芋出し画像

自由に生きたい、自分を生きたい、心の旅物語「カオル21æ­³ 颚ず旅する頃」②銀瞁メガネに癟䞇ボルト

※芋出し画像の人物むラストは自䜜です。(色鉛筆)


先週土曜日、週末の颚に乗っお—
「カオル21æ­³ 颚ず旅する頃 」第章を公開したした。
カオルはただ知りたせん、次の颚が自分をどこぞ運ぶのか。
蟿り着く先は、第章でヌ。

※ Tales小説家になろうでも公開䞭!

****************************************************************************************

🍃第2章🍃
銀瞁メガネに癟䞇ボルト


芪ず先生の勧めで、高校は山手の私立進孊校に進んだ。各クラスから十人以䞊が有名囜立倧孊に行くような、いわゆる名門校。

でも、あたし自身は、そんなのどうでもよかった。ただ、䞡芪や呚りが喜ぶから。
自分の意芋を蚀ったり、抵抗するず面倒くさいこずになるから、䜕も蚀わない。反抗しない。みんなが喜ぶようにする。それが䞀番ラクちん。

自分の気持ちを䌝えるのっお、すごく゚ネルギヌを䜿う。違う䞖界の人、違う皮類の人に䌝えるのは、癟䞇倍゚ネルギヌを消耗する。摩耗する。だから、無駄なこずにぱネルギヌを䜿いたくなかった。無駄なこずは、奜きじゃない。

でも、人生っお悪いこずばかりじゃない。もちろん、いいこずばかり続くわけでもないけど、぀たらなそうなこずの䞭にも、案倖いいこずっおある。


高校生掻には䜕も期埅しおいなかった。なのに、ある日、雷に打たれたみたいに、頭から぀た先たで100䞇ボルトの電流がビリビリ流れた。


— あたしは、恋をした—

それは、初めおの珟代囜語の授業だった。生たれお初めお、正真正銘の恋をした。面倒くさがり屋のあたしが、恋をした。
憧れ、倢、理想がそこにあった。いや、そこに “いた”。そう、たさしく初恋。

圌の名前は、オサム。あの日以来、「オサム」ずいう名前は、あたしの人生においお特別なキヌワヌドになった。オサムずいう名前を聞くだけで、党くの別人でもドキッずする。


心臓が飛び跳ねお、ワクワクしお、うっずりしお、名前に芋ずれおしたう。「オサム」ずいう名前であるだけで、誰でも玠敵に芋えおしたう。
きっず、おばあちゃんになっおもずっずそうだず思う。オサムずいう名前は、あたしにずっおキリストずか仏陀ずか、テレビに出おいるアむドルの〇〇君ずか、そういう存圚ず同じ。

あたしは、オサムを䞀生忘れない。忘れるなんお、できない。絶察に、絶察に忘れない。䞀生、想いながら生きる。あたしの感性は、オサムによっおほが決定された。そんな出䌚いだった。


ガラガラッずドアを開けお教壇に立った瞬間、目眩がした。目の前がチカチカしお、星が飛び散るような感芚。心臓が苊しくなっお、息が詰たっお、錓動が激しくなった。
「どうしちゃったの、あたし  」
16幎しか生きおいなかったあたしには、それが䜕なのか分からなかった。

そう、それは「恋」だった。気づくたで、少し時間がかかった。

先生に恋するなんお、叀くさくお、平凡で、昌ドラみたいで、ダサいかもしれない。でも、いいの。
頭で分かっおいたっお、奜きになる時は奜きになっおしたう。それはどうするこずもできないこず。


憧れ、倢、垌望、理想。党おがそこにあった。理由なんおいらない。

「日焌けした肌に銀瞁県鏡がよく䌌合う。知的な雰囲気にりットリ。文孊の匂いがする」
オサムは䞭肉䞭背、日焌けしおいた。现くお薄い銀瞁県鏡が、繊现な文孊青幎の銙りを挂わせおいた。グレヌのスヌツに癜いシャツ。ネクタむはしおいなかった。そこに「自由」を感じた。異質な䜕かを感じた。

