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(参院選総括3)石破政権はどうなるか?いろんな未来があり混乱だが、大連立による「歩み寄りの政治」を望みたい。

さて、自由民主党(以下、自民)が「世界最強の包括政党(キャッチ・オール・パーティ)」の座を降りた日本の政界、今後はどうなるのか。

わかりませんねえ。。。。(笑)

石破茂首相は、昨年11月の衆院選、今回の参院選の連敗で、自民党結党以来初の衆参両院での過半数割れという事態を引き起こしたわけだ。いくら「参院選は政権選択選挙ではない」といっても、普通に考えれば退陣するものだろう。

それを「続投する」と強気の姿勢を崩さないのは、単に「権力に固執する」という、政治家の悪しき性もあるかもしれないが、それよりも石破首相なりに考えるところがあるのだろうね。まずは、

「負けたのは俺のせいじゃない」

まあ、「裏金問題」「旧統一教会」などね、旧安倍派などが引き起こした問題。「アベノミクス」の負の遺産による、国民の困窮。これは、石破内閣以前の問題で、首相の責任じゃないのではないかと。村上誠一郎総務相などが主張しているよね。次に、

「それほど、負けてないんじゃないの?」

と、石破首相が思っているかもしれない。選挙戦中盤くらいまで、もっと負けるような深刻な情勢だった。それを終盤盛り返したじゃないかということだ。

まあ、参政党が神谷宗弊代表(以下、KACOさま)などの不規則発言で最終盤に失速したり、石破首相ががんばったというより、自民党の各候補者の「どぶ板」の「火事場の馬鹿力」が発揮されたんじゃないかと思うけどね。

いずれにせよ、最小限の連立の組み換えで、衆参ともに過半数を維持できる。少数与党のままでも、今まで通り、野党各党を政策実現で競わせる駆け引きでやっていけるというのが、あるのだろうね。また、

「負けたのは旧安倍派など保守派では?」

という考え方もあるだろう。石破首相は、首相になる前ずっと「反安倍」を貫いて、総裁選に挑み続けた政治家だ。

いわば、自民党内とはいえ「旧安倍派」「保守派」は石破首相の「真の政敵」。保守派の側からも麻生太郎元首相など、石破首相は嫌悪されているからね。

「今回落選したのは、真の政敵ばかりではないか」

と、首相が考えても不思議ではない。そして、その結果、保守派が消えていく自民党で、高市早苗氏や小林鷹之氏が担がれても、総裁選で石破首相に勝てるのかということだ。

党内基盤が弱くても、国民の高い支持があれば、総裁選に勝てることはある。しかし、コアな保守派は国民の10%程度の「ノイジーマイノリティ」。しかもそれすら参政党に流れて自民党に流れている。高市氏や小林氏に国民的期待はない。

石破首相が「続投」を決めたのは、これらの1つだけではなく、どれもあるのだろう。それに対して、「選挙に負けた総裁は退陣」という正論は、首相的には重要ではないということだ。

とはいっても、こういう動きはある。

自民党青年局が、石破茂首相に退陣要求をしたと。党を思う熱い心からやむにやまれず若手が決起した。。。。と、いうよりは麻生元首相などベテランの保守派の残党が後ろにいるんだろうね。

だが、前にも書いたと思うし、いつも言っているのだが、こういう動きは、自ら総理総裁になるという気概がない。決起はしたが、あとベテラン任せでうまくいくことはない。どうですか、中曽根康隆青年局長?

祖父の中曽根康弘元首相は自らの一匹狼的な若い頃の経験を踏まえ、常々、若手に

「若いうちに、一度総裁選に出るべきだ」

と言ってましたね(笑)。

まあ、それはともかく、青年局ってこういう人たちの集まりでしたよね。

中曽根氏は、このとき謝罪し、党青年局長代理を役職辞任した方。ほとぼり冷めれば、青年局長になっていた。

すみませんね。大局からすれば小さな事という人はいるのだろう。だが、私は大学で「女性のキャリア」のために熱心に教育活動をやってまして、女性のキャリアを妨げるような組織・個人は許さない立場なので、これは看過できないので。

まあ、世襲のおぼっちゃまたちが、表面的には品よくやっていても、一皮むければホントの姿はこんなもんってことでは、参政党とさほど変わらないのだと思いますよ。

嫌味はそれくらいにしときましょう(笑)。ただし、私はこの動きを軽視してはいませんよ。これは、石破首相は続投か退陣かという「綱引き」をやっているだけにとどまらないからだ。今後の、自民党のあり方を決める闘いだからだ。

「世界最強の包括政党・自民党」は、おそらくもう戻ってこない。では、これから自民党はどうなっていくのか?

