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【ゼルサポ遠征記】2604 ACLE決勝 <本編>ジェッダに散る(6)

<本編>

初出場初優勝まであと一歩
ジェッダに散る

決勝3日前にサウジアラビアへ行くことを決断し未知の国へ向かった話と、行ってみたらサウジアラビアという国やイスラム教についてとても興味がわいた話

プロローグ、本編、番外編 と続く予定

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(6)
バスの集合時間が近付いてきたので、レッド・シー・モールからUberでホテルに戻った。すでにホテルにはゼルサポが集まり始めていて、いよいよ数時間後にACLEの決勝が始まるという緊張感と、あと1つ勝てばアジアの頂点という期待感に包まれていた

AFCが手配してくれたバスはなんとも豪華なバスで、しっかりACLEのロゴもラッピングされ、選手が乗るバスのようだった。てっきり普通の観光バスが来るものと思っていたので、これには周囲のサポも含め、みなテンション爆上がりだった

ACLEラッピングが施された豪華バス

14時過ぎ、バスは決戦の地、キング・アブドゥラー・スポーツシティ・スタジアムへ向けてホテルを出発した。ホテルからスタジアムまでは約20km、だいたい15分くらい・・・のはずだった

異変に気付いたのは出発してすぐの事だった。GoogleMapでホテルからスタジアムまでの経路はあらかじめ見ていて、ほぼ曲がることなく大きな幹線道路で1本の道のりだった。しかしバスはここ曲がるの?というような細い路地に入っていった

大型バスが普通は走らないような細い路地を進み、なぜか舗装もされていない空き地を通り抜け、右往左往したのち、出発地のホテル前に戻ってきた。なんの説明もなく、謎の徘徊、まったくもって意味がわからなかったが、まあ、運転手が道を間違えたのかな?くらいに思った

しかしその後もバスはスタジアムと反対方向に向かったり、結局出発地のホテルの前を3度通るという、もはやギャグのような展開。途中から、もしかしてこれは意図的にやってるのでは?と思い始めた。相手チームの差し金によるゼルサポ陽動作戦ではないかと。まあ、それは冗談としても、結局15分のはずの道のりが1時間超の道のりになった

快晴の空の下にスタジアムが見えてきた。スタジアムの周りには高い建物はなく、砂漠に佇む王宮のような貫禄だった。アル・アハリサポが乗った車も続々と集結し始めており、こちらに気付いてクラクションを鳴らしたり、窓から身を乗り出してチームフラッグを見せつけてきたり、激しく煽られたが、それもまた楽しかった

バス2台でスタジアムに到着

15時半過ぎ、バスがスタジアムの敷地に差し掛かると、警備員が一般車を止めバスを駐車場の中へ誘導してくれた。天空の城で見る選手バス到着の光景、規模感は違えど、あれの選手側の目線を体験していると感じるほどのVIP待遇だった

駐車場でバスを降り、ゼルサポみなで歩いて入場ゲートへ向かった。うぅぅ、さすがに真昼間のジェッダ、めちゃくちゃ暑い。そして日差しが痛い。試合は日が暮れた後とはいえ、どんな観戦環境になるのか、少し不安になった

灼熱の太陽のもと、歩いて入場ゲートへ

入場ゲート付近にはすでに大勢のアル・アハリサポがいた。笑顔で手を振ってくれる歓迎ムードのサポもいれば、真正面から煽ってくるサポもいた。まあ、ここは相手のホームスタジアム、完全アウェイになることは覚悟していたので、これくらいでは何も思わなかった

今まで日本で50以上のスタジアムを訪れているが、一度だって真正面から相手サポに煽られたことはない。試合後にサポ同士の小競り合いを目の当たりにしたことは何度かあるが、その程度

試合前には必ずアウェイサポーターに対してWelcomeアナウンスが流れるし、拍手も起こる。両チームのサポーターが手を振る。そういうJリーグファミリーの文化はとてもいいなと感じる

