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公務員を辞めるか迷ってるですと? その迷いの時間…ぜひ大切に

ただいま、公務員を辞めて3年目


退職後は、1年間、地域おこし協力隊として農業の研修を受けさせてもらい、その後、別の地域に移動して、今はブドウ栽培の勉強をさせてもらっている。

退職後、公務員を辞めたいと考えている元同僚から相談されることが増えた。

「辞めたあと、どう?」
「実際、生活は?収入は?」
「辞めて後悔してない?」

そりゃ、気になりますよね。私も辞める前はすごく気になった。 収入のこと、生活のこと、退職金の額、翌年の保険料や税金のこと。

「実際はこんな感じでしたよ〜」と、そのまま伝えている。

ただ、私には妻や子どもがいない。賃貸住みなので住宅ローンもない。自分の生活費のことだけ考えればいいという点は、家庭がある多くの相談者とはかなり大きな違いだ。

だから言えるのは、あくまで自分が経験した範囲のことだけ。

でも、最後に必ずひとつ伝えていることがある。

「退職を迷っている時間……その時間、けっこういい時間ですよ〜」

ということだ。


モヤモヤとワクワクの比率


最近、ドラマ『Tシャツが乾くまで』を見ていて、えらく共感してしまった。

充(松山ケンイチ)の気持ちが、けっこう分かる。
というか、かなり分かる

失踪癖まではない。
ちゃんと住民票も移した笑。

ただ、「今までいた場所から離れたい」という気持ちが、すごくよく分かるのだ。

退職すれば、それまで毎日顔を合わせていた人や仕事で関わった人の多くが、「自分の人生に直接関係する人」ではなくなる。 ちょっと寂しいのと同時に、ものすごく自由でもある。

それまで築いてきた人間関係や周囲からの評価(良いものも、悪いものも)から一度距離を置いてみたい。

今までの自分を知っている人が誰もいない場所で、もう一度自分という人間を考えてみたい。

何をするか、どんな環境で暮らすか、どんな人間関係を持つか。そんなことを妄想している時間は、実はとても楽しかった。

考え始めた頃は「モヤモヤ9割、ワクワク1割」。 でも、退職願を出すころには完全にその比率が逆転していた。

その葛藤とワクワクの過程こそが、とても豊かな時間だったのだと今振り返って実感している。


人生は、何がきっかけになるかわからない


退職を迷っていたとき、ふと思い出したことがある。

20代前半、公務員になる前に農家に住み込みで働いていた「たった3ヶ月間」のことだ。

なぜか、その短期間の記憶が鮮明に残っている。

写真が全然残っていない・・泣。

暑かった夏。

マー君とハンカチ王子の甲子園決勝をラジオで聴きながら、いろんな野菜の収穫をした日のこと。

12時間ぶっ通しで農作業をしたあとのビールが、異常にうまかったこと。
(過酷な労働環境・・、いい思い出笑)

トン吉の悲鳴がかすかに聞こえたと思ったら、その日の夕飯が、豚しゃぶとトンカツだったこと。

子猫が生まれて、仕事の合間にその成長を眺めていたこと。

一緒に作業していたおっちゃんに、けっこう立派な刺青が入っていたこと。

細かいことまで、覚えている。

当時、なんとなく。
「ちょっと行ってみようかな」
くらいのノリだった。

このときの気まぐれな行動が、20年以上経って自分を動かす原動力になろうとは。

きっと、あの3ヶ月間の泥臭い暮らしを「すごく人間らしいな」と心が記憶していたのだと思う。

人生は、本当に何がきっかけになるかわからない。

・・noteで、働き方に悩む若者の記事をよく読む。そして、心の中で「すべて無駄にならんよ〜」と思っている。(コメントすると説教おじになるから、心の中で笑)


大切にしたい感覚って


「辞めるか、辞めないか」 そんな二択にしてしまうと、どうしても苦しくなる。 白か黒か。人生はそんなにハッキリ分けられるものではない。

「辞めたいけど、怖い」 「続けたいわけじゃないけど、今すぐ辞めるほどでもない」 「もう嫌だと思う日もあるけど、まあまあ楽しい日もある」

以前の私は二択で考えがちだった。 辞める、辞めない、辞める、辞めない……花占いか。

ただ、迷っている間にたくさんのことを考えた。 何をしたいのか。どこで暮らしたいのか。誰と過ごしたいのか。今の仕事の何が好きで、何が嫌なのか。

辞めなくてもいいのかもしれない。まったく違うことを始めてもいいのかもしれない。

人生の地図を広げて、あっちへ行き、こっちへ行きしていたあの時間。 頭も体もフルに使って「これからの生き方」を模索していた

普段ならしないような深い話を昔の同僚とした。 今まで考えもしなかった場所で暮らす自分を想像した。 やったことのない仕事を夢中で調べた。

そして、20年前の記憶を引っ張り出して、自分の「大切にしたい感覚」を思い出した。

そんな時間が、実はとても好きだった。


迷っている時間こそ


「このままでいいのかな」と考え始めた時点で、もう昨日までの自分とは違う。 迷っているということは、立ち止まっているのではない。

自分の人生を、もう一度自分の手で選ぼうとしている証拠だ。

だから焦る必要も、無理に結論を急ぐ必要もない。 何が後から自分の人生に効いてくるか、本当に分からないのだから。 なんとなく行った3ヶ月の農業体験が、20年後の自分を支えてくれたように。

迷っている時間も、立派な人生の一部。

せっかくなら、もう少しその迷いを楽しんでみませんか。

退職金を計算しながら。

移住Youtuberの動画を見ながら。

いろんなお金の稼ぎ方を夜な夜な調べながら。

「この先どうするんだ、俺」と、ちょっといいウイスキーをロックで煽りながら。

翌年の税金と保険料のリアルな額にビビりながら笑。


これまでの経験を振り返りながら、
これからの生き方に思いを馳せる。

そんな豊かな時間、
人生の中でそう何度もあるもんじゃないですよね。




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