【北米エンタメニュースまとめ】「米FAKKU、新たな決済手段の追加を模索」「タイ発の漫画『アヨッタヤー・エーヤーワディー』が日本へ」「『ヒロアカ』コンサート、欧米開催へ」「Crunchyroll、イベント『Ani-May2026』を発表」
エンタメビジネスをウォッチするlibroによる日々の北米エンタメ市場などのニュースなどのまとめです。今週は
米FAKKU、新たな決済手段の追加を模索
英紙が見た「英国の松本清張ブーム」と「日本のミステリーの独特さ」
タイ発の漫画『アヨッタヤー・エーヤーワディー』が日本へ
「ヒロアカ」コンサート、北米開催へ
Crunchyroll、イベント「Ani-May2026」を発表
です。
「ポケモンカード」が25億円 日本のアニメトレカ、米国でバブル
トレーディングカードブームが日本のアニメやゲームのカードにも。特にポケモンです。米国は、オークションカルチャーでこういうのが高騰しやすい。
最近はこのコレクションブームが漫画雑誌にも及んでおり、「ONEPIECE」の初回連載誌などが話題になっています。
最近、インフルエンサーが高額でオークションで購入したことが話題になりました。あまり比較したくないですが「浮世絵」的なことが起きつつある。価値の再評価は必要ですがあまり高騰してほしくないですね。
Bookshop.orgの25年売上高、55%増 ロマンス小説人気が後押し
読者と独立系書店を結ぶサイトBookshop.orgの2025年の売上高が前年比55%増となりました。Bookshop.orgは米国と英国で展開しており、独立系書店が登録し、消費者は書店を指定して購入すると、手数料が書店に渡る仕組みです。アメリカの小売書店協会の9割が登録しています。
Romantasyブームでロマンス小説がよく売れたことが後押ししました。次はミステリーやスリラー小説のファンをターゲットにしているそうです。Spotifyとも提携し、これからさらに成長期待。26年も15%–30%の成長を見込んでいるそう。
似たような独立系書店とオンライン販売をつなげるサービスがカナダで立ち上がりました。
サービス名は「Booksellers.ca」。ケベック州でフランス語の書籍のオンライン販売を手掛ける企業が主体です。もちろん英語の書籍を販売する書店も利用可能。すでに英語やフランス語の書籍を販売する書店が登録しており、オンラインで注文すると在庫を持っている書店を探してくれる仕組みです。
米FAKKU、新たな決済手段の追加を模索
FAKKUは日本で言うとFANZAのようなR18の日本の漫画を販売する出版社です。主に米国の決済サービス企業の取り締まりで主要くれっじっとカード会社の決済が使えなくなり、決済会社と協議中のところ、仮想通貨やプリペイドカードなどの導入を検討するとのこと。
AIを使ったコンプライアンスシステムで一括して規制されているようですね。実は先日サービスを終了した「MangaPlanet」も決済サービスを使いにくくなったことが遠因にあります。MangaPlanetの場合はBLですが。
経緯についてはこちらにうまくまとまっています。「検閲」というと陰謀論的になりますが、実在の未成年が被害にあったポルノサイトへの規制から、回りまわってアニメや漫画を販売・配信するサイトへの決済サービスの提供に影響が出ているというかたちです。「表現の自由」にかかわるので、FTCから警告書が出ています。
pixivがインドネシアの同人イベント「Comic Paradise 6」にオフィシャルスポンサーとして初出展
pixivは日本では各種同人イベントに出店していますが海外でも。海外のファンアート市場では一時期はみなpixivのアカウントを持っていたのですが最近はInstagramなどに獲られているので巻き戻しの狙いもあるのではないでしょうか。インドネシアは各社のターゲット市場ですね。同人活動も活発です。
英紙が見た「英国の松本清張ブーム」と「日本のミステリーの独特さ」
英国では女性作家を中心に広義の日本文学ブームが起きています。その中で過去の作家の作品も発掘されており、松本清張もそのひとり。池波正太郎の推理要素の入った歴史小説も人気なので、探偵もの、推理ものは相性がいいのかも。
中国国内で配信される日本の新作アニメが4月は無しになりそうなので、中国でこれまで発生した日本のアニメ関連の大きな規制を振り返ってみる
日中の関係悪化で、日本のアニメの中国国内の4月からの公式配信がゼロとなりそうとのこと。過去にもかなり規制されている中、グッズ販売と同人活動が中国で活発な理由が腑に落ちません。新規IPは果たして中国に行けるのか。
ファンタジー、自費出版の波に乗る次の世代の「speculative fiction」作家にとって現実に
オーストラリアでは「speculative fiction」が今人気。そしてこのジャンルの作家らは従来の出版社から離れて自費出版で出しヒットに繋げています。伝統的な出版社から予算をかけられてこなかったジャンルだからこそ、作家自身が活躍の場を広げているイメージです。そしてここでも「Roamtasy」人気。
4月のNYTimesのグラフィックノベルと漫画のランキング「チェンソーマン20」が2位
NYTimesがまとめた4月のグラフィックノベルと漫画のランキングで、「チェンソーマン20」が2位に入りました。なお1位は米国で大人気の「ドッグマン」です。
「ガチアクタ1」も入っているのをみると、アニメで本当に売れたのだなという気がします。
タイ発の漫画『アヨッタヤー・エーヤーワディー』が日本へ
これは読みたい。タイで人気の漫画「アヨッタヤー・エーヤーワディー」が日本語に翻訳されることに。アユタヤ朝をベースにした「歴史if」物語で、敵国の王子同士の絆を描くーーこんなのみんな好きじゃん!!
