ITパスポート|SWOT・PPMとは?経営戦略の手法をやさしく解説
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経営戦略の手法とは、会社が「どの土俵で・どう勝つか」を決めるための“考える道具”のことです。ITパスポートでは、まず自社と周りを分析するSWOT分析・PPM・3C分析と、どう戦うかを決める用語(コアコンピタンスなど)がよく問われます。この記事では、その「分析の道具」と「戦い方の言葉」をまとめて整理します。
「SWOT、PPM、3C…横文字ばっかりで頭に入らない」と感じますよね。わかります。カタカナのフレームワーク(考え方の型)が続くと、それだけで眠くなります。でも大丈夫。就活の自己分析やスポーツチームの選手評価など、身近な例えでかみくだいていきますね。スマホでスラスラ読めるように進めます。
この記事でわかること
会社の状況を整理する3つの分析手法(SWOT分析・PPM・3C分析)の意味
「他社にマネできない強み」など、競争に勝つための用語の意味
M&A・アライアンス・OEMなど、会社どうしの結びつき方の違い
この記事の要点(先に結論!)
SWOT分析とは、自社を強み・弱み・機会・脅威の4つに整理する手法です。
PPMとは、事業を市場成長率とシェアの2軸で4つに分け、投資先を判断する手法です。
3C分析とは、顧客・競合・自社の3つの視点で環境を見る手法です。
コアコンピタンスとは、他社にマネできない自社ならではの中核的な強みのことです。
M&Aは会社の合併・買収、アライアンスは他社との提携(協力)を指します。
1. 経営戦略の手法ってなに?「分析」と「戦い方」の道具
経営戦略とは、ひとことで言うと会社の“作戦会議”です。
文化祭の出し物を決める場面を思い出してください。「うちのクラスは料理上手が多い(強み)」「隣のクラスは何をやる?(周りの状況)」を確かめてから、「じゃあカフェで勝負しよう」と決めますよね。あの作戦会議が、会社でいう経営戦略なんです。
そしてこの作戦会議は、大きく2つのステップに分かれます。
①分析する…自社と周りの状況をつかむ(SWOT分析・PPM・3C分析)
②戦い方を決める…どこで・どう勝つかを決める(コアコンピタンス・ニッチ戦略など)
この記事では、この2ステップで出てくる用語を順番に見ていきます。どれも「何を考えるための道具か」をセットで押さえれば、こわくありません。
なお、この記事は本書『いちばんやさしいITパスポート』の第3章「経営戦略マネジメント」に対応しています。第3章は範囲が広いので3つに分けていて、この記事は経営戦略の手法の担当です。マーケティング(4Pなど)は別記事(B03b)、CRMやKPIなどの管理のしくみは別記事(B03c)で解説します。
2. SWOT分析:自社を4つのマスに整理する
まずは分析の定番、SWOT分析(スウォットぶんせき)です。
SWOT分析とは、自社の状況を強み(Strength)・弱み(Weakness)・機会(Opportunity)・脅威(Threat)の4つに整理する手法です。4つの頭文字をとってSWOTと呼びます。
2.1 就活の自己分析にそっくり
イメージは、就活の自己分析シートです。
就活では「自分の長所・短所(自分のこと)」に加えて、「今年の求人市場は追い風か向かい風か(周りのこと)」を書き出して作戦を立てますよね。SWOT分析も同じ。自社と周りの状況を4マスに整理する、あの作業です。
2.2 カギは「内部×外部」と「プラス×マイナス」の2軸
SWOTでいちばん問われるのが、4つの分け方です。次の2つの軸で決まります。
内部か外部か…内部=自社でコントロールできること/外部=自社ではどうにもならない周りの環境
プラスかマイナスか…プラス=追い風/マイナス=向かい風
この2軸を組み合わせると、こうなります。
強みS=内部×プラス(自社の得意なこと)
弱みW=内部×マイナス(自社の苦手なこと)
機会O=外部×プラス(追い風の環境。例:市場が伸びている)
脅威T=外部×マイナス(向かい風の環境。例:ライバルの増加)

