シャドーイングは1日何分やればいい?効果を出す時間の目安を解説
シャドーイングを始めると、多くの人が気になるのが、
「1日何分やればいいのか」
ということです。
10分でも意味があるのか。
30分くらいは必要なのか。
本気で伸ばしたいなら、1時間やるべきなのか。
ここは、かなり迷いやすいところです。
私は英語コーチングスクールで250名以上の受講生を担当し、3000回以上、受講生のシャドーイングを直に聞いてきました。
その中で感じるのは、シャドーイングの時間で悩む人には、大きく2つのタイプがあるということです。
1つ目は、最初から長時間やろうとして疲れてしまう人です。
「毎日1時間やらないと意味がない」と考えて始めたものの、教材が難しかったり、手順が定まっていなかったりして、数日でしんどくなってしまう。
2つ目は、短時間だけ音源を流して、やった気になってしまう人です。
10分でも意味はあります。
ただ、音源を聞き流したり、なんとなく口を動かしたりするだけでは、シャドーイングの効果は出にくいです。
シャドーイングで大切なのは、ただ長くやることではありません。
自分のレベルに合った教材で、正しい流れを守りながら、無理なく続けられる時間を確保することです。
目安としては、
・始めたばかりなら、1日10〜20分
・慣れてきたら、1日20〜30分
・しっかりリスニング力を伸ばしたいなら、1日40〜60分
くらいで考えるとよいです。
ただし、これはあくまで目安です。
大切なのは、
何分やるかだけではなく、
その時間で何をするかです。
シャドーイングは、まず1日10〜20分からでいい
シャドーイングを始めたばかりなら、最初から長時間やろうとしなくて大丈夫です。
まずは、1日10〜20分からで十分です。
シャドーイングは、ただ英文を読む練習ではありません。
音声を聞く。
スクリプトで意味を確認する。
音のつながりを確認する。
オーバーラッピングをする。
少し遅れて声に出す。
必要に応じて録音して確認する。
これらを行います。
慣れていないうちは、10分でもかなり集中力を使います。
ランニングで考えると分かりやすいです。
運動習慣がない人が、いきなり毎日10km走ろうとすると、かなり大変です。
体力より先に、気持ちが折れてしまうかもしれません。
でも、まず10分だけ走る。
それを数日続ける。
慣れてきたら15分、20分に伸ばす。
この方が続きやすいです。
シャドーイングも同じです。
最初から長くやることより、まずは
正しい流れで短く続けること
を優先してください。
1日何分やるかは、レベルと目的で変わる
シャドーイングの時間は、全員が同じでなくて大丈夫です。
英語力、教材の難しさ、シャドーイングへの慣れ、目標によって変わります。
ここでは、3つに分けて考えると分かりやすいです。
始めたばかりなら、10〜20分で流れに慣れる
シャドーイングを始めたばかりの人は、まず1日10〜20分を目安にしてください。
この段階の目的は、大きく効果を出すことよりも、
シャドーイングの流れに慣れること
です。
意味確認をする。
音源を聞く。
スクリプトを見ながら音のつながりを確認する。
オーバーラッピングをする。
短い範囲でシャドーイングする。
この流れを一通り経験することが先です。
最初から長くやろうとすると、途中で何をしているのか分からなくなりやすいです。
「聞く」
「意味を確認する」
「声に出す」
「音源との差を直す」
この流れに慣れるだけでも、最初は十分です。
最初の7日間でどう進めるかを知りたい方は、こちらで詳しく整理しています。
慣れてきたら、20〜30分で同じ音源を丁寧に回す
シャドーイングの流れに少し慣れてきたら、1日20〜30分を目安にするとよいです。
このくらい時間があると、意味確認だけで終わらず、声に出す練習まで入りやすくなります。
たとえば、
最初の5分でスクリプトと意味を確認する。
次の5分で音源を聞き、音のつながりを見る。
そのあと10〜15分でオーバーラッピングやシャドーイングをする。
最後に少し録音して確認する。
このような流れが作れます。
20〜30分あれば、ただ聞いて終わりではなく、
音源との差を見ながら直す時間
を入れやすくなります。
現場で見ていても、伸びやすい人は、必ずしも最初から長時間やっている人ではありません。
短い範囲を決めて、意味確認、音源確認、声出し、録音確認を丁寧に回している人の方が、練習の質が安定しやすいです。
しっかり伸ばしたいなら、40〜60分を目安にする
リスニング力をしっかり伸ばしたい場合は、1日40〜60分ほど確保できると理想的です。
ただし、これは最初から目指す時間ではありません。
