見出し画像

アジングのレンジの探り方|カウントは5つずつ刻むのが正解

「今日はアジおらんかったわ」

そう言うて帰った夜、ほんまにアジはおらんかったんやろか。

ウチが思うに、そのうちの何割かは「おったけど、おる層を通せてへんかった」だけやねん。立ち位置は悪くなかった。明暗の境目にもちゃんと入れてた。でもリグは、アジの頭の上か足元を、ずーっと素通りしてただけ。

前に、明暗が横軸でレンジが縦軸やっていう話を書いた。今日はその縦のほう、つまり「深さをどうやって刻むか」を最初から最後までやるわ。カウントの数え方から、釣れてたのに急に止まった夜の立て直し方まで。

先に言うとくと、この記事のいちばん大事な話は最後のほうにある。レンジを刻むんは、アジを探す作業やないねん。 そこまで読んでもろたら、たぶん今夜の釣りが変わるで。



レンジの探り方は、この3ステップで終わる

夜のアジングでレンジを探る手順は、この3つに畳めるねん。

表層から始める。 5カウントずつ沈める深さを増やしていく
アタリが出ても、そこで止めない。 もう一段、二段と下も確認する
反応が止まったら、7〜10カウント上下に入れ直す。 群れが抜けたと決めつけない

これだけ。ほんまにこれだけやねん。

ただし、これは夜の話。明るい時間帯は逆になる。 着底までのカウントを取って、底付近から探る。この違いはあとでちゃんと説明するわ。

ここから先はぜんぶ「なんでそうなんのか」の話や。理由が分かってへんと、状況がちょっと変わっただけで手が止まってまうからな。

ウチが前に書いた、釣れへん夜に疑う順番。あれでいうとレンジは上から2番目やねん。時間と潮、立ってる場所。その次がレンジ。

つまりレンジを刻む前に、そもそも立ち位置が合ってるかを確認せなアカン。 誰もおらん場所で何十カウント刻んでも、それはただの水汲みや。

順番ごと知りたい人は、こっち先に読んでな。


なんで夜は「上から」探るんか

上から探る理由は、3つある

これ、知ったとき「なるほどなあ」ってなった話やねん。

サンラインのソルトテスターの山中竜太さんが、レンジコントロールについて書いたコラムでこう言うてはる。アジやメバルみたいに下顎が前に出てる、いわゆる受け口の魚は、上からルアーを落とすフォールの釣りが有効な場合が多いと。せやから釣れたレンジの少し上から探っていくと、釣果が伸びることが多い、と。

口の向きで説明されると、腑に落ちひん?

下顎が出てるってことは、口が上を向いてついてるってことや。そらまあ、頭の上から降ってくるもんのほうが食いやすいわな。

アジは基本、上を見てる魚。 ここを押さえとくだけで、レンジの考え方が一本通るで。

もうひとつ、上から探る理由がある。餌の都合や。

動物プランクトンの多くは「日周鉛直移動」ってやつをやってる。昼間は深いとこにおって、夜になったら水面近くまで浮いてきてエサを食う、という上下運動やねん。生理学研究所の資料によると、この行動の理由は2つ考えられてて、ひとつは捕食者から逃げること、もうひとつは太陽の紫外線のダメージを避けることやと。

毎晩、海の中でとんでもない数の粒が上がったり下がったりしてるっちゅうことやな。

で、ここからはウチの推測が入るから、そのつもりで読んでな。

アジがこの動きに合わせて泳層を変えてる、っていう研究をウチは見つけられてへん。せやから「プランクトンが上がるからアジも上がる」とは断定でけへん。

ただ、餌が上に集まってくるのに、それを食う側だけ下に残ってる、というのはちょっと考えにくいやんか。しかも実際、あとで出てくる阿部健司郎さんも「夜は表層付近に浮いて群れている魚も多い」と現場の実感として言うてはる。理屈と現場が同じ方向を向いてるなら、そっちに賭けてええとウチは思う。