強みと弱みは「自分のこと(内部)」、機会と脅威は「周りのこと(外部)」。この分け方が試験で狙われます。「機会と脅威は自分ではどうにもならない外の話」と覚えておきましょう。
3. PPM:事業を4タイプに仕分けして投資を決める
次はPPM(ピーピーエム。Product Portfolio Management。事業や商品への「投資の配分を考える道具」)です。
PPMとは、会社が持ついくつかの事業や商品を、市場成長率(その市場がこれから伸びる勢い)と市場占有率=シェア(市場全体の中で自社が占める割合)の2軸で4つに分け、お金の投資先を判断する手法です。
3.1 スポーツチームの選手評価に似ている
イメージは、スポーツチームの選手評価表です。
監督は選手を「今の実力(シェア)」と「これからの伸びしろ(市場成長率)」で見て、「稼ぎ頭・安定選手・伸びしろ枠・引退候補」に仕分けしますよね。PPMも同じように、事業を4タイプに仕分けします。
3.2 4つの象限の意味
PPMの4タイプは、試験の頻出中の頻出です。
花形(スター)…成長率・高/シェア・高。よく稼ぐが投資も必要。将来の稼ぎ頭候補。
金のなる木…成長率・低/シェア・高。あまり投資せず安定して稼ぐ。会社の“財布”。
問題児…成長率・高/シェア・低。伸びる市場だが、まだ勝てていない。投資すれば花形になれるかも。
負け犬…成長率・低/シェア・低。撤退・縮小を検討する。

お金の流れも大事です。「金のなる木」で稼いだお金を「問題児」や「花形」に投資するのが基本の考え方。安定選手が稼いだお金を、伸びしろのある若手に回すイメージですね。
なお、SWOTもPPMも同じ「2×2の4マス」ですが、軸の中身がまったく違います。SWOTは「内部・外部×プラス・マイナス」、PPMは「市場成長率×シェア」。ここを混ぜないよう注意しましょう。
4. 3C分析:顧客・競合・自社の3方向を見る
3つ目の分析手法が、3C分析(サンシーぶんせき)です。
3C分析とは、顧客(Customer)・競合(Competitor)・自社(Company)の3つの視点で、自社を取り巻く環境を見る手法です。3つとも頭文字がCなので、まとめて3Cと呼びます。
Customer(顧客・市場)…お客さんは何を求めている?市場は伸びている?
Competitor(競合)…ライバルは何をしている?強い相手か?
Company(自社)…自社は何が得意?勝てる強みはある?

「お客さん・ライバル・自分」の3方向を見て作戦を立てる、と覚えればOKです。
ちなみに、自社の強みを深く調べる手法にVRIO分析(ブリオぶんせき)もあります。価値・希少性・模倣困難性・組織の4つの観点で「その強みは競争に勝てるか」を見るものです。名前と「自社の強みを評価する道具」であることだけ、頭のすみに入れておけば十分です。
5. 競争に勝つための言葉:コアコンピタンスとブルーオーシャン
分析の道具を押さえたら、次は「どう戦うか」の言葉です。ここは用語が多いので、大事なものから見ていきましょう。
5.1 コアコンピタンス:他社にマネできない中核の強み
コアコンピタンスとは、他社にはマネできない、自社ならではの中核的な強み(技術やノウハウ)のことです。
イメージは、その人だけの必殺技。ほかの人にはコピーできない得意技のことです。会社でいえば、長年かけて磨いた独自の技術などがこれにあたります。競争に勝つ土台になる、大事な強みですね。
5.2 ブルーオーシャン戦略:競争相手のいない海へ
ブルーオーシャン戦略とは、競争相手のいない新しい市場(青い海)を切り開いて勝つ戦略です。
イメージは、誰もいない釣り場。魚を独り占めできますよね。逆に、ライバルがひしめく激しい競争の市場を、血で赤く染まった海にたとえてレッドオーシャンと呼びます。人がぎゅうぎゅうの人気釣り場では、なかなか釣れません。

5.3 そのほかの競争キーワード
残りの用語も、一言ずつ押さえておきましょう。
競争優位…ライバルより有利な立場に立っていること。戦略のゴール。
ニッチ戦略…大手が狙わない小さな市場(すきま)に集中して勝つ戦略。
同質化戦略…追いかける側が、先行者のやり方をまねて、相手の強みを打ち消す戦略(大手がよく使う)。
コモディティ化…どの会社の商品も似たり寄ったりになり、価格でしか差がつかなくなること。
経験曲線…作れば作るほど慣れて、1個あたりのコストが下がっていく効果。
カニバリゼーション…自社の新商品が、自社の別商品の売上を食ってしまう“共食い”のこと。
ベンチマーキング…優れた他社を「お手本」にして自社と比べ、改善すること。
5.4 補足:競争戦略の3類型
参考書によっては、競争戦略をコストリーダーシップ(低コストで勝つ)・差別化(他にない価値で勝つ)・集中(狭い市場に絞る)の3つに分ける考え方(ポーターの競争戦略)が出てくることがあります。名前が出てきたら「勝ち方の3タイプなんだな」と思い出せれば十分です。
6. 会社どうしの組み方:アライアンス・M&A・OEM
会社は、1社だけで戦うとは限りません。ほかの会社と手を組む形にも、いろいろな種類があります。ここは違いがよく問われます。
アライアンス…他社との提携・協力のこと。結婚まではしない“お付き合い”のイメージ。
M&A(エムアンドエー。Mergers and Acquisitions。合併・買収)…会社を合体させたり買ったりすること。結婚・養子縁組にあたるイメージ。
OEM(オーイーエム。Original Equipment Manufacturer。相手先ブランド製造)…他社ブランドの製品を代わりに製造すること。作る側は自社の名前を出しません。