シャドーイングに慣れてきて、教材レベルも合っていて、正しい流れで練習できるようになってから増やす時間です。
40〜60分あると、1つの音源をかなり丁寧に扱えます。
意味確認。
音の確認。
オーバーラッピング。
シャドーイング。
録音確認。
修正。
ここまで一通りできます。
ただ、長くやる場合ほど、集中力は大事です。
60分机に向かっていても、途中からただ口を動かしているだけになっているなら、練習の質は落ちます。
長くやるなら、30分を2回に分ける。
音源を短く区切る。
録音確認の時間を入れる。
こうした工夫をした方が、雑に60分続けるより効果的です。
10分だけでも意味はあるが、聞き流しでは弱い
忙しい日もあります。
仕事が長引いたり、疲れていたり、まとまった時間が取れなかったりする日もあると思います。
そういう日は、10分でも大丈夫です。
ただし、10分をただの聞き流しで終わらせるのはもったいないです。
シャドーイングの10分は、目的を決めて使った方がいいです。
10分の日は、やることを1つに絞る
10分しかない日は、全部やろうとしなくていいです。
むしろ、やることを1つに絞った方がいいです。
たとえば、
今日はスクリプトを見て意味確認だけする。
今日は音源を聞いて、音のつながりだけ確認する。
今日はオーバーラッピングだけする。
今日は短い範囲を録音して、音源との差だけ見る。
このように分けても大丈夫です。
10分で全部を完璧にやろうとすると、中途半端になりやすいです。
でも、10分で1つだけやるなら、かなり現実的です。
スマホの充電で考えると分かりやすいです。
1分だけ充電しても、少しは増えます。
でも、十分に使える状態にしたいなら、ある程度の充電時間は必要です。
シャドーイングも同じです。
10分でも意味はあります。
ただ、本格的に伸ばしたいなら、10分だけで毎回完結させるより、20分、30分、40分と積み上げられる日も作った方がいいです。
長時間やれば効果が出るわけではない
シャドーイングは、時間を増やせば必ず効果が出るわけではありません。
もちろん、学習時間は大事です。
でも、長くやっているのに伸びない人もいます。
その場合は、時間の長さよりも、練習の中身を見直した方がいいです。
教材が難しすぎると、時間を増やしても崩れやすい
教材が難しすぎると、30分やっても60分やっても、練習が崩れやすくなります。
スクリプトを見ても意味が分からない。
音声が速すぎて追いつけない。
知らない単語が多すぎる。
1文が長すぎる。
この状態だと、シャドーイングの前に止まります。
筋トレで言えば、重すぎるダンベルを長時間持っている状態です。
長く頑張っているのに、フォームが崩れてしまう。
狙ったところに効かない。
疲れだけが残る。
シャドーイングでも同じです。
時間を増やす前に、まず教材のレベルが合っているかを確認してください。
音読や暗唱になっていると、シャドーイングの効果は出にくい
長くやっているのに効果が出にくい場合、シャドーイングではなく音読や暗唱に近くなっていることがあります。
スクリプトを目で追って読んでいるだけ。
音声を聞かずに覚えた英文を言っているだけ。
自分のペースで読んでいて、音源のリズムをまねていない。
この状態だと、時間を増やしてもリスニング力にはつながりにくいです。
シャドーイングで大切なのは、音源を聞きながら、少し遅れてついていくことです。
「音を聞く」が抜けてしまうと、別の練習になってしまいます。
正しい手順を確認したい方は、こちらで詳しく整理しています。
集中が切れたまま続けても、練習の質は落ちる
シャドーイングは、かなり集中力を使う練習です。
音を聞く。
少し遅れて言う。
リズムをまねる。
意味も追う。
これを続けるので、疲れてくると質が落ちます。
集中が切れた状態で長く続けるより、短くても集中して取り組む方がよい場合があります。
料理でも、長時間キッチンに立っていれば料理がうまくなるわけではありません。
レシピを見ずに、手順を間違えたまま長く作業しても、なかなか上達しません。
シャドーイングも同じです。
長くやることより、正しい手順で集中して回すことが大事です。
「何分やるか」より「何を何分やるか」が大事
シャドーイングの時間を考えるときは、合計時間だけで考えない方がいいです。
たとえば、同じ20分でも、やっている内容によって効果は変わります。
20分ずっと聞き流す。
20分ずっと音読する。
20分で意味確認、音源確認、オーバーラッピング、シャドーイングを行う。
この3つは、同じ20分でも中身が違います。
大事なのは、
何分やるかではなく、
何を何分やるかです。
意味確認・音源確認に使う時間
