いざ日本最大のエステサロンへ【サロンカウンセリング⑤】
電話の受話器を受け取り、エリアマネージャーからの言葉を待った。
最初に何を言われたかは今でも覚えている。
「とうとう来てしまったな」
これがまず言われた言葉だった。
その先はハッキリ覚えていない。
その後、私は当時の日本最大面積のエステサロン「新宿本店」に異動することが決まった。
〈前回の話〉
左遷させられた男が掴んだチャンス
今だから話せますが、入社したばかりの私は正義感が強く、管理職の考え方が納得いかないとすぐに顔に出てしまった。それもあってか新人研修での評価が最低となり、関東で最も小さいサロンの川口店への配属となった。
本来、男性スタッフは管理職候補での採用となることが多かった。そのため、勉強できるチャンスが多い池袋、横浜、赤坂などのサロンに配属されていた。私だけが小型サロンからのスタートだった。
それでも仕事は楽しかった。
コツコツ続けていく内に、営業成績や技術ランクも良くなっていった。
新宿本店に異動する頃には最初期待されていた優秀な同期も何人か辞めていた。入社3年目の6月。私にも大きなチャンスがやってきた。
スター軍団に囲まれて
新宿本店のスタッフ数は30人近くいた。
川口店は5人。大宮店と上野店は7人。
急に規模が大きくなった。
新宿本店は日本で一番売上が上がるサロン。東京のサロンの中でも特に活躍している人が集められていた。個人売上ランキングでも常に上位にいる同期達とも一緒に働くことになった。
『なんで俺呼ばれたよ』
と最初の頃はよく考えていた。自分がココにいる意味がわからなかった。
これまでの反省を踏まえ
たとえどんな環境であれベストを尽くしたかった。
求められる役割を果たせない場合、別のサロンに異動となる。それだけはわかっていた。
上野店に異動したばかりの頃はお客様との信頼関係づくりもせず、ひたすらエステコースの提案をしてしまっていた。行動量は多くても成約には至らなかった。今度は同じ失敗をしない。
まずはカルテを見てお客様を知る。
スタッフを見て全体の流れを把握する。
と言っても私が担当する2階(全3フロア)だけでもベッドが12台もあり、慣れるのにも一苦労した。
受付・エステティシャン配置などを担当するコンシェルジュスタッフも複数人いた。こんなのは初めてだった。
南浦和駅から新宿駅までの通勤も疲れた。JR埼京線は常に混みあっていて、新宿のサロンに着く頃にはエネルギーが消耗されていた。それでも1日、1日無駄にせずサロンを回りお客様の施術や会話に入っていった。
最初の1か月が終わって
1か月目はひたすら動き回った。
気づけば初月から200万円以上の契約売上が上げられていた。
右も左もわからない中でよく頑張ったと思う。
カウンセリングが得意、脱毛がとにかく上手、事務処理が速く正確、フロア全体を見て配置を整える視野が広いスタッフ。新宿本店にはさまざまなスペシャリストがいた。
自分はまだ立ち位置がよくわからなかった。
先のことを考える余裕もない。目先のことを頑張って霧が晴れるのを待っていたように思う。
(つづく)
1話から読みたい方は以下の記事をご参考にして下さい。
