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【完全版】公務員試験論文答案例集|頻出6テーマ・完成答案12本【市区町村版/都道府県版・設計メモ付き】(新卒・社会人共通)

はじめに

この教材は3本セットの3本目です。論文の型をまだ持っていない方は、先に前2本(無料)を読んでください。

👉 ①公務員試験の論文の書き方|1,000本添削してわかった、そのまま使える構成テンプレート


👉 ②公務員試験 論文の添削例|100点満点で39点の論文。字数を変えずに86点にします。


この教材で手に入るもの

1.頻出6テーマ、1,000字想定の完成答案12本(実測950〜995字)  
・テーマ1〜5(政策論)……各テーマに市区町村版と都道府県版 計10本
・テーマ6(姿勢論)……新卒版と社会人経験者採用版 計2本

2.全答案の設計メモ(なぜこの課題を選び、なぜこの施策にしたか。そして何を書かずに捨てたか)

3.既存資源の組み替えパターン一覧(12答案から抽出した、施策を具体化するための部品集)

4.未収録テーマが出たときの対処表(6テーマで、実質15テーマ以上に応用できます)

答案を読ませて終わりにはしません。同じ判断を自分でできるようになるところまでを教材の範囲にしています。


新卒・既卒・就職浪人の方
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なぜ「答案が2種類」必要なのか

この教材の最大の特徴は、全テーマに市区町村版と都道府県版の2本を収録している点です。

市役所と県庁を併願している方は多い。しかし、同じ答案を両方に出すと、県庁側で評価を落とすリスクが大きい。

理由は単純です。

市区町村は、住民に最も身近な基礎自治体として、直接サービスを担う場面が多い  

都道府県は、広域の調整、市町村の支援、市町村単独では確保しにくい専門性の補完が役割の中心になる

なお、都道府県が住民に直接サービスを提供する領域もあります。たとえば、都道府県が設置する児童相談所・保健所、県立学校などです。したがって、「県は住民に直接サービスを提供しない」と覚えるのではなく、その施策をなぜ県が担う必要があるのかを説明できるかどうかで判断してください。

県の答案に「窓口で資料を手渡す」と書けば、県の役割を理解していないと読まれるリスクが高い。逆に、市の答案に「県内全域の産業構造を転換する」と書けば、実現可能性がないと読まれます。

変えるのは主語ではありません。課題の立て方から変わります。

同じ「少子化」でも、市区町村版の課題は「子育て世帯の孤立」、都道府県版の課題は「市町村間の支援水準の格差」になります。この教材は、その差を12本の実物で見せます。


収録テーマ

テーマ6だけは、政策論ではなく自分の姿勢を論じる問題です。構造がまったく違うにもかかわらず、政策論と同じ型で書いて崩れる答案が非常に多い領域です。ここは市区町村・都道府県ではなく、新卒版と社会人経験者採用版で分けて収録しています。


採点の基準:100点満点の採点表

答案を読む前に、採点の枠組みを共有します。これがないと「良い答案だな」で終わってしまいます。

・課題設定(20点):課題を一つに絞れているか

・原因分析(15点):なぜその課題が生じているかを説明できているか

・施策の具体性(25点):誰が・誰に・何を・どうやってが入っているか

・自治体レベルの適合性(20点):市区町村/都道府県として妥当な粒度か

・構成・論理の一貫性(10点):課題→原因→施策が一本の線で繋がっているか

・文体・字数(10点):常体統一、断定、指定字数の9割以上

この表は、自治体が公表している公式基準ではありません。
私がこれまで答案を添削する際に重視してきた観点を、受験生が自己点検しやすいよう100点に配分した、本教材独自の指導用モデルです。

注目してほしいのは配点の意図です。本教材では「施策の具体性」と「自治体レベルへの適合性」の2軸に計45点を置いています。

実際の試験でこの比率が採用されているという意味ではなく、添削の実感として、答案の差がこの2軸で最も大きく開くからです。

私がこれまで添削してきた答案では、施策の具体性や自治体レベルの検討よりも、構成、文体、言葉選びに多くの時間を使っているケースが目立ちました。本教材では、この優先順位を逆に置きます。

まず課題・原因・施策と行政レベルを固め、その後に文章を整える。この順序で考えてください。


型の要約:4ブロック+1

収録答案はすべて、次の構成で書かれています。
※前編では4ブロックとして説明しましたが、収録答案はすべて、そこに60字の段落を一つ足した形で書かれています。ここがもっとも差のつく部分です。
なお、収録答案は950〜995字で書いています。1,000字の出題に対して9割5分前後を埋める設計です。字数が不足したときに足す順序は、①施策の3段目(なぜ実行可能か/何が残るか)、②原因分析の末尾(行政側の課題)、③序論の受験自治体の事実、の順です。削るときは逆順で、転換の一文だけは最後まで残してください。

