き受けてくれてる。

たまに、掛けた瞬間にドラグをジーッと出しっぱなしにして「アジやのに走るわ〜」て喜んでる人がおるけど、あれは寄ってきてへんぶん、穴が広がる時間も伸びてる。楽しいのは分かる。ウチも好きや(笑)。でも良型の夜は、ほどほどにしといたほうが獲れる。


【3】水から出る瞬間のバラシ|ここだけ、締める側に寄る

3つ目。足元まで来て、水面から抜き上げるあの一瞬。ウチが昔いちばん落としてたんはここや。

水から出た瞬間に何が起きてるかというと、それまで水が支えてくれてた魚の重さが、全部ハリ先の一点に乗る。しかもアジは軽い。軽いから空中で振り回される。井上海生さんも、抜き上げのときに空中で暴れられて、ドラグが追従せんとハリ先が暴れて外れる、と書いてはる。

対処は2つや。

ひとつは止めへんこと。水面でいったん止めて「よいしょ」とやると、その一瞬に必ず暴れられる。井上さんが書いてるとおり、サオを頭上へ差し上げるようにして、水面から手元まで一息で持ってくる。

もうひとつがドラグで、ここだけは緩さが不利に働く。抜き上げの最中にズルッと出たら、その瞬間に張りが消えて、暴れる余地ができる。緩いドラグは【1】と【2】の味方やけど、【3】では敵に回る。

 

25cmを超えだしたら、手前で一段締めるかタモを出す

井上さんは、25cmアップからはエステルラインの強度の低さが問題になってくる、と書いてはる。そのうえで、手前でドラグをちょっと強めに締めて一気に抜き上げたほうがええ、と。

これ、さっきの家邊さんの「緩いままで寄せてくるのは非常にイイこと」と正面からぶつかって見えるやろ。でも2人は喧嘩してへん。家邊さんが言うてんのは【2】の区間の話で、井上さんが言うてんのは【3】の区間の話や。緩いまま寄せてきて、足元で一段締めて、一息で抜く。順番に並べたら、そのまま1本の手順になる。

ドラグの締め方が人によって違うように見えるんは、たいていこれや。同じ「ドラグ」を語ってても、見てる区間がちがう。

ほんで、締めるのが怖い夜もある。良型が続いてて、口切れが怖くて締められへん。そういう晩はタモを出したらええ。抜き上げは技術やのうて、選択肢のひとつやからな。一晩に何度も良型が出る場所なら、タモを持っていくほうが結局は早い。

ついでに言うとくと、足場が高い漁港ほど、この区間は難しなる。水面から手元までの距離がそのまま「魚が空中で暴れてる時間」になるからな。同じ25cmでも、堤防の上から抜くのと、水面が近いとこで抜くのとでは、落とす確率がぜんぜんちがう。足場が高い場所に通ってて、なぜかバラシだけ多いという人は、腕やのうて立ってる高さの話かもしれんで。


まとめ

今日の話をまとめとくわ。

■ バラシは3つの区間で別々に起きてる。【1】掛ける瞬間=糸が切れる・浅く掛かる/【2】寄せてくるあいだ=穴が広がる・首を振られる/【3】水から出る瞬間=宙で暴れて外れる
■ ドラグを緩めるんは、伸びひん糸のためや。 エステルにした時点で、伸びしろの担当が糸からリールへ引っ越してる
■ ドラグは、手とアワセで測る。 投げる前に指で引いてスーッと出るか。掛けたら、軽いアワセで糸がどれだけ出るか
■ 小さい魚ほど緩く、大きい魚ほど締める。 逆に見えるのは、サイズで危ない区間が入れ替わるから
■【1】は振り幅を小さく、【2】は速さを一定に、【3】は止めずに一息で。 緩さは【1】と【2】の味方で、【3】では敵に回る
■ 専門家がドラグで割れて見えるんは、見てる区間がちがうだけ。 緩いまま寄せて、足元で一段締める。並べたら1本の手順になる

バラシが続く夜って、自分の腕を疑いだすやんか。ウチもそうやった。でも実際に起きてんのは、区間ごとに別々の事故が同じ「バラした」という言葉に押し込められてるだけや。どの区間で落としたんかを1回言葉にできたら、次の一手は勝手に決まる。


よくある質問

Q1. 釣りでバラシの原因は何ですか?
A. バラシは掛けた魚を取り込む前に外してしまうことで、原因は3つの区間に分かれます。「掛ける瞬間」「寄せてくるあいだ」「水から出る瞬間」で、効く手当てがそれぞれちがいます。掛ける瞬間はアワセの大きさ、寄せてくるあいだはドラグの設定と糸の張り、水から出る瞬間は抜き上げの速さです。せやから「バラシが多い」だけでは直しようがありません。ドラグを触る前に、外れたんがどのタイミングやったかを思い出すほうが早いことが多いです。

Q2. アジングのドラグは、どれくらい緩めればいいですか?
A. スプールと一番目のガイドのあいだの糸を指で引いて、力を入れなくてもスーッと出ていくくらいが目安です。井上海生さんが紹介している方法で、リールごとに目盛りの意味が違うため、数字ではなく手の感覚で覚えたほうが確実です。掛けたあとに軽くアワセて、糸が30cmほど引き出されるようなら、豆アジ主体の夜はそれで合うてる。

Q3. 豆アジと尺アジで、ドラグの設定は変えたほうがいいですか?
A. 変えたほうがいいです。SWマガジンwebの中瀬直行さんは、20cmまでは軽く合わせて30cmほど糸が出る程度、尺から40cmクラスはジッと鳴って10cmほど出る程度を目安に挙げています。小さい魚のほうが緩いのは、豆アジは掛かりが浅くて「外れる」事故が怖く、尺クラスはエステルの強度のほうが先に足りなくなるからや。守る相手が入れ替わってると思といて。

Q4. 抜き上げるときにバラすのを減らすには、どうすればいいですか?
A. 水面で止めないことです。止めた一瞬に空中で暴れられて、ハリ先が動いて外れます。竿を頭上へ差し上げるようにして、水面から手元まで一息で運んでください。25cmを超えるサイズが続く夜は、手前でドラグを一段締めるか、素直にタモを出すほうが確実や。抜き上げは意地を張るとこやないで。

Q5. リーダーを太くすれば、バラシは減りますか?
A. ほとんど減りません。アワセで切れるのはリーダーが細いからではなく、アワセの振り幅とドラグの設定が原因です。太くすると結び目のコブが大きくなって、キャストと取り込みでのトラブルが増えます。バリバスは、エステルにジグヘッドを直結すると急なアワセでラインブレイクやファイト中の口切れが起きると書いていて、リーダーはそもそも太さで殴る部品ではありません。まずは振り幅とドラグからいこか。


掛かったのに獲れへん夜って、釣れへん夜より悔しいねんな。手のひらに感触だけ残って、証拠が何もないから。

でも今日ので、その悔しさを3つに分けられるようになったはずや。次にバラしたら、落としたんはどの区間か、それだけ思い出してみて。それが分かった時点で、もう半分は直ってる。

このブログでは、こんな感じで夜の漁港の話ばっかり書いてる。よかったらフォローしといてな。

夜の漁港で、これ1本開けば順番に潰せる。この手帖の順番を、まとめて1冊にしてあるわ。

ほな、また。

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