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「箱根の魅力」を、箱根の人の言葉でつくる。環境省のワークショップ第1回に参加してきた

2026年9月8日。環境省 富士箱根伊豆国立公園管理事務所と箱根町が進める「箱根ならではの魅力を伝えるストーリーづくりワークショップ」の第1回に参加してきました。全4回シリーズの、今日はオリエンテーション回です。
正直、最初は「気軽に顔を出してみるか」くらいの気持ちでした。でも講師が川嶋直さんだと知って、期待値が一気に上がった状態で会場へ。結果、めちゃくちゃ良い1日になりました。

【箱根に足りていなかった「場」だった】

今回いちばん強く感じたのは、こういう場が箱根には今まで少なかったな、ということ。
宿の人、交通の人、施設の人、行政の人、ガイドの人。同じ箱根で働いていても、普段はまず出会わない顔ぶれが一つの部屋に集まって、しかもちゃんと意見を出し合う。直さんのファシリテーションが、その「出し合う」を見事に引き出してくれました。
会場には知り合いもたくさんいました。同じ仙石原で活動している仲間たち、箱根DMOの方、旅館青年部の仲間、先輩。

あちこちに見知った顔があるのに、じっくり話す時間はなかったくらい、中身が詰まっていました。

【ワールドカフェと、えんたくん】

手法はワールドカフェ。箱根でもワールドカフェ自体はやったことがありますが、直さんのやり方でのワールドカフェは初めてでした。同じ手法でも、進め方や問いの置き方でこんなに変わるのかというのが体感できて、これは素直に勉強になりました。自分の引き出しがひとつ増えた感覚です。
そして「えんたくん」。小学校の教員時代に存在は聞いていて、ずっと気になっていた道具です。膝の上に載せる丸い段ボールが、そのままテーブルになり、そのまま模造紙になる。今日あらためて使ってみて、やっぱりこれはいいなと確信しました。みたけにも何枚か置いておきたい。真剣にそう思っています。

これがえんたくんだ!!

【問いは「箱根にある資源って何だと思う?」】

ワールドカフェの問いはこれでした。
僕はちょうど昼神温泉に行ってきたばかりだったので、星空の話をしました。昼神の星空、本当にきれいだったんです。箱根にもいいところあるはずですよね、と。
そうしたら、他の方から「湯本では全然見えないんですよ」「箱根神社や九頭龍神社のあたりでもあまり見えない」という返しが。同じ箱根町の中でも、場所によって全然違う。当たり前といえば当たり前なんですが、これを箱根の人同士で言い合う機会って、今までなかったなと。
そして話は自然と、「星空も朝活も、宿泊しないと体験できないものだよね」というところへ。つまり泊まるからこそ得られる価値であって、そういう活動を用意していけば、宿泊したいお客さんはちゃんと増えるはずだ、という方向に進んでいきました。宿の人間としては、めちゃくちゃ大事な話です。
もうひとつ面白かったのが、湿気の話。箱根の湿気の多さって、ずっとネガティブな要素として語られてきたと思うんです。でも、その湿気があるからこそ、箱根には苔がものすごく多様に育っている。会場には苔の専門の会社の方も来ていて、いろいろ教えてもらいました。
弱点だと思っていたものが、視点を変えると資源になる。インタープリテーションって、まさにこれなんだと思います。

【壁一面の150枚】

最後のワークもすごく良かった。
A5サイズの紙に、箱根の魅力を書いていくんですが、ただ一言書くんじゃない。「これこれ、こういうところが素敵な箱根神社」というふうに、その魅力である理由をセットで書く。これがルールでした。
最終的に壁一面、全部で150枚くらいのカードが集まりました。みんなでそれを並べて眺めながら、1日の振り返り。壮観でした。
そして、この150枚を眺めているときに、今日いちばんの発見がありました。