①序論(約200字)/絞ることを宣言する
テーマの広さを1文で認め、そのうえで課題を1つに絞り、なぜそこを選んだかを述べる。3文で足ります。
この宣言がないと、同じ施策が「発想が小さい答案」に見えます。逆に宣言があれば、小さい施策も「意図して絞った」と読まれる。序論の役割は課題の提示ではなく、以降の答案の読まれ方を決めることです。


②原因(約230字)/施策と往復して選ぶ
原因を先に決めて施策を後から探すと、行き詰まることがあります。
逆に、書きたい施策に都合のよい原因を後付けするのも危険です。課題・原因・施策を往復しながら、最も自然につながる組み合わせに絞ってください。

最後に、課題→原因→施策の因果が一本で成立しているかを必ず確認します。

そして原因の末尾に、行政側の課題を1つ加えてください。「支援センターが孤立世帯に届いていない」(テーマ1)、「名簿が作られたまま活用されない」(テーマ3)のように。これがあると、施策1が論理的に要求される形になります。


③施策(約420字)/2本、役割を分ける
1本では薄く、3本にすると各100字台になり、「誰が・誰に・何を・どうやって」まで書き切れません。本教材では、1,000字なら原則2本を推奨します。3本で成立する設問もありますが、問われているのは本数ではなく、1本ごとに実施主体・対象・方法・実現可能性まで具体化できているかです。
重要なのは、2本に別々の仕事をさせることです。同じ方向の施策を2本並べても、実質1本です。

・テーマ1|施策1=届ける(行政のプロセスを変える)/施策2=場をつくる(住民同士の関係を残す)
・テーマ3|施策1=平時に手順を作る/施策2=平時に検証する
・テーマ5|施策1=内部を点検する/施策2=入口をつくる

判定は一つの問いで足ります。

これ、明日から誰が何をするの?

答えられなければ、その施策は空欄と同じです。


④転換の一文(約60字)/4ブロックに含まれない5つ目
ここが、多くの答案に欠けている部分です。
収録した政策論10本すべてに、施策のあとで結論の前に、独立した1段落が置かれています。

限られた財源の中では、新規施設の整備よりも、既存の窓口と施設の空き時間を組み替えることが有効である。」(テーマ1・市区町村版)

災害時に新たな体制を立ち上げることはできない。平時の業務と訓練の中に手順を埋め込んでおくことが、限られた体制での現実的な備えである。」(テーマ3・市区町村版)

いずれの施策も、県が事業を代行するのではなく、市町村が自ら実施できる状態をつくることに主眼を置いている。」(テーマ1・都道府県版)

役割は、なぜこの2本を選んだのかを答えることです。施策を並べただけでは、採点者に「他にもっと有効な手はあるのでは」と思われます。この1段落が、選択に理由があったことを示します。

使い分けは明快です。

・市区町村版……財源・体制の制約を書く

・都道府県版……代行しないことを書く

・防災など時点が問題になるテーマ……なぜ平時の話しかしていないのかを書く

60字で、答案全体の説得力が変わります。字数が足りなければ他を削ってでも入れてください。


⑤結論(約120字)/2文で終える
第1文は施策の要約。「以上のとおり、◯◯に対しては、△△と□□が有効である」。
第2文は職員としての姿勢。ここで課題の言い換えを1つ入れると締まります。
私は職員として、住民が制度を探さなくても支援に到達できる窓口のあり方を追求していく。」(テーマ1)

孤立した世帯に支援が届いていない」を「制度を探さなくても到達できる」に言い換えています。決意表明で終わらせず、具体像に接続する。抽象的な結びは、それだけで印象を落とします。


