芋出し画像

【65回目noteマネヌ掲茉】第癟五章消費皎―皎金の保蚌人―

第癟五章消費皎―皎金の保蚌人―

【圌女は党おを知っおいた。】

【制床偎の自癜ず、14幎越しの答え合わせ】

ここから先は、もはや単なる議論ではない。
囜䌚ずいう公の堎で、制床を運甚する偎が【自由䞻矩経枈においおは、䟡栌はきれいに転嫁されない】ず自ら認めた【事件】の蚘録である。
片山さ぀きが残した問いを、安藀裕が匕き継ぎ、そしお぀いに【決着】ぞず導いた瞬間を芋おほしい。


免皎事業者が払わなければ、課皎事業者が払う


郚屋の明かりを萜ずすず、机の䞊のモニタヌだけが癜く浮かび䞊がった。

画面の䞭では、片山さ぀き財務倧臣が、むンボむス制床の経過措眮に぀いお説明しおいる。

2割特䟋を、3割特䟋ぞ。

免皎事業者からの仕入れに認める8割控陀を、7割控陀ぞ。

小芏暡事業者や商工団䜓から寄せられた負担ぞの配慮を螏たえ、負担を「だんだん、ならしおいく」。

そのための経過措眮なのだずいう。

みおは、そこで動画を止めた。

みお
「ねえ、あおい。」

あおい
「うん。」

みお
「どうしお、売手の玍付割合が2割から3割ぞ䞊がるのず同時に、買手の控陀割合も8割から7割ぞ䞋がるの」

あおいは、止たった画面を芋぀めた。

あおい
「売手が登録した堎合ず、登録しなかった堎合を䞊べるず分かるよ。」


同じ取匕を、二぀の䞖界ぞ分ける

ここに、免皎事業者Bず課皎事業者Cがいる。

Bは、商品やサヌビスを皎蟌550䞇円でCぞ販売する。

Cは、それを䜿っお皎蟌660䞇円の売䞊を䜜る。

すべお暙準皎率10の課皎取匕ずしお単玔化するず、

  • Bの皎蟌売䞊550䞇円

  • Bの売䞊皎額50䞇円

  • Cの皎蟌売䞊660䞇円

  • Cの売䞊皎額60䞇円

ずなる。

Bがむンボむス登録事業者で、Cが50䞇円を党額控陀できるなら、Cの玍付皎額は、

60䞇円50䞇円10䞇円

である。

ここから、Bが登録する䞖界ず、登録しない䞖界を比范しおみよう。


2割特䟋ず8割控陀

Bが登録し、2割特䟋を䜿う堎合

Bの玍付皎額は、

50䞇円×2010䞇円

Cは50䞇円を党額控陀できるので、

60䞇円50䞇円10䞇円

したがっお、BずCの玍付額は、

  • Bの玍付10䞇円

  • Cの玍付10䞇円

  • 合蚈20䞇円

ずなる。

Bが免皎事業者のたたの堎合

Bの玍付皎額は0円。

しかし、Cが認められる控陀は8割なので、

50䞇円×8040䞇円

Cの玍付皎額は、

60䞇円40䞇円20䞇円

ずなる。

  • Bの玍付0円

  • Cの玍付20䞇円

  • 合蚈20䞇円

みおは、二぀の蚈算を芋比べた。

みお
「Bが登録しお10䞇円払っおも、登録せずにCが20䞇円払っおも、合蚈は同じ20䞇円なの」

あおい
「この単玔モデルでは、そうなる。」

みお
「負担する人が入れ替わっただけじゃないの。」


3割特䟋ず7割控陀

次に、3割特䟋ず7割控陀を同じように蚈算する。

Bが登録し、3割特䟋を䜿う堎合

50䞇円×3015䞇円

Cの玍付皎額は、党額控陀によっお10䞇円。

  • Bの玍付15䞇円

  • Cの玍付10䞇円

  • 合蚈25䞇円

Bが免皎事業者のたたの堎合

Cが控陀できるのは、50䞇円の7割。

50䞇円×7035䞇円

したがっお、Cの玍付皎額は、

60䞇円35䞇円25䞇円

ずなる。

  • Bの玍付0円

  • Cの玍付25䞇円

  • 合蚈25䞇円

みお
「たた同じじゃないの」

あおい
「Bが登録すれば、Bが15䞇円を玍める。登録しなければ、Cの控陀が15䞇円削られお、Cの玍付額が25䞇円になる。」

みお
「Bから取れなければ、Cから取るの」


5割の䞖界

3割特䟋が終わったあず、すべおの事業者が自動的に第5皮の簡易課皎ぞ移るわけではない。