【箱根は、資源がありすぎる】

並んだカードを見て思ったんです。箱根、資源がありすぎる。
火山、芦ノ湖、旧東海道の石畳、17ある泉質、寄木細工、ススキ草原、雲海、星空、金太郎伝説、外国人避暑地の歴史、乗り物の多さ、ジオパーク、美術館の数。ひとつひとつが立派に主役を張れるものばかりで、それが壁一面に並んでいる。
でも、多いということは、裏を返せばバラバラだということでもある。
宿の人は宿の言葉で、交通の人は交通の言葉で、ガイドの人はガイドの言葉で、それぞれが箱根を語っている。同じ町にいるのに、共通の語り口を持っていない。だから外から来た人に「箱根って何がすごいの?」と聞かれると、有名スポットの名前を並べるしかなくなる。

【共通言語を持つ、というプロジェクト】

だから今日いちばん腑に落ちたのは、これが「共通言語をつくるプロジェクト」なんだということでした。
僕がえんたくんに書き残したのも、まさにそれです。
「箱根の魅力」の共通言語化 → 箱根の人がこれを語れることがすごく大切だと思いました
散らばった資源を、ひとつのストーリーにまとめる。そして箱根に関わる人みんなが「箱根ってこういう場所だよね」と同じ言葉で語れるようにする。地味に聞こえるかもしれないけれど、めちゃくちゃ大事なことをやろうとしている。
しかも、これを外部のコンサルが調べてきれいにまとめた冊子として出すんじゃなくて、箱根に関わる人・箱根に住む人自身の言葉でつくるという設計になっている。ここが本当に肝だと思います。自分たちの言葉じゃないものは、結局誰も語らないので。
それを全4回できちんと設計して、環境省まで交えてやる。どういう流れでこの企画が立ち上がったのかは僕にはわかりませんが、率直に思いました。
箱根、本気出してんじゃん。


【アクセスは最高。なのに、なぜ空室が出るのか】

せっかくなので、議論の中で見えてきた課題も書いておきます。
箱根の強みのひとつは、間違いなくアクセスの良さ。小田原に新幹線が止まるおかげで、東京からも関西圏からも来やすい。だから何もしなくてもお客さんが来る土地ではあります。
でも、僕が引っかかっているのはここです。昼神温泉は8月、まるまる満室だったと聞きました。一方で箱根はどうか。先日、旅館青年部の宿に聞いてみたら、お盆の前後どころかお盆ですら空室が目立つ、と。
今日はそこまで踏み込んで話す時間はなかったけれど、原因はいくつも思い当たります。インバウンドが来すぎたこと。既存の宿泊施設の価格帯が高めに設定されていること。雨が降ったときに行く場所がないこと。アクセスは良いのに、いざ回ろうとするとゴールデンコースは人混みがすごいこと。

【ゴールデンコースの「次」をつくれないか】

ゴールデンコースの話で思ったことがあります。
そのコースから外れている仙石原は、繁忙期と閑散期のギャップが本当に激しい。だったら、ゴールデンコース一本に頼るのをやめて、テーマ別のコースをもっともっと増やせばいいんじゃないか。シルバーコースでもプラチナコースでもいい。
温泉をテーマにしたコース。自然をテーマにしたコース。歴史をテーマにしたコース。そういう選択肢を何本も用意して例示していけば、箱根に来る人の需要をちゃんと分散させられるはずです。
そしてそのコースを支える中身こそが、今回つくろうとしているストーリーなんだと思います。共通言語ができれば、コースは後からいくらでも組める。

【次回へ】

今日はオリエンテーション。全4回のうちのまだ1回目です。次はワールドカフェではないみたいですが、ここからいよいよ「箱根ならではのストーリー」をつくっていくフェーズに入っていきます。
僕自身、ガイドという仕事には前から魅力を感じつつ、情報も足りないし、正直まだ慣れていない領域でした。だから今日、いろんな立場の人の話を聞いて、あらためて「箱根の魅力って何なんだろう」を考えるきっかけになったのは大きな収穫です。
ストーリーのつくり方を、直さんからたっぷり学ばせてもらうつもりです。楽しみでしかない!!

• 第2回:10月5日(月)13:00〜16:00/箱根湯本温泉 吉池旅館
• 第3回:11月10日(火)13:00〜16:00/星槎レイクアリーナ箱根
• 第4回:12月15日(火)13:00〜16:00/星槎レイクアリーナ箱根


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