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関西のアジングは何月が釣れるか|月別に変わるんは群れのほう

「アジング 時期 関西」で調べたら、月別の表がようけ出てくるやんか。秋がベスト、冬は尺(30cm級)が出る、春は鬼門。ほんで隣の記事を開いたら、また違うことが書いてある。どれを信じたらええんか分からんようになるやんな。

先に結論を言うとくわ。あの表が食い違うんは、誰かが間違えてるからやない。「月」が指してるもんが、記事ごとにちゃうからや。

関西の岸で釣れるアジは、一年じゅう同じ魚がそこにおるわけやない。大阪湾には、外から入ってきて寒なったら出ていく群れがおる。外に向いた海には、そこに居着いたまま年をまたぐ群れがおる。月が替えてんのは、岸に来てる群れのほうや。

せやから月別の表は、「いま岸に、どの群れが来てるか」の表として読むほうが当たる。今日はそれをやるで。使うんは、公的機関が出してる数字と、実際に現場を見てる人の言葉だけや。



関西の月別が割れてんのは、月が群れを指してるから

アジの一年を「何月に何が釣れる」で覚えようとすると、どうしても合わへん年が出てくる。去年の10月にようけ釣れた場所へ、今年の10月に行って一匹も触られへん。そういうことが普通に起きる。

覚えるんは月やない。月の裏で動いてる、群れのほうや。

 

関西の1年は、3つの動きでできてる

■ 【入ってくる】 その年に生まれた魚が、岸まわりまで寄ってくる
■ 【大きなる】 入ってきた群れが、そのまま岸で太っていく
■ 【抜ける】 水温が下がって、その群れが岸から離れる

その月に何が釣れるかは、この3つがどこまで進んでるかでだいたい決まる。豆アジしか釣れへん月は【入ってくる】の直後やし、型が揃う月は【大きなる】が進んだあとや。月は、その進み具合につけた目盛りにすぎん。目盛りだけ覚えても、裏で動いてるもんを知らんかったら読めへんわな。

ほんで、この3つを動かしてんのは水温や。せやから同じ10月でも、年によって進み具合がちがう。9月の終わりにはもう抜けはじめてる年もあれば、11月に入っても【大きなる】が続いてる年もある。月は目安として置いといて、進み具合のほうを毎年見にいく。それが月別カレンダーとのいちばんええ付き合い方やと思てる。

ほんで、ここからが関西の話や。この3つの回り方が、海によってまるでちゃう。

大阪湾みたいな内湾は、3つとも1年で終わる。入ってきて、太って、抜ける。きれいに一周や。ところが外洋に向いた海は、【抜ける】がはっきり起きひんまま、次の年の【入ってくる】が重なってくる。同じ月でも、岸におる魚の学年がちがうことになる。

だから関西のカレンダーは、1枚では足りひん。2枚あると思て読んでほしい。自分が立ってるほうの1枚だけで、その月の答えは出る。

 

これは、疑う順番7段とは別の話や

このブログでは、釣り場で釣れへんときに何から疑うかを7段の順番で書いてきた。あれは竿を出してからの話や。今日の3つは行く前の話やから、混ぜんといてな。

強いて位置を言うたら、月は7段のいちばん手前よりも、さらに外側にある。自分では絶対に動かせへんからや。時間も潮も、その日のうちなら多少は選べる。けど月は選ばれへん。行く日が10月やったら、そこにあるんは10月の海だけや。

動かせへんもんは、疑うんやのうて、読むしかない。読み方さえ持っといたら、外れの月に無駄な期待をせんで済むし、当たりの月にちゃんと予定を空けられる。


大阪湾のアジは、湾で生まれた魚やない

太平洋から来て、初冬に帰っていく

大阪府立環境農林水産総合研究所が公開してる「大阪湾のさかな図鑑」に、マアジのことがはっきり書いてある。

大阪湾へは、太平洋で生まれた稚魚が、餌を求めて来遊してきます。これらの稚魚は水温が低くなる初冬まで大阪湾で成長し、その後太平洋に帰っていきます。

さらっと書いてあるけど、これ、めちゃくちゃ大きい話やねん。大阪湾で釣ってるアジは、大阪湾で生まれた魚やない。太平洋のほうで生まれて、餌を追いかけて湾に入ってきた子供らや。ほんで水温が下がったら、また出ていく。

大阪湾のアジングは、寄ってきてる魚を何ヶ月か貸してもろてる釣りやということになる。

同じページには、年によっては生後1年経った20cm前後の大きいマアジも獲れる、とも書いてある。「年によっては」やで。良型が混じるかどうかも、その年の群れ次第ということやんな。今年は型が出えへんな、というのは、そもそもその学年が入ってきてへんという話かもしれん。