しかも縁をつないだのがアニメイトとのコラボイベントというのがすごい。
タイ語はわからないけどなんか絵柄がすごくいい。
タイ語版を出している出版社のサイトをみると、みんな絵が美しい。
https://www.cloverbookpublishing.com/en
現地出版・メディア関係者が考える「インドでヒットする日本のマンガ」とは
インドでもIKIGAIブームがあるんですね。インドのインフラであるクイックコマースに書籍が乗ってきているのは面白い。インドはまだ単価が低いけれども、北米市場が伸びたようにいま投資のしどきだと思う。
フジテレビ、縦型ショートドラマアプリ「FOD SHORT」を北米で提供開始。自社プラットフォーム初の海外進出
フジテレビが自社で開発した縦型ショートドラマアプリを北米で提供し始めます。英語字幕付きのタイトルとあわせてとのこと。
ボローニャ・ブックフェア26 グレーの空が晴れ始める
イタリアで開催された子供向け書籍をテーマにしたボローニャブックフェアに関する記事が出ています。あまり日本の漫画関係の人はいかないのですが、実は「コミックス」「グラフィックノベル」の観点で日本の漫画も話題になることがあります。どうやら幅広い国でティーンにいかに活字のコンテンツを読んでもらうかは課題のようで、MANGA含むグラフィクノベルは期待されています。(グローバルで「reading rates」が低下しているらしいのですが、どうなのだろう?)
今年のブックフェアではノルウェーとポーランドがゲスト国として招待されました。「Graphic Novels for Adults」というパネルに登壇した各国の代表者は、日本の漫画が各国のこのジャンルでかなりシェアが大きいことを指摘しています。ポーランドでは年間800タイトルが翻訳され、2番目に多く翻訳されている言語らしい。
「みんなBlackpinkやBTSに息切れしてきた」手作りの中国バンドがアイドルを形作る
かっこいいタイトルなのですが要するに中国で日本式の地下アイドルが登場しているという現状の紹介です。K-POPなどの提供する「完成された」アイドル像に息切れし、もっと身近でパートタイムや草の根の「alt-idol」が出てきてファンを引き付けているとのこと。日本の地下アイドルに近いですが、プロデューサー的には既存のルールが決まっているアイドルよりもアートスタイルとかが自由であることを強調しています。
子供向けアニメのビジネスモデルは「曲がり角」、配信業者の撤退などで
こちらは子供向けアニメーションのビジネスモデルについて、曲がり角に来ているというプロデューサーらの指摘です。米国ではケーブルテレビ向けの制作から配信企業向けに変わったものの、その配信企業が子供向けアニメへの投資を見直し始めているそうです。特にオリジナル作品を作ろうとするクリエイターは選択肢が狭まっているとのこと。
この中で「The Amazing Digital Circus」が事例に上がっているようにアニメーション会社はYouTubeなど自分たちで配信を手掛け、IPを育てていく戦略にシフトしています。IPを手掛けるスタジオにとって、ファンダムを築くことが最優先になっているとの指摘も。かつては「資本→ファンの獲得」だったのが「ファンの獲得→検証→資本獲得」になっているとのこと。
村田沙耶香『消滅世界』が、アメリカのSF・ファンタジーの文学賞〈ローカス賞翻訳部門〉ファイナリストに選出!
