シャドーイングは何回やればいい?効果が出る回数と目安を解説
「シャドーイングって、結局何回やればいいのですか」
これは本当によくいただく質問です。
1回ずつどんどん先に進めばいいのか。
それとも、1つの音声を何十回も繰り返すべきなのか。
人によっては、
「10回くらいで十分ですか」
「100回やったほうがいいですか」
「200回、300回やるべきですか」
と迷われます。
結論からお伝えします。
シャドーイングの回数の目安は、1つの音声につき45回から60回です。
これが、私がもっともおすすめしている目安です。
なぜなら、このくらい繰り返すと、ようやく口に馴染み始めて、音声変化も捉えやすくなり、意味理解にもつながってくるからです。
逆に、回数が少なすぎると、ただ試して終わるだけになりやすいです。
一方で、回数が多すぎると、飽きたり、効率が落ちたりしやすくなります。
私はこれまで250名以上の英語学習者のシャドーイングを見てきましたが、回数設定を間違えると、シャドーイングの効果が出にくくなることがあります。
この記事では、
・シャドーイングは何回やればいいのか
・なぜ45回から60回が目安なのか
・回数が少なすぎると何が起こるのか
・逆に多すぎるとどうなるのか
このあたりを整理してお伝えします。
シャドーイングの回数で迷っている方は、まずこの記事の考え方を基準にしてみてください。
シャドーイングは何回やればいい?
改めて結論です。
シャドーイングは、1つの音声につき45回から60回を目安にするのがおすすめです。
この回数が多すぎず、少なすぎず、最もバランスが取りやすいと感じています。
イメージとしては、次のような配分です。
・オーバーラッピングを15回から20回
・プロソディーシャドーイングを15回から20回
・コンテンツシャドーイングを15回から20回
これで合計45回から60回です。
このくらいやると、最初は言いにくかった音が少しずつ口に馴染んできます。
また、単に音を追いかけるだけでなく、
「ここで音がつながっている」
「ここは弱くなっている」
「こういう意味の流れで話している」
というところまで見えてきやすくなります。
シャドーイングは、数回やって終わる練習ではありません。
ある程度回数を重ねて、ようやく効果が見えてくる練習です。
なぜシャドーイングは45回から60回が目安なのか
シャドーイングをやってみると分かりますが、最初の数回はほとんどの方がうまくできません。
聞こえない。
追いつけない。
口が回らない。
まずはここから始まります。
でも、これは失敗ではありません。
むしろ普通です。
問題は、その段階で終わってしまうことです。
たとえば1つの音声を5回や10回だけで終えると、まだ「できるかどうかを試しただけ」で終わってしまいやすいです。
本当に大事なのは、その先です。
回数を重ねると、少しずつ英語のリズムに慣れてきます。
さらに続けると、音のつながりや消え方が分かってきます。
そこからようやく、意味理解までつながってきます。
つまり、シャドーイングは繰り返した先に効果が出る練習です。
45回から60回というのは、その変化が起こりやすい回数の目安だと考えています。
私自身、この回数で多くの受講生に取り組んでいただき、効果を感じてもらってきました。
VERSANTやTOEICなどでスコアが伸びた方も多くいらっしゃいます。
シャドーイングの回数が少なすぎるとどうなるか
シャドーイングの回数が少なすぎると、伸びにくいです。
特に多いのが、1つの音声につき10回前後で終わってしまうケースです。
この場合、ほとんどはまだ口も音も馴染んでいません。
そのため、シャドーイングとしてはかなりもったいない状態です。
10回で終わるシャドーイングは、言い方を変えると、
その音声でシャドーイングができるかを試して終わった状態
になりやすいです。
もちろん、ゼロではありません。
まったく意味がないわけではありません。
ただ、リスニング力を上げる、音声変化を捉える、発音感覚を身につけるという意味では、足りないことがほとんどです。
もし今、1つの音声を10回くらいで終えているなら、まずは回数を増やしてみてください。
それだけで、かなり変わる方は多いです。
シャドーイングは数回でよい場合もある
ここまで読むと、
「では毎回必ず60回やらないといけないのか」
と思うかもしれません。
ただ、例外はあります。
それが、超上級者の場合です。
すでに音声変化をかなり捉えられていて、意味理解も安定していて、口も英語に十分慣れている方であれば、確認として数回だけシャドーイングする、というやり方でも成立することがあります。
このレベルになると、音を聞いて修正すべき点もすぐ分かりますし、少ない回数でも学習になることがあります。
ただし、これはあくまで上級者の話です。
多くの学習者にとっては、やはりある程度の回数を重ねたほうが効果は出やすいです。
