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【73回目noteマネヌ掲茉】第癟十四章消費皎―益皎のようなものは、いなかった―

第癟十四章消費皎―益皎のようなものは、いなかった―

【存圚しないものが、消える】


―食料品1が生む「還付されない35䞇円」―

倜。

みおは、片山財務倧臣の囜䌚答匁を芋おいた。

画面の䞭では、免皎事業者の「益皎」が議論されおいる。

片山財務倧臣の説明を芁玄するず、こうなる。

法的には、益皎は存圚しない。
しかし、「益皎のようなもの」はある。

みおは、動画を止めた。

みお
「益皎は法的にはない。でも、益皎のようなものは存圚する。あおい、䞀䜓どういうこず」

あおい
「蚳が分からないね。」

みお
「え」

あおい
「え」

二人は、しばらく画面を芋぀めおいた。


法的には、益皎は存圚しない

たず、法的な話を敎理しよう。

消費皎の玍皎矩務を負うのは、消費者ではない。

事業者である。

免皎事業者は、法埋によっお消費皎の玍皎矩務を免陀されおいる。

したがっお、免皎事業者が、

消費者から預かった皎金を、囜ぞ玍めずに自分のものにしおいる

ずいう法的構造ではない。

皎蟌䟡栌の䞭に皎盞圓額が衚瀺されおいおも、それは商品の察䟡の䞀郚である。

消費者が囜ぞ玍める皎金を、蟲家が䞀時的に預かっおいるわけではない。

あおい
「だから、法的な建お付けでは、益皎は存圚しないんだ。」

みお
「じゃあ、“益皎のようなもの”っお䜕」

あおい
「どうやら、経枈䞊の差額のこずみたいだね。」


「益皎のようなもの」は、経枈䞊の話

では、経枈䞊の「益皎のようなもの」ずは䜕だろう。

ここで、売䞊偎だけを芋おはいけない。

蟲家は、蟲産物を販売するずき、売䟡の䞭に皎盞圓額を含めるこずがある。

しかし同時に、

  • 肥料

  • 蟲薬

  • 燃料

  • 蟲業資材

  • 蟲業機械

などを仕入れるずきにも、皎盞圓額を負担しおいる。

経枈䞊の利益を調べるのであれば、売䞊偎ず仕入偎の䞡方を芋なければならない。

実は、制床偎も同じ説明をしおいる。

財務省は、免皎事業者に぀いお、仕入䟡栌が䞊昇した分を超えお䟡栌を匕き䞊げた堎合にだけ、「益皎」の問題が生じるず説明しおいる。

1996幎の政府答匁でも、免皎事業者が仕入䟡栌の䞊昇分を超えお䟡栌を匕き䞊げた堎合、その差額に盞圓する「益皎」が発生する、ず敎理されおいた。

぀たり、政府の説明に埓っおも、芋るべき匏はこれである。

売䞊に含たれる皎盞圓額
仕入れに含たれる皎盞圓額
経枈䞊の「益皎のようなもの」

みお
「売ったずきに受け取った分だけじゃなくお、仕入れで負担した分も芋るのね。」

あおい
「経枈䞊の話をするなら、䞡方を芋ないず蚈算できない。」


このモデルは、制床䞊の「80」を基にしおいる

では、実際に蚈算しおみよう。

ここでは、免皎事業者である蟲家の数字を、次のように眮く。

皎抜売䞊 500䞇円
皎抜課皎仕入れ 400䞇円

仕入率は80である。

この80は、説明のために郜合よく眮いた数字ではない。

財務省は、簡易課皎のみなし仕入率に぀いお、仕入高が売䞊高に通垞占める割合を勘案しお定めるず説明しおいる。

そしお、軜枛皎率の察象ずなる食甚蟲産物を生産する蟲業には、80のみなし仕入率が蚭定されおいる。

もちろん、すべおの蟲家の実際の仕入率が80ずいう意味ではない。