本当にいい翻訳はすごい。村田沙耶香氏の「消滅世界」の英語版「VANISHING WORLD」(竹森ジニー訳)がアメリカのSF・ファンタジー文学賞の「ローカス賞翻訳部門」のファイナリストに選出されました。読者投票による賞ということは「VANISHING WORLD」が英語圏のSF・ファンタジーファンの間ですでに広がっているということですね。
講談社、米イベント「Kodansha House」をAnimeExpo連携で開催へ
Kodansha House makes its west coast debut in partnership with @AnimeExpo and with special guest visits to both events by the authors of Blue Lock and Witch Hat Atelier! Visit the pop-up from July 2-12 near Los Angeles' Little Tokyo—running concurrently with Anime Expo (July 2-5)! pic.twitter.com/KF3l8cVD3q
— Kodansha USA (@KodanshaManga) April 21, 2026
講談社が米国でのプロモーションのために始めたKodanshaHouse。例年NYC開催だったものが、今年はAnimeExpoと組んで西海岸へ。「とんがり帽子のアトリエ」の白浜鷗先生や「ブルーロック」の作家が参加されます。
昨年、ニューヨーク・ソーホー地区で開催された「KODANSHA HOUSE」。
— 講談社 (@KODANSHA_JP) April 21, 2026
今年は7月のロサンゼルスを皮切りに、2都市4会場で開催します。
講談社の人気マンガを現地のみなさんに届けるべく、社内の各部署からスタッフが集結しました!#KODANSHAHOUSE @AnimeExpo @KodanshaManga pic.twitter.com/I3QxLvsWxA
7月のロサンゼルス皮切りに、今年は2都市4会場とかなり規模が大きくなります。
講談社の力の入れ具合がいいですね。人材も豊富そう。
ディズニー+、日本の制作会社「The Seven」と提携
日本のコンテンツが注目されているのは事実。ディズニー+ジャパンは、日本の制作会社「The Seven」と複数年契約を提携しました。日本語の実写映像を制作する方針です。やはり「SHOGUN」の成功は大きかった。
「ヒロアカ」コンサート、北米開催へ
アニメ「僕のヒーローアカデミア」の楽曲をバンドなどが演奏するコンサートが北米で開催へ。日本では東京と大阪開催なので、北米のほうが開催都市は多いです。英国やドイツにも行きます。素晴らしいグローバルIPです。
北米のコンサートは座組としては東宝とソニーグループのGEA Liveの運営です。
これにあわせて作曲家の林ゆうきさんのインタビューも出ています。
「New Adult」が成熟 米出版市場で盛り上がる新ジャンル
ここ数年で米国の大手出版社は「New Adult」といわれるレーベルを立ち上げています。まだ正確な定義はないのですが、おおむねキャラクターが18歳以上で、ティーン後半から20代、18~24歳ぐらいをターゲットにしています。2000年代から2010年代の「YAブーム」で育った世代で、このカテゴリーを卒業した人をターゲットにしています。これまであまり出版市場のカテゴリーとされてこなかったところです。昨今のRomantasyブームとも重なります。日本の漫画も狙えるはず。
「中国のNetflix」愛奇芸、AIで動画コンテンツ制作へ-SNS型に転換
中国のNetflixといわれる「愛奇芸(iQiyi)」が番組制作にAIを導入するとのこと。「TikTok」の中国版との競争が厳しいようです。やはりコンテンツ制作にもAI来るのですかね。
LINEマンガ、「キャラと会話」新機能で売上6倍の効果 新キャラ追加で利用拡大へ
1990年代の名前変更可能なケータイ小説を思い出しました。LINEマンガの新機能で、LINEマンガ連載作品のキャラクターと「会話」ができるチャット機能です。作中でパートナーのいるキャラクターも別世界線として会話次第では恋仲になれるらしい。夢女子・夢男子創造機ですね。原作の購買にもつながっているところがすごい。原作を読まずにチャットをはじめて読み始めるのだろうか?
