【北米エンタメニュースまとめ】「メキシコで漫画やラノベの出版社設立」「米出版社水野英子氏の「Fire!」翻訳へ」「活況な市場にも関わらず、生活が厳しい英コミックアーティスト」「NYCでジャパンパレード、舞台「呪術廻戦」から役者が登場」「ソニー決算、Crunchyroll会員数2100万人に」
エンタメビジネスをウォッチするlibroによる日々の北米エンタメ市場などのニュースなどのまとめです。今週は
メキシコで新たな漫画やラノベの出版社「Hoshikari Editorial」設立
米出版社Uncivilized Books、水野英子氏の「Fire!」翻訳へ
京都から愛を込めて いかに日本のゲームは世界を席巻したか
活況な市場にも関わらず、生活が厳しい英コミックアーティスト
NYCでジャパンパレード、舞台「呪術廻戦」から役者が登場
ソニー決算、Crunchyroll会員数2100万人に
です。
日本人アーティストに大熱狂=会場一体となったアニメ・フレンズ
ブラジルで開催された「アニメ・フレンズ」。もう20周年とのこと。今年の来場者は12万人でした。
VIPO、日本書籍の海外展開に向けた助成対象を募集
日本文化の輸出に向けて、映像産業振興機構が文化庁の活字文化のグローバル展開推進事業の一環として、海外出版社へのライセンスアウトのための翻訳作成などの助成を募集しています。
こういうのは文学が主な対象だと思いますが、ライトノベルとかも可能なのだろうか。
同性愛小説出版は「過激派」と起訴・軟禁、「外国の代理人」団体の書籍販売「罰金の可能性」…ロシア言論統制強化
表現規制は中国が有名ですがおとなりロシアも同様です。
アニメ、インドは「キャラ重視」 インドネシアとサウジは物語
あまり国ごとに人気作を語るのは意味はありませんが参考になります。
独立系書店の日2026 祝福の理由
米国で独立系書店のキャンペーンが実施されました。各店舗がトートバッグの販売や特別版の書籍の販売を行います。
詳しく解説された記事がこちら。日本も書店イベントの育成が必要なのかもです。
記録的な訪問者だったそうです。
インドで延べ10万人を動員したアニメ×日本文化イベントが、ジャカルタに上陸!「Merah! Merah! Anime Japan!!」2026年5月30・31日開催決定
インドで大盛況だったイベントが「Merah! Merah! Anime Japan!!」としてインドネシアに上陸です。政府の支援含めて、スポンサー企業がすごい。
CJ ENM、Webtoonレーベルの「Manhwa Family」を別会社に
韓国のエンタメ企業、CJ ENMがWebtoonレーベルの「Manhwa Family」を別会社として独立させると明らかにしました。Manhwa FamilyはWebtoonとアニメーションを手掛けており、会社側はそれぞれの事業の強化のためと指摘していますが現地メディアは事業売却の可能性もあると指摘しています。
CJ ENMとTBS、U-NEXT 新たな「StudioMonowa」を立ち上げへ
https://kcomicsbeat.com/2026/05/03/studiomonowa-penned-as-latest-korea-japan-media-venture/
一方でCJ ENMは日本のTBSやU-NEXTとStudioMonowaを立ち上げました。新たなIPの企画開発が狙いです。韓国と日本で放送・配信が狙いなのだなと思います。そのままHBOMax通じてグローバルへ。
メキシコで新たな漫画やラノベの出版社「Hoshikari Editorial」設立
【Aviso Oficial】
— Hoshikari Editorial (@Hoshikari_HQ) April 17, 2026
Se anuncia el establecimiento de Hoshikari Editorial.
