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アジングのヘッドライト|赤色灯は要るし、暗いモードで選ぶ

常夜灯の下でリーダーを結び直そうとして、手元が見えへんかったこと、あるやろ。灯りは真上にあんのに、自分の頭と手が影を作ってまうねん。ウチも最初は「常夜灯あるんやし、ライトなんか要らんやろ」と思てた。要るわ。しかも足元より先に、手元のために要る。

ほんで、いざ買いに行ったら次の壁がある。棚に並んでんのは「1200ルーメン」「2000ルーメン」という数字で、値段もだいたいそこで決まってるように見える。赤色灯が付いてるモデルは、たいてい高いほうの棚にある。

先に答え言うとくわ。赤色灯は要る。ただし買うんは、白と赤が切り替わる1個や。赤だけのライトを1本買う話やない。それやったら3,000円台からある。ほんで選ぶときに見る数字は、いちばん大きいとこやない。

ヘッドライトは、いちばん暗いモードで選ぶ。

赤色灯がやってる仕事は、ひとつやないからや。「魚が逃げへんように」だけやと思われてるけど、メーカーが書いてる理由はもっとある。今日はそこを、公式のスペックと、実際に設計した人の言葉から順番に見ていくで。



① 最初の1個は、3,000円台から。条件は4つ

先に、何を買うかを決めてまおう。そこが決まってしもたら、あとの話は全部「その1個をどう使うか」になる。

アジングで使うヘッドライトに要る条件は、たった4つや。

■ 白を弱く絞れること(弱いモードの明るさが、カタログに書いてあること)
■ 赤に切り替わること(赤だけのライトを買うんやない)
■ 防水がIPX4以上(IP54でもええ。あとの数字が水の等級やから、IPX4と同じ)
■ 頭か胸に付くこと

4つ目は海上保安庁がはっきり書いてる。ウォーターセーフティガイドの夜釣りのページに、照明器具は手元をふさがない頭や胸につけるタイプがええ、と書いてある。同じページに、釣り場に合わせた光量のものを選ぶことと、事前に必ず電池を点検すること、も並んでる。ここは役所のほうが釣り媒体より具体的やわ。

 

白は、いちばん弱いモードの数字を見る

売り場のPOPに出てんのは最大値や。「1200ルーメン」と書いてあったら、それは全開にしたときの数字で、夜の漁港でその明るさを使う場面はほとんど無い。使うんは、リーダーを結ぶ数十秒と、ワームを刺し替える十数秒。手のひらから30センチのとこだけ照らせたらええ。

せやから見るんは、そのライトがどこまで暗くできるか。カタログに「弱モード 約10ルーメン」とか「10%点灯」とか書いてあるやつは、作った側が弱いほうも使う前提で設計してる。書いてへんやつは、そこが売りになってへんということや。

ここを外すと何が起きるか。全開でしか光らへんライトを持っていって、明るすぎて結局つけへんくなる。ほんで暗いまま手探りで結んで、ノットが雑になる。ライトを買うたのに、無いときと同じ夜になるわけや。

赤色灯の話をすると、赤専用の小さいライトを別で買おうとする人がおる。それはやめといたほうがええ。赤には赤で見えへんもんがあるからや。海に向けたときの気配は消せても、手元のワームの色までいっしょに消える。切り替えられることに値打ちがある。

ほんで、この2つの条件を両方満たすやつは、そんなに高いもんやない。

 

実際に買うならこの2つ

ハピソン YF-605。白が強で約50ルーメン、中で約10ルーメン。赤も約50ルーメンで、そこにUVも付いてる。防塵防水はIP54で、重さは約84グラム。電池は単4を3本。楽天やと本体が3,000円ちょい、送料込みで3,500円くらいや(2026年8月時点)。中モードが10ルーメンと公表されてるのが、この値段では正直えらい。

冨士灯器 ZEXUS ZX-195。白が約400ルーメン、赤が約60ルーメン。赤はチップを5個並べてワイドに照らすタイプで、本体が約50グラムと軽い。防水はIPX4相当、電池は同じく単4を3本。メーカー公式のオンラインショップやと7,480円(税込)やけど、楽天あたりの実売は5,000円前後まで落ちてる(2026年8月時点)。白を100%のまま使うたら約3.7時間で終わるけど、10%まで落としたら約37時間もつ。これが「弱いほうを見る」の実物や。