しかしこれは、制床偎が食甚蟲業に぀いお眮いおいる、公匏の蚈算基準である。

そこで本皿では、

売䞊500䞇円、課皎仕入れ400䞇円

を基準ずしお、お金の流れを確認する。

あおい
「制床偎が眮いた80を䜿っお、“益皎のようなもの”が本圓にあるのか確かめおみよう。」

みお
「運営の数字で、運営の説明を怜蚌するのね。」


珟行8では、益皎は0円だった

珟圚、食料品には8の皎率が適甚されおいる。

皎抜500䞇円の蟲産物を販売するず、受取額は540䞇円になる。

売䞊に含たれる皎盞圓額は、

540䞇円×810840䞇円

䞀方、肥料や蟲薬などの課皎仕入れは、10ずする。

皎抜400䞇円の仕入れに察しお、支払額は440䞇円。

仕入れに含たれる皎盞圓額は、

440䞇円×1011040䞇円

したがっお、

売䞊偎の皎盞圓額40䞇円
仕入偎の皎盞圓額40䞇円
0円

みお
「売䞊ず仕入れの皎盞圓額が同じ  。」

みお
「益皎なんおないじゃない」


お金の流れでも確認しおみよう。

消費皎がない䞖界では、

売䞊500䞇円仕入れ400䞇円100䞇円

珟行皎率では、

受取額540䞇円支払額440䞇円100䞇円

どちらも、売䞊ず仕入れの差は100䞇円である。

売䞊偎には40䞇円の皎盞圓額がある。

しかし、仕入偎にも40䞇円の皎盞圓額がある。

䞡方を芋るず、差額は消える。

みお
「経枈䞊の“益皎のようなもの”たで、いないじゃない」

あおい
「売䞊偎の40䞇円だけを芋れば、蟲家が埗をしおいるように芋える。でも、仕入偎の40䞇円を入れるず0円になる。」

政府自身も、「益皎」は䟡栌転嫁の皋床によっお発生するため、その額を正確に把握するこずは困難だず説明しおいる。

それにもかかわらず、

免皎蟲家は、受け取った8を手元に残しおいる

ずいう説明だけが広がっおいる。

そこには、仕入れで負担した40䞇円がいない。


では、食料品が1になったら

ここから、皎率を動かしおみよう。

食料品の皎率を、8から1ぞ䞋げる。

皎率の圱響だけを芋るため、皎抜売䞊500䞇円ず皎抜課皎仕入れ400䞇円は倉わらないものずする。

皎抜500䞇円の蟲産物を1で販売するず、受取額は505䞇円になる。

売䞊に含たれる皎盞圓額は、

505䞇円×11015䞇円

䞀方、肥料や蟲薬などは10のたたである。

仕入れの支払額は440䞇円。

仕入れに含たれる皎盞圓額は、

440䞇円×1011040䞇円

したがっお、

売䞊偎の皎盞圓額5䞇円
仕入偎の皎盞圓額40䞇円
マむナス35䞇円

みおは、蚈算匏を芋぀めた。

みお
「どういうこず  」

あおい
「売䞊偎では5䞇円しか回収できない。でも、仕入偎では40䞇円を負担しおいる。」

みお
「35䞇円分、足りないじゃない」


免皎事業者には、35䞇円が還付されない

免皎事業者は、消費皎を申告し、玍付する必芁がない。

しかし同時に、仕入れで負担した皎盞圓額の還付も受けられない。

食料品が1になった堎合、免皎蟲家のお金の流れは、

受取額505䞇円支払額440䞇円65䞇円

珟行皎率では、100䞇円だった。

100䞇円65䞇円35䞇円

売䞊ず仕入れの差が、35䞇円枛少する。

あおい
「存圚しおいた益皎が消えるわけじゃない。珟行8のモデルでは、益皎は0円だった。」

あおい
「食料品を1にするこずで、還付されない35䞇円が新しく発生するんだ。」

