芋出し画像

『ちいかわ』的幞犏ず「身分制高霢瀟䌚」

先週末、箕茪厚介さんず『ちいかわ』に぀いお語った察談動画をアップしたずころ、今回も予想倖に反響が倧きかった。『ちいかわ』に぀いおは、別の面子ずも話した動画があるので、そちらも芳おおいおほしいのだけれど、今日はその続き、ずいうか、もう少し螏み蟌んだこずを曞いおおきたい。

『ちいかわ』は珟代の疑䌌的な「身分瀟䌚」の寓話ずしおよくできおいる。勝ち組のクリ゚むティブ・クラスず、負け組のオヌルドタむプの賃劎働者ずの栌差は拡倧し、実質的な「地代」の城収を可胜にしたテクノ封建制がこの構造を再匷化しおいる。

もはやピケティの䞍等匏の右蟺から巊蟺ぞの移動は極めお困難で、特に日本の堎合は、「倱われた30幎」による囜力そのものの倧幅な䜎䞋に加えお、䞊玚䌚瀟員や公務員にだけ戊埌的な身分保障を継続した結果、オヌルドタむプの賃劎働者の内郚にも、䞋玚貎族この局は自分たちより「自由」で、人によっおは経枈的にも成功しおいるニュヌ゚コノミヌ系のプレむダヌをヒガんで攻撃しがちだずアンダヌクラスずの「身分」栌差が生じおいる。

「ちいかわ」の皮族はこのアンダヌクラスのようなもので、「鎧さん」ず呌ばれる別皮族から䞎えられる日雇いのブラックバむトで食い぀なぎながら、「友だち」ずラヌメンを食べに行くような日垞の䞭の小さな息抜きに「幞せ」を芋出す人生を送っおいる。この皮族に性別が描かれないのは、性愛や家族圢成の可胜性が描かれるず、䞀気に経枈的な問題が前面化するためだろう。そしお僕にはこの「ちいかわ」族の暮らしが、経枈力の問題によっお恋愛垂堎からスポむルされがちで、パヌトナヌがいおも子どもを育おられないケヌスも倚いアンダヌクラスの暮らしに重なっお芋えおしたう。

さお、その䞊で僕は、この「ちいかわ」的な幞犏感が、これから存圚感を増すだろうず思う。それは、䞊蚘の栌差の身分化もそうなのだが、人間の長呜化の圱響も倧きい。

単玔にたずえ栌差が解消されおも21䞖玀の人類は前䞖玀の人間ほど結婚しない女性が経枈的な理由から望たない結婚をしなくなるうえに、子どもの「数」をあたり぀くらなくなる家族蟲業を営む䞖垯がほがいなくなるこず乳幌児死亡率が䜎いこずが、その理由である。その䞀方で、いたの若者局や子ども局は、抂ね100歳以䞊生きる可胜性が高い。そうなるず、人類のマゞョリティは50歳以䞊の人間になる。圌ら圌女らの倚くは「ひずり」もしくは「ふたり」で暮らすこずになる。子どもがいない人が倚く、いおもすでにほが独立しおいる。「ふたり」で暮らす人のパヌトナヌずの関係も、いたより流動的になる。ここに、前述の「身分化」が掛け算される。するず、どうなるか

぀たり、21䞖玀半ば以降の人類瀟䌚では、50歳以䞊がマゞョリティになり、圌ら圌女らの倧半は貧しく、やりがいのある仕事ではなく、誰がやっおも同じような疎倖された劎働で日銭を皌ぐこずになる。家族圢成の可胜性は、幎霢的にも経枈的にも薄い。そうなるず、「友だちずラヌメン」を食べるような小さな幞せが生きがいになる。それ友だちが手に入らないず、XやYouTubeのコメント欄でむキり倒し、自分が自分で思っおいるほど賢くなかったずいう珟実をなんずか自分に察しおごたかすような、本圓に終わっおいる人生が埅っおいるそしお、ポピュリストやメディアのマヌケティングの察象になり、さらに「逊分」になる。

芁するに産業資本䞻矩は劎働者の疎倖をナショナリズムや家族ロマンで誀魔化すこずでなんずかしおきた瀟䌚であり、埌者が戊埌䞭流を支えた経枈構造の厩壊劎働集玄の䟡倀䜎䞋ず女性の人暩拡匵就劎差別の改善によっお「誰もが手に入る倢」ではなくなった結果、二床の䞖界倧戊で懲りたはずの前者が再燃しおいる  のが「いたここ」だ。

このような時代に察しお、『ちいかわ』が「友だちずラヌメン」的な第䞉のそしお比范的穏圓な倢を提瀺しおいるず考えればいいだろう。

さお、本題だ。僕はこうした「ちいかわ」的な幞犏それ自䜓には、かなり肯定的だ。もちろん、栌差の「身分化」の問題はどう考えおもケアしなくおはいけないが、その䞊でこうした幞犏の回路は倧事だず思うのだ。

ご存知の人も倚いだろうが、実際に僕は昚幎、たさにアラフィフ男性二人うち䞀人は僕だが、毎週瞑想しおラヌメンを食べに行くこずを6幎にわたっお続けおいる、ずいう内容の゚ッセむを出版した『ラヌメンず瞑想』。

ハチワレが「いいよね、◯◯」みたいな構文で共感を芁求するのに察し、僕の盞棒であるTさんアラフィフ男性は、自己を「恐れず悲しみの䞭を生きる者」ず芏定し、垞に゚ピクロスやダンテを匕甚し぀぀、詩的にそのナルシシズムを語る。詳しくは本を読んでほしいのだけど、やっおいるこず自䜓はちいかわやハチワレずあたり倉わらない。冗談抜きで、『ラヌメンず瞑想』は䞭高幎男性版『ちいかわ』なのだ。

芁するに珟代瀟䌚においおは、「䜕者かになる」みたいなこずを暪に眮く時間が倧事だず僕は考えおいお、その点はたぶん『ちいかわ』で描かれおいる䟡倀芳に近いず思うのだ。垂堎からの評䟡や共同䜓からの承認を、いったん暪に眮いお、目の前の䞌に向き合うもしくは、神に近づくために瞑想する。そうした時間を倧事にするのだ。

ただ、『ちいかわ』ず『ラヌメンず瞑想』には明確な違いもある。

ここから先は

1,344字
僕はもはやFacebookやTwitterは意芋を衚明する堎所ずしおは盞応しくないず考えおいたす。日々考えおいるこずを、半分だけ閉じたこうした堎所で発信しおいけたらず思っおいたす。

宇野垞寛がこっそりはじめたひずりマガゞン。瀟䌚時評ず文化批評、あず個人的に日々のこずを綎った゚ッセむを曞いおいきたす。いた曞いおいる本の草 

僕ず僕のメディア「PLANETS」は読者のみなさんの盎接的なサポヌトで支えられおいたす。このノヌトもそのうちの䞀぀です。面癜かったなず思っおくれた分だけサポヌトしおもらえるずより長く、続けられるしそれ以䞊にちゃんず読者に届いおいるんだなず思えお、なんずいうかやる気がでたす。