現場から見た景色も、ちゃんと重なる。つり人オンラインの大阪湾の記事には、5〜6月ごろから漁港まわりで豆アジや小アジが釣れはじめて、ひと潮ごとにサイズアップしていく、と書いてある。研究所の「初冬まで大阪湾で成長し」と、現場の「ひと潮ごとにサイズアップ」。言葉はちゃうけど、指してるもんは同じや。

つまり大阪湾では、おんなじ群れがそこで育ってる。月別カレンダーの正体は、その成長の記録やねん。せやから月がひとつ進むごとにサイズの目安も一段上がる、という読み方でだいたい当たる。

 

入る年と、入らん年がある

もうひとつ、先に言うとかなアカンことがある。大阪湾は、毎年おんなじ表が回る海やない。

井上海生さんが2024年12月にTSURINEWSへ書いた大阪湾の状況報告に、こういう一文がある。

去年久々に入るまで、少なくとも大阪湾奥では、約3年間、影も形も見なかった魚だ

3年やで。カレンダーどおりに秋が来ても、群れが入ってへんかったら釣れへん。外から来る魚を待ってる海やから、来る年と、来えへん年がある。同じ記事では、その年は湾奥でも垂水でも泉南でも釣れてる、とも書いてはる。年によって、湾ぜんぶが当たりにも外れにもなるということや。

これ、読んでる人にとってはけっこう救いのある話やと思てる。9月に大阪湾で釣れへんかっても、それがそのまま腕のせいとは限らん。その年、まだ入ってきてへんだけということが現実に起きる。

ほな何を見て判断したらええんか。自分の記録や。同じ漁港へ何回か通て、去年の同じころと比べる。豆アジのサイズでも、アタリの数でもええ。紙の暦より、自分の去年のほうが当たる。


外向きの海には、居残る群れがおる

瀬付きと、回遊と

東京都島しょ農林水産総合センターがマアジの解説で、群れを2種類に分けてる。内湾や瀬などに定着する「瀬付き」の魚群と、沖合を回遊する魚群や。

つまりアジには、居着いてるやつと、旅してるやつがおる。大阪湾で相手にしてんのは旅してるほう。紀伊水道や、外洋に面した磯まわりには、居着いてるほうがおる。

同じ「アジ」という1語で呼ばれてるけど、この2つは月の動き方がまるでちがう。月別の表が食い違う理由の半分は、ここにある。書いた人は、別の群れの話を、同じ「アジ」という言葉でしてるだけやねん。

ほんで居着いてる群れは、地形にくっついてる。このブログでは前から、良型が出えへんのは地形の可能性がある、と書いてきた。深場に隣接してへん漁港は、そもそも良型の生活圏に接してへんからや。居残る群れがおるかどうかは、その理屈の延長にある。外洋に開けてて、すぐ横に深いとこがある場所ほど、年をまたいで魚が残りやすい。

 

だから関西のカレンダーは2枚ある

三重県水産研究所が、志摩のまき網で獲れるマアジの体長を月で並べてる。1月から6月は尾叉長——口の先から尾びれの中央のくぼみまでの長さや——で20〜25cm程度が主体。7月以降に15cm程度の0歳魚が加わって、春と秋には30cm程度の大型も混じる、と。

これ、大阪湾の表とほぼ正反対やんか。整理するで。

■ 大阪湾(内湾) → 夏に小さいのが入ってきて、秋に太って、初冬に抜ける
■ 外洋に向いた海 → 冬から春が20〜25cmの帯で、夏になってから小さいのが足される

和歌山県の公式ページを見ても、マアジの旬は夏(7月から8月)、主漁場は紀伊水道およびその周辺海域、となってる。県内では20cm程度を「トツカアジ」と呼んで珍重する、とも書いてある。20cmに専用の呼び名がついてるってことは、そのサイズが日常的に上がる海やということやんな。大阪湾で20cmが出たら「今年は型がええな」になるのに、和歌山では名前で呼び分けられてる。同じ関西で、この差や。

ほな自分がどっちの表を見たらええんか。見分け方は難しない。湾の奥まったとこ、港の内側、まわりが埋立地——そういう内湾側なら1枚目。岬の先、水道に面したとこ、外洋に開けてて足元から深い場所なら2枚目。この判定を先に済ませんまま月別の表を読むから、合わへんかったときに自分の腕を疑うことになる。


月別に、何が釣れるか

3つの動きと、2枚のカレンダーを重ねて、月の並びに落としていくで。群れが入ってくる順に並べてあるから、頭から読んでもええし、いまの月のとこだけ拾てもええ。

 