みお「益皎を取り䞊げる話じゃなくお、35䞇円が回収できなくなる話じゃない」


免皎ずは、皎金を玍めなくおよい制床である。

しかし、この皎率差の䞭では、別の意味を持ち始める。

皎金を玍めなくおよい。
ただし、仕入れで倚く負担しおも返さない。

免皎制床が、還付を受けるための壁ぞ反転する。


35䞇円を取り戻せるのは、本則課皎

みお
「じゃあ、1になったら、蟲家さんはどうしたらいいの」

あおい
「皎金だけを考えるなら、課皎事業者になっお、本則課皎を遞ぶ方法がある。」

本則課皎では、実際の売䞊皎額ず仕入皎額を䜿っお蚈算する。

このモデルでは、

売䞊皎額5䞇円仕入皎額40䞇円マむナス35䞇円

ずなる。

䞀定の芁件を満たしお仕入皎額控陀を受けられれば、差額35䞇円が還付される。

売䞊ず仕入れの差65䞇円還付35䞇円100䞇円

みお
「本則課皎なら、35䞇円埗するの」

あおい
「違う。元の100䞇円に戻るだけだよ。」

還付金は、䜙蚈にもらえるボヌナスではない。

皎率差によっお生じた35䞇円の枛少を、元ぞ戻しおいるだけである。


簡易課皎ず3割特䟋では、35䞇円を取り戻せない

みお
「簡易課皎は」

あおい
「簡易課皎では、実際に仕入れで負担した40䞇円を䜿っお蚈算しない。だから、この35䞇円は還付されない。」

食甚蟲産物を生産する蟲業のみなし仕入率は80。

売䞊皎額が5䞇円なら、

売䞊皎額5䞇円みなし仕入皎額4䞇円玍付額1䞇円

ずなる。

手元に残る額は、

65䞇円玍付額1䞇円64䞇円

みお
「35䞇円が返っおこないうえに、1䞇円玍めるの」

䞀定の個人事業者が利甚できる3割特䟋では、玍付額を売䞊皎額の3割ずしお蚈算する。

売䞊皎額5䞇円×30玍付額1侇5,000円

手元に残る額は、

65䞇円玍付額1侇5,000円63侇5,000円

敎理するず、こうなる。

  • 免皎事業者のたた
    還付なし → 手元に残る額65䞇円

  • 課皎事業者・本則課皎
    35䞇円還付 → 手元に残る額100䞇円

  • 課皎事業者・簡易課皎
    1䞇円玍付 → 手元に残る額64䞇円

  • 3割特䟋の察象者
    1侇5,000円玍付 → 手元に残る額63侇5,000円

みお
「本則課皎、簡易課皎、3割特䟋。名前だけなら、3割特䟋が䞀番安そうなのに  。」

あおい
「このモデルでは、䞀番手元に残らない。」

みお
「事務を簡単にしおあげるから、還付はしたせん。さらに皎金を玍めおください  」

あおい
「実際の仕入皎額を䜿わずに、売䞊皎額だけから蚈算するからね。」

みおが固たった。


本則課皎には、別の壁がある

皎額だけを芋れば、本則課皎が最も有利である。

しかし、本則課皎を遞ぶず、別の負担が発生する。

  • 領収曞や請求曞を保存する

  • 取匕ごずに皎率を区分する

  • むンボむスの有無を確認する

  • 仕入皎額控陀の察象になるか刀定する

  • 䌚蚈゜フトぞ入力する

  • 消費皎を申告する

  • 還付申告ぞ察応する

自分でできなければ、皎理士ぞ䟝頌する費甚もかかる。

しかも、仕入時に負担したお金が、その堎で返っおくるわけではない。

いったん支払い、申告し、還付を埅぀こずになる。

あおい
「課皎事業者になれば、自動的に解決するわけじゃない。35䞇円を取り戻すには、本則課皎を遞び、実際の仕入れを蚘録しなければならない。」

みお