「保守党」VS「中道政党」

どちらかになるということ。それを決める闘いといっていい。

そして、繰り返すが、石破首相には彼なりの「勝算」があるのだろうね。繰り返すが、保守派がすでに壊滅していること。もう1つは、野党との関係性にあるのだと思う。

だが、すべての政党が

「石破政権には協力できない」

と、冷たい態度だ。まあ、選挙の直後なのでね。選挙というのは、すべての政党が競い合うものだから。昨日まで争っていた相手に「協力します」と言ったら、投票してくれた支持者を裏切ることになってしまう。

野田佳彦立憲民主党代表は、野党の協力体制を作ろうと動いているが、まあ、なかなかこれが難しい。立憲民主党(以下、立民)、国民民主党(以下、国民民)、日本維新の会(以下、維新)あたりは、過去一緒にやったことがある人たちが少なくない。だが、それゆえにか、それぞれの間に「遺恨」が存在するのだろう。

私がずっと言ってきた、遺恨を超えた「シン野党連合」は難しいね。

一方、石破政権と野党側は、特に今のところ「連立」うんぬんの約束はないのだとしても、どことなく接近する空気はある。

「ケミストリー」が合っているというかね。それは、石破首相と野党の方が、石破首相と保守派より、より合っていると思うんだよね。

それは、石破首相と野党側のリーダーの政治的な経歴を振り返ればわかる。

以下、引用する。

『 石破茂首相、野田佳彦立憲民主党代表、 前原誠司日本維新の会共同代表など 与野党の主要幹部の多くが、90年代の「政治改革」に「非自民陣営」で取り組んだ共通の経験を持っている。

彼らは、「細川護熙門下生」といえる政治家だ。その他には、野田聖子氏、茂木敏充氏、枝野幸男氏らがいる。石破首相の側近に、長島昭久安全保障補佐官、細野豪志氏という、かつて民主党に属した政治家がいるのも興味深い。

そして、高市早苗も「非自民」で政治家人生をスタートしている。朝まで生テレビのコメンテーターだった高市氏は、無所属で政界入りし、新進党の結党に参加した経歴を持つ』
『細川氏の政治信条は、「一内閣一仕事」。権力にこだわらず1つの仕事をやり切るという考え方。これは、細川内閣が「政治改革法」による小選挙区比例代表並立制の選挙制度改革を、野田内閣が自民・公明との三党合意を結んで消費増税を、「一仕事」として実現したことに、表れている(その一仕事の是非は、ここでは論評しません)。

それは、安倍氏、菅義偉氏、麻生太郎氏ら「第二次安倍政権」が、「長期政権」という権力の維持に徹底的にこだわったことと対極的である』

ということなんですよね。政治家になりたての頃に、どういう経験を共有したかということは、表面的な立場を超えて大きいということだ。

ちょっと気になるのが、高市氏ということなのだけれども、まあ、それは今日は触れないでおきます(笑)。

つまり、もし石破首相が「退陣要求を耐えて続投」、あるいは、退陣後の総裁選で、小泉進次郎氏、林芳正氏など首相に近く、中道路線の政治家が政権を握った場合、最初は対立的でも、次第に(あるいは自然に)自民と野党側は寄っていくことになると思う。

私は、それを加速させるのが、「安全保障政策」だと思う。

日米の関税交渉が妥結した。選挙が終わった直後に妥結するとか、ちょっとよくわからないことが多いので、論評を今回は避ける(笑)。いずれにせよ、関税が終われば、トランプの関心は防衛政策に移るのは間違いない。