「上級者は数回でよい」と聞いて、それをそのまま一般化しないほうが安全です。
シャドーイングの回数が多すぎるのも注意
逆に、シャドーイングは回数が多ければ多いほどよい、というわけでもありません。
たとえば、1つの音声につき100回くらいであれば、まだやっていい範囲だと思います。
ただ、200回、300回と1つの音声に固執しすぎると、注意が必要です。
理由は2つあります。
1つ目 モチベーションが下がりやすい
1つの音声を300回も繰り返していると、多くの方は途中で飽きてきます。
何のためにやっているのか分からなくなったり、ただ回数をこなすだけになったりしやすいです。
そうなると、シャドーイング自体がつらくなってしまい、やめてしまう原因にもなります。
2つ目 多くの英文に触れられなくなる
英語学習では、1つを深くやることも大切ですが、いろいろな英文に触れていくことも同じくらい大切です。
1つの音声に300回かけるより、60回ずつで区切って次の英文に進んだほうが、全体として得られる恩恵は大きいことが多いです。
300回やることが絶対に悪いとは言いません。
ただ、基本は1つに固執しすぎず、45回から60回を目安に進めていくほうが、続けやすさと効果のバランスが取りやすいです。
例外的に1つの音声をやり込むのはあり
ただし、例外的に1つの音声を徹底的にやり込むのは、十分ありです。
たとえば、普段から45回から60回くらいでシャドーイングを続けている方が、
「今回はこの1つを本気でやり込んでみよう」
と決めて、300回近く取り組む。
これは1つの方法です。
録音も何度も挟みながら、できるところまで完成度を上げてみる。
自分の限界を確認してみる。
こうしたやり込みには意味があります。
ただ、これを毎回の基本にしなくてよい、ということです。
普段のベースは45回から60回。
特別にやり込む回を作るのはあり。
このくらいの考え方が、無理なく続けやすいと思います。
シャドーイングを60回やってもうまくできない理由
ここも大切です。
45回から60回やっても、まだうまくできないことはあります。
そのときに、
「自分には向いていないのかもしれない」
と思う方もいますが、そうではありません。
多くの場合、原因の1つは口の筋肉の問題です。
日本語を中心に使ってきた口の筋肉と、ずっと英語を話してきたネイティブの口の筋肉は、やはり使い方が違います。
そのため、音は分かっていても、口がすぐにはついてこないことがあります。
これは、気合いや根性だけで一気に解決できるものではありません。
だからこそ、1つの音声だけを何百回もやるより、いろいろな音声でシャドーイングを続けていくことが大切です。
そうやって続けていくうちに、少しずつ口が回るようになってきます。
感覚としては、筋トレに近いです。
1日2日で急に変わるものではありません。
無理をしすぎず、継続できる形にすることのほうが大切です。
シャドーイングの回数には個人差がある
ここまで45回から60回を目安としてお伝えしてきましたが、もちろん個人差はあります。
もう少し少ない回数で十分な方もいます。
逆に、もっと多めにやったほうが合う方もいます。
私自身、シャドーイングの専門家の方から講習を受ける中で、この回数の考え方を学んできました。
そのうえで、現場で多くの学習者を見てきた感覚としても、やはり45回から60回くらいが最もうまくいきやすいと感じています。
大切なのは、
「絶対にこの回数が唯一の正解」
と考えることではありません。
少なすぎず、多すぎず、続けやすく、効果が出やすい目安として、まずは45回から60回を基準にする。
この考え方が、実践しやすくておすすめです。
まとめ シャドーイングの回数は45回から60回が目安
シャドーイングは何回やればいいのか。
この質問に対する答えは、1つの音声につき45回から60回が目安です。
このくらい繰り返すと、口に馴染みやすくなり、音声変化も捉えやすくなり、意味理解にもつながっていきます。
逆に、10回前後では少なすぎて、試して終わるだけになりやすいです。
一方で、200回、300回とやりすぎると、飽きや効率低下につながることがあります。
基本のイメージは、次の通りです。
・オーバーラッピングを15回から20回
・プロソディーシャドーイングを15回から20回
・コンテンツシャドーイングを15回から20回
合計で45回から60回です。
もちろん個人差はあります。
ただ、どこから始めればいいか迷っている方は、まずこの回数を基準にしてみてください。
少なすぎず、多すぎず、続けやすく、効果も出やすい。
そのバランスが取りやすいのが、この回数です。
まずは1つの音声につき、45回から60回を目安に取り組んでみてください。
なお、シャドーイングは回数だけでなく、やり方や教材選びでも効果が大きく変わります。
やり方から整理したい方は、こちらの記事もご覧ください。