声も玠敵だった。䜎音で、少し錻にかかったような、けだるい話し方。100䞇ボルトの電流が流れっぱなしだった。

オサムは簡単に自己玹介をしお、「䜕か質問は」ず聞いた。
みんなは静かだったけど、あたしは質問したくった。

「䜕歳ですか」

「33歳です」

「どこに䜏んでいたすか」

「暪浜垂䞭区です」

オサムは口の端を少し䞊げお、「たいったな」っお顔で答えおくれた。その衚情が、もう、たたらなく玠敵だった。

「専攻は䜕ですか」

「近代文孊です」

「どうしお日焌けしおいるんですか」

「春䌑みにスキヌに行ったからです」

「スキヌは趣味ですか」

「そうですね」

「結婚しおいたすか」

「しおいたせん」

教宀䞭が倧爆笑。あたしは質問し続けた。

「どんな本を読みたすか」

「䜕でも読みたす」

「奜きな䜜家は誰ですか」

「寺山修二が奜きかな。あず、倧江健䞉郎。女性ではマルグリット・デュラスかな」

「映画は芋たすか」

「はい、倧奜きです」

「どんな映画が奜きですか」

「ペヌロッパの叀い映画が奜きです。日本の映画はあたり芋たせんね。宮厎駿は芋るかな」

「宮厎駿の䜜品では、䜕が䞀番よかったですか」

「『耳をすたせば』が䞀番よかったな。君は」

「あ、あたしも同じです」

「そう、それはよかった」

「身長は䜕センチですか」

オサムは笑った。銖をかしげながら、ちょっず困ったような、でも優しい笑顔。倉なこずばかり聞く子だ、っお思ったんだろうけど、その笑顔にたたやられた。

みんなはゲラゲラ笑っおいた。

あたしは顔がボヌッずなっお、耳たでカヌッず赀くなっおいくのが、はっきり分かった。

「178センチです。君は」

「あ、あたしは  ひゃ、161センチです」

「これくらいでいいかな。他の人も質問あるず思うから、もっず聞きたいこずがあったら、あずで囜語科職員宀に来おくれる」

「は、はい  」

「他の人は質問ある」

「ハむ、䞭間テストの叀文ず挢文の出題割合を教えおください」

「叀文割、挢文割かな」

そんなこずどうでもいい。マゞメな子は぀たらないこずばかり聞く。


オサムは、あたしの憧れになった。倢、垌望、ワクワク、ドキドキ。俳優の劻倫朚聡にちょっぎり䌌おいお、知的な銙りに包たれおいた。玅茶で蚀えば、絶察にアヌルグレヌ。劄想はどんどんふくらむ。

コクず味わいのある爜やかなオゞサンになるに違いない。50歳になっおも60歳になっおも、お腹がポッコリ出お、加霢臭がプンプンするオダゞにはならない。そう信じおいる。


本物の初恋だった。壊しおはならない、倧切な想いず倢が、そこにあった。


あたしは、100オサムに圱響を受けた。高校幎から3幎間ずっず、オサムの圱響を受け続けた。

倧江健䞉郎を知ったのも、オサムのおかげ。教科曞はほずんど䜿わず、短線小説のコピヌを配っお、䜜品や䜜者に぀いお語っおくれた。

ある日の授業で配られたのは、倧江健䞉郎の「鳥」。その日から、あたしは倧江健䞉郎のファンになった。狂気ず正気のギリギリの狭間を描いたその䜜品は、衝撃的だった。

オサムずあたしは、感性が䌌おいるのだず思った。

寺山修叞を奜きになったのも、オサムの話から。オサムは劇団に所属しおいお、時々脚本も曞いおいた。「芋に行きたいです」っお蚀っおみたけど、オサムは笑うだけ。堎所も劇団名も教えおくれなかった。「内緒」っお蚀っお、結局3幎間、芋るこずはできなかった。

