シャドーイングで口が回らないのはなぜ?音は聞こえるのに言えないときの対処法
シャドーイングをしていると、音は聞こえている気がするのに、口に出した瞬間に崩れることがあります。
途中で口がもつれる。
速いところだけ急に言えなくなる。
聞こえていない感じではないのに、なぜか口だけ追いつかない。
こういう悩みは、実はかなり多いです。
しかも、聞こえていないわけではなさそうなので、余計に困ります。
「自分だけ口が追いついていないのでは」と感じる方も多いです。
でも、これはそこまで珍しいことではありません。
シャドーイングでは、耳だけでなく口も同時に使います。
なので、音の認識は少しできていても、口の動きがまだ追いついていない、ということは普通にあります。
ここでは、シャドーイングで口が回らないのはなぜか、このまま続けていいのか、どう直していけばよいのかを、口の問題に絞って整理します。
シャドーイングで口が回らないのは、珍しいことではありません
シャドーイングがうまくいかない時、まず「聞き取れていないのかも」と思う方は多いです。
もちろん本当にそういうケースもあります。
ただ、実際には、音はある程度聞こえているのに、口だけが追いつかない方もかなり多いです。
頭では分かっているのに、体がその通りに動かない感じです。
スポーツでも、動き方の説明を聞いて納得はできても、実際にやると体がついてこないことがありますよね。
シャドーイングで口が回らない時も、それに少し似ています。
なので、口が回らないからといって、すぐに「英語が聞けていない」「自分には向いていない」と決めなくて大丈夫です。
まずは、今の詰まり方が本当に口の問題なのかを見ていく方が整理しやすいです。
だからこそ、ここで「自分は向いていない」と決めるより、まずは口が止まる理由を分けて見た方が早いです。
この悩みは「聞こえない」のではなく、「口が追いつかない」ケースです
音は聞こえるのに言えない
このタイプの方は、音声を聞いた時に、何となくこう言っているのは分かります。
スクリプトを見れば、「ああこれか」と納得もできます。
でも、実際に自分が同じように言おうとすると、うまく口が動きません。
ここで大事なのは、聞こえない問題と、言えない問題は、似ていても同じではないことです。
聞こえていない場合は、耳での認識がまだ不十分です。
一方で、音はある程度入っているのに言えない場合は、口の動きや発話の慣れが追いついていない可能性があります。
速い部分だけ急に崩れる
最初は言えていても、速い部分に入ると急に崩れる方もいます。
これは、全部ができていないというより、処理が一気に詰まるところで口が追いつかなくなる状態です。
特に、英語の音声変化が強い部分、単語と単語がくっつく部分、語順の切れ目が見えにくい部分で起こりやすいです。
つまり、英語全体が無理なのではなく、崩れやすい区間がある、ということです。
途中で口がもつれて止まる
これもよくあります。
最初の数語は言えるのに、その先で口がもつれて止まる。
毎回だいたい同じ場所で崩れる。
この場合は、長いまとまりを一気に処理しようとしていたり、口の準備ができないまま次に進んでいたりすることが多いです。
ここまで来ると、単に回数不足というより、やり方を少し調整した方が早いです。
もし「そもそも聞こえていない気もする」「言えないだけでなく意味も取れていない」と感じるなら、この先は口だけの問題ではないかもしれません。
その場合は、先に「シャドーイングでついていけない3つの理由|聞き取れない・言えないときの対処法」を読む方が整理しやすいです。
口が回らない原因は、主にこの3つです
英語の音の流れに、口の動きがまだ慣れていない
一番多いのは、これです。
英語は、日本語よりも口の使い方がかなり違います。
子音が続いたり、単語同士がつながったり、弱く読む部分があったりして、日本語の感覚のままだと口が追いつきにくいです。
しかも、シャドーイングでは考えている暇があまりありません。