3つ目の理由は、もっと実務的な話や。

つり人社のサイトに載ってる阿部健司郎さんの解説に、こういう指摘がある。中層から表層に魚が濃いときは、上から順番に細かく探ったほうが、下の層のアジもスレにくいと。

考えたら当たり前やねんな。最初からボトムまでドスンと落として底でゴソゴソやってたら、その途中で上におった群れを一回散らしてることになる。散らしてから上に戻ってきても、もうそこにはおらん。

上から順に、っていうのは魚の分布の話やなくて、順番を間違えたら場が壊れるという話でもある。


昼とマヅメは、まるっきり逆になる

ここまで夜の話ばっかりしてきたけど、明るい時間は前提がひっくり返る。

阿部さんはこう整理してはる。アジのレンジは日中からマヅメ時は底、夜は表層付近に浮いて群れている魚も多い。せやから明るい時間帯は着底までカウントして底付近から探り、夜は表層からカウントしてレンジを刻むのが基本、と。

→ 表層から下へ刻んでいく
日中・マヅメ → 着底カウントを取って、底付近から上へ

しかも明るい時間は、底からルアーを浮かせすぎへんほうが反応がええケースが多いらしい。底から5カウントずつ上げて、どこまで追ってくるかを見る感じやな。

昼夜で真逆になるんは、さっきのプランクトンの話を思い出したら納得できるやろ。餌が沈んでる時間帯に表層を引いても、そこには何もおらんわけやから。


カウントは何を数えてんのか

「カウントって、ちゃんと1秒ずつ数えなアカンの?」と思うやろ。答えは「そこまで神経質にならんでええ」やねん。

さっきの山中さんが面白いことを書いてはってな。ジグヘッドを何秒沈めたらどのくらいの深さに入るか、という話をしかけたところで、秒数の数え方は人によって誤差が出るから割愛すると、自分で言うてはるねん。参考として自分の数え方やと2gを10秒で約5m、とだけ添えて。

プロがそう言うてるんやから、こっちが1秒の精度を追いかける意味はない。

大事なんはあんたの数え方で、毎回同じテンポで数えられてるかやねん。他人と揃える必要はまったくない。自分の中で「イチ、ニ、サン」が毎回同じ間隔やったら、それが物差しとして機能する。


足元で一回だけ、物差しを作っとく

とはいえ、自分のカウントがどのくらいの深さに対応してるんかは、一回だけ測っといたほうがええ。

やり方は簡単や。足元にリグをそのまま落として、着底までを数える。このときガイドやスプールにラインが触れんように、完全にフリーで落とすこと。 山中さんも指摘してはるけど、ラインが干渉すると沈むスピードが落ちて、数字が嘘になる。

糸がフッと弛んだら着底の合図。そこからリールを巻きながら回転数を数える。1回転あたりの巻き取り量はリールのスペック表に書いてあるから、掛け算したらだいたいの水深が出る。

これで「この漁港のこの場所は、1gで着底まで何カウント」が手に入る。暗闇でリグの位置が想像できるようになるんは、ここからや。

このへんの物差しの作り方は、ジグヘッドの重さの記事でもっと詳しく書いた。数字が計算では出えへん理由も含めてな。

ほんで、ここが今日いちばん厳しい話かもしれん。

阿部さんが繰り返し言うてはるんは、「大切なのはジグヘッドの存在感を感じること」やねん。手元にリグの重みを感じてへんまま釣ってると、潮が重くなった瞬間も、流れが効いてきた瞬間も、なんも分からへんまま過ぎていく。

これ、レンジの話に直結する。

カウントで「5」まで数えたとするやろ。でもリグが今どこにおるか手で感じてへんかったら、その「5」がほんまに5カウントぶん沈んだんか、途中で潮に持ち上げられてたんか、判別でけへんねん。数えた数字と、実際にリグがおる場所がズレてる。

その状態でカウントだけ増やしても、刻んでることにはならへん。ただ数字を数えてるだけや。

せやから順番としては、まず手元でリグの重さが分かる重さを結ぶ。ウチがいつも最初に結ぶんは1g前後や。それで存在感が分かるようになってから、カウントを刻む。逆にしたらアカン。