防衛装備の米国からの購入、防衛費の増額と、強烈な要求が来るのは目に見えている。その時に、与野党が歩み寄ることになるのではないか。

与野党のリーダーのケミストリーが近い。石破氏、野田氏、前原誠司氏、長島昭久氏、細野豪志氏ら、安全保障で協力することは可能なのではないか。

それは、戦後初めてのことだ。戦後、日本では安全保障政策に関して、与野党が話し合って合意を得ることはほとんどなかったからだ。

常に与野党は安全保障政策を巡って衝突した。与党が前に進めようとしたとき、法案は強行採決で成立することが多かった。

この状況は、安全保障政策を不安定にさせることが多かった。だが、今の与野党は、その状況を変えて「コンセンサス」で安全保障政策を進められる戦後初の状況が生じているのだ。

だから、私は昨年の石破政権発足後、一貫して日本の安全保障政策は強力になる可能性があると主張し続けてきた。

要するに、今後トランプ政権から安全保障について圧力がかかれば、石破政権と野党が接近する可能性があるということだ。

では、石破政権が連立相手を増やして過半数を確保するとして、どの政党と組むことになるかということだ。

一応、「最小勝利連合」って言いましたっけ?あんまり覚えてないんだけど、理論的にはそういうのがある。

要は、連立を組む時、過半数を超えて、大政党は最小の数になる相手と組むことを望むということだ。

連立を組んだがいいが、いろんな党が入っていて、しかもその党の中にもいろんな考えの人が混在していると、過半数を大きく超えていても、政権は意思決定に苦しむことになり、混乱する。だから、連立は過半数を超えて最小がいいということだ。

その理論に従うとなると、野党第一党であり、しかも党内は保守、中道、左派の「寄り合い所帯」といわれる立憲民主党との大連立は、石破首相の優先順位としては最後ということになる。

現在、自公連立の衆参での議席数は以下の通り。
衆議院(過半数233):220(▲13)
参議院(過半数125):122(▲3)

とすると、参議院では躍進した参政党(14議席)だが、衆議院では参政党(3議席)だけでは過半数に達しないので、連立相手としては検討対象外となる。

言い換えれば、参政党を入れても、過半数には他の政党が必要となると、参政党の不規則発言が邪魔なだけになるでしょ。

そうすると、第一に交渉するのは、過半数を超えて、超え幅が一番小さい国民民(衆院27、参院22)ということになる。

これは、昨年の衆院選時にもその可能性を指摘してきたものだ。

細川護熙政権が典型例だが、どこも過半数を超えない多党乱立という状況では、「一番小さな党」がキャスティングボートを握ることになりがちで、昨年の衆院選後の場合、玉木代表を取り合うことになるという指摘だった。

国民民が政権を獲るようなことは起きなかったが、今年の通常国会における玉木代表の存在感を考えると、この理論も合っていたといえるだろう。

問題は、玉木代表が今、自民党に入りたいか、ということになる。玉木代表が将来の自民入りをまったく考えていないとは思わないのだが、今どうかとなると、時期尚早と考えるだろうね。もう少し力をつけたほうがいい。

首相になりたいかというと、どうだろう。今が絶好機か、もっと政治的な力をつけてからか。「首相はなれる時になるべき」というのが、従来の日本政治の鉄則だが、今もそうか。

玉木代表が野党側による連立政権で首相となれば、それは細川政権だ。だが、自民がもし首相を玉木代表に譲るとすれば、それは細川政権というより、村山富市「自社さ政権」に近いような気がする。玉木代表と国民民に自民を掌握する力はない。自民の傀儡となるのだろう。

より重要なのは、若者を中心とする国民民を支持する層が、連立入り、そして玉木代表が首相となることを望むか。自民と組むということは望んでないような、世論調査があるよな。

まあ、最後は玉木代表の胸一つだね(笑)。

次に、自民が連立交渉をするとすれば、維新の会(衆院38、参院19)だ。どうだろうね、これ。

噂レベルでは、保守的な政策志向の前原誠司共同代表が、5人程度引き連れて離党すれば、参院で過半数に達するからという話を聞いたが、衆院のことを考慮しない、間違った考えだ(笑)。

