「わたしはベジータかもしれない」〜戦闘力と誠実さの話①
私は普段、何事も自分を後回しにする癖がある。
自分よりも他人を優先する。
「空気を読み過ぎる」
「もっと自分を大切に」みたいにChatGPTにも言われてる。
でも…。
彼はまだ知らない。
実は私はかなり戦闘力が高い。
そう「ベジータ」のように。
ある日の夜。
パソコンを開いたら、突然次のような画面が上がってきた。
Microsoft
『サブスクリプションは2026年3月28日で有効期限切れになります』
継続請求を有効にする、のボタン。
????? これはいったいどういう意味なのか。
調べると、どうやら試用版officeが切れるから、その前に継続手続きをしなさい。
という事らしい。
パソコンは、昨年末に買い替えた。
購入する際に、WordやExcelが入ってる事を必須条件にして店員さんに勧められた機種。
パソコン本体は24万円。
さらにサポート代が44,000円。
284,000円は、我が家にとって決して安い金額ではありません。
でも
「良い物を買っておけば間違いない」「サポート代も正直高いけど、ここは任せておけば安心」と自分を納得させた。
それが期限切れで使えなくなる!?
「まずい!」と、焦った私は継続請求ボタンを押そうと指をかけた。
いや、待て。
その刹那。
指が、止まった。
『待て、落ち着け』
『よく考えろ』
このパソコン、いいお値段がしてるぞ。
それで、officeが付いてない?
「そんな訳ないでしょう!?」思わず声が出た。
それにそもそも最初からついてる事を必須にして勧めてもらった物。
そうだ!AIに聞いてみよう。
レシートや保証書、パソコン画面を見てもらった。
その結果は。
AIの診断は冷徹だった。

24万円も払って、Officeが付いてない。
オーマイガー😱
別に買えってか。
ショックのあまり言葉が出ません。
布団に入ったものの、頭の中を例のパソコン画面がぐるぐる回ってます。
私はしくじってしまったんだろうか?
用途に合わない物に高いお金を払ってしまったのか?
いつも担当してくれてるサポートの男性の顔が浮かびます。
そんな話は聞いてない。
確認を怠った。
信頼してた。
わたしは甘かったのか。
手にグッと力がこもりました。
いつも弱っちいわたし。
理不尽な目にあっても、押し黙ってしまう。
何ならニコニコしてしまう。
きっと分かってもらえる。
思い直して正しい選択をしてもらえるはずだ。
誠実であれ。誠実であれ。
呪文のように唱えながら…。
心の奥で何かが弾けた。
私はフリーザじゃない。
理不尽を楽しめるほどおめでたくない。
黙ってやられる程、弱くもない。
体の奥底で誇りが目を覚ます。
私は誠実なだけで生きてきたんじゃないんだ。
これは・・・。
…戦うしかないのか
力を開放する時か。
「10時だ」
時計を見た。
わたしは大きなバッグを抱えて家を出た。
【次回に続く】
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