このほかにも、覚えておきたい組み方があります。
ファブレス…自社では工場を持たず、製造は外注して、企画・設計に集中する形。
フランチャイズチェーン…本部のブランドやノウハウを使わせてもらい、加盟店が出店する仕組み(コンビニなど)。
アウトソーシング…業務の一部を外部に委託すること(外注)。
垂直統合…仕入れから製造・販売までの流れを、自社で取り込むこと。
MBO・TOB…会社の買い方の用語。MBOは経営陣による自社買収、TOBは株式の公開買付けです。名前だけ知っておけばOK。
6.1 規模の経済:たくさん作るほど安くなる
会社が大きくなると効いてくるのが、規模の経済です。
規模の経済とは、たくさん作る(大量生産する)ほど、1個あたりのコストが下がるという効果のことです。まとめてたくさん仕入れると割安になる、あの感覚に近いですね。だから大企業はコスト面で有利になりやすいんです。(参考:別の事業と設備やノウハウを共有してトクをすることを「範囲の経済」と呼ぶこともあります。名前が出たら区別できればOKです。)
7. アンゾフの成長マトリクス:成長の方向を4つに分ける
最後に、会社の成長の方向を考える道具、アンゾフの成長マトリクスです。
アンゾフの成長マトリクスとは、会社の成長のしかたを製品(既存/新規)×市場(既存/新規)の2軸で4つに分けたものです。
市場浸透…今ある製品を、今の市場でもっと売る
新製品開発…今の市場に、新しい製品を出す
新市場開拓…今ある製品を、新しい市場(新しい地域や客層)に広げる
多角化…新しい製品を、新しい市場に出す(いちばんチャレンジング)

これもSWOTやPPMと同じ2×2の4マスですが、軸は「製品×市場」。「新しいのは製品か、市場か、両方か」で4つに分かれる、と覚えましょう。
8. まとめ:3行でふりかえり
分析の道具はSWOT分析(強み・弱み・機会・脅威)・PPM(市場成長率×シェアで4象限)・3C分析(顧客・競合・自社)の3つです。
戦い方の言葉では、コアコンピタンス(マネできない強み)とブルーオーシャン戦略(競争のない市場)が要チェックです。
会社の組み方は、アライアンス(提携)・M&A(合併買収)・OEM(相手先ブランド製造)の違いを押さえましょう。
いかがでしたか?横文字が多くても、「何を考える道具か」を一言で言えれば大丈夫です。まずはSWOT分析とPPMの2つの4マスから、しっかり覚えてみましょう!
9. よくある質問(FAQ)
Q1. SWOT分析とは何ですか?わかりやすく教えてください。
A. SWOT分析とは、自社の状況を強み・弱み・機会・脅威の4つに整理する手法です。強みと弱みは自社の内部のこと、機会と脅威は自社ではどうにもならない外部の環境を指します。「内部か外部か」「プラスかマイナスか」の2軸で4つに分けるのがポイントです。
Q2. PPMの4つの象限の意味は何ですか?
A. 市場成長率とシェアの2軸で分けます。花形は成長率・高/シェア・高、金のなる木は成長率・低/シェア・高、問題児は成長率・高/シェア・低、負け犬は成長率・低/シェア・低です。基本は「金のなる木」で稼いだお金を「問題児」や「花形」に投資します。
Q3. M&AとOEMの違いは何ですか?
A. M&Aは会社を合併・買収して、会社そのものを一つにしたり手に入れたりすることです。一方OEMは、他社ブランドの製品を代わりに製造することで、会社は別々のままです。M&Aは「会社の結びつき」、OEMは「製造の請け負い」と覚えると区別できます。
Q4. アンゾフの成長マトリクスとは何ですか?
A. 会社の成長の方向を、製品(既存/新規)×市場(既存/新規)の2軸で4つに分けたものです。市場浸透・新製品開発・新市場開拓・多角化の4つがあり、製品と市場が両方とも新規なのが多角化です。どの方向で成長を狙うかを考える道具です。
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この記事を書いた人
simic(IT資格ノート)。文系・非エンジニアの視点で、つまずきやすいIT用語を「たとえ」でかみくだきながら、資格の勉強ノートを書いています。→ くわしい自己紹介:https://note.com/simic_0531/n/n5ed7f56f1ab9
最終更新:2026年7月
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