note記事を書くこと5
社会勉強のススメ
はじめに
note記事を書くときにいろいろとネタに苦労したりすることは、過去の記事でも取り上げてきたところです。その対策として文献を読むことの大切さを取り上げていますが、(※1)文献だけでは記事のネタを探すのに限度がありますし、また、実際の現場などとの乖離もあります。これらのギャップを埋めるため、私が行っているのが題材の現場に赴いたり、講演会、集会などに参加すること、いわゆる社会勉強と呼ばれるものです。
博物館・美術館見学
昨年放映された大河ドラマ「べらぼう」の主人公蔦屋重三郎の生きた時代背景を感覚として知りたいと思った私は、東京国立博物館で開催していた、特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」の見学に行きました。(※2)蔦屋重三郎の生きた時代を直接体験することはできないとしても、これらの時代背景を肌感覚で体験する手段としては、展示会などの展示物や当時を再現したセットなどを見学することがおすすめです。博物館での展示物や、当時を再現したセットなどは、文献だけでは理解できない、五感に訴えるという点で、新たな感動や理解を得る絶好の機会です。
美術館についても同じことが言えます。テレビなどでもしばしば著名な芸術家の芸術作品を特集をしていますが、本物を直接見たときとはやはり違うものがあります。私はスペインを旅行した際に、ピカソの「ゲルニカ」を見るべく、マドリードのソフィア王妃芸術センターを訪れました。(※3)「ゲルニカ」では、ナチスドイツによるゲルニカ爆撃によって多くの市民が被災し、逃げ惑う様子、亡くなっていく様子を描いていた点で、戦争によって無辜の市民が犠牲となる様子を描いた作品です。
ただ、私はその作品以上に衝撃的だったのは、「ゲルニカ」の傍に展示されていた爆撃によって殺された子どもを抱きかかえて泣いている母親を描いたピカソの作品でした。絵柄はピカソ独特のキュービズムで表現されたものですが、私はその泣いている母親の表情を見て、本当にかわいそう、戦争はむごいと感じました。芸術家の表現とは何か、感性に訴えるとはどういうことなのか、ということを感じるとともに、ゲルニカ爆撃が、重慶爆撃につながっていることの意味を再認識させられました。
以前、東京国立近代博物館の展覧会「コレクションを中心とした特集 記録をひらく 記憶をつむぐ」(※4)を記事にしました。そこにピカソの「ゲルニカ」をはじめとした一連の作品を見たときの想いと重なるものがあったことは間違いありません。
講演会・集会・シンポジウムへの参加
社会問題を扱う際、とりわけ自身が興味を持つことについては文献に留まるのではなく、当該問題に対する講演会、集会、シンポジウムなどに足を運ぶのも新たな視点を見つけるのに最適です。私の場合、死刑問題に関する集会や、先日再審無罪が確定した袴田巌さんの集会に、しばしば足を運んでいます。(※5)
私は死刑廃止の立場にあるため、現在の死刑制度をなくすためにどうすればいいのか、そのことを考えるにあたっては単なる文献を探るだけではなく、死刑廃止に動いている市民運動や弁護士会などの集会に参加しています。そうした集会では、当事者である死刑囚が置かれた状況、死刑執行決定に至る経緯の不透明性、執行された後の死刑囚の遺骸の状況、その引き渡しなど、文献だけでは得られない生々しさが語られます。
死刑執行に関する状況は、プライバシーの問題や、死刑執行にあたってのグロさということから、私自身もここで表現することができないこともあります。社会問題を扱うということはそれだけセンシティブな側面があることを考えると、文献やメディアだけでは表現しきれない、その現場でしか知ることができない、という意味でも講演会、集会、シンポジウムに参加することで、問題の本質を知るということが大切でしょう。
様々な好奇心を活かすということ
ただ、社会勉強を行うにあたっての姿勢として最も大切なことは、好奇心をどう活かすかということでしょう。好奇心があってもその好奇心を満たすために、手間や努力を惜しまず行動できるかという点にあります。逆に言えば好奇心のため、行動をすることが億劫になったり、面倒だと思うようになったら、新たなる発見や異なる視点を得る機会を見失うということを意味し、noteを書くための題材、動機を失うということになります。
世の中の様々な現象にアンテナを張り、そこで得た好奇心をどう活かすか。好奇心を活用することで、note記事を充実させるようにしたいものです。

私、宴は終わったがは、皆様の叱咤激励なくしてコラム・エッセーはないと考えています。どうかよろしくご支援のほどお願い申し上げます。
脚注
(※1)
(※2)
特別展ー「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」ーを見る|宴は終わったが
(※3)
Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofía
(※4)
「コレクションを中心とした特集 記録をひらく 記憶をつむぐ」を見る(前編)|宴は終わったが
「コレクションを中心とした特集 記録をひらく 記憶をつむぐ」を見る(後編)|宴は終わったが
(※5)
いいなと思ったら応援しよう!
サポートいただいたお金については、noteの記事の質を高めるための文献費などに使わせていただきたくよろしくお願い申し上げます。