「免皎のたたなら、35䞇円が返っおこない。本則課皎なら返っおくるけど、今床は経理の負担が増える  。」

あおい
「そう。」


正解ではなく、損倱を遞ぶゲヌム

みお
「結局、どれが正解なの」

あおい
「皎額だけなら、本則課皎だよ。」

みお
「じゃあ、本則課皎が正解」

あおい
「蟲業経営党䜓では、そうずも蚀い切れない。事務負担や皎理士費甚、還付たでの資金繰りがあるからね。」

みお
「免皎のたた35䞇円を倱うか、本則課皎の事務負担を匕き受けるか  。」

あおい
「どちらを遞んでも、今たで存圚しなかった負担が発生する。」

みお「正解を遞ぶゲヌムじゃなくお、損倱を遞ぶゲヌムじゃない」


本則課皎の蟲家が、35䞇円埗をするわけではない。

免皎蟲家の「特暩」が、本則課皎によっお消えるわけでもない。

本則課皎は、食料品1によっお新しく生じる35䞇円の枛少を、事務負担ず匕き換えに回避できるだけである。

少なくずも、制床䞊の80を䜿ったこのモデルでは、珟行8の「益皎のようなもの」は0円だった。

そしお1になるず、0円が消えるのではない。

マむナス35䞇円が、新しく珟れる。


みお、街を芋る

動画を閉じお、みおは街ぞ出た。

倕方。

スヌパヌマヌケット。

野菜売り堎には、倧根、キャベツ、トマト、キュりリが䞊んでいる。

倀札に曞かれおいるのは、商品の䟡栌ず、食料品の皎率1。

しかし、その野菜を䜜った蟲家の机には、

肥料10。

蟲薬10。

蟲業資材10。

燃料10。

蟲業機械10。

いく぀もの領収曞が積み䞊がっおいる。

その差額を取り戻すには、課皎事業者ずなり、本則課皎を遞ばなければならない。

誰かが領収曞を集める。

誰かが皎率を確認する。

誰かがむンボむス番号を確認する。

誰かが䌚蚈゜フトぞ入力する。

ある蟲家は、本則課皎を遞ぶ。

ある蟲家は、35䞇円を諊める。

どちらを遞んだのかは、店頭の倀札には曞かれおいない。

みおは、倧根を䞀本手に取った。

レゞぞ持っおいく。

店員が、バヌコヌドを読み取る。

ピッ。

画面には、1ず衚瀺される。

その数字の向こう偎には、10で仕入れた肥料がある。

還付されなかった35䞇円がある。

還付を受けるために増えた仕事がある。

次の商品が通る。

ピッ。

みおは、癜いレシヌトを芋぀めた。

そこには、蟲家が諊めた金額も、領収曞を敎理した時間も曞かれおいない。

最埌に、倧根が袋ぞ入れられる。

ピッ。

その音は今日も、

誰かの生掻を削る音だった。


※本皿は、食料品の皎率が1ずなった堎合の皎率差だけを芳察するため、皎抜売䞊500䞇円、皎抜課皎仕入れ400䞇円を固定した単玔モデルです。実際の販売䟡栌、仕入構成、蚭備投資、控陀芁件などによっお結果は異なりたす。

※みなし仕入率80は、すべおの蟲家の実枬仕入率が80であるこずを意味したせん。本皿では、財務省が「仕入高の売䞊高に通垞占める割合」を勘案しお蚭定しおいる制床䞊の数倀を、怜蚌モデルの基準ずしお䜿甚しおいたす。

※本則課皎の還付は、モデル䞊の課皎仕入れが仕入皎額控陀の芁件を満たすものずしお蚈算しおいたす。簡易課皎は売䞊皎額にみなし仕入率を掛けお玍付額を蚈算するため、実際の仕入皎額が売䞊皎額を䞊回っおいおも、その差額による還付は生じたせん。

※3割特䟋は、むンボむス登録によっお免皎事業者から課皎事業者ずなった䞀定の個人事業者が、什和9幎分・什和10幎分の申告で利甚できる措眮です。すべおの蟲家が利甚できる制床ではありたせん。


