SoFi 2026年上半期決算を総点検──「長期収益」を優先した経営判断
先日、SoFiの2026年第2四半期決算の概要を整理した。売上・EBITDA・会員数・商品数・融資実行額など、軒並み過去最高を記録し、申し分ない内容だった。
今回は改めて2026年上半期の決算を振り返り、年初に立てた通期予想に対して、各事業がどのように推移しているのかを確認していきたい。
【通期予想の振り返り】
SoFiは2026年通期のガイダンスを売上46.55億ドル、EPS 0.60ドルとし、セグメント別の売上成長率は以下のように見込んでいた。
・ローン事業:約+23%
・金融サービス事業:+40%以上
・技術プラットフォーム事業:大口顧客の移行を除いたベースで約+20%
これに対し、私は2026年通期売上を51.7億ドル(+44.0%)、EPSを0.70ドルと予想した。

EPSについては、実際には各種費用や税率の影響を受けるという前提の下、売上成長率とEPS成長率の関係などを参考に算出した。
・2026年のEPS成長率は、売上成長率の約1.82倍になると仮定
・売上成長率+44.0% × 1.82 = EPS成長率約+80.1%
・0.39ドル ×(1+80.1%)≒ 0.70ドル
【上半期終了時点の結果】
私自身の2026年通期売上予想51.7億ドルに対し、上半期終了時点の売上は22.9億ドル、進捗率は44.3%となった。全社ベースでは概ね想定の範囲内で推移している。

【各事業の状況確認】
上半期終了時点の各事業の売上は以下となった。
・ローン事業13.4億ドル(前年比+56.1%)
・金融サービス事業8.9億ドル(前年比+34.4%)
・技術プラットフォーム事業1.6億ドル(前年比▲25.2%)

上記グラフからもわかるように、2026年上半期は、
・ローン事業は想定を大きく上回る
・金融サービス事業は想定ほど伸びず
・技術プラットフォーム事業は大きく下振れ
と、事業ごとに明暗が分かれる結果となった。
以下に、各事業の状況を整理していく。
<ローン事業>
ローン事業は極めて高い成長を続けている。売上は2四半期連続で前年比+50%超となった。

これは、「増資による資本強化」と「預金の積み上がり」によって貸出余力が拡大していたことに加え、SoFiがローンを自社バランスシート上でより積極的に保有する方向へ戦略をシフトしたことが、ローン事業の成長をさらに加速させている。
SoFiにとって、優良なローンを自社バランスシート上に積み上げることは、利息収入を継続的に取り込めるため、収益の安定性と利益率の向上につながる。その結果、将来の投資原資をより確実に確保できるだけでなく、増資によって厚みを増した資本を効率的に活用する手段にもなる。
<金融サービス事業>
金融サービス事業は想定ほど伸びなかった。

その背景を理解するには、2026年第1四半期決算後の分析と同様に、売上を金利収入と非金利収入に分けて見ると分かりやすい。

金利収入は、預金残高の増加や利回りが概ね想定通りに推移したことで、順調な伸びを示す一方、非金利収入は減少に転じた。主因は、非金利収入の多くを占めるローンプラットフォームビジネス(LPB)関連収益の減少である。
前述の通り、その背景にはSoFiの戦略変更がある。
実際、2026年第1四半期決算後のBloombergインタビューで、ノトCEOは次のように説明している。
LPBは非常に好調でした。前四半期ほど強くなかったのは、組成したローンをこれまで以上に自社のバランスシート上で保有するという意識的な判断をしたためです。資本力があったからこそできた選択で、それらのローンは今後3年間にわたってキャッシュフローを生み出します。一方、LPBは当四半期に収益を生むだけです。
融資実行額も、2026年第1四半期は前年比+68.1%、第2四半期は+68.9%と、極めて高い伸びを示している。内訳を見ると、LPBを除く融資の伸びが加速する一方、LPB向け融資の伸びは鈍化している。


増資によって得た余力を活用し、より持続的な収益を生むためにバランスシート上へローンを積み増した形である。短期的な収益よりも、数年間にわたる長期収益を優先した経営判断であり、この戦略転換は高く評価できる。
<技術プラットフォーム事業>
Chime離脱の影響が大きく、2026年上半期の売上は1.6億ドル(前年比▲25.2%)となった。
当初の会社ガイダンスでは、Chime離脱の影響を除いたベースで前年比+20%の成長を見込んでいたが、上半期終了時点では、この成長率には届いていないとみられる。私自身が年初に予想した4.3億ドルの達成も、現時点では厳しくなってきた。
今回の決算では、技術プラットフォーム事業に関する経営陣のコメントも限られており、今後の見通しを判断する材料は少ない。
2026年第1四半期決算説明会では、通期売上を約3.25億ドルと見込んでいた。これに対する進捗率は49.1%であり、この水準の達成は可能とみられるものの、大幅な上振れは期待しづらい。
では、こうした上半期の結果を踏まえ、2026年通期の売上・EPSは最終的にどこまで伸びるのか。次回は、各事業の進捗と下半期の見通しを基に、年初に立てた私自身の通期予想を改めて検証していく。
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