迷たらYF-605から入ってええ。港に着いてから立つ場所まで歩く距離が長かったり、足場が高い堤防に通うんやったら、白が400ルーメンあるZX-195のほうが安心や。どっちも赤が付いてて、どっちも単4が3本。

電池は別売りやから、そこも数に入れとく。YF-605やったら、送料と単4のアルカリを1パックまで足して、4,000円あれば足りる。


② 赤色灯がやってんのは、3つの別々の仕事

赤色灯の説明でいちばんよう見るんは「魚に見えへんから」という一行や。ほんまにそうなんかを確かめたくて、メーカーが自分とこの製品ページに書いてる言葉を集めて並べてみた。ほな、赤が引き受けてる仕事は3つに分かれてて、しかも向いてる先が全部ちがう。

赤色灯がやってんのは、3つの別々の仕事や。 海に向いてるもんと、手元に向いてるもんと、自分の目に向いてるもん。順番に見ていくで。

これは道具の中の話や。釣り場で釣れへんときに何から疑うか、という順番の話とは別モンやから、そこは混ぜんといてな。

 

【海のほう】メーカーが書いてんのは「見えへん」やなくて「気付かれにくい」

冨士灯器のZEXUSは、製品ページでライトの色を3つに分けて説明してる。白は絶対的な明るさ、電球色は作業から移動が快適、ほんで赤は「魚に警戒心を与えにくい」色。別のモデルの紹介文には「水中で光を通しにくいカラー」とも書いてある。

ハピソンのYF-605も同じで、660ナノメートルの赤は魚に気付かれにくい、という書き方をしてる。

気ぃついたやろか。どっちのメーカーも「魚には見えへん」とは書いてへん。「警戒心を与えにくい」「気付かれにくい」や。作ってる側は、そこの言葉をちゃんと選んでる。

ウチもそこは断定せえへん。アジに赤がどう見えてるかは、アジ単独で調べた実験に行き着けてへんからな。分からんもんは分からんと書く。使えるんは、複数のメーカーが「警戒心を与えにくい」で揃うてるという事実のほうや。

ひとつ線を引いとくと、これは常夜灯の色の話とはちがう。常夜灯が白か橙かLEDかで釣果に優劣があるかは、このブログは判断せえへんと決めてる。あっちは灯りが作る明暗差で見る話で、こっちは自分が持ち込む灯りの話や。混ぜたらややこしなる。

 

【手元のほう】ラインが光らへん。虫も来ィひん

これ、あんまり話に出てこーへんけど、赤の値打ちの半分はこっちにある。

冨士灯器がZX-195の紹介文で、赤色ライトはラインを反射しづらいから、ノット(糸と糸の結び目)を組むときやトラブルのときに効く、という書き方をしてる。実際そうやねん。白を至近距離で当てると、細いエステルのラインもリーダーも真っ白に光ってまう。ほんで、いま指でつまんでんのが結んでいく側の糸なんか、切り落とす端っこなんかが分からんくなる。赤やと、その反射が落ち着く。

もうひとつが虫や。ハピソンは公式に、660ナノメートルの赤は白より虫が寄りにくいと書いてる。営業部の酒井想一郎さんも、オレンジのフィルターについて虫の寄り付きがほぼないのがメリットや、と言うてはる。

照明の業界のほうを見にいくと、虫が好むんは主に400ナノメートルより短い側の光やとパナソニックが公表してる。赤はそこからいちばん遠いとこにおる。せやから寄ってこーへん、という繋ぎ方はウチの読みが入ってるけど、方向としては噛み合うと思うわ。夏の常夜灯の下で顔の周りに蛾が集まってくるあの地獄が減るだけでも、正直ありがたい。

 

【自分の目】白が目に入ったら、戻るまで15分

3つ目は魚とも道具とも関係ない。自分の目の話や。

国立天文台が流星群の観察方法のページで、明るい屋内から外に出てすぐは目が暗さに慣れてへんから、慣れるまで15分ぐらい待つことも必要です、と書いてる。星を見る人らのあいだでは常識やねんな。