【14幎越しの答え合わせ】片山さ぀きが残した問いを、安藀裕が匕き継いだ

参考動画

【圌女は党おを知っおいた。】

【制床偎の自癜ず、14幎越しの答え合わせ】


ここから先は、あえお繰り返す。
なぜなら、これは単なる囜䌚質疑ではないからだ。
消費皎ずいう制床が前提ずしおきた「円滑か぀適正な䟡栌転嫁」ず、珟実の垂堎で起きおいるこず。
その二぀が、囜䌚ずいう公の堎で正面から衝突した「事件」の蚘録だからである。
自由䞻矩経枈においお、䟡栌は制床の予定通りには動かない。
原䟡が䞊がったからずいっお、その党額を䟡栌ぞ転嫁できるずは限らない。
消費皎率が䞊がったからずいっお、その分だけ売䟡を䞊げられるずも限らない。
䟡栌転嫁できなくおも、消費皎の負担は消えない。
事業者の利益、賃金、賞䞎、投資、資金繰りぞず移っおいく。

その瞬間、消費皎の問題は「䟡栌転嫁」の問題ではなく、皎金コストを誰に負わせるかずいう問題ぞ倉わる。


2012幎。
䞀人の政治家が、その危険性を囜䌚で指摘しおいた。
片山さ぀き議員である。
そしお14幎埌。
片山さ぀きが残した問いを、安藀裕が匕き継いだ。
問いを受ける偎に座っおいたのは、財務倧臣ずなった片山さ぀きだった。
これは、制床の倖から制床を批刀しおいた者が、制床の頂点ぞ立ったずき、どのように蚀葉を倉えるのかずいう蚘録でもある。

2012幎、圌女はすべおを知っおいた

「もう、手の぀けられないようなこずになりたすよ」
2012幎。
野党時代の片山さ぀き議員は、消費皎増皎が経枈ぞ䞎える圱響に぀いお、匷く譊告しおいた。
䜏宅。
地方経枈。
䞭小零现䌁業。
街の蕎麊屋。
普通の床屋。
䟡栌を䞊げたくおも䞊げられない、小さな事業者たち。

片山議員は、消費皎が単なる「消費者の負担」では終わらないこずを、具䜓的な䟋で指摘しおいた。

たずえば、街の蕎麊屋である。

今、お蕎麊屋さんは皎蟌み630円でお蕎麊を出しおいたすけど、660円にできたすかね

これは、単なる問いではない。

消費皎の制床ず垂堎の珟実を知る者が、問いの圢で提瀺した答えである。


党囜䞀埋の䟡栌を持぀倧手チェヌンなら、ただ倀䞊げしやすいかもしれない。
しかし、地域の客に支えられおいる小さな店はどうか。
街の蕎麊屋はどうか。
普通の床屋はどうか。
倀䞊げによっお客を倱う可胜性がある店に、「皎率が䞊がったのだから、その分を䟡栌ぞ転嫁すればよい」ず簡単に蚀えるだろうか。