Iniciamos operaciones como una casa productora dedicada a la creación y difusión de Manga y Novelas Ligeras. Nuestra misión es dar forma a historias que trascienden fronteras. #LightNovel #Manga #Publishing pic.twitter.com/5h46LUbc8k
スペイン語圏の海賊版サイトについてこのところ話題になっていましたが、その中でメキシコで漫画やライトノベルの出版社の設立が発表されました。どうやら自国の作家の成長後押しもありそう。
米出版社Uncivilized Books、水野英子氏の「Fire!」翻訳へ
日本の少女漫画の金字塔のひとつ、水野英子氏の「Fire!」が英語版に翻訳されます。こちらも「アカデミアの研究とかではタイトルが触れられるが英語圏のファンが英語で読めない作品」のひとつでした。Uncivilized Booksはミネアポリスの出版社らしい。
必ずしも日本の漫画の翻訳出版だけを手掛けているわけではないコミックスの出版社のようです。
実はアメリカのZ世代の67%は図書館に来ている【米 調査結果】
米国のZ世代の動向。意外に図書館に来て書籍を手にしている。日本もですがもっと気軽に来てもらう方法が必要かも。MANGAもそのひとつです。
フジテレビ「ガチャピン」を世界へ 英語で児童教育、グッズも視野
フジテレビ、IPビジネスに力を入れています。長い伝統のガチャピンとムックを英語圏でデビューさせます。
【Weeklyアニメビジネス】コンテンツビジネスの明暗——東宝・松竹の最高益とポニーキャニオンの63億円評価損、WBC独占配信に政府が動く(4月20日〜5月3日号
まつもとさんの記事の指摘にあるように「ヒット作を当てるだけでなく、そのIPを劇場・テレビ・配信・SNSといった複数のメディアにまたがって育て続け、ファンダムの熱量を持続させる設計」というのは、グローバルも含めてなのだと思います。日本はもちろん、アジアや北米、欧州、中東のそれぞれでファンダム育成が求められそう。
男性は男性キャラのコスプレができない?中国のコミコンの禁止通知も議論に
これ、なんかわからないのですが、中国のアニメイベントで、男性コスプレイヤーが乙女ゲームの男性キャラクターのコスプレをしたら女性の来場者から嫌がらせを受けて謝罪に追い込まれたうえ、イベント主催側も今後男性による乙女ゲームの男性キャラクターのコスプレを禁止するという事態に。どこにでもローカルルールあるんですね。
ミーム銘柄の米ゲームストップ、EC大手イーベイに9兆円近い買収提案
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-05-03/TEHHNKT9NJLY00#gsc.tab=0
ミーム銘柄として知名度があがったゲームチェーンのゲームストップがEC大手のイーベイに買収を提案しました。一般的に言えばリアルのリテールと通販の融合ということですが、ミーム銘柄の動きとして注目されるということに。
米メディア、AIエージェントを巡るPerplexityとの訴訟でアマゾンを支援
AIを巡る米メディアの動きは複雑です。こちらはAIエージェントによるコンテンツへのアクセスについて、生成AI企業のPerplexityとAmazonが裁判所で争っている中で、米メディアの所属する団体がAmazonの主張を支持したとのこと。
この問題を巡っては、AmazonがPerplexityのAIエージェントが許可なくAmazonのデータにアクセスしていると訴え、カリフォルニアの裁判所はPerplexityのAmazonデータへのアクセスを禁止し、Perplexityはそれに対して控訴していました。
ハリウッド製作不況、機材レンタル大手が大型リストラ
「映画制作」という点でいうと、ハリウッドは厳しいですね。制作に使う機器のレンタル会社がジョージア州の拠点を閉鎖し、LAの拠点も縮小するとのこと。映画制作という点では近年、米国内でもLAやジョージア州アトランタからニュージャージー州などに移り、さらに英国など米国外に移っています。
アニメ映画「Mfinda」、講談社系で漫画連載へ
グローバルな座組で作られているアニメ映画「Mfinda」を手掛けるN Liteが講談社と提携し、講談社系列で漫画化することになりました。
米大手出版社、メタとザッカーバーグ氏を著作権侵害で訴え
こちらはLLMを巡る米出版社とメタの訴訟です。米出版社や著者がメタと創業者のマーク・ザッカーバーグ氏を著作権侵害で訴えました。海賊版サイトを通じて入手したデータをメタが自社のLLMのトレーニングに使ったという主張です。海賊版サイトのデータを使っているからこそ、利用料を巡ってIT企業が出版社と合意できないとの主張もあります。メタ側はどういう主張でLLMにデータを使っているのか気になる。
米書店は伝統的出版社に何を求めているのか 書店市場はどう変わったか
米書店市場のこのところの変化についての記事です。30代女性と高齢男性が多かった米書店の顧客は足元で大きく若返り、若者が客数増のドライバーになっています。色々なジャンルのブームがある中で、連載というスタイルで単行本が出る日本の漫画はリアルの書店にリピーター客を呼ぶ要素になっているとのこと。
米市場では、トレンド書籍の発信がSNS中心なので、書店と出版社は急激な需要の増加に適切に在庫を提供するという点で協同が求められています。どうやら出版社のシステムが追い付ていないもよう。
