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「季節がくれた束の間の贈り物」〜長命寺桜餅と並ぶ江戸の名物和菓子〜

桜餅の葉を追っていたら、
日本人の季節感にたどり着いた…🍃

長命寺桜餅が誕生した享保2年(1717年頃)は、ちょうど砂糖流通が増え始めた時期でした。

桜餅は超高級菓子ではなく、
でも完全な庶民菓子でもない…
その中間くらいだった可能性があります。

花見という「ちょっと特別な日」に
食べる甘味として、

普段は水飴、花見の日は桜餅…
そんな感覚だった人もいたかもしれません。

江戸時代、砂糖の流通量が増えたことで、
江戸の街には数々の名物和菓子が登場し、
長命寺桜もちと人気を競い合っていたそうです。  

当時の浮世絵や文学(川柳、随筆など)にも頻繁に登場する、特に有名な江戸のヒット和菓子をご紹介します。

1. 向島エリアのライバル「言問団子」
長命寺桜もちと同じく向島(隅田川沿い)で誕生し、セットで愛されたのが言問団子(ことといだんご)だそうです。

🔸特徴
小豆餡、白餡、クチナシで色付けしたみそ餡の3色の餡で、小さなお餅をそれぞれ包んだ上品な団子です。

🔸背景
江戸後期、植木屋を営んでいた外山佐吉が、訪れる文人たちに手作りの団子を振る舞ったのが始まりとされています。

後に在原業平の和歌にちなんで「言問団子」と名付けられ、隅田川の花見や川遊びのお供として爆発的な人気を博したそうです。 

2. 行楽地の大ヒット作「飛鳥山の草餅」
徳川吉宗が向島と並んで桜の名所として開放した「王子・飛鳥山」の名物が、草餅(よもぎ餅)だそうです。
🔸特徴
香り高いヨモギをたっぷり練り込んだお餅に、程よい甘さの小豆餡を包んだものです。

🔸背景
飛鳥山へ花見に繰り出した江戸っ子たちが、お弁当代わりに、あるいは帰りの手土産としてこぞって買い求めました。

花見シーズンには、あまりの売れ行きに、周辺の茶屋の餅が夕方前に全て売り切れるほどの大盛況だったと記録されているそうです。
 
3. 吉原通いの定番「行くよもち(いくよ餅)」
江戸初期〜中期にかけて、両国や浅草周辺で絶大な人気を誇った、現在の「あんころ餅」の元祖のような和菓子です。

🔸特徴
香ばしく焼いたお餅のまわりに、たっぷりの小豆餡をまぶしたものです。

🔸背景
一説には、吉原の「行くよ」という名の遊女が引退後に始めた店、あるいはその恋人が売り出した店がルーツとされ、落語の題材にもなっているそうです。

吉原へと向かう男性たちや、浅草寺への参拝客の小腹を満たす名物として江戸っ子に親しまれていたようです。

4. 焼き菓子の元祖「今川焼き」
江戸時代中期の安永年間(1770年代)に、神田の今川橋付近の店が売り出して大ヒットした、現在の「大判焼き・今川焼き」のルーツだそうです。 

🔸特徴
小麦粉の生地を鯛焼きのような鋳型の型に流し込み、中に小豆餡を入れてふっくらと焼き上げたお菓子です。

🔸背景
手頃な価格で温かく、ボリュームがあったため、江戸の職人や庶民の間で日常の手軽なおやつとして急速に広まったそうです。
 
「江戸名物」として定着し、各地へ広がっていったファストフード感覚の和菓子たち。
 
江戸時代は、向島の「長命寺桜餅」や「言問団子」のように、「その土地の景色を眺めながら、その場所で食べる」というエンターテインメントと結びついた和菓子が、江戸っ子たちの最大の娯楽として親しまれていたのかもしれません。

🍃ふり返ってみると、
昨年11月、ビワのつぼみを見つけてから、
年末に白い花が咲くのを見守っていました。

ビワについて調べると「枇杷葉湯(びわようとう)」のことが気になりました💦

「枇杷葉湯」に含まれていた成分に驚きました。
シナモンなどの生薬が入っていたのです。

高価なはずのシナモン、日本産の肉桂(ニッキ)についても調べました。

シナモンといえばクマリン
クマリンといえば桜餅の葉っぱという流れで、
桜の葉っぱについて調べていました💦

🍃このように、桜餅の歴史を追っていると、

葉っぱ、塩、米、小豆…だけでなく、
最後に「砂糖」に行き着きました。

つまり桜餅は、
・桜文化
・保存食文化
・米文化
・砂糖文化など…

これらが重なって生まれた和菓子といえます。

そう考えると、
長命寺桜餅は単なる名物菓子ではなく、
「江戸の食文化の結晶」といえるのかも
しれません…✨

桜餅の葉の話も、ビワ の話も、
共通しているのはたぶん目立つものの奥にある、静かな価値に気づくこと。

多くの人は、
桜なら花、ビワなら実
に目が向く。

もちろんそれも美しい。

でも、その背景にはいつも、
葉が光を受けていること、
木が季節を越えて立っていること

見えないところで時間が流れている…

それは、植物を見る目であると同時に、
人や暮らしを見る目でもあるのかもしれません。

華やかな結果よりも、
そこに至るまでの時間、積み重なった背景、
見えにくい働きに心が動く。

だから、桜餅ひとつ調べても、
単なる食べ物の歴史で終わらない。

江戸の町の空気、花見のにぎわい、
桜の葉の香り、
季節を待つ人の気持ちなど…

見えないものも見えてくる。

私は、今回見えてきたテーマは、「桜」以上にむしろ、何を美しいと感じてきたのかなのではないかと思っています。

日本人が愛してきたものって、
完成されたものだけではない。

咲く前の蕾、散り際の花、
花のあとの葉桜、
熟しきる前の青い実、
旬の短い果実

そんな「途中」に宿る美しさにも、
深く心を動かされる。

これは、無常 や、
空海が見つめた世界にも、
どこか通じるものがあるのかも…

変わり続けるもの。
だからこそ、今この瞬間が尊い。

「季節がくれた、束の間の贈りもの」

この言葉も、桜やビワだけではない。

日々の暮らしの中にも、
本当はたくさんあるのかもしれない。

気づくと通り過ぎてしまうような、
小さな季節のサイン。

それを受け取れる感性、
それを思い出すことなのかもしれません…

読んでいただきありがとうございます☘️


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