これ、夜の漁港でもそのまま効く。白の全開が目に入ったら、そのあとしばらく暗い海面が読めへん。明暗の境目がどこにあるか、潮がどっちに動いてるか、波っ気が出たかどうか。全部、目が暗さに慣れてて初めて見えるもんや。ライトを1回消したくらいでは、すぐには元に戻らへん。

ハピソンは赤について、手元も足元もよう見えて、しかも目が暗さに慣れた状態を崩さへん、という書き方をしてる。ここが赤の3つ目の仕事や。

なんでそうなるかの中身までは、ウチには断言できひん。脳科学辞典に、暗いとこで働く桿体という細胞は明るいとこ用の錐体より数十倍から千倍ほど感度が高くて、その桿体がいちばんよう吸うんは500ナノメートルあたりの光や、と書いてある(大阪大学の橘木修志さん)。赤の660はそこからだいぶ離れてる。せやから桿体が反応しにくいんちゃうか、という読み方はできるけど、これはウチの推測やから、そこは正直に置いとくわ。

大事なんは、使い方のほうや。手元の作業は赤でやる。白を使うんは、歩くときと、どうしても色を見なアカンときだけ。


③ 赤を暗くするほど、手元は見えへんようになる

ほな、赤はどこまで暗いほうがええんか。ここで面白いことが起きてる。同じ会社の、同じ取材の中で、言うてることが逆を向いてんねん。

 

開発は「もっと暗い赤へ」、営業は「赤やと色が分からん」

つり人オンラインに、ハピソンの人へ赤色灯のことを聞いた記事がある(2026年)。

企画開発課の武元亮さんは、赤の波長をわざわざ動かした話をしてる。世に出回ってる赤はだいたい630ナノメートルで、そっちのほうがオレンジ寄りで人には見やすい。それをYF-605では、暗い赤のほうへ寄せたと。理由がこれや。

人間からは比較的見えやすくて魚からはできるだけ気付かれにくい数値ということで660nmにしました

ほんで同じ記事の中で、営業部の酒井想一郎さんが、オレンジのフィルターが付いたモデルをこう勧めてる。

レッドライトほどではないんですが、魚に警戒心を与えにくい色味になっていて、これは虫の寄り付きがほぼないのもメリットです。あと、赤よりもルアーの色がわかりやすいのも使いやすい点です

開発の人は赤をもっと暗い側へ寄せて、営業の人は「赤やとルアーの色が分からん」と言うてオレンジを勧めてる。同じ会社やで。

 

2人は、見てる先がちがうだけや

これ、社内でケンカしてる話やない。2人が見てる先がちがうだけや。

武元さんが見てんのは【海のほう】や。魚にどう届くかで判断してる。酒井さんが見てんのは【手元のほう】。自分にどう見えるかで判断してる。赤を暗くしていくと、海のほうの点数は上がって、手元のほうの点数は下がる。ひとつの色でどっちも満点にはできひん。

赤の暗さには、下限がある。

冨士灯器も、製品でおんなじことを見せてる。上位機のZX-R730は赤が約15ルーメン、ベーシックモデルのZX-195は赤が約60ルーメン。値段は19,360円と7,480円で倍以上ちがうのに、赤は高いほうが4分の1暗い。高いほど明るい、が成立してへん。あれは、どっちを取るかの差や。

現場でどうするか。手元の作業は赤で通す。白の弱モードへ戻すんは、ワームの色を確かめるときと、ちぎれてへんか見るときだけでええ。海に背を向けて、2秒。それで足りる。

ひとつだけ現実的な話をしとくと、赤に行くまでにボタンを何回か押さなアカン機種がある。白の強、中、点滅、と回ってからやっと赤、みたいなやつな。面倒やと人は切り替えへんようになるから、店で触れるんやったら、赤まで何回で行けるかは見といたほうがええ。