6〜8月:入ってくる。数は出るが、サイズは選べへん

大阪湾側は5〜6月ごろから豆アジが出はじめて、7〜8月にいちばん濃くなる。常夜灯の下がアジだらけになる夜がある。ただしサイズは選べへん。主役が、生後半年もいってない魚やからや。

東京都島しょ農林水産総合センターの成長の目安では、生後1年で体長10〜18cm、2年で18〜25cm。夏の豆アジは、その1年目にすら届いてへん学年ということになる。小さいのは、そこにおる魚がまだ小さいだけや。

外洋側もこの時期に0歳魚が加わりはじめる。和歌山は夏が旬。つまり6〜8月は、関西のどこに立ってもアジがおる月や。いちばん外れが少ない。始めるならここやと思う。数が釣れると練習量が稼げるし、アタリの出方の物差しもこの時期に作れる。

この月の設定は、豆アジに寄せるならジグヘッド0.6g、フックは#12(ダイワの棚で言うと、基本の#10より一段小さい番手や)、リーダーは0.6号を30cmくらいまで落としてええ。ドラグは緩めたままにしとくこと。掛かりが浅い魚やから、締めると外れる側の事故が増える。

ここで一式そろえ直す必要はないで。基本は1.0gと#10と2インチのままで、そこへ0.6gと#12を一段ぶん足すだけや。ジグヘッドは重さごとに別パックやから、パックを1個増やすだけで済む。秋になったら基本のほうへ戻す。

逆に、豆アジのあいだから型のええのを抜きたいんやったら、仕掛けを小さいまま通したらアカン。それより、境目の暗い側へ立ち位置を寄せるほうが先や。

豆アジばっかりになった夜に何をするかは、こっちにまとめてある。

 

9〜11月:大きなる。数とサイズがいちばん噛み合う

夏に入った群れが、そのまま太っていく時期や。ひと潮ごとにサイズアップ、という現場の言葉がいちばん効くんがここ。数が残ったままサイズが上がるから、一年でいちばん噛み合うのが秋というのは、関西でもそのとおりや。

大阪湾側で言うと、夏に10cm前後やった魚が15cmを超えてくる。ここで20cmに乗ってくる年は当たり年や。さっきの成長の目安で言うたら、20cmは生後1年から2年の帯やからな。秋の20cmは、去年の群れが混じってるという読み方もできる。

つり人オンラインには、秋口に夜のゴロタ浜——石がごろごろ転がった浜辺のことや——みたいな潮通しのええ浅場で、35〜40cmクラスが回ってくるタイミングがある、とも書いてある。ただしこれは「タイミングがある」であって、毎晩並んでるという話やない。当たったら儲けもん、くらいに構えとくほうが健全やと思う。

道具の側でやることは、はっきりしてる。夏に豆アジ用へ落とした設定を、ここで戻す。ジグヘッドは1.0g、フックは#10、ワームは2インチ。クリア系のラメ入りが1色あったら十分や。夏のまま小さい仕掛けで通してたら、大きいのが口を使うても針が小さすぎて刺さりきらへん。秋に型が出えへんという悩みの何割かは、これやと思てる。

レンジのほうは、数が出るからいうて表層で止めへんこと。明るい真ん中の表層にコツコツ当たるんが豆アジで、境目の暗い側の一段下でモタッと重みが乗るんが良型、という分かれ方は秋も変わらへん。数が出る月やからこそ、同じ場所で上下に刻んで比べられる。

あとひとつ、この時期から気にしといてほしいんが風や。風が出ると糸が水の上で膨らんで、その時点で手元に返ってくるアタリは全部消える。対処は立ち位置を変えるか、重さを一段上げるかの2択しかない。せっかく群れがいちばん濃い月に、風だけで一晩を潰すんはもったいないからな。

 

12〜2月:抜ける。湾が薄なって、残るんは深いとこと外向き

大阪湾側は、ここで群れが抜ける。研究所が書いてるとおり、初冬に太平洋へ帰っていく。冬の湾で釣れへんのは、腕でも道具でもなくて、魚がもうそこにおらへんことがある。

いっぽう外洋に向いた海は、1月から6月が20〜25cmの帯やった。「冬は釣れへん」と「冬こそデカいのが出る」は、どっちも正しい。ただ、見てる海がちゃうだけや。月別の表がいちばん派手に割れるんが、この3ヶ月やねん。書いてる人が湾の中を見てるか、外向きの海を見てるかで、結論が真逆になる。