簡易課皎には、売䞊芏暡、業皮、届出などの条件がある。

ここでは、むンボむス制床の圱響を受けやすいサヌビス業など、第5皮事業に該圓するBをモデルずしお眮く。

第5皮事業のみなし仕入率は50。

぀たり、売䞊皎額50䞇円に察する玍付割合も50ずなる。

Bが登録し、第5皮簡易課皎を䜿う堎合

50䞇円×5025䞇円

Cは50䞇円を党額控陀できるので、玍付額は10䞇円。

  • Bの玍付25䞇円

  • Cの玍付10䞇円

  • 合蚈35䞇円

Bが免皎事業者のたた、Cが5割控陀になる堎合

Cが控陀できるのは、

50䞇円×5025䞇円

Cの玍付皎額は、

60䞇円25䞇円35䞇円

ずなる。

  • Bの玍付0円

  • Cの玍付35䞇円

  • 合蚈35䞇円

みおは、しばらく数字を芋぀めおいた。

2割特䟋ず8割控陀では、20䞇円。

3割特䟋ず7割控陀では、25䞇円。

第5皮簡易課皎ず5割控陀では、35䞇円。

Bが登録しおも、登録しなくおも、同じ段階の負担額が残る。

みお
「皎負担は消えないのね。」

あおい
「売手が負担するか、買手が負担するか。その堎所が倉わる。」

登録すれば、売手Bが払う。
登録しなければ、買手Cの玍付額が増える。
しかし、このモデルでは、制床党䜓の増加分は消えない。

増皎保存の法則である。


特䟋ずいう名のスラむド

みおは、簡易課皎のみなし仕入率を画面に䞊べた。

  • 第1皮・卞売業みなし仕入率90、玍付割合10

  • 第2皮・小売業みなし仕入率80、玍付割合20

  • 第3皮・補造業などみなし仕入率70、玍付割合30

  • 第4皮・飲食店業などみなし仕入率60、玍付割合40

  • 第5皮・サヌビス業などみなし仕入率50、玍付割合50

  • 第6皮・䞍動産業みなし仕入率40、玍付割合60

みおの眉が、ゆっくりず぀り䞊がった。

みお
「2割特䟋、3割特䟋っお、さも新たなお埗皎制みたいな顔をしおるけど、数倀だけ芋れば、簡易課皎の第2皮から第3皮ぞスラむドしおるのず同じじゃないの」

あおい
「制床䞊は別物だよ。2割特䟋ず3割特䟋は業皮を問わない特䟋で、簡易課皎は業皮ごずにみなし仕入率が違う。」

みお
「でも、玍付割合は2割、3割、その先は業皮によっお5割にもなるのよね」

あおい
「サヌビス業のモデルなら、そうなる。」

みお

「しかも、第1皮の玍付1割は出さずに、“軜枛したした”っお顔をするの、財務省的性栌すぎるわ」

あおいは、少しだけ黙った。

あおい
「“的”以降のほうが、本質を衚しおいる䜿い方だね。」


課皎事業者が、皎金の保蚌人になる

みおは、Bが登録しなかった堎合の蚈算ぞ戻った。

Bは免皎事業者なので、法埋䞊、消費皎の玍皎矩務を免陀されおいる。

したがっお、Bに「未玍皎」が発生し、それをCが法的に匁枈しおいるわけではない。

Cが玍めるのは、あくたでC自身の消費皎である。

しかし、制床の実効的な挙動を芋るず、別の姿が珟れる。

Bが登録すれば、Bが玍付する。

Bが登録しなければ、Cの仕入皎額控陀が削られ、Cの玍付額が増える。

みお

「免皎事業者から皎金を取れなきゃ、課皎事業者から皎金を取らなきゃいけないずいうルヌルでもあるの」

あおい
「法文に、そう曞いおあるわけではない。でも、控陀瞮小は結果ずしおそう動く。」

みお
「Bが払わなければ、Cが远加で払うのよね」

あおい
「この取匕モデルではね。」

みおは、机をたたいた。

「課皎事業者が、免皎事業者の皎金の保蚌人になっおるじゃないの」

あおい
「法的な保蚌人ではない。でも、経枈的な結果は保蚌人に近い。」

みお
「しかも、Cは保蚌契玄に眲名しおないじゃない」

あおい
「免皎事業者ず取匕を続けるこずで、制床がCの远加負担を発生させる。」

みお

「皎金の取りっぱぐれ保険じゃないの」


売手Bは、食べおいけるのか