シャドーイングに入る前に、意味確認と音源確認は必要です。
スクリプトを見て意味を確認する。
知らない単語を確認する。
音源を聞いて、どこがつながっているかを見る。
ここを飛ばすと、音だけを追いかける練習になりやすいです。
ただし、ここに時間を使いすぎると、声に出す時間がなくなります。
初心者なら、最初の5〜10分を意味確認や音源確認に使うくらいが現実的です。
オーバーラッピングに使う時間
オーバーラッピングは、スクリプトを見ながら音声と同時に読む練習です。
いきなりシャドーイングが難しい人は、まずここで口を慣らす方がいいです。
音声と同じタイミングで読めない教材は、シャドーイングではさらに難しくなります。
1日20〜30分取れるなら、オーバーラッピングに5〜10分ほど使うと、シャドーイングへ入りやすくなります。
シャドーイングと録音確認に使う時間
最後に、実際のシャドーイングと録音確認です。
シャドーイングは、ただ回数を重ねるだけではなく、音源との差を見ながら直すことが大事です。
録音すると、
音源より遅れている。
単語が抜けている。
リズムが違う。
自分のペースで読んでいる。
こういったズレに気づきやすくなります。
毎回しっかり録音しなくても大丈夫ですが、時間に余裕がある日は、最後に1回だけでも録音確認を入れると練習の質が上がります。
録音の頻度については、こちらで詳しく整理しています。
シャドーイングは録音を毎回するべき?頻度の目安とおすすめタイミング
時間と回数は分けて考える
シャドーイングでは、「時間」と「回数」を混同しない方がいいです。
1日何分やるか。
1つの音源を何回繰り返すか。
これは別の話です。
時間は、1日の学習量の目安です。
今日は10分だけ。
今日は30分できた。
週末は60分取れた。
このように、1日の中でどれくらいシャドーイングに時間を使えたかを見るものです。
一方で、回数は、1つの音源をどれだけ繰り返して仕上げるかの目安です。
同じ音源を何回聞くか。
何回オーバーラッピングするか。
何回シャドーイングするか。
これは時間とは別に考えた方がよいです。
1日30分やったとしても、毎回違う音源を軽く流しているだけなら、1つの音源は深まりません。
反対に、短い音源を数日かけて繰り返せば、20分でもかなり濃い練習になります。
1つの音源を何回やればいいかは、こちらで詳しく整理しています。
迷ったときの時間目安
最後に、迷ったときの目安を整理します。
まず続けたい人:1日10〜20分
シャドーイングを始めたばかりの人、忙しくて時間が取りにくい人は、1日10〜20分からで大丈夫です。
目的は、まず流れに慣れることです。
短くても、意味確認やオーバーラッピングなど、やることを決めて取り組んでください。
効果を感じたい人:1日20〜30分
少し慣れてきたら、1日20〜30分を目指すとよいです。
このくらい時間があると、意味確認、音源確認、声出し、録音確認まで入りやすくなります。
短い範囲でもいいので、同じ音源を丁寧に回すことを意識してください。
本気で伸ばしたい人:1日40〜60分
しっかりリスニング力を伸ばしたい人は、1日40〜60分を目安にしてもよいです。
ただし、最初から60分を目指す必要はありません。
教材が合っていて、手順も分かっていて、集中して取り組める状態になってから増やす方がいいです。
40〜60分やる場合も、ただ長く続けるのではなく、範囲を分けて集中して取り組んでください。
効果を感じるまでの期間については、こちらの記事で詳しく整理しています。
シャドーイングはどれくらいで効果が出る?伸びを感じるまでの期間を解説
まとめ|シャドーイングは長さより、崩れず続けられる時間で始める
シャドーイングは、1日何分やればいいのか。
目安としては、
・始めたばかりなら、1日10〜20分
・慣れてきたら、1日20〜30分
・しっかり伸ばしたいなら、1日40〜60分
で考えるとよいです。
ただし、時間だけで効果が決まるわけではありません。
10分でも、目的を決めて取り組めば意味があります。
30分やっても、音読や聞き流しになっていれば効果は出にくいです。
60分やっても、教材が難しすぎれば練習は崩れやすくなります。
大切なのは、長くやることではありません。
自分のレベルに合った教材で、正しい流れを守りながら、無理なく続けられる時間を作ることです。
最初は短くても大丈夫です。
10分でも、20分でも、正しい流れで続けられれば、シャドーイングの感覚は少しずつ身についていきます。
慣れてきたら、20〜30分。
さらに伸ばしたいなら、40〜60分。
焦って長くするより、まずは崩れずに続けられる時間から始めてください。