なんで刻み幅が「5カウント」なんか

アジが許してくれるズレは3〜5カウント

「5カウントずつ刻め」ってよう言われるけど、なんで5なんか説明されることってあんまりないやんか。10でもええし、3でもええやろ、と。

これに答えられる材料が、TSURINEWSの井上海生さんの記事にあるねん。アタリが止まる原因について書いた回で、こういう指摘がある。

アジはレンジにシビアな魚ではあるけれど、3カウント、活性がええときは5カウント前後レンジがズレていても、アタるし乗る。ただし10カウント上下すると、ほとんど群れが抜けたかのようにアタらなくなる、と。

これ、めちゃくちゃ大事な数字やと思う。

ひっくり返して考えてみてな。アジの許容幅が3〜5カウントあるってことは、5カウント刻みで探ったら取りこぼしが出えへんっちゅうことやねん。 5ずつ下げていけば、群れがどのカウントにおっても、必ずどこかで許容幅の中に入る。

逆に10カウントずつ飛ばしたらどうなるか。許容幅を丸ごとまたいでまう。アジはおるのに、一回もアタらへん。 そんで「今日はおらんかったな」で終わる。

これが冒頭に書いた「おったけど通せてへんかった」の正体や。

5カウント刻み → 許容幅の中を必ず一回は通る
10カウント刻み → 群れの層を飛び越えて素通りする


重いヘッドなら3カウントに詰める

もうひとつ、阿部さんが加えてる条件がある。沈下の速い重いジグヘッドを使う場合は、3カウント毎にレンジを刻むこともある、と。

これも理屈は同じや。重いヘッドは1カウントで進む距離が長いから、5カウント刻むと下げ幅がでかくなりすぎる。せやから刻み幅のほうを詰めて、実際に下がる量を揃えにいく。

1g前後の標準的な重さ → 5カウント刻み
沈むのが速い重めのヘッド → 3カウント刻み

守るべきは「5」っていう数字やなくて、一回に下げる深さを許容幅より小さく保つことやねんな。


フォールは2種類ある

刻み方の話をするには、フォールの種類を分けとかなアカン。

フリーフォールっちゅうんは、ベールを開けたままラインを自由に出して沈めるやつな。テンションフォールは、ベールを戻して糸を張ったまま沈めるやつで、リグは弧を描きながら手前に寄ってくる。

阿部さんの使い分けはこうや。

フォール中にアタリが取りやすいのは、当然テンションフォールのほう。20カウント程度で着底するような浅場なら、テンションフォールでカウントするそうや。一方、底を狙うことの多い日中やマヅメは沈みの速いフリーフォールを多用するけど、狙いたいレンジの3秒ほど手前のカウントでベールを戻してテンションフォールに切り替える。 そうしたらそのレンジですぐ操作に移れる、というわけやな。

速く落としたいけど、着いた瞬間から釣りを始めたい。その両方を取りにいってるわけやな。

あと豆知識をひとつ。軽いヘッドはフリーフォールさせようにも、ラインが自重で出ていってくれへん。 そういうときはスプールから手で引き出してやる、と阿部さんは書いてはる。ウチも知らんかった頃は「フリーで落としてるつもり」やっただけやったわ。


同じ線に落とさな、刻んだことにならん

投入点がブレたら、カウント5の深さも毎回ちゃう

これは柱の記事でも書いた話やけど、レンジの記事でこそもう一回言うとかなアカン。


投入点がブレてる人は、レンジを刻んでるつもりでも刻めてへん。

落とす場所が毎回変わったら、そこの水深も、潮の当たり方もちゃうやんか。ほんなら「カウント5」が指してる深さも毎回変わってまう。同じ数字を数えてるのに、毎回ちがう場所を通してることになる。

