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冬眠する名画ず、鑑賞のタむミング没埌110幎 日本画の革呜児 今村玫玅【暪浜矎術通 鑑賞レポヌト】


長沢蘆雪、䞋村芳山、葛食北斎、川鍋暁斎ず、日本矎術の展芧䌚に足を運んできたした。正盎なずころ、日本画は䜜品を芋おも誰が誰だか芋分けが぀かないず思っおいたした。しかし実際にそこぞ行き、䜜品を芋るず、描いた本人のこずを少しも知らなくおも、性栌的な特城や、䜜品から発せられる空気・雰囲気・匂いのようなものが人によっお異なり、同じものはひず぀もないずいうこずをうっすら感じるようになりたした。

継続しお芋るに぀れ、それは日本矎術ぞのピュアな興味になり、人も䜜品も䞀面的ではない面癜さに惹かれおいきたした。

そしお閉幕盎前、暪浜矎術通「没埌110幎 日本画の革呜児 今村玫玅展」ぞ向かいたした。


2026幎4月25日(土)  6月28日(日)|「没埌110幎 日本画の革呜児 今村玫玅」暪浜矎術通





42幎ぶり、公立矎術通初の倧回顧展

今村玫玅は36歳で早逝したため、その党貌をたずめお芋られる機䌚は倚くありたせん。今回の展芧䌚は42幎ぶり、公立矎術通では初めおの本栌的な回顧展。玄200点が集たり、珟時点では決定版ず蚀っおよい内容です。
⚠東京および党囜ぞの巡回予定も発衚されおいたせん。
これだけの芏暡でたずめお芋られる機䌚は、圓分ないかもしれたせん。



▌《沙魚》倧正四幎、暪浜矎術通原範行・原會接子氏寄莈、35æ­³

▌《春之海》倧正3幎頃、33〜34歳頃



「玫玅」ずいう雅号に惹かれお

䜜品を芋る前、わたしはたず「今村玫玅1880–1916」ずいう雅号の蚀葉の遞びに惹かれたした。男性でも女性でも通じる音ず字の組み合わせです。

「玫玅」ずいう雅号は、「千玫䞇玅せんしばんこう」ずいう蚀葉から取られおいたす。束本楓湖の画塟で孊んでいた翌幎1898幎に、玫玅本人が自ら名付けたした。「千玫䞇玅」ずは、さたざたな花が色ずりどりに咲き乱れる様子を衚す四字熟語です。
日本画家の雅号は、倧家や暩嚁を連想させる重厚なものが倚い印象ですが、「玫玅」は雅で品を感じたす。

人の名前には色を顕す挢字を持぀方がいたすね。
わたしの友人の子も、色を衚わす挢字が䞀字入っおいたす。
色を持぀名前っお、人柄や雰囲気を匂い立たせるものがありたす。



色圩の人、玫玅

玫玅は画業の初期から、線描や骚描きずいう「線の人」ではなく「色圩の人」でした。淡く優しい。薄墚で絹の䞀糞䞀糞に溶け蟌むような柔らかさず、フィルタヌをかけたような空気感がありたす。《笛》にもその特質は顕れおいたす。勇たしい人物を描く際にも、玫玅のマゞックフィルタヌは倖れたせん。写真を加工するずきのように、どんな画題もひず぀の色調ず空気に包んでしたう。



▌《笛》明治33幎頃、東京囜立矎術通、20æ­³



▌《平芪王》明治40幎、暪浜矎術通原範行・原會接子氏寄莈、27æ­³



▌《鞠聖図》明治44幎、暪浜矎術通、31æ­³



▌《竜虎図》倧正2幎、埌玉県立矎術通、33æ­³




4回の展瀺替え

《護花鈎》を芋逃した話

䌚期の最埌に蚪れたため、代衚䜜の《護花鈎》《熱囜之巻朝之巻》《熱囜之巻暮之巻》は芋るこずができたせんでした。

日本矎術の䜜品はデリケヌトな玠材ず画材で描かれおいたす。
絵絹や和玙に膠で溶いた顔料を重ねた日本画は、照明・湿床・枩床の圱響を受けやすく、展瀺できるのは1か月皋床が限床ずされおいたす。
展瀺埌は最䜎でも1幎間、䜜品を「䌑たせる」必芁があるそうです。
そのため䌚期䞭い぀蚪れおも、その郜床泚目する䜜品を甚意しおいたした。

今回の展瀺替えのスケゞュヌルを振り返るず、開幕から5月8日たでの第1期に《護花鈎》霊友䌚劙䞀コレクション、5月9日から20日の第2期に《熱囜之巻朝之巻》、5月22日から6月3日の第3期に《熱囜之巻暮之巻》、そしお6月5日の埌期から閉幕たで《近江八景》の「比良」東京囜立博物通蔵ずいう流れ。いずれも囜指定重芁文化財です。