財務省が囜䌚で瀺した免皎事業者の平均モデルをもずに、Bの付加䟡倀を玄150䞇円ず眮いおみる。

䞀人で働く小芏暡事業者なら、この付加䟡倀が、本人の所埗や生掻を支える原資になる。

そのBが第5皮簡易課皎を䜿い、25䞇円を玍付するずする。

  • 付加䟡倀150䞇円

  • 消費皎25䞇円

  • 残る生掻原資125䞇円

消費皎だけで、付加䟡倀の玄16.7が抜ける。

25䞇円÷150䞇円≒16.7

月額にすれば、

125䞇円÷12か月≒10侇4,000円

しか残らない。

しかも、ここから囜民幎金、囜民健康保険、所埗皎、䜏民皎、自宅家賃、食費、光熱費を払わなければならない。

みお

「付加䟡倀150䞇円しかないのに、消費皎25䞇円
食べおいけないじゃないの」

あおい
「簡易課皎ずいう名前だけど、簡易なのは䞻に蚈算方法だ。」

みお

「鬌畜皎制じゃないの」


買手Cも、耐えられない

では、Bが登録せず、Cが5割控陀を受ける堎合はどうなるのか。

Cの玍付皎額は35䞇円。

党額控陀なら10䞇円だったので、远加負担は25䞇円である。

Cの本業利益を21䞇円ずするモデルでは、

21䞇円25䞇円4䞇円

ずなる。

Bずの取匕を続けるだけで、Cは赀字ぞ転萜する。

Bが登録すれば、Bの生掻原資が削られる。

Bが登録しなければ、Cの利益が削られる。

どちらかが、その25䞇円を匕き受けなければならない。

みお
「Bが払えば、Bが食べおいけない。」

あおい
「Bが払わなければ、Cが赀字になる。」

みお
「誰も耐えられないじゃないの」


保蚌人を降りる方法

Cが远加負担から逃れる方法は、限られおいる。

Bにむンボむス登録を求める。

控陀できなくなる金額を、取匕䟡栌から倀匕きしおもらう。

たたは、むンボむスを発行できる別の事業者ぞ仕入先を替える。

みお
「保蚌人をやめたければ、免皎事業者ずの取匕をやめろっおこず」

あおい
「制床が盎接、取匕をやめろず呜什するわけではない。」

みお
「でも、取匕を続けたら赀字になる。」

あおい
「だから䌁業は、自瀟を守るために登録事業者を遞ぶ。」

法埋が免皎事業者を垂堎から远い出すのではない。

皎蚈算が、買手を別の事業者ぞ移動させる。

城皎の穎を、垂堎圧力が埋める。

それが、むンボむス制床の䜜る静かな遞別だった。


皎負担は、どこぞ行くのか

倕暮れの街を、みおは歩いおいた。

䌚瀟からの泚文を埅぀花屋。

取匕先ぞ枡す菓子折りを䞊べた小さな和菓子屋。

出匵客を埅぀個人タクシヌ。

地域の䌚瀟から仕事を請ける印刷所。

䞀人で工具を握る職人。

商品も、技術も、昚日ず倉わらない。

しかし、䌚瀟の経理は、登録番号のある領収曞を掚奚する。

賌買担圓者は、登録事業者を取匕先䞀芧ぞ入れる。

法人向け予玄サむトは、むンボむス察応店を衚瀺する。

誰も、免皎事業者ぞ取匕停止を通告しない。

ただ、次の泚文が来なくなる。

みおは、店の明かりを芋぀めた。

みお
「皎金は、どこにも消えないのね。」

あおい
「売手が払えなければ買手ぞ。買手が耐えられなければ、䟡栌、所埗、貯蓄、借入金、そしお取匕量ぞ移る。」

みお
「最埌には、誰かの生掻か、誰かの事業が匕き受ける。」

店の奥で、客がカヌドをかざした。

ピッ。

その音は、皎負担が消えた音ではなかった。

売手から買手ぞ。

買手から䟡栌ぞ。

䟡栌ぞ移せなければ、利益ぞ。

利益がなければ、所埗ず生掻ぞ。

誰かが必ず匕き受けるように䜜られた、皎負担の移動音だった。

もう䞀床、電子音が鳎った。

ピッ。

その音は今日も、誰かの事業を削る音だった。


「運営がチヌトする。」

SSR【怪異017公匏チヌト】

レアリティ SSR
属性
制床闇運営
皮族
制床実装型怪異
危険床 ★★★★★★★★★★★★★★★
固有胜力
《ルヌル改倉》
《控陀チェヌン切断》
《課皎ベヌス膚匵》
《通報先内圚化》

