【子育て卒業ママシリーズ】生徒会長になった長男と、普通のお父さんがいいと言った次男
我が家は国際結婚。
二人の息子たちは、父親の血を濃く引いていて、容姿はほぼ西洋人。 二人ともハーフであることで、子ども時代にずっと面倒だったこと、それを高校生の時に話してくれた。
「なに人?」 「英語、話せる?」
この二つはほぼセットで聞かれる質問。
答えたところで、そこから会話が広がることはほとんどなく、たいていは走って逃げていく。 悪意はないのはわかってる。でも、やっぱりちょっと疲れる。
生徒会長になった長男
長男は小学生時代、人気者だった。 勉強もスポーツもできて、人前に出ることも平気。おまけに優しい人柄。
そんな彼が「生徒会長に立候補する」と言ったとき、誰も反対しなかった。
私も夫も、さすがだね、と誇らしく思っていた。
でも、長男にはもっと深い理由があった。
それを私が聞いたのは、彼が高校生になってからのこと。
名前を知っている子は「○○くん」と呼んでくれる。 でも、知らない子たちからは「外人」と呼ばれてしまう。「あの外人の子」と言えば誰のことか伝わりやすいから。
それでも、長男はそれをどうにかしたかった。
生徒会長になると、行事のたびに全校生徒の前でスピーチをする機会がある。 6年生では、市内の小学校が数校集まる合同音楽会が開催され、各校の生徒会長がスピーチをする場もある。

長男の作戦は、うまくいった。
生徒会長になってから、廊下ですれ違う子たちが「会長!」と声をかけてくれるようになった。 中学に上がってからも「あ、会長だった人!」と呼んでもらえるようになった。
外見より先に、役割で認識してもらえるようになった。
普通のお父さんがいい、と言った次男
夫は外国人。存在だけでも目立つ。
授業参観では参観のあとに先生のところへ行き、握手を求める。
そんな親、見たことない。でも夫に躊躇はない。
次男はサッカー少年だった。
夫は、試合では大きな声で応援して、誰かがゴールを決めたら指笛をピューピュー。
それはチームのみんなも親も喜ぶ。
でも、言いたいことは我慢できない人で、ある試合では終了後に審判のところへ直接乗り込んでいった。
さすがにチームのコーチから「2度としないでください」と注意を受けた。
試合のたびにお父さんたちも応援に来て、フィールドの準備や後片付けを手伝ったりする。 夫ももちろん手伝う。
でも、何かにつけて意見が出る。他のお父さんたちは黙々と動くだけなのに。
家に帰れば、試合のビデオを見ながら夫からのダメ出しも待っている。
チームの他のお父さん達のスタイルが、次男にはとてもうらやましく映ったようだった。
ある日、試合からの帰り道、次男がぽつりとつぶやいた。
「フツーのお父さんがいい……」
私は「そうだね……」としか言えなかった。
申し訳ない気持ちと、正直なところ、私自身もその頃、夫の言動に不満を持っていたので夫をかばう言葉が出てこなかった。

そんな次男に、夫はよく言っていた。
「他と違うことがいいんだ!」
でも子どもの次男には、その言葉はピンとこなかった。
自分の「違い」といえば、容姿のこと。自分で選んだわけじゃない「違い」を、どう受け取ればいいのかわからなかっただろうと思う。
その言葉の意味が変わったのは、大学生になってから。
留学のスカラシップに応募するとき、就活のとき、自分が他とどう違うかをアピールしなければならない場面が続いた。
枠にはまっていたら、目立てない。
サッカー、ピアノ、ムエタイ、スマブラ、英語。積み上げてきたものが強みになった。
そして、「違う」ということを経験してきたそのものも、他と違うことの強みになっていった。
留学先、容姿も国籍も誰も気にしない場所で、自分そのものだけで勝負した。
夫の「他と違うことがいい」
その言葉の意味が、ストンと落ちてきたと思う。
長男は行動した。 次男は言葉に出した。
私には見えていなかった葛藤が、それぞれの形であったんだと、当時気づいたとき、少し切なかった。
それでも二人は、そのことを恥じたり、ひがんだりせずに、自分のやり方で前に進んでいった。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
~ARYA~
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