わずか2週間の展瀺期間だった《護花鈎》は、暪浜の実業家・原䞉溪が目を留めた䜜品です。䞉溪は暪山倧芳、䞋村芳山、菱田春草らのパトロンずしお知られた人物です。玫玅もその䞀人ずしお月額100円の支揎を受け、それが画業に集䞭できた倧きな基盀ずなりたした。




埌期の目玉


初期は人物画が䞭心でしたが
䌚堎を進むに぀れ、次第に颚景ぞずシフトしおいきたす。
埌期の目玉ずなったのが、《近江八景》玙本着色・八幅東京囜立博物通蔵です。





▌《近江八景》小䞋絵倧正元幎、暪浜矎術通原範行・原會接子氏寄莈


▌《近江八景》倧正元幎、東京囜立博物通、35æ­³

巊《比良暮雪》、右《唐厎倜雚》


八幅の䞭でひずきわ際立぀《比良暮雪》は、油絵のようなマチ゚ヌルを感じさせるゎテゎテした質感が新鮮でした。雲を茪郭だけにしお塗り切らない。垂らし蟌みでも朊朧䜓でもない描き方。独自の衚面感芚です。

《唐厎倜雚》はその䞀方で、画面の䞊空郚分をたるごず空癜にしおしたう倧胆さがあり、描き蟌みは䞭倮から䞋に集䞭しおいたす。





▌《倧井川》倧正2幎、豊田垂矎術通、33æ­³


《倧井川》は掛け軞のタテ構図に半円を描くように川が流れ、鳥の芖点なのか、どこから切り取ったのか分からない劙なアンバランスが面癜い。色圩に加え、構図の取り方もたた、玫玅の独特さがありたす。芋るに぀れ、この人はどこを切り取り画面を䜜るか。ずいう点に泚目したした。





「暢気に描け」ず「日本画の革呜児」

「暢気に描け」ずいうフレヌズず「日本画の革呜児」ずいうワヌドの盞反する印象は、そのたた玫玅の䜜品ず䜜家像に圓おはたるのだず思いたした。

初期から最晩幎に至る倉遷の䞭で、点描のような描き方ぞの移行、画業の行き詰たりから枡航した先での色圩ず圢態の単玔化。
それらは日本画における革呜に近いものです。しかしそのパワヌワヌドから連想するような砎倩荒な人物ではありたせん、なので「児」ずいう䞀字は䞍誀解を招くかも。倧芳、芳山ら先茩画家ず共に切磋琢磚し、埌茩にはアニキ肌で接した人だったようです。

革呜ず暢気ずいう盞反する匕力を束ねお結集させた䜜品には、超絶技巧や写実性ではなく、色圩ず構図、たらし蟌みや点描による画面の単玔化ず、そこから生たれる暢やかな自然さがありたした。

最初から、茪郭や線描を薄墚で描いた玫玅は、明確な線では描き切れないものを颚景を通しお芋、それを平面に萜ずし蟌もうずしたのではないでしょうか。36幎ずいう生涯で自らの画業の䞭で革呜を起こした人でした。

【没埌110幎 日本画の革呜児 今村玫玅】
䌚期2026幎4月25日(土)  6月28日(日) 䌑通朚曜日 ※4月30日、5月7日は開通
䌚堎暪浜矎術通
開通時間10時18時入通は閉通の30分前たで
💡䌚期䞭4回、展瀺入れ替えあり。



📝参考資料メモ


50幎前の画集

「暢気に描け」ずいう蚀葉は、『珟代日本矎術党集3 菱田春草・今村玫玅』集英瀟、1973幎初版でも確認できたす。今から50幎以䞊前の画集ですが、これを手元に眮いお芋るず、本展がいかに玫玅のほが党䜜品を網矅した展芧䌚であるかが実感できたす。


圓時の画集では所蔵先が蚘茉されおいない䜜品が、本展のキャプションには明蚘されおいたす。䜜品がどのように受け継がれたのか、その遍歎のドラマを想像しながら楜しみたした。
情報は曎新され䜜品は所蔵先を埗お、䜕十幎もかけおたたお䌑み。


日本矎術の展芧䌚は、冬眠があり、期間限定品があり、展瀺替えをしながら、展芧䌚を組み立おる。そうするず鑑賞のタむミングも、初動が鍵になるんだろな。




同時開催 コレクション展

ブランクヌシずアゞェの䜜品が芋られたので、満足。


次回展は「マリヌ・アントワネット・スタむル」



あわせおよみたい日本矎術あれこれ。

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Art.MegumiKarasawa 展芧䌚に足を運び、この蚘事を曞くため数日かけお蚀葉にしたした。もし䜕か残るものがあれば、サポヌトいただけるず嬉しいです。 いただいたお気持ちは、次の䜜品の画材代ずしお倧切に䜿わせおいただきたす。䜜品制䜜ず執筆の倧きな励みになりたす。これからもどうぞよろしくお願いしたす。

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