この中で独立系書店は、SNSなどでブームになる前に一定の量を売ることが必要だそうです。出版社はもちろん大手書店向けに加え、独立系書店ぞれぞれの「売れ筋」に対応する在庫戦略も求められています。当然マーケティング戦略も変わってくる。より「その書籍が読者に何を提供できるか」が問われています。
「売れた本」から「先に見える本」へ。TikTokが書き換える出版サプライチェーンのルール
その点でこの記事が参考になりました。BookTokに関するベストセラーリストも英国で公表されました。このnoteでも指摘されているように、予約の段階からSNS含めていろいろなところで話題にして適切な在庫を確保して、読者に提供していくことが求められているのかも。
その点ではこの「まどいのいきもの」の予約が面白かったです。バリューブックスで大ヒットを記録した『螺旋じかけの海』の作者・永田礼路先生の最新作で、まどいのいきもの自体は小学館のビッグコミック増刊の連載でもちろん一般の書店や電子書籍配信サイトでも購入できるのですが、バリューブックスはすでに前作でファンがいたこと、特典が付くこと、X上で話題になったことでバリューブックスを通じた予約数が5000を超えました。Xでの作者や編集者の方のコメントを見ると、かなり異例の予約数のようです。
とりあえずそろそろ発注しなきゃ、てことで7,000冊を出版社に発注しました😇 https://t.co/kVzj92CJru
— 飯田 光平 / 積読チャンネル / VALUE BOOKS (@alpino_kou2) April 7, 2026
バリューブックスの方の投稿によると、バリューブックスだけで7000冊を発注するそうです。
文化通信社セミナー 紀伊國屋書店取締役副社長・森啓次郎氏「紀伊國屋書店海外店舗の店頭から見える日本出版物の可能性」
日本以外の地域の日本文化発信拠点のひとつ、紀伊國屋書店。売上上位10店舗のうち5店舗が海外の店舗だそうです。日本の漫画やアニメ関連商品に加え、ホラー小説、女性作家の作品と人気作が広がっているもよう。
PrimeVideo、YA小説の実写化に賭け
英語圏でヤングアダルト小説領域は成長の期待できる市場とされています。PrimeVideoもその市場をターゲットに、自社で実写化した作品の原作の作者を呼んだイベントなどを開催予定。ここはNetflixも力を入れている分野です。
Golden Trailer Awards、「劇場版『チェンソーマン レゼ篇』」などをノミネート
映画の予告編など映像作品のマーケティングキャンペーンに対する賞であるGolden Trailer Awardsが劇場版『チェンソーマン レゼ篇』などをノミネート作品に選出しました。「Best Foreign Animation/Family」の部門です。
スポティファイ、これまでに最も再生されたオーディオブックなどを公開
スポティファイが20周年を記念して、これまでプラットフォーム上で最も再生されたアーティストやポッドキャスト、音楽アルバムのリストを公開しました。この中にはオーディオブックも含まれています。ヤングアダルト小説が多いですね。
Crunchyroll、Ani-Mayを記念して一部の国で値下げキャンペーン
Ani-Mayのキャンペーンの一環として、Crunchyrollは米国やカナダなど一部の国で月額料金の値下げキャンペーンを始めました。Crunchyrollは月額料金を各国ごとに設定しており、一番安いプランのCrunchyroll Fanを1.99ドル、Crunchyroll Mega Fanを2.99ドルとしました。ほかのプラットフォームもアニメに力を入れる中、会員増につながるか。
京都から愛を込めて いかに日本のゲームは世界を席巻したか
ゲーム市場が崩壊した米国で、家庭用ゲーム市場の再構築に尽力したのが任天堂。いまやマリオの映画も世界で大ヒットし、グローバルIPのひとつとして躍進が目立ちます。
マリオだけでなく、ポケモン、ゼルダの伝説、ドンキーコング、ドラゴンクエストなどきら星のごとく数々のIPがいま周年記念を迎えています。
当然経済界もこの分野への期待を高めています。「エンターテインメントビジネス」とくくりは広いですが、半導体産業や鉄鋼産業よりも規模が大きいとされ、これから輸出産業として一段の伸びが期待されています。
ただこれらのコンテンツ人気が必ずしも外交面でソフトパワーとして機能するわけではないともくぎを刺されています。日本発のコンテンツを楽しむことと、日本の国の方針を支持することは全く別とのこと。それはそうです。目は向けてくれるかもしれないけれどもその意識に対してどういう態度をとり、どのような情報発信ができるかは国がやること。
「地獄に堕ちるわよ」の7カ国トップ10入りで考える日本の歴史ドラマの世界での可能性
「地獄に堕ちるわよ」のヒットから日本の歴史ドラマの可能性を探る記事です。NHKドラマ「豊臣兄弟」が海外配信されていたのは知らなかったです。豊臣兄弟を見ている身からすると、あの物語つくりは少年漫画ファンにはなじむだろうなと思います。「NARUTO」とかが好きな人。
歴史ドラマでは「SHOGUN」のおかげでSAMURAIが先行していますが、NINJAもポテンシャルありそう。大河ドラマでは「日本のゴッドファーザー」といって「鎌倉殿の13人」を売り込んでほしい。あの時代、日本人視聴者だってほとんど知らずに見たわけなので。
歴史ドラマにしても、売り込むには海外で人気のエンタメ、フィクションの文脈に載せることが重要だと思います。その点では「地獄に堕ちるわよ」はどのような文脈で紹介され楽しまれているのかは気になる。