❌ 毎投バラバラに投げて、カウントだけ揃える
⭕️ 同じ線に落とし続けて、その中でカウントを刻む

カウントは、投入点が固定されて初めて意味を持つ数字や。ここを飛ばして刻み幅の話をしても、ぜんぶ砂上の楼閣やねん。


潮と風で、同じカウントでも深さは変わる

同じ線に落とすことの大事さを、もう一段補強する話がある。

阿部さんいわく、潮上と潮下、投入点を変えるだけでも沈下速度は変わる。 速く沈めたければ潮上にキャストしたほうがよく、ゆっくり沈下させたければ潮下に入れたほうがええ、と。

裏を返すと、投げるたびに潮に対する角度が変わってる人は、毎投ちがう沈下速度で釣ってるということでもある。ただ、これは武器にもなるで。重さを替えんでも、投入点をずらすだけで沈むスピードを調整できるっちゅうことやからな。

もうひとつ、カウントを狂わせる犯人が風や。

阿部さんは着水後の所作についてこう言うてはる。横風をはらんだ状態ではアタリはボケるし、狙いのレンジまで沈めにくくなる。せやから穂先を海面に付けて余分な糸を出しすぎんようにして、ラインを風上に置き直すメンディングもする、と。

ラインが風で膨らんでたら、その膨らみが糸を引っ張ってリグを浮かせるわけや。数えてるカウントは同じでも、実際は思ってるより浅いとこにおる。

風の日は「沈まへん」んやなくて「沈めてへん」ことが多い。 ここを疑わんとジグヘッドだけ重くしていくと、今度は別の問題が出てくる。まず糸の置き方を直す。順番はそっちが先や。


表層で釣れても、そこで止めたらアカン

アジの群れは、立体的にできてる

ここからが今日の本題や。ほんまはこれが言いたくてこの記事を書いたようなもんやねん。

34の家邊克己さんが、でかアジ狙いについて解説してはる記事にこういう一節がある。常夜灯などに集まるアジの群れも、狙うレンジによって群れているサイズが違うことがよくある。セオリーとしては、表層よりも群れのボトム近辺にいるアジのほうが、群れの中でも大型であることが多い、と。

つまり群れは平べったい板やなくて、立体的な塊になってるっちゅうことやな。上のほうに小さいのがおって、下にいくほど大きいのが控えてる。

同じことを阿部さんも一行だけ書いてはる。レンジによってはサイズの違う群れがいるケースも多い、と。別の人が、別の媒体で、同じことを言うてる。

家邊さんの記事には、実際の釣行の様子も書いてある。これがまた分かりやすい。

ポイントに着いてすぐ、浅いカウントでアタリが続いた。普通なら「よっしゃ当たりレンジ見つけた」ってなるやんか。でも家邊さんはそこでボトム狙いに切り替えてる。

そんで、こう言うてはる。途中で表層の豆アジがルアーにアタックしてくるけど、それはアワせずに我慢。ボトム近いアタリだけとっていければ、と。

結果どうなったか。最初に釣れてたのが25cm以下。表層のアタリを捨てて中層以下を拾っていったら、27〜28cmクラスが出た。

同じ場所、同じ時間、同じ群れ。ちがうのはレンジだけ。

これがこの記事の結論やねん。レンジを刻むんは、アジがおる場所を探す作業やない。群れの中から、どのアジを釣るかを選ぶ作業や。


明暗の横軸で起きてることが、縦でも起きてた

ここで、ウチが前に書いた常夜灯の記事とつながる。

あの記事では、明るい真ん中に浮いてるのは小型が多くて、境目の暗い側やボトムに良型が潜んでる、という話をした。警戒心が育った個体ほど、身を隠せる場所から出てこーへんという理屈やったな。

で、今日の話。表層に小さいのがおって、下にいくほど大きい。

……同じこと言うてるやんな。

横軸でも縦軸でも、警戒心の強い良型ほど「安全な側」に引っ込んでるという同じ法則が働いてるだけやったわけや。明暗と深さは別の軸やと思ってたけど、その奥にある理屈は一本やった。

