見出し画像

📚リブロ編④|図書館に持ち込まれた謎

森の図書館(リブロ編)
①|自動整理支援システム『リブロ』
②|図書館の人気者
③|仕事が減った司書
④|図書館に持ち込まれた謎← 今ここ

森の図書館の午後は、
やわらかな光に包まれていた。

アキラがカウンターで返却された本の記録を確認していると、入口の方からぱたぱたと小さな足音が近付いてきた。

「来たモコ〜!」

アキラは丸眼鏡を少し上げて、顔を上げた。

「お、今日は友だちと一緒かい?」

「ハヤトだモコ」

モコの隣にいたハヤトが、軽く頭を下げる。

「ハヤトくん。こんにちは。
今日は何を探しにきたんだい?」

「えっと……」
ハヤトが言葉に詰まった、その時。

「わー! なんかいるモコー!」

ス……。
コトン。カシャリ。

棚の奥から、小さな機械音が聞こえてきた。

「……え!?」

ハヤトは思わず振り返る。

「ロボット?」

「ああ。リブロだよ。少し前から図書館の整理を手伝ってくれているんだ」

「へぇ……」

リブロは棚の前で止まると、アームを伸ばして本を一冊抜き、モコの目の前に差し出した。

「わぁ〜すごいモコー」

モコが受け取ったのは、
動物がたくさん描かれた本。

「これ、見たかったモコ〜」
ページをめくるたびに、楽しそうな声が漏れる。

その横を、リブロがまたスーッと通り過ぎていった。

ス……。
コトン。カシャリ。
その動きには、一つの無駄もなかった。

「なんか、すごいのが来たんだね」

ハヤトがリブロを目で追っていると、
ふと、その姿に見覚えがあるような気がした。

(ロボット?)
(森の図書館に?)

不意に、遺跡の光景が頭をよぎった。

地下遺跡の一番奥の部屋。
その部屋だけは不自然なほど綺麗に保たれていた。

そして棚いっぱいに並んでいた、
たくさんのロボット。

「まさか……ね」

「ハヤトくん?」

アキラの声で、ハッとする。

「いや……なんでもない」

ハヤトはリブロから視線を戻した。

「……アキラさん、あのね……」

「うん?」

「ぼく、宝箱……」

「宝箱?」

「あ、いや。ちがう。えーと……」

ハヤトは少し迷ってから、言葉を変えた。

「ぼくさ、森の奥で遺跡を見つけたんだ」

「遺跡?」

「うん。風の強い日、首飾りを見つけて。
それ、実はコンパスで。
それで、たどって行ったんだ。そしたら……」

「ふむ……。」
なんだか、すごい話だね。
それ、テレビの話かい?

「いや、違うんだ。ぼくが見つけたんだ。黒猫と一緒に、地下に入ったんだよ」

ハヤトの真剣な顔を見て、アキラは少しだけ表情を変えた。

「……そうか」

それから腕を組み、しばらく考え込む。

「確か、その辺りについて書かれた資料があったかもしれないな……」


(続く)


自動整理ロボット・リブロ編

最初の話へ ・ 次の話へ


こちらもおすすめ
ここまでの話を1話で振り返る⬇︎

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集