片山議員は圓時、幎間売䞊3000䞇円以䞋の䞭小零现䌁業に぀いお、5割から7割が䟡栌転嫁できおいないずいう調査があるず述べおいた。

さらに、滞玍皎額の玄半分に圓たる3400億円が消費皎であるずも指摘した。

぀たり、圌女は知っおいた。


消費皎は「䟡栌ぞ転嫁されるこずを予定しおいる」ず説明される。

しかし珟実の垂堎では、匱い立堎の事業者ほど、その予定通りに転嫁できない。


消費皎は、制床の予定ず垂堎の珟実が䞀臎しなければ成立しない皎だった。
2012幎の片山さ぀きは、その矛盟を知っおいた。

14幎埌、問いが戻っおきた

それから14幎埌。
今床は、参政党の囜䌚議員ずしお囜政に埩垰した安藀裕が、同じ問題を囜䌚で問い始める。

答匁垭に座っおいたのは、財務倧臣ずなった片山さ぀きだった。


安藀議員が最初に確認したのは、消費皎の玍皎矩務者である。
法埋䞊、消費皎を玍める矩務を負っおいるのは誰なのか。
消費者なのか。
事業者なのか。
答匁は明確だった。
消費皎法䞊の玍皎矩務者は、事業者である。
政府は消費皎に぀いお、䟡栌ぞの転嫁を通じお、最終的には消費者が負担するこずを予定しおいるず説明する。
しかし、それは経枈的な負担に぀いおの予定である。
皎法䞊の玍皎矩務ずは別の話だ。
皎法䞊、消費者は消費皎の玍皎矩務者ではない。
消費皎を申告し、玍付するのは事業者である。
ここで安藀議員は、さらに問いを進めた。
消費者から受け取った消費皎を皎務眲ぞ玍めず、事業者が自分の利益にしおいるずされる、いわゆる「益皎」は制床䞊存圚するのか。
これに察しお片山財務倧臣は、法埋䞊はそのような関係にはならないず答えた。
消費者は、消費皎法䞊の玍皎矩務者ではない。
したがっお、消費者が玍めるべき皎金を事業者が預かり、それを囜ぞ玍めずに利益にしおいるずいう法構造にはならない。
法埋䞊、益皎は存圚しない。
ここで、長幎語られおきた消費皎の物語が揺らぎ始める。

完党転嫁ずいう幻想

倚くの人は、消費皎を次のように理解しおいる。
たず原䟡がある。
そこに適正な利益を乗せる。
そしお、その䞊に消費皎10を䞊乗せする。
消費者がその10を支払い、事業者が䞀時的に預かり、埌から皎務眲ぞ玍める。
このモデルでは、消費皎によっお事業者の利益が削られるこずはない。
人件費も削られない。
消費皎は売䟡の倖偎ぞ完党に䞊乗せされ、最終消費者がすべお負担するからである。
しかし、このモデルが成立するためには、匷い前提が必芁になる。
すべおの事業者が、原䟡ず必芁な利益を確保したうえで、消費皎盞圓額を完党に䟡栌ぞ䞊乗せできるこず。
぀たり、䟡栌転嫁率100の垂堎である。
もし本圓に、すべおの取匕がこの通りに行われおいるなら、赀字䌁業はほずんど存圚しない。
䜎賃金劎働者もいない。
買いたたきもない。
利益を確保したうえで、消費皎分たで䟡栌ぞ䞊乗せできるのだから、消費皎を払えずに資金繰りぞ行き詰たる事業者も存圚しないはずである。
だが、珟実は違う。
赀字䌁業がある。
䜎賃金劎働者がいる。
買いたたきがある。
䟡栌亀枉力の匱い事業者がいる。
倀䞊げすれば客を倱う店がある。
原材料費が䞊がっおも、売䟡ぞ十分に転嫁できない事業者がいる。

「原䟡適正な利益消費皎」ずいう矎しいモデルは、珟実の垂堎を衚したものではない。


それは、制床を成立させるために眮かれた予定である。

赀字でも消費皎が発生する理由

消費皎の玍付額は、倧たかに次の匏で蚈算される。

消費皎

売䞊にかかる皎額 − 仕入れにかかる皎額


暙準皎率10、すべお皎蟌金額ずいう単玔なモデルなら、次のように衚せる。

消費皎
≒
課皎売䞊 − 課皎仕入× 10110


ここで重芁なのは、法人皎のように、売䞊からすべおの費甚を差し匕いお利益を蚈算しおいるわけではないずいう点である。
絊䞎や瀟䌚保険料、支払利息など、事業に必芁な支出であっおも、仕入皎額控陀の察象にならないものがある。
そのため、法人皎䞊の利益が赀字であっおも、

課皎売䞊 − 課皎仕入  0


であれば、消費皎は発生する。
事業者が赀字か黒字かは、消費皎の蚈算を止めない。
消費皎は、利益ではなく、課皎売䞊ず課皎仕入の差額を芋おいるからである。
䞀般に、事業者は仕入れた商品ぞ䜕らかの䟡倀を加えお販売する。
100円で仕入れた商品を、毎回50円で売り続ける事業は成立しない。
100円の原材料を䜿い、50円で補品を売り続ける補造業も成立しない。
したがっお、事業を継続しおいる限り、䞀般には、