字数配分の目安

・①序論……200字/絞ることを宣言

・②原因……230字/施策と往復

・③施策……420字/2本、役割を分ける

・④転換……60字/なぜこの2本か

・⑤結論……120字/要約+姿勢

このあと読む12本は、すべてこの配分で書かれています。読みながら、どこからどこまでがどのブロックかを目で追ってください。

構想メモの段階では、①と④を先に決めてください。この2つが決まっていれば、②と③は自動的に絞られます。

論理の繋ぎ方:接続の4手順

ブロックを揃えても、中で論理が飛ぶと点は伸びません。繋ぎ方には手順があります。

手順1|語を継ぐ
前のブロックの末尾に出た語を、次のブロックの冒頭で受ける。これだけで段落間の断絶が消えます。
②の末尾……最も支援を必要とする孤立した世帯に届いていない。
③の冒頭……そこで第一に、支援を「待つ」体制から「届ける」体制へ切り替える。
③施策2……第二に、孤立が最も深まる時期に対象を絞った場を設ける。
「届いていない」から「届ける」へ、「孤立」から「孤立が最も深まる時期」へ。原因で使った語を、施策の冒頭で拾い直しています。
繰り返しを避けようとして類語に言い換える人が多いのですが、逆効果です。同じ語を繰り返すほうが、論理は繋がって見えます。

手順2|構造を名指しする
原因分析で最も効くのは、現象ではなく構造を書くことです。

・「自ら相談できない単身高齢者ほど把握から漏れる構造になっている」(テーマ2)
・「依頼する側は一件ずつでも、受ける側にはすべてが集まる」(テーマ4)
・「負担が重いために引き受け手が減り、残った少数に業務が集中して、さらに重くなる。この循環を断たない限り、担い手の確保は進まない」(テーマ4)

「〜という構造になっている」「〜という非対称がある」「この循環を断たない限り」。この形にすると、施策が構造を壊す手段として位置づきます。現象を並べただけでは、施策が対症療法に見えます。

手順3|行政側の課題で折り返す
原因分析の末尾に、行政側の課題を1つ置く。これが②と③を繋ぐ蝶番です。
「一方、本市が設置する子育て支援センターは、乳児を連れた初回の来所に心理的な負担が生じやすく、最も支援を必要とする孤立した世帯に届いていない。」(テーマ1)
この一文があるから、施策1が「届ける体制への転換」でなければならない理由が生まれます。ない場合、施策1は数ある選択肢の一つに過ぎません。
置き方は「一方、」「また、」「加えて、」で折り返す。住民側の困難を述べたあとで、行政側の不作為に視点を移す。この転回が、答案の中で最も点が動く箇所です。

手順4|施策の中で3段に組む
施策1本の内側にも順序があります。

1.何をするか(1文)

2.誰が・誰に・どうやって(2〜3文)

3.なぜ実行可能か/何が残るか(1文)

3つ目が抜けている答案が非常に多い。ここには2種類あります。

実行可能性を担保する型
「新たな窓口を設けるのではなく、既存の転入手続の流れに一工程を加える形とし、追加の人員配置を伴わない。」(テーマ1・施策1)

施策の出口を示す型
「対象月齢を絞ることで参加者同士の悩みが重なり、行政の関与が終わったあとも続く関係が生まれやすくなる。」(テーマ1・施策2)

行政が永続的に手をかける前提の施策は、財政面で弱く見えます。関与が終わったあとに何が残るかを書くと、それだけで施策の格が上がります。


繋がりの自己点検

書き終えたら、次の3つを確認してください。

点検1|原因で挙げた困りごとが、施策で解消されているか
原因分析に書いた困りごとを指で数え、それぞれに対応する施策があるかを見る。対応のない困りごとは、削るか、施策を足すかの二択です。対応する施策のない困りごとを残すと、課題→施策の一貫性が弱く見えます。面接でも突かれやすい箇所です。
これは収録答案の推敲でも実際に使った点検です。テーマ5では、原因に挙げた「審査の進行状況が見えない」に対応する施策がなく、原因の側を削りました。

点検2|施策2本が、別の仕事をしているか
2本が同じ方向を向いていたら、実質1本です。「届ける/場をつくる」「手順を作る/検証する」のように、動詞が違うかで判定できます。

点検3|結論の第2文が、序論の課題を言い換えているか
序論で「孤立して第二子をためらう」と書いたなら、結論は「制度を探さなくても支援に到達できる」。同じことを違う言葉で言えているかが、答案が一本の線で書けている証拠になります。
書き出しに戻って読み返す時間がないときは、この点検3だけでも行ってください。30秒で終わります。


サンプル答案:テーマ1・市区町村版(全文公開)

購入前に、答案の水準を確認してください。1本まるごと出します。

出題例:「少子化が進行する中で、行政が取り組むべき施策について、あなたの考えを述べなさい。(1,000字)」

少子化の要因は、経済的負担、働き方、価値観の変化など多岐にわたり、そのすべてに基礎自治体が対応できるわけではない。本稿では、本市が自らの権限と資源で直接対応でき、かつ効果が見込める課題として、第一子の出産後に子育て世帯が孤立し、第二子以降の出産をためらう状況を取り上げる。出産をためらわせる要因のうち、既に子を持つ世帯の負担は、本市が自らの手で軽減できる領域だからである。