せやから座標の話は、こういうことになる。

横(明暗) → 明るい側に豆アジ、暗い側に良型
縦(レンジ) → 表層に豆アジ、下に良型
どっちも → 良型は隠れられるほうにおる

ここ、勘違いされたらアカンから釘を刺しとくわ。

家邊さん自身が、ちゃんとこう補足してはる。今回はセオリー通りボトムのアジがでかかったけど、そうでない場合もある。せやからレンジを刻んで群れのサイズを確認していけば、その群れの中の良型を狙い撃つことも可能や、と。

つまり「ボトムを狙え」が結論やないねん。「刻んで確かめろ」が結論や。

たまたま今日は中層に良型がおるかもしれん。表層のが一番でかいこともある。それは行ってみな分からへん。分からへんからこそ、5カウントずつ確かめていく意味があるわけやな。

一匹釣れたとこで手を止めるんは、その確認を途中でやめるっちゅうことや。もったいないやんか。


釣れてたのに止まった夜|群れは抜けてへんかもしれん

さっきまでポンポン釣れてたのに、パタッと止まる。あるやろ。

そういうとき、たいていの人は「群れ抜けたか」と思て場所を移る。でも井上さんは、そこで簡単に諦めんほうがええと書いてはる。

理由がこれや。スレによってレンジが変わることもあるけど、どちらかといえば潮の上げ下げによってプランクトンが動いて、それに群れもくっついて動くんやと。

これ、ウチはかなり腑に落ちた。だってアジは餌を追ってそこにおるわけやんか。餌が潮に流されて位置を変えたら、アジもついていくのが自然や。アジは移動してへん。アジのおる深さが移動しただけ。 場所を移る必要なんかどこにもない。


7〜10カウント、上下に入れ直してみる

ほんなら具体的にどうするか。井上さんは「止まったな」と思ったら、ためしに7〜10カウント前後、レンジを上下に入れ直してみようと書いてはる。

ここ、数字がさっきの話とちゃんと噛み合ってるのが気持ちええねん。

探すとき → 5カウント刻み(許容幅を取りこぼさへんため)
止まったとき → 7〜10カウント動かす(明らかに別の層へ飛ばすため)

止まったときは、じわじわ刻んでも遅い。もう抜けてもうた層を細かく探ってもしゃあないから、一発で別の層へ飛ばす。 上か下か分からんかったら、両方やってみたらええ。

これができるようになると、移動の判断も変わってくるで。「レンジも上下に振ってみた。それでも何もない」まで確かめてから動く。そこまでやってアカンかったら、それは胸を張って移動していい夜や。

最後に、縦と横を同時に使う小ワザをひとつ紹介させて。これも阿部さんや。

常夜灯の明暗を狙うときは、暗いほうへ投げてテンションをかけて落とす。 そしたらリグは手前にフォールしてきて、勝手に明るい側へ入っていく。これだけでもアタリが出ることは多々ある、と書いてはる。

テンションフォールは弧を描いて手前に寄ってくる。その性質をそのまま利用して、沈めながら明暗の境目を横切らせてるわけや。縦に刻む動作が、そのまま横の攻略になってる。

明暗の境目の攻め方そのものは前の記事でやったから、そっちと合わせて読んでもろたら、座標の詰め方が一本につながるはずやで。


まとめ|レンジを刻むんは、アジを選ぶ作業やねん

持って帰ってほしいことを3つに絞るわ。

ひとつめ。夜は表層から5カウントずつ。 アジが許してくれるズレは3〜5カウントやから、5刻みなら取りこぼさへん。10飛ばしたら、おっても抜けたことになる。明るい時間は着底カウントを取って底から、で逆になる。

ふたつめ。カウントは投入点とセットで初めて意味を持つ。 同じ線に落とし続ける。潮上か潮下かで沈下速度は変わるし、横風でラインが膨らんだらリグは浮く。数字を信じる前に、数字が壊れてへんかを疑う。

みっつめ。釣れても止めん。 群れは立体的で、下にいくほど大型がおることが多い。表層の豆アジを我慢して刻み下げたら、同じ群れから一回り大きいのが出てくる。刻むんは探す作業やなくて、選ぶ作業やねん。