活況な市場にも関わらず、生活が厳しい英コミックアーティスト
https://www.comicsbeat.com/report-comics-creators-struggling-despite-a-thriving-industry/
グラフィックノベルを含め、いまコミックスはグローバルで人気を集め、売れ行きは堅調。出版社は利益を出しています。しかしそれがクリエイターに還元されているかといえばそうとはいえいないことを示したのがこの英国のリポートです。
こちらのリポートは英国のコミッククリエイターへの調査結果です。調査に応えた89%がコミックからの収入が最低賃金以下だと回答し、それ以外の手段で収入を得ているとのこと。これまでクリエイターの収入を支えてきたコミコンへの参加やクラウドファンディングも、交通費や郵便代の上昇で採算が厳しくなっているとのこと。政府による資金支援を要望しています。
Webtoon、ピューリッツァー賞を受賞 Illustrated Reporting and Commentary部門で
https://www.bloomberg.com/graphics/2025-india-digital-arrest-by-phone-graphic-novel/
インドで広がるデジタル詐欺をテーマにしたWebtoonがピューリッツァー賞のllustrated Reporting and Commentary部門を受賞しました。思わず読んでしまいましたが面白かったです。
もともとブルームバーグの報道があり、それをベースにWebtoonが作られました。イラストを担当された方がムンバイが拠点のクリエイターだそうです。インド系のアーティストの躍進凄いですね。
手塚治虫先生のドキュメンタリー ディレクター・プロデューサーへのインタビュー
現在英語圏で手塚治虫先生のドキュメンタリー作成の企画が進んでいます。すでに手塚先生を知る漫画家やアニメーターの方々へのインタビューも終わっており、今後キックスターターで資金を集める予定です。インタビューをしたクリエイターが錚々たるメンバーでこれは絶対見たい。
NYCでジャパンパレード、舞台「呪術廻戦」から役者が登場
恒例のNYCのジャパンパレード。2.5次元舞台界隈から今年は舞台「呪術廻戦」の役者が参加しました。
Japan Paradeに舞台「呪術廻戦」-懐玉・玉折-から6名で参加しました✨
— 舞台「呪術廻戦」 (@jujutsu_stage) May 9, 2026
あいにくの雨模様☂️でしたが、沿道でご声援をいただきありがとうございました!#呪術廻戦 #じゅじゅステ#JapanParadeNYC #japanparadenyc2026 pic.twitter.com/HYQTEGP933
New York City just got a taste of global superstardom 🗽🇯🇵
— New York Mickey (@MickmickNYC) May 9, 2026
Despite the weather, the official live-action cast behind one of the world’s most in-demand anime franchises made a rare U.S. appearance at the Japan Parade ⚔️🌧️
The cast even recreated scenes from Jujutsu Kaisen live… pic.twitter.com/xvh03er0Qa
ソニー決算、Crunchyroll会員数2100万人に
https://www.sony.com/ja/SonyInfo/IR/library/presen/er/
ソニーが2026年3月期の決算を発表しました。全体の収益の伸びはもちろんCrunchyrollの会員数が2100万人とおおはばに増えたことが目を引きます。会員増による増収、Crunchyrollを通じた海外の映画配給の増加は、映画部門の収益の伸びにつながっています。劇場版「鬼滅の刃」のヒットも、音楽分野の増収につながりました。「劇場版「⻤滅の刃」無限城編 第一章猗窩座再来』」はアニメの世界的な成長の象徴としても挙げられています。
2100万人のプラットフォームになったCrunchyrollは、配信作品が5万話を超え、13言語の字幕・吹替を実施しています。さらに10月にはNYCCの前日にNYCで「クランチロールアニメ・フューチャー・フォーラム」を開催予定です。アニメ産業の中心になろうという動きが見えます。すっかりエレキの会社からエンタメ企業になりましたね。
ソニーの映画・テレビ部門の決算は「Sony Pictures Entertainment」としてエンタメメディアでも取り上げられています。
Pixomondoの減損処理による収益減を、「⻤滅の刃」などのヒットがカバーしたというイメージ。この決算機関に手掛けた映画で収益貢献度の高い作品に「鬼滅の刃」と「チェンソーマン」の劇場版が入っているのはアニメの強さ。アニメに注力していくという方針も納得です。
この企画を始めるきっかけになった菊池健さんのマンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジンです。
「ピッコマ」の新カテゴリ「ANIME」は気になります。「アニメ」というよりもショート動画に近いのでしょうか?コンテンツ増えすぎと思いつつ、人によってささるメディアは違うので、IPの展開先としては気になります。
今週はここまでです。引き続きよろしくお願いいたします。