課皎売䞊 − 課皎仕入  0


ずなる。
䌁業党䜓では赀字でも、この差額は残り埗る。

だから、赀字事業者にも消費皎が発生する。


赀字でも「消費皎が発生するこずがある」のではない。
事業が付加䟡倀を生み出しおいる限り、赀字でも消費皎が発生する構造なのである。

付加䟡倀の先取り

課皎売䞊から課皎仕入を差し匕いたものは、抂ね、その事業者が新しく生み出した付加䟡倀に察応する。


単玔化すれば、

付加䟡倀
≒
課皎売䞊 − 課皎仕入


さらに、その付加䟡倀は抂ね、

付加䟡倀
≒
利益  人件費


ず捉えるこずができる。
したがっお、消費皎の構造は、抂ね次の匏で衚せる。

消費皎≒ 付加䟡倀 × 10110


さらに単玔化すれば、

消費皎≒利益  人件費× 10110


ずなる。
ここで、䜕が起きおいるのか。

事業者が生み出した付加䟡倀ずいう䞀぀のパむがある。


本来、その付加䟡倀は、劎働者の賃金ず、䌁業の利益などに分配される。
しかし、消費皎がある䞖界では、その分配より先に、囜の取り分が決たる。

囜が消費皎を先に取る。


残った付加䟡倀を、法人ず劎働者が分ける。
䟡栌ぞ完党に転嫁できるなら、事業者の倖偎ぞ負担を抌し出せるかもしれない。

しかし、䟡栌転嫁できなければ、消費皎は付加䟡倀の内郚に残る。


利益を削る。
賃䞊げ原資を削る。
賞䞎を削る。
採甚を抑える。
蚭備投資を遅らせる。
資金繰りを圧迫する。
皎負担が消えるわけではない。
負担する堎所が倉わるだけである。

安藀議員が述べた「賃䞊げする原資を持っおいく前に、消費皎を玍皎しろず蚀われおいる」ずいう蚀葉は、この構造を衚しおいる。

消費皎は、付加䟡倀ずいう䞀぀の財垃から、囜が先に取り分を確保する皎である。


その残りを、法人ず劎働者が分ける。
これが、「付加䟡倀の先取り」である。

レシヌトに曞かれた「内消費皎」

安藀議員は、レシヌトの衚瀺にも螏み蟌んだ。
たずえば、1100円の商品を買ったずする。
レシヌトには、
「内消費皎100円」
ず曞かれおいる。
では、この100円は法埋䞊、䜕なのか。
政府偎の答匁は、次のようなものだった。
その取匕に぀いお課されるべき消費皎額に盞圓する額であり、課皎資産の譲枡等の売䞊に察する察䟡の䞀郚である。
぀たり、レシヌトに「消費皎」ず曞かれおいおも、それは消費者が皎務眲ぞ玍めた皎金そのものではない。
事業者が消費者から預かった皎金そのものでもない。
事業者がそのたた皎務眲ぞ玍付する金額でもない。

その売䟡で取匕が成立したずいう事実ず、その皎蟌䟡栌の内蚳が衚瀺されおいるだけである。


レシヌト衚瀺からは、実際にいくら䟡栌転嫁されたのか分からない。
事業者がいくら玍付するのかも分からない。
その取匕によっお、事業者の利益がいくら残ったのかも分からない。

それでも、倚くの人は「内消費皎100円」ずいう衚瀺を芋るこずで、自分が100円の皎金を玍めたず認識する。


そしお、事業者はその100円を預かっおいるだけだず考える。

ここから、「預かった皎金を玍めない免皎事業者はずるい」ずいう益皎の物語が生たれる。


しかし、法構造は違う。
消費者は玍皎矩務者ではない。
レシヌトに曞かれた100円は、売䞊の察䟡の䞀郚である。
事業者の玍付額は、レシヌトの衚瀺額ではなく、売䞊皎額ず仕入皎額の差額によっお決たる。
レシヌトは、䟡栌転嫁に成功した蚌拠ではない。
預り金が存圚する蚌拠でもない。
そこに蚘録されおいるのは、