流れてきたものに少し遅れてすぐ反応しなければいけないので、口の慣れが足りないと急に苦しくなります。
これは英語力が低いというより、英語の音の流れに合わせて口を動かす経験がまだ少ない、ということでもあります。
長いかたまりを一気に追おうとしている
口が回らない方ほど、全文をそのまま一気に追いかけようとしがちです。
でも、長いかたまりをそのまま飲み込もうとすると、途中で苦しくなります。
料理でも、一度にたくさんの工程を同時に回そうとすると急に雑になります。
切る、焼く、味を見る、盛る、をまとめて一気にやろうとすると、どこかで崩れますよね。
シャドーイングも同じで、長いまとまりを一気に追おうとすると、口の処理が追いつかなくなります。
いきなりシャドーイングに入っていて、助走が足りない
ここもかなり多いです。
口が回らない方は、シャドーイングに入る前の助走が足りていないことがあります。
スクリプトを見ながら音声に重ねて読むオーバーラッピングや、短い区間で口を慣らす作業を飛ばして、いきなり本番に入ってしまう感じです。
走る前に軽く体を動かすだけで動きやすさが変わるように、シャドーイングも前段階があるとかなり楽になります。
もし今、毎回いきなりシャドーイングに入っているなら、それだけで口が回らない原因になっている可能性があります。
口が回らないときに、最初に見直したいこと
短く区切って、言える形を先に作る
口が回らない時は、全文をそのまま追いかけるより、短く区切った方が立て直しやすいです。
一文丸ごとではなく、まずは3語から5語くらいの短いかたまりで区切ります。
そして、その短い区間なら口が回る、という状態を先に作ります。
ここを飛ばして全文に戻ると、また同じ場所で崩れやすいです。
まずは言える形を作る。
そのあとで、少しずつつなげる。
この順番の方が、結果的には早いです。
オーバーラッピングで口を先に慣らす
口だけが追いつかない方は、オーバーラッピングがかなり合いやすいです。
スクリプトを見ながら、音声とほぼ同時に重ねて読む。
これを先にやると、口の動きにかなり助走がつきます。
シャドーイングの前に、まずはスクリプトを見ながら10回前後重ねて読むだけでも、口の動きはかなり変わります。
いきなりシャドーイングをするのがきついなら、まずはオーバーラッピングで口を慣らして、そのあとにシャドーイングへ入る方が安定しやすいです。
このあたりは、やり方全体の流れの中で見ると分かりやすいので、まだシャドーイングの手順自体が固まっていない方は、「シャドーイングの正しいやり方|失敗しない6ステップ」もあわせて読むとつながりやすいです。
必要なら0.8倍速まで落として形を整える
速さが原因で口が崩れているなら、少し速度を落とすのはかなり有効です。
1.0倍速で毎回ぐちゃぐちゃになるなら、まず0.8倍速くらいで形を整える。
そのあとで必要に応じて上げていく。
この方が、ただ苦しみ続けるよりずっと前に進みます。
速度を落とすことに抵抗を感じる方もいますが、口の動きを整える段階では、十分ありです。
無理に原速にこだわるより、言える感覚を先に作る方が大事です。
速度の考え方は別記事で詳しく整理しているので、ここが気になる方は「シャドーイングは0.8倍速でも効果ある?やっていいケースと注意点を解説」を見ると判断しやすいです。
それでも崩れるなら、こういう見直し方が合います
毎回同じ場所で止まるなら、その区間だけ取り出す
毎回同じ場所で崩れるなら、その部分だけを切り出して練習した方が早いです。
一文全部を何度も繰り返しても、崩れる場所が同じなら、そこがボトルネックです。
その区間だけを取り出して、ゆっくり確認する。
口の形、音のつながり、どこで詰まるかを見る。
こうすると、全文で苦しむよりかなり原因が見えやすくなります。
速い部分だけ無理なら、そこだけ速度を調整する
全文を一律に落とすのではなく、速い部分だけを重点的に見直すのもありです。
速い部分だけ何度か分けて確認し、そこだけ少しゆっくり練習する。
そのあとで全体に戻す。