衆参両院の過半数を考えると、やはり党として連立をするかどうかという話になる。

前原共同代表は、どちらかというと自民と組むより、立民、国民との野党再合同に興味があると思う。2017年に、当時代表として民進党を分裂させてしまった悔いと恨みがあるしね。

ただ、それは吉村洋文代表ら「大阪維新の会」などとはまったく合わないところだと思う。だが、吉村代表は立民と組むのはあり得ないと考える一方で、連立にほぼ関心がないだろう。

吉村代表自身が国会議員でなく、国政にあまり関心がない。自身が大阪のトップであればいいという考えだからね。

維新も微妙だ。

さて、自民と立民の「大連立」ということになる。不人気だろうな(笑)。参院選でほぼ唯一「減税」を否定した自民と、そもそも今の消費税率を決めた時の首相だった野田代表。「増税政権」にみたいなイメージになり、まず支持率が上がらない。

首相と元首相というだけでなく、閣僚経験があるベテランが双方に揃う、重厚な玄人好みの政権となるのだが、それが今の国民に受けるかというと、まったく受けないだろう。

また、「大連立」となると、おそらく自民、立民双方から離党者が出る。ただ、どちらも多数にはならないのではないか。

野田代表は、首相時代に民主党から離党者を出しながら、当時野党の自公と「三党合意」をまとめて、国会で圧倒的多数派を形成して消費増税の法案を通した過去の経験がある。

それからすれば、大連立で離党者が出ることは、意に介さない。むしろ、離党者が出ても、大連立というより大きな勢力を築き、かつ自分が首相になる。それも不人気にもかかわらずというようなことならば、それは

「野田佳彦が最も得意とする政治手法」

ともいえるわけだ。さあ、大連立まで行くには時間がかかるがどうでしょうね。

私は、このように選択肢としては低い状態にありながら、大連立がいいんじゃないかと思っている。それは、2017年ごろから私が主張してきた

「穏健な中道勢力によるコンセンサスの政治」

が実現するからだ。これの対極がいわゆる

「分極的多党制」

であり、私は第二次安倍政権時の

「自民党VS共産党の主導する野党共闘」

の時代がこれにあたると考えている。このような状況ですよね。

この時代、与野党は話し合いの余地がなく、罵声を浴びせ合うような関係だった。そして、この状況下で、「世界最強の包括政党・自民党」は、左派政党の支持者を奪い最大に拡大したが、脚元では崩れ始めていたのだと思う。それはイコール、自民党がコントロールできないポピュリストの出現だ。

仮にこの「石破辞任政局」で、自民党内で保守派が勝利し、自民党が「保守政党」になった時、立民以下野党は一斉に反発する。また分極した罵声の浴びせ合いの政治になる。ポピュリズムは誰も抑えられない。

一方、自民・立民の中道大連立の場合、確かに右側と左側にポピュリズム政党が出現することになる。しかし、「包括政党」のような、ポピュリズムを党内に抑え込むことができなくなった場合のポピュリズムを抑える手法がある。

それが、「ドイツ型の大連立」だ。

ドイツの「キリスト教民主同盟・社会同盟(CDU・CSU)」と「社会民主党(SPD)」の大連立は、何度もこれまで組まれてきたが、そもそもネオナチ勢力を抑えるための手法であるとされてきた。

日本でも、ポピュリズム勢力を抑える手段は、包括政党がない以上、この方法が一番合理的だ。

今、誰がみても、日本政治、そして日本社会が落ち着きをなくしていると思うだろう。落ち着きを取り戻すには、穏健な中道の勢力が大連立を組み、落ち着いた、感情的でない論理的な政策論争を行うことだ。

例えばこういうことのようにだ。激しく対立するような政策課題でも、知恵を絞れば、歩み寄れる部分が必ずある。

考えが違うからといって、罵声を浴びせ合うのでなく、お互い同じ社会に生きるものとして、お互いを思いやる「歩み寄りの政治」を行うことが大事だと、私は思うのだ。



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