シャドーイングで聞き取れていないのに続けていい?効果が出るケースと、見直すべきケースを解説
シャドーイングを始めると、思ったより聞き取れなくて不安になる方は多いです。
スクリプトを見れば内容は分かるのに、音だけになると急に分からない。
聞き取れていないのに声に出しても、これって意味があるのかなと思う。
ただ真似しているだけではないか、と感じる。
こういう迷いは、かなりよくあります。
ただ、ここで最初に言いたいのはひとつです。
シャドーイングは、最初から全部聞き取れていなくても続けて大丈夫です。
むしろ、聞き取れない音に気づいて、スクリプトや音源を見返しながら、少しずつ音声知覚を整えていくことに意味があります。
一方で、何を言っているか確認しないまま、音だけをなんとなく追い続けるのは、あまりおすすめできません。
そこは分けて考えた方がいいです。
シャドーイングは、最初から全部聞き取れていなくても続けて大丈夫です
受講生さまを見ていても、最初から全部聞き取れます、という方の方が少ないです。
むしろ、始めたばかりの頃は
「全然聞き取れません」
「これで合っているのか分かりません」
という不安を口にされる方がかなり多いです。
でも、伸びる方は、そこで「自分には向いていない」と決めるのではなく、どこが聞き取れなかったのかを確認しています。
ここがかなり大きいです。
シャドーイングは、聞こえたものをそのまま再現できるかを試すだけの練習ではありません。
聞き取れなかった場所を見つけて、その音が次に聞ける状態へ近づける練習でもあります。
なので、最初から全部聞き取れていないこと自体は問題ではありません。
問題になりやすいのは、聞き取れていないのに、そのまま確認せずに進んでしまうことです。
ただし、「聞き取れていない」にも段階があります
ここを分けないまま
「聞き取れなくても続けていい」
あるいは
「聞き取れないならまだ早い」
と決めてしまうと、かなり雑になります。
実際には、聞き取れていない状態にも段階があります。
スクリプトを見れば分かるが、音だけでは聞き取れない
これは、今回いちばん続けてよいケースです。
英文を見れば内容は分かる。
単語も大体知っている。
でも、音声になるとつながって聞こえてこない。
この状態なら、シャドーイングはかなり意味があります。
というのも、ここで不足しているのは、内容理解そのものというより、音としての認識だからです。
つまり、音声知覚を整える段階にいる、ということです。
スクリプトを見ても、意味がよく分からない
この場合は、少し話が変わります。
英文を見ても意味があいまい。
単語もよく分からない。
内容の流れもつかみにくい。
こうなると、シャドーイングの前にやることがあります。
音を追う前に、単語や内容を整理した方がいいです。
ここを飛ばすと、ただ音に合わせて口を動かす作業になりやすいです。
音声もスクリプトも、今の自分には難しすぎる
ここまで来ると、教材選びから見直した方が早いです。
聞いても分からない。
見ても分からない。
何度見ても難しい。
この状態で根性で続けても、苦しい割に得るものが少なくなりやすいです。
シャドーイングは、背伸びした教材で無理やりやるより、少し調整した教材で音を整えてから戻る方が、結局は早いことが多いです。
続けてよいのは、スクリプトを見れば分かるのに音だけで聞き取れないケースです
この状態でシャドーイングする意味
この状態は、シャドーイングの効果が出やすいところです。
内容理解の土台はある。
でも音になると聞き取れない。
だからこそ、音のつながりや弱くなる部分、思っていた発音とのズレに気づきやすいです。
たとえば、TOEICならTOEICの音声、IELTSならIELTSの音声のように、自分が最終的に聞けるようになりたい教材でやるのは、とてもよいです。
ただし、その前提は、スクリプトを見ればちゃんと分かることです。
「聞いたらある程度ちょっと分かるくらいがいい」と言う時の「ちょっと分かる」は、私はかなりの部分で、スクリプトを見ればちゃんと理解できる状態だと思っています。
そこが土台にあって、音だけでは聞き取れない。
このズレを埋めるのが、シャドーイングのかなり大きな役割です。
聞き取れなかった部分を確認するところまでが練習です
ここはかなり伝えたいところです。
伸びる方は、聞き取れなかったこと自体を問題にしていません。
問題にしているのは、どこが聞き取れなかったか、です。
逆に、伸びにくい方は、毎回なんとなく音源に合わせるだけになっていることがあります。