湾に残った個体も、岸壁のすぐ足元から深いほうへ落ちる。やることは単純で、レンジを下へ持っていくのと、そこまで届かせるために重さを一段上げる勇気を持つことや。冬に軽いまま粘っても、狙った深さに入る前に流されて終わる。カウントは取り直すこと。夏に作ったカウントは、冬の水にはもう合わへん。

刻み方の手順そのものは、レンジの記事にまとめてある。

ほんで、この時期に湾で粘るか、外向きの場所へ移るかは、はっきり分かれ道になる。通う場所を替えるんも、手のうちの一枚や。冬に型を見たいんやったら、居残る群れがおる側へ行くしかない。

 

3〜5月:入れ替わり。関西の暦は、関東より一段早い

ここがいちばん誤解されてるとこや。

東京都島しょ農林水産総合センターによると、マアジの産卵期は西日本太平洋岸で1月から5月、関東近海で5月から7月。関西のほうが、2ヶ月ほど早い。

ルアマガプラスで連載してる渡邉長士さんも、産卵が絡むとアジがおるのに食わんようになる、という話を書いてはる。ほんでその説明で産卵の最盛期を5〜7月やと出すとき、頭にちゃんと「関東では」と付けてはるねん。

問題は、それを読む側で「関東では」が落ちることや。全国向けの月別記事の「春」を、そのまま関西に当てたらズレる。関東で4〜5月に来る難しい時期が、関西では2〜3月に前倒しで来る計算になる。産卵期のズレから引いた話やから幅は見といてほしいけど、向きは間違えてへんはずや。春の記事を読んで「まだ3月やし大丈夫やろ」と構えてたら、関西ではもう峠に入ってた、ということが起きる。

ほんで4〜5月の関西は、産卵の峠を越えた魚と、次に入ってくる新しい群れの、入れ替わりの時間や。数はまとまりにくい。そのかわり、残ってる魚は大きい。三重県水産研究所も、春と秋には30cm程度の大型が混じると書いてる。春は、1匹の型を見る月やと思て行くほうが気が楽やで。

5月の後半になったら、次の【入ってくる】の入口や。そこからまた1枚目のカレンダーが回りはじめる。


水温も、絶対値やなくて相対値

このブログでは最初の記事から、常夜灯の明暗は絶対値やなくて相対値で見ろ、と書いてきた。まわりと比べてどうか、という話や。

明暗の見方そのものは、一本目の記事でみっちりやってる。

水温も、まったく同じ考え方でええ。何度になったら釣れる、という数字は覚えんでええし、そもそも媒体ごとに書いてある数字がちゃう。ウチはそこは断定せえへんことにしてる。見るんは平年との差のほうや。

 

平年との差は、毎日公開されてる

大阪府立環境農林水産総合研究所の水産技術センターが、「大阪湾水温速報」というページを毎日更新してる。岬町の沿岸で毎日9時に測った水温と、平成4年からの平均=平年値、ほんでその差までそのまま並べてある。誰でも見られる。

この記事を書いてる2026年8月26日に載ってた数字は、本年度27.7℃、平年26.2℃。差は+1.5℃や。

大事なんは27.7という数字やない。+1.5のほうやねん。平年より温い年は、さっきの3つの動きが前へずれる。冷たい年は後ろへずれる。豆アジが湧く月も、群れが抜ける月も、毎年おんなじ日付では来えへん。

去年うまいこといった週に今年も行って、なんか薄いなと思たら、まず差を見にいく。今年が早いか遅いかという話かもしれん。しかもこれは、家におるあいだに確かめられる。夜の漁港で悩む前に片付く種類の疑問やということやな。

使い方は単純でええ。行く前に差だけ見て、プラスに振れてる年は月別の目安を半月ほど前へ、マイナスに振れてる年は半月ほど後ろへずらして読む。それだけで、去年の記録との比べ方がだいぶ楽になる。厳密な数字を出す話やないねん。今年が早いんか遅いんか、その向きさえ分かってたら十分や。


月が決まっても、疑う順番は変わらへん

月が読めたからいうて、それで釣れるわけやない。月で分かるんは、その夜、岸にどの群れが来てる可能性が高いかまでや。そこから先——立ち位置も、レンジも、動かし方も、重さも、全部いつもどおり自分で潰していかなアカン。

いちばんもったいないんは、釣れへんかった夜を「今月はそういう時期やから」で終わらせてまうことや。それをやると、手元に何も残らへん。ほんまに時期のせいやったのか、それとも立ってる場所が明るすぎただけやったのか、確かめんまま次の月まで持ち越すことになる。7段そのものは、柱の記事に全部書いてある。