全部ができていないわけではなく、一部の処理だけが詰まっているケースでは、この方法の方が効きます。
自分の声を録音して、どこで崩れているか確認する
口が回らない時は、自分では意外と崩れ方が分かっていないことがあります。
録音してみると、思っていたより言えている部分もあれば、逆に毎回雑になる部分も見えます。
録音するときは、うまく言えたかどうかを何となく聞くのではなく、
「毎回止まる場所は同じか」
「語尾が落ちていないか」
「速いところだけ雑になっていないか」
を見ると使いやすいです。
特に、語尾が消える、速いところだけ雑になる、音のつながりが切れる、途中で急にあせって速くなる、といった崩れ方は録音すると見つけやすいです。
録音の詳しい使い方までここで広げすぎませんが、口の問題を感覚だけで直そうとすると限界があるので、一度客観的に聞いてみるのはかなりおすすめです。
口が回らないままでも、このまま続けていいのか
最初からなめらかに言えなくても大丈夫
ここは安心していい部分です。
シャドーイングは、最初からすらすら言える方が普通、という学習ではありません。
むしろ、最初は口が回らない、もつれる、速いところで崩れる、というのはかなり普通です。
特に、今まで音読や発音の練習量が少なかった方ほど、最初は口の慣れの部分で苦労しやすいです。
なので、口が回らないこと自体を、すぐ失敗と考えなくて大丈夫です。
ただし、毎回ぐちゃぐちゃで終わるならやり方は見直したい
一方で、毎回ぐちゃぐちゃのまま終わるなら、そのまま続けるだけでは厳しいこともあります。
少しずつ整っているならいいのですが、
毎回同じ場所で止まる
いつも速い部分だけ崩れる
何を直せばいいか分からないまま終わる
この状態が続くなら、やり方を少し変えた方がいいです。
一方で、毎回ぐちゃぐちゃのまま終わっていて、どこを直せばよいかも見えていないなら、そのまま回数だけ増やしても改善しにくいです。
この場合は、続けるかやめるかではなく、やり方を変える段階に入っています。
やめる前に確認したいこと
本当に口の問題なのか
ここは最後にもう一度確認したいところです。
口が回らないと思っていても、実はその前に
音が十分に取れていない
意味が曖昧
教材が難しすぎる
ということもあります。
もし、スクリプトを見ても理解が浅い、そもそも音の認識がずれている感じが強い、という場合は、口の問題だけに絞らない方がいいです。
音や意味で止まっているなら、別の見直しが先です
今の悩みが本当に口の問題なら、今回の記事の対処がかなり使いやすいです。
でも、音や意味で止まっているなら、見直す順番が変わります。
その場合は、
「シャドーイングでついていけない3つの理由|聞き取れない・言えないときの対処法」
や、
「シャドーイングが難しいと感じたら読んでほしい|できない原因と見直すポイントを解説」
の方が、今の自分に近いことがあります。
ここを取り違えると、口ばかり練習しても楽にならないので、最後に一度だけ確認してみてください。
口が回らないときは、気合いより「助走の作り方」を変えた方が進みます
シャドーイングで口が回らない時、つい「もっと回数をやらないと」「根性でついていかないと」と思いやすいです。
でも、実際には、気合いより助走の作り方を変えた方が進むことが多いです。
短く区切る。
オーバーラッピングを先に入れる。
必要なら0.8倍速まで落とす。
崩れる場所だけ取り出す。
録音して自分の崩れ方を見る。
こういう調整を入れるだけで、口の追いつき方はかなり変わります。
音は聞こえているのに言えない時は、英語力全体の問題というより、口の慣れ方や助走の不足で止まっていることも多いです。
なので、口が回らないからといって、すぐに向いていないと決めなくて大丈夫です。
まずは、今の自分に合う助走を作れているかを見直してみてください。
そのひと手間で、かなり進みやすくなることがあります。
口が回らないときに必要なのは、気合いではなく、口が回る形までいったん分解してあげることです。
