#147【治療体験記】財前の播種、だまさんの播種
マガジン化のお知らせ
「病院薬剤師が早期リタイア&起業した話」をマガジン化しました。
1記事ずつ購入するよりもお得になっています。
まとめ読みされたい方は是非どうぞ。
本稿は【だまさんの治療体験記】十二指腸がん編の第84回です。
白い巨塔(最終回)
2026.1.2
謹賀新年。今年もよろしくお願いします。
おかげさまで家族揃って楽しい正月を迎えられました。
CAPOX療法がPD判定となった際には戦慄しましたが、#146でもお伝えした通り、キイトルーダのおかげで越年できました。
ただ、新年早々縁起でもない話ですが、裏を返せばキイトルーダが効かなければ、あまり楽しくない正月を迎えていた可能性もあり得ました。
そんなくだらない妄想で気鬱になっても仕方がないのですが、かといって現実逃避してもいけないと思い、久々にこの作品を視聴してみました。
FODに課金してまで視聴した理由は、最終回「財前死す」のあるシーンが気になったからです。
播種=絶望か?
この回は、財前(唐沢寿明)の肺がん手術のシーンから始まります。
執刀医は元上司の東(石坂浩二)でした。
かつて後継者争いで辛酸をなめさせられた東でしたが、財前の懇願を受け執刀を引き受けたのでした。
開胸した術野に、東は目を見張ります。
「播種だ。がんが胸膜全体に広がっている」
結局「切除不能」と判定され、手術は30分余りで終了となりました。
術後、病院は義父・又一の反対もあり、「がん非告知」を決断しますが、元々がん専門医である財前に隠しおおせる可能性は極めて低いものでした。
やがて財前に抗がん剤投与(点滴)が開始されます。
しかし、ステージⅠbにしては不釣り合いな薬剤(財前は経口剤「アストーレ」を主治医に指示)が選択されていることに疑問を抱きます。
番組内で登場した点滴用抗がん剤名(もちろん実在しませんよ…)
・メトプラシン ※恐らくはプラチナ製剤
・エファドキセル ※恐らくはタキサン系
「肺がんてのは油断がならないからね。プラチナベースの抗がん剤をきちんと投与しておいた方がいいよ」
東の説明に財前は納得せざるを得ませんでした。
・・・ところが、その後がんは縮小するどころか脳転移してしまいます。
#142でも触れた通り、抗がん剤は播種に効果が薄いからです。
先述した「気になったシーン」はまさにここで、播種に対して効果薄とわかっていながら、なぜ抗がん剤が選択されたのか?という点です。
結論から言えば、「他に手がなかったから」ということになるのでしょう(※あくまで個人の意見です)。
播種が胸膜全体に広がっている以上、胸膜の切除はできません。
ましてや原発巣の切除すらできていない状況では、切除不能患者向けの強力ながん化学療法に一縷の望みをかけるしかなかったのだと思います。
やはり「播種=絶望」なのでしょうか?
だまさんの優位性
ただ、財前に比べ、私の場合は数段恵まれています。
(財前)非告知 VS(だま)告知済
(財前)原発巣温存 VS(だま)原発巣切除済(Adjuvantもほぼ完了)
(財前)播種多数 VS(だま)播種少数
(財前)恐らくMSS VS(だま)MSI-H(Pembrolizumab有効)
キイトルーダによる治療・有効性・安全性が維持できる限り、悲観する材料は見当たらず、十分に前向きになれる状況だと言えます。
となれば、今年も前を向いて駆け抜けるだけです(ヒヒン!)。
今回はここまで。
次回をお楽しみに。
ここから先は

病院薬剤師が早期リタイア&起業した話
病院薬剤師だまさんが早期リタイアし、個人事業「医薬品集制作の大学堂」を営む奮闘記です。 病院薬剤師が起業するなんて、親の薬局を継ぐ以外は激…
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?