オサムから受けた圱響は、どんどん広がっおいった。

寺山修叞の本をすぐに読んだ。「曞を捚およ、町ぞ出よう」「家出のすすめ」「誰か故郷を思わざる」「田園に死す」題名だけで、グむグむ惹かれた。魂に突き刺さった。

あたしは寺山修叞ずは同時代を生きおいない。オサムが話しおくれた時には、もう亡くなっおいた。それでも惹かれお、倢䞭になった。

「家」が倧嫌いだったあたしは、「家出のすすめ」を読んでホッずした。
家がキラむでもいいんだ、明るく、あっけらかんず家出しおもいいんだ、そう思えた。それたでは、「家がキラむ」っお蚀っちゃいけない気がしおいた。キラむっお思うだけで、うしろめたくお、眪悪感があった。
「やっぱりあたしっお、いけない子なんだ」っお思ったりしおいた。でも、ぜんぜん違った。
家を捚おるこずっお、むしろいいこずなんだよっお、教えおもらえた。

「チェ・ゲバラ」この名前も、オサムから知った。誰だろうっお気になっお、あれこれ調べた。キュヌバ革呜の戊士だず知っお、ものすごく興味が湧いた。偶然、叀本屋でゲバラの日蚘を芋぀けお、貪るように読んだ。

ゲバラはカッコよかった。オサムずは違う皮類の「憧れ」が湧いた。呜を賭けお戊う人は、カッコいい。

ずにかく、オサムが話しおくれたこずには、なんでも興味が湧いた。
だっお、オサムに恋しおたから。恋する人が話すこずに、興味が湧くのは、圓然のこず。同じものを芋぀めお、同じこずを感じお、分かり合いたかった。

オサムのこずは、なんでも知りたかった。あたしのこずも、もっずもっず知っおほしかった。

それっお、やっぱり恋でしょう

「恋」は「恋」だけど、䞖間で蚀う男女の恋愛ずは、たったく違うものだった。それは「壊しおはならないもの」
たさしく「憧れ」「偶像」

だから、距離が近づくこずなんお、望んでいなかった。憧れっお、遠くから想うもの。「故郷は遠きにありお想ふもの」っお詩もあるしね。


故郷に限らず、手を觊れずに、壊さずに、遠くにいお、倧切にしたいものっおある。もちろん、圓時のあたしはそんなこずに無自芚だったけど。

だから、オサムの日垞生掻を知りたいずは思わなかった。ただ、小説の話をしたり、源氏物語や埒然草に぀いお語り合えれば、それでよかった。
オサムがどう感じお、どう思っおいるか。それだけを知りたかった。䜕時に起きお、朝ごはんに䜕を食べお、䜕色の靎䞋を履いおいるか、そんなこずは、どうでもよかった。知りたいこずじゃなかった。


その孊校は、教科ごずに職員宀が分かれおいた。瀟䌚科は䞀階、数孊科は本通の四階、化孊科、生物科はたた別の棟。

あたしは、囜語科職員宀に通っおいた。オサムず倪宰治に぀いお話すだけで、りットリした。オサムは誰が来おも、い぀もニコニコず優しく盞手をしおくれた。

文孊青幎の銙り。
䞊品な物腰。
䜎くお優しい声。
あたしは、やられっぱなしだった。


近づかない。
壊さない。
倧切な想い。
それだけでよかった。

それが、あたしの人生における倧きな出来事。あたしの初恋。


—第3章ぞ続く―
毎週土曜日、颚がたた旅を運んでくるように、
カオルの物語がひず぀ず぀進みたす。
旅の続きをどうぞお楜しみください。

※ Tales小説家になろうでも公開䞭!

党10話 URL

第章ヌプロロヌグ "嘘ず自由” 
第章 銀瞁メガネに癟䞇ボルト 
第章 鏡の䞭のナディト 
第章 18歳ヌ心地よい共犯者
第章 19歳ヌ季節が終わる頃
第章 階段の䞊のヒロシ
第章 オトナぞの道
第章 「死」は、すぐそこに
第9ç«  めぐり䌚う魂
第10ç«  21歳、颚ず旅する頃 
あずがき投皿を終えおヌ

◆マガゞン






最埌たで読んでくださった方ぞ
心よりありがずうございたした😊



<2024幎以前の蚘事はこちらぞ>
https://ayanochiyu.blog.fc2.com/
◆Insta
Artwork
https://www.instagram.com/arles1988/
お問合せはこちらをクリック♪


いいなず思ったら応揎しよう

この蚘事が参加しおいる募集