聞こえなかった。
でもそのまま次へ進む。
また同じところで聞こえない。
これを繰り返してしまう。
シャドーイングは、聞こえなかった部分を確認するところまでやって、初めて練習として締まります。
効果が出にくいのは、聞き取れないまま何も確認せずに続けるケースです
音だけをなんとなく真似しても、伸びにくい
ここは、かなりもったいないです。
何を言っているのか分からない。
どこが聞き取れていないのかも見ない。
でも、とにかく何度もシャドーイングする。
これは、練習量が多そうに見えて、実はかなり効率が落ちやすいです。
野球やテニスでも、何も確認しないまま素振りだけを何百回も続けても、あまりよい練習にならないことがあります。
部活だとありがちですが、フォームも見直さず、どこが違っているかも考えずに振り続けるのは、やはりもったいないです。
シャドーイングもそれに近いです。
音だけをなんとなく真似しても、どこが聞こえていないか、どこで認識がずれているかが分からないままだと、伸びにくくなります。
聞き取れなかった場所をそのままにすると、毎回同じところで止まりやすい
何も確認しないで続けると、毎回同じ場所で止まりやすくなります。
同じ音のつながり。
同じ弱くなる単語。
同じ聞き間違い。
ここをそのままにして回数だけ増やしても、前に進みにくいです。
聞き取れなかった場所を確認して、
「ああ、ここはこうつながっていたのか」
「思っていた音と違った」
と分かる。
この確認が入ると、次から聞こえ方が少し変わります。
それがシャドーイングの意味です。
スクリプトを見ても意味が分からないなら、先にやることがあります
単語と内容の確認を先に入れる
スクリプトを見ても意味がよく分からないなら、先に単語や内容を確認した方がいいです。
ここで無理に音だけ追いかけても、かなり苦しくなります。
単語の意味を押さえる。
文の内容をざっくり把握する。
何の話かをつかむ。
この土台があるだけで、そのあと音を追いやすくなります。
シャドーイングは、何も分からない英文にぶつかっていく練習ではありません。
分からない部分を整理しながら、聞ける状態に近づけていく練習です。
意味があいまいなままでは、ただの作業になりやすい
意味があいまいなまま続けると、音だけをなぞる作業になりやすいです。
もちろん、音の練習としてゼロではありません。
ただ、かなりもったいないです。
この状態なら、シャドーイングをがんばるより先に、意味を整える方が早いです。
もし、今の教材で内容理解の段階からかなり苦しいなら、「シャドーイングが難しいと感じたら読んでほしい|できない原因と見直すポイントを解説」の方が、今の悩みに近いかもしれません。
あちらの方が、難しさ全体の整理には向いています。
音声もスクリプトも難しすぎるなら、教材を変えた方が早いです
目的に合う教材でも、今の自分に重すぎることがある
最終的に聞けるようになりたい教材でやるのは、たしかに理想です。
TOEICならTOEIC。
IELTSならIELTS。
仕事で必要な英語なら、その分野の教材。
ただ、目的に合っている教材でも、今の自分にはまだ重すぎることがあります。
たとえばTOEICなら、リスニングだけで300点以上取れている方であれば、TOEIC教材でのシャドーイングはかなり相性がよいと言えます。
一方で、TOEICのリスニングが200点以下の方は、いきなりTOEIC教材でシャドーイングを続けるより、もう少しやさしい教材で音を整える方が進みやすいことが多いです。
IELTSも同じで、リスニングで5.0、できれば5.5以上取れているなら、IELTS教材でのシャドーイングはかなり有効です。
ただ、その水準にまだ届いていない場合は、IELTSの音源にこだわりすぎるより、少しやさしい教材で土台を作ってから戻る方がやりやすいことがあります。
ここを無理に押し切ると、確認してもよく分からない、見ても難しい、聞いても入ってこない、で苦しいだけになりやすいです。
少し易しい教材で土台を作ってから戻ればいい
そういう時は、少し易しい教材にいったん下げて大丈夫です。
それで音が拾いやすくなる。
確認すれば理解できる。
シャドーイング後に、前より聞こえる感じがある。
そういう状態を作ってから、目的に沿った教材へ戻っていけばいいです。
簡単なものから始めるのは遠回りに見えますが、実際にはかなり近道になることがあります。
最終目標の教材に早く戻るためにも、今の自分がちゃんと確認できる教材を選ぶことは、かなり大事です。
