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SoFiで動き始めた3つの新たな成長領域(後編)―広がるLPB、動き出すSoFiUSD

前回取り上げた中小企業向け事業だけでなく、SoFiでは既存の事業基盤を次の成長へつなげる新たな動きが相次いでいる。

その一つが、個人ローンを中心に成長してきたLPB(ローンプラットフォームビジネス)の新たな資産クラスへの拡張であり、もう一つが、発行から実利用の段階へと歩み始めたSoFiUSDである。

今回は、この2つの直近の進展を追っていく。

【LPB:個人ローンからSMB・住宅ローンへ】
LPBはすでに個人ローンを中心に、SoFiの大きな収益源へと成長している。そして今回、そこに中小企業向けローンと住宅ローンという2つの新たな資産クラスが加わった。

個人ローンでは、Sixth Streetと最大10億ドルの新規契約を締結。中小企業向けでは、前編で触れたBasePoint Capitalと3年間で30億ドルの契約を締結した。さらに住宅ローンについても、最初のローンを世界有数の銀行へ移管する計画が明らかにされている。

また、SMBや住宅ローンの収益性についても、現在のLPBと同程度、あるいは若干上回る可能性があるとの見方が示されている。

これまで個人ローンで確立してきた仕組みを、SMBや住宅ローン、さらに将来的には別の融資商品へも収益性を確保しながら横展開できれば、LPBの成長余地はこれまで以上に大きく広がっていく。

なお、足元のLPB向け融資額だけを見ると、2026年に入り成長の勢いがやや鈍化しているようにも見える。

※LPB向け融資額は、決算説明会資料などを基に算出した、主に個人ローンを対象とする概算値

しかし、2026年第1四半期、第2四半期ともに、経営陣から「LPBパートナーからはSoFiが対応を決めた金額を上回る強い需要があり、契約上のコミットメントをすべて満たしたうえで、それを上回るローンまで販売している」という趣旨のコメントが出ている。

つまり、足元でLPB向け融資額が伸び悩んでいるのは「買い手がいない」からではない。潤沢な自己資本を背景に、SoFiがより多くのローンを自社のバランスシートで保有する戦略へシフトした影響が大きい。

もちろん、銀行以外のファンドなどが企業やローンへ資金を供給するプライベートクレジット市場では、資金調達環境が悪化すれば、LPBパートナーの購入意欲や条件に影響が及ぶ可能性には注意が必要である。

しかし、少なくとも現時点では、LPBパートナーからの需要が不足している兆候は見られない。むしろ、SoFiが供給を決めた水準を上回る需要が続いている。

【SoFiUSD:利用範囲が着実に広がり始める】
SoFiUSDそのものについては、これまで幾度となく取り上げているため、今回は2026年第2四半期決算やその後のインタビューで明らかになった直近の進捗に絞りたい。

Big Business Bankingでは、企業間送金の決済手段としてSoFiUSDが利用されている。SoFiの暗号資産取引でも、法定通貨ではなくSoFiUSDによる決済が行われている。

さらにMastercardとの提携では、デビットカード・クレジットカードの決済をSoFiUSDで行う仕組みについて、決算時点で「今後数週間以内」に開始する予定であることが明らかにされた。

もう一つ注目したいのが、SoFi Technology Solutions(STS:GalileoとTechnisysを中心とした金融システム事業)との組み合わせである。STSは年間約80億件のトランザクションを処理している。将来的に、これらの取引でもSoFiUSDを活用していく考えである。

また、LATAM(ラテンアメリカ)などで獲得している新規パートナーの中には、STSだけでなく、SoFiUSDの利用まで契約に含める企業が出始めている。

さらに、SoFiUSDそのものを選ぶ動きが、企業側から自発的に出始めているという。SoFiが規制を受ける銀行であることに加え、準備資産の運用方法も差別化要因となる。

SoFiUSDの準備資産は主にFRB口座に現金で預けられている一方、他のステーブルコイン発行体の中には準備資産を債券などで運用する企業もある。そうした資産には金利変動リスク、信用リスク、流動性リスクが伴うが、SoFiUSDではそれらのリスクを極力排除できることが強みになっていく。

SoFiUSDはまだ立ち上がったばかりではある。しかし、発行そのものがニュースだった段階から、実際にどこで使われ、なぜ選ばれるのかを確認していく段階へと少しずつ移り始めている。

<最後に>
今回取り上げた3つの取り組みは、それぞれ事業内容も成長段階も異なる。

SMBは、SoFiが個人向けで培ってきた総合金融サービスを中小企業へ広げる新たな挑戦である。LPBは、個人ローン中心だったプラットフォームを新たな資産クラスへ広げ始めている。そしてSoFiUSDは、発行から実際の利用拡大へと移りつつある。

いずれも現時点では将来の規模を正確に予測できる段階ではない。しかし、SoFiの既存事業を土台に、次の成長につながる種がいくつも芽を出し始めていることは間違いない。

今後の決算では、これらの「新しい種」がどこまで大きな事業へ育っていくのかを追っていきたい。

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