④「赤色灯」は、明るさの規格やない

もうひとつ、買うときに引っかかるとこがある。「赤色灯搭載」という同じ言葉が、実際には全然ちがうもんを指してることや。

この記事に出てきた3機種の、赤の明るさを並べてみる。

■ 冨士灯器 ZX-R730 ── 赤 約15ルーメン
■ ハピソン YF-605 ── 赤 約50ルーメン
■ 冨士灯器 ZX-195 ── 赤 約60ルーメン

いちばん暗いんといちばん明るいんで4倍や。しかも上の2つと下の1つは同じ会社の製品やねん。「赤色灯」は、明るさの規格やない。 それぞれの会社が、それぞれの考えで刻んだ言葉や。

実務の結論はこう。売り場のPOPの「赤色灯搭載」で決めへん。仕様表のルーメンの数字まで見る。ここでも見るんは、いちばん暗いモードの数字や。

もうひとつカタログで気ぃついたことがある。ハピソンのYF-605は、白の強が約50ルーメンで約20時間、赤が約50ルーメンで約7時間。同じ50ルーメンやのに、赤のほうが先に電池が終わる。

なんでそうなるかは、ウチには説明できひん。ただ、メーカーがそう公表してる。赤をずっと点けとくつもりなら、電池は多めに持っていったほうがええ。単4のアルカリを1パック、バッグに放り込んどくだけで済む話や。


⑤ カタログの数字は、測り方が揃うてるかを見る

ルーメンも点灯時間も、そもそもどう測られた数字なんか。ここを知っとくと、棚の前での比べ方が変わる。

 

点灯時間は「10%まで」、照射距離は「0.25ルクスまで」

ライトの世界には、ANSI/PLATO FL1という共通の物差しがある。ジェントスとペツルの2社が、日本語で同じ定義を公表してる。

点灯時間は、新品の電池を入れて点けて、最初の明るさの10%まで落ちるまでの時間。ゼロになるまでの時間やない。せやから「10%点灯で37時間」みたいな書き方をしてる会社は、そこの意味も含めて書いてるということや。

照射距離のほうは、0.25ルクス以上の明るさで照らせる最大の距離。この0.25ルクスは、満月の月明かりくらいの明るさやとジェントスが説明してる。つまり「照射距離200メートル」は、200メートル先で手元の作業ができるという意味やない。200メートル先が満月の夜くらいには見える、という意味や。

ここが分かると、数字を横に並べるときに気をつけることも見えてくる。測り方を明記してる会社と、書いてへん会社がある。書いてへんほうが悪いという話やない。危ないんは、揃うてへん数字を並べて優劣を決めることや。比べるんやったら、同じシリーズの中で比べる。竿でもリールでも糸でも、同じことが起きる。

釣具の数字は、業界共通の物差しやなくて各社の方言や。その全体の話は、タックルの選び方の記事にまとめてある。

 

防水と、重さと、電池

残りは3つだけや。

防水はIPX4以上。あらゆる方向からの水しぶきに耐える、という等級やと思といたらええ。夜の堤防は波っ気が出たら普通に飛沫がかかるし、雨も降る。

重さは、頭に付けるなら軽いほどええ。ZX-195が約50グラム、YF-605が約84グラム、上位機のZX-R730が約130グラム(電池別)。100グラムを超えると、2時間目からベルトの跡が気になりだす。竿とリールでグラムを削る釣りやのに、頭に乗せるもんだけ何グラムでもええ、というのはちょっとおかしい。

電池は単4の乾電池式か、専用の充電池か。どっちでもええけど、充電池のほうを選ぶんやったら、武元さんが取材で言うてはることは覚えといて損はない。リチウムイオンは充電中がいちばん危ないから、自社の製品は充電中にライトが使えへん設計にしてある、と。そういう作り方をしてるかどうかは、値段には出てこーへんとこや。


⑥ 常夜灯の下では、赤でも海には向けへん

道具が決まったら、あとは使い方や。ここは赤やろうが白やろうが、守る線は変わらへん。

 

ライトは手元だけ。結束は海に背を向ける

自分が持ち込む灯りは、常夜灯とは別モンとして扱う。常夜灯はずっと点いてるからそのうち背景の一部になるけど、ヘッドライトは向きが変わるし点いたり消えたりする。魚にとっては、寄る光と嫌われる光は種類がちがう。