聞き取れていないときに見直したいこと
どこが聞き取れなかったのかを確認する
まず見たいのは、全部ではなく「どこが」です。
どこで止まったのか。
どの語が聞こえなかったのか。
どこから急に曖昧になったのか。
ここをざっくりでもいいのでつかむと、かなり変わります。
聞き取れなかった、で終わらせない。
聞き取れなかった場所を見つける。
ここから練習が締まってきます。
音声変化と実際の音を見直す
確認する時は、単にスクリプトを読むだけでなく、実際の音と見比べるのが大事です。
自分が思っていた音と、実際の音が違う。
単語が一つずつではなく、つながって聞こえる。
弱く読まれる部分がある。
こういうズレが見つかると、次に聞いた時に急に入ってくることがあります。
もしこのあたりの手順がまだあいまいなら、「シャドーイングの正しいやり方|失敗しない6ステップ」を合わせて読むと、確認の入れ方が整理しやすいです。
必要なら速度や区間を調整する
どうしても聞き取りづらい部分があるなら、そこだけ速度を落としたり、短い区間に区切ったりしても大丈夫です。
ただし、ここでの主役は速度ではありません。
あくまで、聞き取れなかった部分を確認しやすくするための補助です。
速度や区間を変えるのは、根性で押し切らないための調整だと思ってください。
もし今のしんどさが、聞き取れないだけでなく、速さについていけない感覚にもかなり寄っているなら、「シャドーイングでついていけない3つの理由」の方が近いこともあります。
今回はそこには広げすぎず、あくまで聞き取れなかった部分を確認しやすくするための調整として考えてください。
このまま続けていいか迷ったら、ここで判断してください
聞き取れなかった場所を毎回確認できているか
まず、ここです。
聞き取れなかった。
でも、そのあと確認している。
ここが分からなかった、と分かっている。
この流れがあるなら、続けて大丈夫です。
逆に、聞き取れなかったけれど、そのまま何となく次へ進んでいるなら、少し見直した方がいいです。
前より聞こえる部分が少しずつ増えているか
シャドーイングの変化は、急には出にくいです。
でも、しばらくやっていると
「あれ、前よりここは聞こえる」
「前は全部流れていたのに、少し単語が立ってきた」
という変化が出てくることがあります。
全部ではなくて大丈夫です。
少しずつ増えているかを見てください。
ただ合わせるだけの作業になっていないか
ここは最後の確認ポイントです。
今やっていることが、
音源に何となく合わせる
終わる
また何となく合わせる
だけになっていないか。
もしそうなっているなら、シャドーイングというより、ただの反復作業に近づいています。
続けるかどうかより、続け方を変える段階です。
何も確認せずに続けるのは、かなりもったいないです
ここは、少し強めに言っておきたいです。
聞き取れていなくても続けていいです。
でも、何も確認しないで続けるのは、かなりもったいないです。
せっかく聞こえなかった場所があるのに、そこを見ないまま終わる。
せっかくズレに気づけるのに、そのまま回数だけ重ねる。
これでは、シャドーイングの良さをかなり捨ててしまいます。
私は、そういう方をできるだけ減らしたいです。
250名以上の受講生さまを見てきた中でも、最初は不安な方は本当に多いです。
でも、伸びる方は「聞き取れなかったこと」を悲観するより、「どこが聞き取れなかったか」を確認しています。
ここが分かれるところです。
聞き取れないこと自体より、聞き取れなかった場所を次につなげる方が大事です
シャドーイングは、最初から全部聞き取れていないと意味がない、という学習ではありません。
むしろ、聞き取れなかった場所に気づいて、そこを確認し、次に聞ける状態へ近づけていくことに意味があります。
だから、最初から全部聞こえなくても大丈夫です。
ただし、聞き取れていないまま根性で続けるのは違います。
大事なのは、聞き取れなかった部分をそのままにしないことです。
スクリプトを見れば分かるのに音だけでは聞き取れない。
この状態なら、シャドーイングはかなり意味があります。
一方で、スクリプトを見ても意味が分からないなら、先に意味を整える。
音声もスクリプトも難しすぎるなら、教材を見直す。
こうやって分けて考えると、無駄に不安にならずに進めやすくなります。
聞き取れないこと自体より、聞き取れなかった場所を次につなげること。
そこを意識すると、シャドーイングはかなり変わってきます。