そして、釣れてたのが止まったら7〜10カウント振ってみる。群れは抜けてへんかもしれん。

ほんで最後にひとつ。前にアタリの記事を書いたとき、井上さんの締めの言葉を紹介した。難しいアタリをちゃんと掛けて、次にちゃんと「コン」と来るアタリに変えられるようレンジ調整してこそ一人前や、という趣旨のことを言うてはった。

つまりアタリの出方が変わるっちゅうことは、レンジが合いにいってるサインでもあるわけや。モゾッとした違和感しか出えへんかったのが、はっきりコンと出るようになったら、それはあんたが正しい方向に刻めてる証拠やと思ってええ。

アタリの種類そのものを知りたい人は、こっちにまとめてあるで。


よくある質問

Q1. カウントは秒で正確に数える必要がありますか?
A. いいえ、他人と揃える必要はありません。重要なのは自分の中で毎回同じテンポで数えられていることです。サンラインのテスターである山中竜太さんも、秒数の数え方は人によって誤差が出ると明言し、具体的な秒数の解説を避けています。1秒の精度を追いかけるより、「この漁港では自分のカウントで何ぼで着底する」を一回測っとくほうが、よっぽど役に立つで。

Q2. 表層から探ると、下にいるアジがスレませんか?
A. 逆です。中層から表層に魚が濃いときは、上から順に細かく探ったほうが下層のアジもスレにくいと阿部健司郎さんは解説しています。最初からボトムまで落としてしまうと、その途中で上にいた群れを散らしてから底を探ることになります。効率の話やなくて、順番を間違えたら場が壊れるという話やねん。

Q3. アジングでレンジとは何ですか?
A. レンジは、アジがおる水中の深さのことです。日本語の「タナ」と同じ意味で使われます。アジングでは、その深さをメートルではなく、着水からのカウント(秒数)で表します。10カウントで掛かったと分かれば、次の一投も10カウントまで落とせば同じ深さを通せるからです。メートルで測らへんのは、同じ10カウントでも、重さと潮で沈む距離が変わるからやねん。レンジは「その日の、その重さでの目盛り」として使うのが正しい使い方になります。

Q4. 釣れたレンジをキープするにはどうすればいいですか?
A. ラインを張らず緩めずの状態に保つのが基本です。阿部健司郎さんは、夜は軽いリフト&フォールでレンジを刻み、チョンチョンと誘い上げてから、張らず緩めずの微妙なテンションでジグヘッドを送り込むとアタリが出やすいと解説しています。ここで大きく巻いてまうと、せっかく合わせたレンジからリグが抜けてまうで。

Q5. 昼間のアジングでもカウントは必要ですか?
A. 必要ですが、探る向きが逆になります。日中からマヅメ時のアジは底寄りにいることが多いため、着底までのカウントを数えてから底付近を中心に探ります。底から5カウントずつ上げて反応を見る方法もありますが、明るい時間はルアーを底から浮かせすぎないほうが反応がよいケースが多いとされています。夜と同じ感覚で表層をやっても、そこには誰もおらんことが多いわ。


暗闇の中で釣りをしてると、自分のリグがどこにおるか分からんのがいちばん不安やんか。ウチも最初はそうやった。何をしてるかも分からんまま、ただ投げて巻いてただけの時期がある。

でもカウントを数えるようになってから、水の中に目盛りが入った感じがしてん。見えへんけど、位置は分かる。 そこからは釣れた理由も、釣れんかった理由も、ちゃんと自分の手元に残るようになった。

今夜、もし一匹釣れたら。そこで満足せんと、あと5カウントだけ深く入れてみてな。ひとまわり大きいのが待ってるかもしれんで。

夜の漁港で、これ1本開けば順番に潰せる。この手帖の順番を、まとめて1冊にしてあるわ。

ウチがどんな人間で、なんでこのブログを書いてるかは、こっちに書いてあるわ。

ほな、また。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集