📚リブロ編⑥|リブロの淡い光
森の図書館(リブロ編)
①|自動整理支援システム『リブロ』
②|図書館の人気者
︙
⑤|古い記録とハヤトが見たもの
⑥|リブロの淡い光← 今ここ
週末の朝、ハヤトは板を布に包んで背負い、胸の奥がそわそわしたまま図書館へ向かった。
アキラに見せるのは緊張する。けれど、一人で抱えていたものを話せたことが嬉しかった。
「……やっと、モコに見せられる」
ハヤトは背中のリュックに手を添え、少し笑った。
しばらく歩いていると、木々の間からぱたぱたと足音が聞こえてきた。
「ハヤトー!」
モコが駆けてくる。

「一緒に行くモコー!」
「もちろん!」
ハヤトは背中のリュックに手をかけた。
「ねえ、モコ。図書館に着いたらさ、見せたいものがあるんだ」
「わぁ〜」
「楽しみにしてて」
「やったモコー!」
◆
扉を開けると、アキラがカウンターから顔を上げた。
「おっ!今日も二人一緒かい?」
アキラの声は、心なしかいつもより軽い。
マダム・ザマスの家計講座に通い始めてから、少し気持ちに余裕ができたようだった。
た。
「アキラさん、これ……」
ハヤトは背中の荷をカウンターの上にそっと下ろし、布の結び目をほどいた。
「わあ〜!!」
モコの耳がぴんと立った。

朝の光を受けて、宝箱の金属の縁取りがきらりと光る。
「たからものだモコーー!」
「見せたかったの、これだよ」
「すごいモコー!」
「ハヤトは見つけるのうまいモコ〜」
アキラは目を見開き、ずれた眼鏡を指で直した。
「これは……すごい。思っていたよりずっと立派だ」
「ね?嘘じゃなかったでしょ?」
「なるほど。これは流石に僕も興味が湧いたよ」
その時だった。
カシャリ。スー……。
書架の奥から、聞き慣れた小さな音が近づいてきた。
「リブロもこっち来たモコ!」
リブロは机の前でピタリと止まった。
ゴーグルが、宝箱へ向いている。
リブロはその場でじっとしたまま動かない。
「リブロ?」
「どうした?」
アキラがリブロを見上げたその時、
図書館の奥で、カタ……と小さな音がした。
窓は閉まっている。
それなのに、棚に並んだ本の端が、ひと呼吸震えた気がした。
ハヤトが振り返る。
「……いま」
「……ねぇ今、森が息をしたよね?」
「えっ? 何だって……?」
アキラは不思議そうにハヤトの顔を見ると、視線の先でリブロのゴーグルの光がゆらりと揺れた。
いつもの黄色い光に、青白い光がほんの少し混じっている。
アキラは小さく首をかしげた。
「……あれ? お前、そんな色にも光るのか」

その声に、ハヤトが振り返った。
「……えっ?」
リブロのゴーグルに混じった青白い光を見て、ハヤトは目を見開いた。
「この色って……」
けれど、光はすぐにいつもの色に戻った。
「ハヤトくん?」
「……ううん、なんでもない」
ハヤトとアキラは視線を宝箱へと戻した。
その横で、モコがじっと宝箱を見つめている。

「……なんか光ったモコ」
「え?」
「今、なんか光ったモコ。ちゃんと見たモコ。」
ハヤトは宝箱をじっと見つめるが、
今は何も見えない。
「まさか……関係ない……よね」
ハヤトは宝箱を抱え、リブロにそっと近づけてみた。
その瞬間、リブロのゴーグルが青白く光った。
「……!」
「また光ったモコー!」
宝箱の隙間からこぼれた青白い光を、
今度はハヤトも見逃さなかった。
(続く)
自動整理ロボット・リブロ編

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