自分で変えられへんもんから確認して、変えられるもんへ降りていく。これはこのブログの背骨で、月はその外側の一段目にあるだけや。読むだけ読んで、あとは順番どおりに降りたらええ。

ほんで、これだけは言うとくわ。月は言い訳にはならへん。外れの月やと分かってても、その夜に自分がやったことは手元に残る。逆に、当たりの月に行って釣れへんかったんやったら、それはもう月以外に原因があるということや。カレンダーは、原因の候補を1個減らすための道具やと思といてほしい。

ほんで、この月の話と「その日の何時に入るか」をひとつに繋げた記事もある。時期のほうが釣れる時間の長さを決めてるねん。


まとめ

関西のアジングの月別を、もういっぺん短うまとめとくで。

月が替えてんのは、岸に来てる群れのほう
関西の1年は、3つの動きでできてる(入ってくる → 大きなる → 抜ける)
大阪湾は外から来る魚を待ってる海やから、入る年と入らん年がある
外向きの海には居着いてる群れがおるので、冬から春が20〜25cmの帯になる
6〜8月は数、9〜11月は数とサイズ、12〜2月は湾が薄なる、3〜5月は入れ替わり
水温は、平年との差で見る

ほんで、いちばん持って帰ってほしいんはこれやねん。月は、全国共通の物差しやのうて、その海の方言や。ジグヘッドの0.6gがメーカーごとの刻み方でしかないのとおんなじで、「10月」も、どこの海の10月かが抜けたら意味が半分になる。関西で釣るんやったら、関西の暦で読む。

ほんで最後は、自分の漁港で去年つけた記録がいちばん強い物差しになる。今年の分から始めたらええねん。


よくある質問

Q1. アジングの聖地は関西のどこですか。
A. 場所より、月のほうが効きます。関西の岸から狙うなら、大阪湾側は夏に小型が入ってきて初冬に抜けるサイクル、外洋に面した紀伊水道側は年をまたいで群れが残る、というちがいのほうが釣果を分けます。同じ「関西」でも、9月の大阪湾と2月の大阪湾では岸におる魚がちがいます。有名な漁港の名前を覚えるより、いま自分が行ける範囲の海が湾の奥か外洋向きかを先に決めて、そこの月別を1年ぶん自分でつけるほうが当たるで。

Q2. 大阪湾は冬になると釣れなくなるのですか。
A. 湾の中は薄くなります。大阪府立環境農林水産総合研究所が、大阪湾のマアジは太平洋で生まれた稚魚が来遊してきたもので、初冬まで湾で成長したあと太平洋へ帰る、と公開しています。冬に釣れへんのは、魚がもう湾におらんという可能性が現実にある。深いレンジに残ってる個体を拾うか、外洋に面した側へ移るか、という判断になるわ。

Q3. 和歌山と大阪湾で、釣れる時期は違いますか。
A. 違います。大阪湾は夏に小型が入ってきて初冬に抜けるサイクルですが、外洋に面した側は年をまたいで群れが残ります。三重県水産研究所は、志摩のまき網で1月から6月は尾叉長20〜25cm程度が主体、7月以降に15cm程度の0歳魚が加わると公表しています。同じ月でも、岸におる魚の学年がちゃうということやな。

Q4. 全国向けの月別カレンダーは、関西でも当てになりますか。
A. 春の部分だけは、そのまま当てはめないほうがよいです。マアジの産卵期は西日本太平洋岸で1月から5月、関東近海で5月から7月と、2ヶ月ほどずれています(東京都島しょ農林水産総合センター)。関東基準で「4〜5月は難しい」と書かれた話は、関西では2〜3月に前倒しで来る計算になる。夏と秋のところは、関西でもだいたい合うで。

Q5. 今年が例年より早いか遅いかは、どうやって調べますか。
A. 大阪府立環境農林水産総合研究所 水産技術センターの「大阪湾水温速報」で、平年との差が毎日公開されています。岬町の沿岸で毎日9時に測った水温と、平成4年からの平均値が並べてあります。2026年8月26日時点では平年より1.5℃高い状態でした。温い年は季節の進みが前へ、冷たい年は後ろへずれるので、去年と同じ週に行って薄いと感じたら、まずここを見にいったらええ。


月別の表は、覚えるもんやのうて、作るもんやと思てる。

去年の10月に何が釣れたか。今年の8月は平年より何度高かったか。それを自分の漁港で1年ぶん貯めたら、どんな全国版のカレンダーより当たる表が手元に残る。

夜の漁港で、これ1本開けば順番に潰せる。この手帖の順番を、まとめて1冊にしてあるわ。

ブログの中の人のことも、よかったらこっちで。

ほな、また。

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