0201 テリー・ギリアム監督『バロン』聖地巡礼
2025年4月26日(土)にスペインのアンダルシア州アルメリア県サン・ホセで、2026年5月2日(土)にスペインのアラゴン州サラゴサ県ベルチテでテリー・ギリアム監督『バロン』(The Adventures of Baron Munchausen)の聖地巡礼をしてきました。
当作品はイマジネーション3部作 "Trilogy of Imagination" films の2作目。「老人の目」を通してぎこちなく秩序立った社会の狂気と可能な限りの手段(3作品とも想像力)でそこから逃れたいという願望 "craziness of our awkwardly ordered society and the desire to escape it through whatever means possible"を描きます。
18世紀後半、オスマン帝国軍に包囲されたとあるヨーロッパの都市。町はホレィシオ・ジャクソン参謀長(演:ジョナサン・プライス)の指揮下にあるものの陥落寸前となっている。廃墟に建つ劇場で「ミュンヒハウゼン男爵の冒険」の公演が行われていたが、突如、本物のバロンを名乗る老人(演:ジョン・ネヴィル)が乱入する。
※公開当時のチラシには、舞台は「ドイツの町」との記載がありますが、オスマン帝国軍は町を海側からも攻撃していて、「ドイツの海」は陸路でデンマークと国境を接するユトランド半島の西に北海・東にバルト海の旧プロイセン領、旧ザクセン公国領。オスマン帝国海軍は黒海から地中海を経由して北海やバルト海はさすがに進軍は無理。「ドイツ民族」が支配するオーストリア帝国領は現在のスロベニアやクロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナを含んでいたのでアドリア海沿岸部にオスマン帝国海軍が攻撃するのは、オスマン・トルコ帝国とオーストリア=ハンガリー帝国が国境を接してたことを考えるとアリかと…。いずれにしても現在の国家としての「ドイツの町」が舞台では無いよね。
※実在の実在の人物である18世紀のプロイセン貴族ミュンヒハウゼン男爵ご本人は、第5子だったため、上位貴族の公爵家に出仕し、仕えていた公爵家がロシアに移住してしまったため、ロシア帝国軍に任官。現在のラトビアの首都リガに駐屯していたものの、露土戦争に出征し、実際にオスマン帝国軍と戦っている。大尉昇進後に暇をもらってドイツの実家に帰省したところ、2人の兄が戦死してしまったため、男爵家を継ぐことになってしまい、ロシア領に戻れなくなり、最終的にロシア軍を除籍される。ドイツ人としては数奇な運命を辿ったのは事実。
バロンの回想話の途中でトルコ軍の砲撃が始まり、バロンは反撃を決意する。臼砲の砲弾にしがみつきオスマン帝国軍陣内に侵入、今度はトルコ軍の砲弾に飛び乗り一座の元へ戻って来る。
自分だけが町を救うことが出来ると主張したバロンは、熱気球で密かに乗り込んでいた座長の娘のサリー・ソルト(演:サラ・ポーリー)と共に冒険を始める。
月の世界、エトナ火山の火口、地底の世界、島よりも巨大な魚の腹の中を探検していくうちに、バロンは、家来の韋駄天バートホールド(演:エリック・アイドル)、千里眼で射撃の名手アドルファス(チャールズ・マッケーオン)、驚異的な肺活量を持つ小人グスタヴァス(演:ジャック・パーヴィス)、怪力の大男アルブレヒト(演:ウィンストン・デニス)の4人と再会する。
バロンは、4人の家来とサリーを従えてオスマン帝国軍が陣を構える海岸に上陸するのだった…。
という訳で、オスマン帝国軍に包囲された陥落寸前のヨーロッパの都市としてロケされたのが、スペイン内戦の激戦地となったベルチテ旧市街 Pueblo Viejo de Belchite。
Pueblo Viejo de Belchite - Wikipedia, la enciclopedia libre
Belchite-turismo | Belchite
なお、この廃墟は聖ギレルモ・デル・トロ『パンズ・ラビリンス』のロケ地と被ります。
熱気球で戦いに旅立つまでのパートのロケ地のメインは、サン・マルティン・デ・トゥール教会 Iglesia de San Martín de Tours のファザード前の広場を中心に展開します。





クライマックスで、バロンとその仲間たちが、オスマン帝国軍と戦う浜辺として撮影された場所は、映画によく出る海岸のプラヤ・デ・モンスル Playa de Monsul。
Ensenada de Mónsul - Wikipedia, la enciclopedia libre
このロケ地は、チャールトン・ヘストン監督『アントニーとクレオパトラ』、ジョン・ミリアス監督『風とライオン』、ウォルフガング・ペーターゼン監督『ネバーエンディングストーリー』、スティーヴン・スピルバーグ監督『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』、ペドロ・アルモドバル監督『トーク・トゥ・ハー』と被ります。















トルコ軍を打ち負かしたバロン一行は英雄として町に迎え入れられます。歓迎一色の城門からの通りは、旧市街のメイン・ストリートとなるマヨール通り Calle Mayor です。




再度、サン・マルティン・デ・トゥール教会 Iglesia de San Martín de Tours のファザード前の広場も登場します。









当該の『バロン』『ブラザーズ・グリム』『テリー・ギリアムのドン・キホーテ 』)




タイトルはラストに登場。邦題は『ほら吹き男爵の冒険』に出来なかったものかね?

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テリー・ギリアム監督他作品の聖地巡礼
0199『バンデットQ』
0200『未来世紀ブラジル』
0202『12モンキーズ』
0203『Dr.パルナサスの鏡』
0204『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』