やることは3つだけや。ライトは手元しか照らさへん角度に固定する。結び直すときは海に背を向ける。岸壁のギリギリに立たんと1〜2歩下がる。3つ目は自分の影の話で、灯りとセットで効いてくる。

このへんの理屈は、常夜灯の記事でみっちりやってある。

 

同じライトでも、立ってる場所が暗いほど強い変化になる

ほんで、ここが赤色灯の値打ちが変わるとこや。

常夜灯がガンガンに効いてる真下でなら、白を一瞬当てたくらいでは、その場の明るさに埋もれる。でも常夜灯から離れた真っ暗な場所でおんなじことをしたら、それは大きな変化になる。明るさは、絶対値やのうて相対値や。 同じライトが、立ってる場所によって強くも弱くもなる。

判定の仕方は、このブログでずっと使てるやつと同じでええ。自分の影が海面にうっすら映るかどうか。映るくらいの明るさがある場所なら、白の弱モードでもそこまで神経質にならんでええ。映らへん暗い場所に立ってるなら、そこは赤で通す。

ついでに言うとくと、暗いままワームを刺すんはやめといたほうがええ。曲がって刺さったまま一晩投げ続けることになる。刺し方の話はワームの付け方のほうで細かくやってるから、そっちを見てな。赤の弱い光でも、刺すときだけは手元をちゃんと照らす。


⑦ 照らしたらアカン先が、魚のほかにもうふたつある

向けたらアカン先は、海だけやない。あと2つある。しかもこっちは、安全の話や。

海上保安庁が、夜釣りのページにこう書いてる。照明器具を使用する際には、不用意に人や付近を航行する船舶を照らしたりしないようにしましょう、と。

人のほうは分かる。隣の釣り人の顔に白の全開を当てたら、その人の目も同じだけ止まる。さっきの目が慣れる話は、自分だけの問題やない。

船のほうは、言われるまで考えたことがなかった。漁港の夜は、漁船が普通に出入りしてる。操縦してる人の目に強い光が入ったら、そら危ない。堤防の先端から沖へ向けて白を当てるんは、魚を散らす前に、そもそもやったらアカンことやったわけや。

冨士灯器の上位機には、後部認識灯という機能が付いてる。自分の後ろ側で点いて、釣り人がここにおるということを人に知らせるためだけの灯り。照らすためやない灯りが、ちゃんと商品になってる。海保が言うてる、反射材の付いたライフジャケットを着ましょう、というのと同じ方向の道具や。

ライフジャケットのほうの選び方は、こっちにまとめてある。

ちなみにその海保のサイト、「最低限必要な装備」のページに並んでるんはライフジャケット・履物・防水ケース入りの携帯・その他の4つだけで、照明はひとつも出てこーへん。ライトが出てくるんは「夜釣りについて」のページのほうや。装備のリストは、何の失敗を潰したいかで中身が変わるということやな。買い物リストの全体は、こっちにまとめてある。

同じページにもうひとつ、地味やけど効くことが書いてある。初めての釣り場でいきなり夜釣りをするんは危ない、明るいうちにルートや足を引っかけそうな障害物、魚を取り込める場所、それと万が一落ちたときに上がれる場所を確認しときましょう、と。

これはライトの話やないけど、ライトの話でもある。昼に一回歩いてある場所は、夜に手元だけの灯りで歩ける。歩いたことのない場所は、白の全開で足元を照らしながら歩くことになって、そこでもう海の中は台無しになってる。

初めての漁港に行く日は、日が沈む1時間前に着いとく。それだけで、その夜のライトの使い方が変わるで。

その「日が沈む1時間前」から最初の1匹までを、順番どおりに並べたんがこっちの記事や。


まとめ

ヘッドライトは、いちばん暗いモードで選ぶ。 最大ルーメンの競争は、夜の漁港ではほとんど関係ない。

最初の1個の条件は4つ ── 白が弱く絞れる/赤に切り替わる/防水IPX4以上/頭か胸に付く。3,000円台からある
赤色灯がやってんのは3つの別々の仕事 ── 【海のほう】気配を出さへん/【手元のほう】ラインが光らへん・虫が来ィひん/【自分の目】暗さに慣れた状態を崩さへん
赤の暗さには、下限がある ── 暗くするほど海に効くけど、手元のワームの色は見えへんようになる
「赤色灯」は明るさの規格やない ── 同じ名前で15ルーメンから60ルーメンまである。決めるんはPOPの文字やない。仕様表のルーメンや
数字は測り方が揃うてるかを見る ── 点灯時間は最初の明るさの10%まで、照射距離は0.25ルクスまで
照らしたらアカン先は、海と人と船 ── 手元だけを照らして、結束は海に背を向ける