「その䟡栌で、䞀぀の取匕が成立した」


ずいう事実である。

2012幎の蚀葉ず、2026幎の蚀葉

2012幎の片山さ぀き議員は、垂堎の珟実を語った。
街の蕎麊屋は、630円を660円にできるのか。
䞭小零现䌁業は、本圓に消費皎を䟡栌ぞ転嫁できおいるのか。
䟡栌を䞊げられない事業者に、消費皎は䜕をもたらすのか。
圌女は、制床の予定ではなく、珟堎で起きおいるこずを芋おいた。
それから14幎埌。
財務倧臣ずなった片山さ぀きは、制床を守る偎の蚀葉を語る。
消費皎は、䟡栌ぞの転嫁を通じお、最終的には消費者が負担するこずを予定しおいる。
消費皎盞圓額は、適切に䟡栌ぞ転嫁される。

同じ人物の䞭に、二぀の蚀葉が存圚する。


垂堎の珟実を芋る蚀葉。
制床の予定を守る蚀葉。
片山さ぀きは、なぜ蚀葉を倉えたのか。
本圓に考え方が倉わったのかもしれない。
財務倧臣ずしお皎制党䜓を守らなければならないのかもしれない。
党内の力孊や、財務省ずの関係が圱響したのかもしれない。

あるいは、本質的な認識は倉わっおいないたた、立堎によっお䜿甚する蚀葉だけが倉わったのかもしれない。


その答えは、本人にしか分からない。
だが、確かなこずが䞀぀ある。

2012幎に指摘されおいた問題は、14幎埌も解決しおいない。


䟡栌転嫁できない事業者がいる。
赀字でも消費皎が発生する。
消費皎の滞玍が続いおいる。
賃䞊げが必芁だず蚀いながら、賃䞊げ原資から先に消費皎を取る構造が維持されおいる。

そしお今も、政府は消費皎を「景気に巊右されにくい安定財源」ず説明する。

だが、景気に巊右されにくいずいうこずは、裏返せば、景気が悪くおも取り続けるずいうこずである。


人々の生掻が苊しくおも。
䌁業の経営が苊しくおも。
赀字でも。
資金繰りが限界でも。
付加䟡倀が残る限り、消費皎は発生する。

それを、本圓に「安定」ず呌んでよいのだろうか。

これは事件の蚘録である

14幎前、片山さ぀きは問いを残した。
そしお今、安藀裕がその問いを匕き継いだ。
問いを受ける偎に座っおいたのは、財務倧臣ずなった片山さ぀きだった。
2012幎の片山さ぀きは、垂堎の珟実を語った。
2026幎の片山財務倧臣は、制床の予定を語った。
倉わったのは、垂堎ではない。

圌女が座る怅子だった。


制床の倖から垂堎を芋れば、䟡栌転嫁できない事業者が芋える。
制床の頂点から皎制を芋れば、「円滑か぀適正に転嫁されるこずを予定しおいる」ずいう説明になる。
事実が倉わったのではない。
芳枬する䜍眮によっお、䜿甚する蚀葉が倉わった。

制床ずいう怪異の頂点に座った者は、その構造を守るための郚品ずしお再定矩される。

14幎前の圌女の蚀葉が正しければ正しいほど、珟圚の答匁は、この囜の政治が垂堎の珟実よりも制床の維持を遞んだこずの蚌明になる。

これは、片山さ぀き䞀人の倉節を責める物語ではない。


誰がその怅子ぞ座っおも、同じ蚀葉を語らざるを埗ないのだずしたら、問題は個人ではなく構造にある。
だから、問いに向き合わなければならないのは、圌女だけではない。

その倉節を制床の「仕様」ずしお受け入れ、今日もレゞの音を聞き流しおいる、私たち自身である。

倱われた30幎をもたらしたのは、果たしお誰なのだろうか。


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