しかし、一方で、スタグルに並んでる時や、ミックス席、混雑している帰り道など、両サポーターが入り混じる場所で、わざとこちらに聞こえるようにゼルビアの悪口を言われるという経験は何度もしてきた
(被害者面するつもりはありません。実体験を述べているまで)

SNSの誹謗中傷問題もそうだが、真正面から煽る勇気は無いくせに、誰が言ったかわからない状況や、明らかに数で勝っている状況、または相手を選んで陰から悪口を言う、こういう日本人の悪しき行動は本当に無くなって欲しいと思います

日本人の陰湿な陰口よりも、サウジアラビア人の真正面からの煽りの方が、よっぽど清々しいと思った出来事でした

入場ゲートでは荷物チェックがあり、厳しくチェックされるという情報もあったが、あっさりパス。ただ、結構がっつり鞄の中を見られている人もいたので、一概に検査がゆるいという感じでもなかった。マレーシアでもそうだったが、かなり検査官次第な感じがした

近くで見るとその美しさが一層際立つスタジアム外観

チケットチェックも終わり、いよいよスタジアム内へ。コンコースを抜けスタンドに入り視界にピッチが広がる瞬間、この瞬間がたまらない。ドーパミンドバドバのこの瞬間を味わうためにスタジアムに行っていると言っても過言ではない。特に新国立のような狭めの門型の入り口は最高だ。異世界に繋がるトンネルのような気分だ

ドーパミンドバドバの瞬間

残念ながら今回のスタジアムは門型ではなく、回遊型コンコースと1階スタンドが繋がっている作りだったが、それでも最高の瞬間に変わりはなかった

スタンドに入ったのは16時前だったが、ゼルサポが陣取るアウェイゴール裏席は南東側にあり、強い日差しがギンギンに照り付けていた。試合開始まではまだ3時間以上、さすがにそこでは待てないので、日陰になっているコンコースで待つことにした。それでも暑かった

飲食物の持ち込みが禁止されていたので、飲み物を買いにコンコースの売店へ向かった。これが色々と大変だった。間口が3mくらいのスタジアム常設型カウンター店舗だったのだが、その間口いっぱいに扇形に人が群がり、なんとなく列はあるが、扇形なので無秩序な途中合流をしないといけない

遠慮していたらいつまでたっても注文口に辿り着けない。空いてるスペースを見つけては右へ左へぐいぐい進むが、なかなか辿り着かない。ふと横を見ると、自分の番が来ていないのに前の人越しに大声で注文を叫ぶ人、なぜかその注文を受ける店員、もはやカオスを通り越して意味不明の状況

なんとか注文口に辿り着き、水とソーダを買い込んだ。買った後も大変、注文口に辿り着こうとする男たちの間をなんとかかき分けて群衆の外に出た

苦労して買った戦利品
ペットボトルは蓋なしで提供される
真っ青ソーダは飲むとYASSがくれるガムくらいベロが真っ青に

元いた場所に戻ろうとすると、数人のアル・アハリサポが近寄ってきた。威圧するとかそういう嫌な感じではなかったが、執拗に“3-0”で俺たちの勝ちだと言ってくる。適当に笑ってNoNoとか言っておいたけど、心の中では(お前らなんかにゃ負けねーよ)と叫んでいた

煽ってくるアル・アハリサポもいたが、交流しようと声をかけてくれるアル・アハリサポもたくさんいた。ゼルサポが固まって座っていた場所では、自然とそういった交流がいたるところで行われ、僕も見知らぬアル・アハリサポと一緒に写真を撮った

声をかけてくれたアル・アハリサポと

どこのどなたか存じ上げませんが、なんだかとても嬉しかったし、我が人生においてサウジアラビア人と一緒に写真を撮る日が来るなんて、まったく想像も出来なかったことだし、改めて、この場に連れてきてくれたゼルビアに心から感謝の気持ちを伝えたい

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