日本の小説を海外へ届けるのは、誰か(これから海外デビューする作家に知っていてほしいこと)
小説の話ですが、漫画やアニメにも当てはまりそう。すごく現場の方の真摯な記事で読みごたえがありました。小説の翻訳では作者、出版社、翻訳者、エージェンシーが綿密に連携をしてきちんと売っていこうという動きがあります。漫画の翻訳でもそうなるといいな、と。特に漫画では過去の経験から「続きが出る」ことは重要なので。こうなるといい翻訳家は取り合いですね。
文芸もそうですが文脈に依存する漫画も翻訳は重要です。そしてその翻訳代を誰が負担するのかという課題はある。いっそ漫画やアニメであれば直接ファンから集めるというの手なのもかもしれないと考えました。
作家団体のAuthersGuild、出版社のAI利用に批判声明
米国の出版社では徐々に編集過程にAIを使う流れができていますが、作家団体からは批判のコメントも。
仏アングレーム国際漫画祭、Morganeが新たな運営団体に任命
https://www.comicsbeat.com/the-new-angouleme-festival-organizer-has-been-named/
混乱が続いていたフランスのアングレーム国際漫画祭ですが、新たな運営団体が任命されました。オーディオビジュアルの制作会社であるMorganeが選ばれました。ただ、2027年のイベントを例年通りの時期に開催できるかはまだ流動的とのことです。
スペイン警察、世界最大規模のスペイン語違法漫画配信サイトを閉鎖
X上でもすごい話題になっていました。スペイン語圏で長年使われてきた海賊版サイトが閉鎖されました。広告収入でかなり収益を上げていたようです。
SevenSeas、YOASOBI小説「夜に駆ける」などの翻訳を発表
SevenSeasが新たな翻訳作品を発表しました。YOASOBIの小説「夜に駆ける」などが含まれています。
英国で新たな自費出版サービスのサイト誕生
英語圏ではいま、自費出版が広がっています。その中で英国では新たな自費出版が可能なサービスが立ち上がりました。
Crunchyroll、イベント「Ani-May2026」を発表
配信会社Crunchyrollがイベント「Ani-May2026」の詳細を発表しました。アニメの配信、グッズ販売、イベント、ゲームと盛りだくさん。まずは「劇場版チェンソーマン レゼ篇」の配信が始まり、YouTubeのウォッチパーティ、アニメアワードなど。北米や欧州ではリアルの店舗と連携したキャンペーンもあります。
スペイン政府、オンラインでの書籍購入に送料義務化などを検討 リアル書店保護で
フランスに続き、スペインでオンラインの書籍購入に送料を義務化するなどの検討を進めるとのこと。リアル書店の保護の狙いがあります。
ONEPIECE、ユニバーサルスタジオのFan Fest Nighでショー
Monkey D. Luffy and the Straw Hat Crew take over Waterworld for a new ‘ONE PIECE’ pirate show playing only at Fan Fest Nights at Universal Studios Hollywood. pic.twitter.com/t8Jx1OC5BV
— DiscussingFilm (@DiscussingFilm) April 24, 2026
ONEPIECEがグローバルIPへの歩みを着々を進めています。ユニバーサルスタジオのFan Fest NighでGrand Pirate Showを開催しました。期待かかっていますね。
ラテンアメリカからの移民、スペインを書店で満たす
スペインにはいま、ラテンアメリカからの移民が増えており、その彼らが母国からの伝統を引き継ぎながらスペインで書店を開業しています。ラテンアメリカと、スペイン語圏をつなぐ存在として期待されています。
東欧市場参入のゲートウェイ ルーマニアのコンテンツ市場動向
東欧のルーマニアでも日本のポップカルチャーのイベントが盛んです。欧州企業がグッズなどを提供しています。しかしここえもK-POPとの競争は厳しく。Netflix通じて韓国や中国のコンテンツも人気を集めています。
Netflixは映像で、Spotifyは音楽で最強の理由──マンガはどうか?
マンガ配信プラットフォームコミチを手掛ける萬田大作さんの記事です。映像のNetflix、音楽のSpotifyとデータを通じて消費者に寄り添うプラットフォームを挙げ「漫画は?」と問うものです。Netflixの届ける相手によってサムネイルなどを変える戦略は、漫画でも使えそう。漫画産業はデータの活用と人間のキュレーションでまだまだできることが多そうです。
この企画を始めるきっかけになった菊池健さんのマンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジンです。
GWキャンペーンすごいですね。これを機に漫画を読むプラットフォームをもうひとつぐらい増やしてもいいかな、と思えてきます。少女漫画を強化したい。
海賊版については菊池さんご指摘のようにBookoff論争、図書館論争を彷彿とさせました。「作家さんが苦労しないでほしい」は同感です。個人的には副次的に各国の漫画の単行本高いなーと実感し、やはり一定程度割安でデジタルで読んでもらう作戦は必要ではないかと思いました。
「キャプテン翼」の大空翼単体でのスポーツマネジメント企業との提携は面白いなと思いました。高橋先生は新しいことに前向きですよね。「ハイキュー‼」のキャラクターも仙台の観光大使に任命されていますし、作品を離れてキャラクターがある程度自由に活躍できる場を増やしていくことは重要だなと思います。大空翼にサッカー技術やトレーニングを相談できるAIとかできないですかね?個人的には将来、漫画やアニメのキャラクターに実際の試合を解説してほしいです。
今週はここまでです。引き続きよろしくお願いいたします。