赤色灯は要るか。要る。ただしそれは、魚を逃がさへんためだけの装備やない。自分の手元を見て、自分の目を守って、隣の人と船に迷惑をかけへんための道具や。3,000円台の買い物としては、だいぶ働くほうやと思うで。


よくある質問

Q1. 夜釣りのヘッドライトは何ルーメンが目安ですか。
A. 目安は、いちばん弱いモードが10ルーメン前後まで落ちることです。売り場のPOPに出てる「1200ルーメン」は全開にしたときの数字で、夜の漁港でその明るさを使う場面はほとんどありません。用途で分けると、歩くときは強、手元で結ぶときは弱、海に向けるときはゼロ。いちばん長く使うんは弱モードなので、そこが何ルーメンかを仕様表で見てください。メーカーによって測り方が揃うてへんので、他社の数字と1対1で比べるんは当てになりません。

Q2. 釣り用ヘッドライトで最強のものは何ですか。
A. 最強という選び方は、この道具では逆に働きます。明るさを競う製品ほど最大値は伸びますが、いちばん弱いモードが十分に暗くならへんことがあるからです。夜の漁港でほんまに困るんは、手元を照らしたつもりで海面まで明るくしてまうことのほうです。選ぶときに見るんは、①いちばん弱いモードの数字 ②赤色灯が付いてるか ③電池が現地で買えるか、の3つ。ヘッドライトに払う金額は、絞れる幅を買うてる金やと思といたらええわ。

Q3. 夜釣りのヘッドライトのマナーは何ですか。
A. 海面を照らさないことです。常夜灯の下でアジが着いてる明暗の境目に、上から白い光を入れたら、その場は一回リセットになります。これは魚のためだけの話ではありません。同じ漁港におる人のためでもあります。守るんは3つで、①海面へ向けへん ②人のいる方向で顔を上げるときは手で覆う(頭に付けるタイプは視線と光がいっしょに動く)③到着と撤収のときだけ強、釣ってるあいだは弱と赤。停泊してる船と、近くの家の窓も照らしたらアカン先です。

Q4. UVライトが付いたモデルがありますが、要りますか。
A. 最初の1個には要りません。グローのワームを光らせるための機能で、あれば便利という位置づけです。ただ、グローとケイムラは仕組みがちがうので、そこを混ぜると使いどころを間違えます。詳しくはワームの色の記事のほうを見てください。

Q5. 予備のライトは持っていったほうがいいですか。
A. 小さいものをひとつ、バッグに入れておくことを勧めます。夜の堤防で灯りが完全に落ちると、釣りができへんどころか、帰るのも危なくなるからです。予備は100円ショップのものでも構いません。本命のライトに弱いモードと赤色灯を求めてるんは釣りをするための話で、予備に求めるんは足元が見える状態で歩いて戻れることだけやからな。


ヘッドライトは、買うたその日はありがたみが分からへん道具やと思う。ウチも最初は「まあ点いたらええやろ」で選んでた。

値打ちが分かったんは、真っ暗な岸壁でリーダーを結び直したときやった。赤の弱い光の中で結び目だけがちゃんと見えて、顔を上げたら海面の明暗の境目がまだそこにあった。白を当ててたら、あの境目はしばらく消えてたと思う。

道具は釣果を増やさへんこともある。ただ、その夜に自分ができることを減らさへん。それだけで、じゅうぶん買う理由になるわ。

よかったらフォローしといて。夜の漁港で使えることだけ、これからも書いていくで。

夜の漁港で、これ1本開けば順番に潰せる。この手帖の順番を、まとめて1冊にしてあるわ。

ほな、また。

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