 この状況の背景には、子育て世帯の地縁の希薄化がある。本市は都市部近郊に位置し、転入世帯の割合が高い。近隣に頼れる親族を持たない世帯では、育児の負担が一方の親に集中し、日中に育児の悩みを話せる相手が身近にいない。自らの判断が適切かを確かめる機会のないまま不安が蓄積し、第二子以降の出産を考える際の負担要因の一つとなっている。
一方、本市が設置する子育て支援センターは、乳児を連れた初回の来所に心理的な負担が生じやすく、最も支援を必要とする孤立した世帯に届いていない。

 そこで第一に、支援を「待つ」体制から「届ける」体制へ切り替える。市民課の窓口では、転入手続および出生届の際に、未就学児のいる世帯を把握できる。この時点で担当職員が、地域の保育施設・小児科・親子サークルを一覧化した資料を手渡し、子育て支援センターの初回来所日をその場で予約できる仕組みとする。新たな窓口を設けるのではなく、既存の転入手続の流れに一工程を加える形とし、追加の人員配置を伴わない。

 第二に、孤立が最も深まる時期に対象を絞った場を設ける。保育課が、生後6か月から1歳の子を持つ親を対象に、子育て支援センターの利用が少ない平日午前の時間帯を用いて、定例の交流会を月2回開催する。運営は既に本市に登録のある子育てサポーターに担ってもらい、職員の関与は会場調整と広報に限る。対象月齢を絞ることで参加者同士の悩みが重なり、行政の関与が終わったあとも続く関係が生まれやすくなる。

 限られた財源の中では、新規施設の整備よりも、既存の窓口と施設の空き時間を組み替えることが有効である。

 以上のとおり、子育て期の孤立と負担に対しては、支援を届ける仕組みへ転換し、孤立の深い時期に対象を絞って関係をつくることが有効である。私は職員として、住民が制度を探さなくても支援に到達できる窓口のあり方を追求していく。
(967字)

 

この答案が、なぜこの課題を選び、なぜ現金給付や保育所整備を書かなかったのか。その判断の中身が設計メモです。有料部分では、全12答案について、設計メモを収録しています。


こんな方に向いています

・市役所と県庁を併願していて、答案を使い分ける必要がある方

・型は知っているが、施策が抽象的になってしまう方

・論文対策に時間をかけられず、短期間で形にしたい方

・社会人経験者採用で、経験の書き方に迷っている方

こんな方には不要です

・すでに複数の答案を書き、添削を受けている方

・専門記述(法律・経済の学術的知識を問う試験)の対策を探している方

・丸暗記できる答案を求めている方(この教材は暗記を勧めません。理由は本文で説明します)


この教材の使い方

暗記はしないでください

先に断っておきます。この12本を暗記して本番で再現しても、点は伸びません。

理由は、答案の中に「本市では転入世帯の割合が高い」のような、自治体固有の事実が入っているからです。この一文が具体性を支えていますが、あなたの受験自治体の事実ではありません。そのまま書けば、嘘になります。

使い方は3段階です。

第1段階|答案を読む。 まず市区町村版と都道府県版を続けて読み、何が入れ替わっているかを体感してください。

第2段階|設計メモを読む。 答案そのものより、こちらが本体です。特に各メモの末尾にある「意図的に避けたもの」を必ず読んでください。良い答案の作り方より、捨てた選択肢の理由のほうが、他のテーマに転用できます。

第3段階|自分の自治体の事実に置き換える。 各テーマの末尾に「自分用に書き換えるとき」を付けています。確認すべき項目を具体的に指定していますので、そこだけ調べてください。

6テーマで足りるのか

6テーマを暗記すればあらゆる出題に対応できる、という意味ではありません。

この6テーマで練習するのは、政策論に共通する「課題の絞り方」「原因の立て方」「施策の具体化」「レベルの合わせ方」の4点です。
頻出の行政課題は、対象を絞る、既存資源を組み替える、平時に備える、担い手を外部化する、内部を改革する、という構造の型に整理できます。この5つと姿勢型を押さえれば、多くの出題に応用が利きます。
未収録テーマ(観光、交通、環境など)では、そのテーマ固有の制度と受験自治体の事情を調べる必要があります。そのうえで第8章の対処表と第7章の部品を使えば、初見のテーマでも構想を組み立てやすくなります。実質15テーマ以上に応用できる設計です。




第1章:テーマ1 少子化・子育て支援

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