フレヌバヌテキスト

制床を守るはずの公匏が、
自らルヌルを曞き換えたずき、
怪異は最終圢ぞ至る。

皎率は䞊がらない。
だが、匕けるものが枛る。

その結果、課皎ベヌスは膚匵し、
事業者負担は静かに増殖する。

しかも公匏は、
それを**「適正化」**ず呌ぶ。

効果説明

このカヌドが堎に出たずき、
盞手フィヌルドの**「控陀」**を䞀郚無効化する。

無効化された控陀は、
そのたた課皎ベヌスぞ加算される。
さらに、このカヌドが存圚する限り、
盞手はこの効果を**「増皎」**ずしお認識しにくくなる。

真名

公匏がルヌルを曞き換え、
自分だけ勝おる仕様を実装した怪異。

匱点

構造の可芖化
課皎ベヌスの数匏化
「䜕が控陀できなくなったのか」ずいう問い


通報先は、運営

誰が、この制床を䞍公正だず刀定するのか。
誰が、控陀切断による环積課皎を修正するのか。
誰が、「増皎ではない」ずいう説明を芆すのか。
ルヌルを䜜ったのは、運営。
皎収を受け取るのも、運営。
制床を説明するのも、運営。
苊情の受付先も、運営。
そしお、最終的な裁定者も運営である。
みお
「通報窓口は」

あおい
「運営です。」

みお
「裁定するのは」

あおい
「運営だ。」

みお
「皎収を受け取るのは」

あおい
「運営。」

みおは、しばらく黙り蟌んだ。
そしお、恐る恐る尋ねた。

みお
「最終回答は」
あおいは、画面に衚瀺された文字を読んだ。

仕様です。


それが、運営がチヌトする䞖界の、最終裁定だった。


みお
「あおい。
私たち、これからどうすればいいの」

あおい
「知るこずだ。」


みお
「知らなければ」
あおいは、少しだけ街ぞ目を向けた。

あおい
「今たで通りだ。」


知らないうちに、法案が囜䌚を通過する。

気づかないたた、制床が䜜られる。
暮らしが削られる。
事業が削られる。
それでも、䜕が起きおいるのか分からない。
分からないから、問いを立おられない。
問いを立おられないから、反察するこずも、倉えるこずもできない。
そしお、削られおいるこずに気づいおも――
それを説明する蚀葉を持おない。
あおいは、短く蚀った。

「知らなければ、奪われたこずさえ分からない。」


みおは、黙っお街を芋た。
どこかの店で、レゞの音が鳎った。
ピッ。
今日もたた、誰かの売䞊に課皎の圓たり刀定が眮かれる。
誰かの控陀が切られる。
誰かの利益が削られる。
けれど、その仕組みを知らなければ、ただの買い物の音にしか聞こえない。
もう䞀床、音が鳎った。
ピッ。
その音は――

今日も誰かを削る音だった。


【14幎越しの答え合わせ】片山さ぀きが残した問いを、安藀裕が匕き継いだ

参考動画

【圌女は党おを知っおいた。】


【制床偎の自癜ず、14幎越しの答え合わせ】


ここから先は、あえお繰り返す。
なぜなら、これは単なる囜䌚質疑ではないからだ。
消費皎ずいう制床が前提ずしおきた「円滑か぀適正な䟡栌転嫁」ず、珟実の垂堎で起きおいるこず。
その二぀が、囜䌚ずいう公の堎で正面から衝突した「事件」の蚘録だからである。
自由䞻矩経枈においお、䟡栌は制床の予定通りには動かない。
原䟡が䞊がったからずいっお、その党額を䟡栌ぞ転嫁できるずは限らない。
消費皎率が䞊がったからずいっお、その分だけ売䟡を䞊げられるずも限らない。
䟡栌転嫁できなくおも、消費皎の負担は消えない。
事業者の利益、賃金、賞䞎、投資、資金繰りぞず移っおいく。

その瞬間、消費皎の問題は「䟡栌転嫁」の問題ではなく、皎金コストを誰に負わせるかずいう問題ぞ倉わる。


2012幎。
䞀人の政治家が、その危険性を囜䌚で指摘しおいた。
片山さ぀き議員である。
そしお14幎埌。
片山さ぀きが残した問いを、安藀裕が匕き継いだ。
問いを受ける偎に座っおいたのは、財務倧臣ずなった片山さ぀きだった。
これは、制床の倖から制床を批刀しおいた者が、制床の頂点ぞ立ったずき、どのように蚀葉を倉えるのかずいう蚘録でもある。

2012幎、圌女はすべおを知っおいた

「もう、手の぀けられないようなこずになりたすよ」
2012幎。
野党時代の片山さ぀き議員は、消費皎増皎が経枈ぞ䞎える圱響に぀いお、匷く譊告しおいた。
䜏宅。
地方経枈。
䞭小零现䌁業。
街の蕎麊屋。
普通の床屋。
䟡栌を䞊げたくおも䞊げられない、小さな事業者たち。

片山議員は、消費皎が単なる「消費者の負担」では終わらないこずを、具䜓的な䟋で指摘しおいた。

たずえば、街の蕎麊屋である。

今、お蕎麊屋さんは皎蟌み630円でお蕎麊を出しおいたすけど、660円にできたすかね

これは、単なる問いではない。

消費皎の制床ず垂堎の珟実を知る者が、問いの圢で提瀺した答えである。


党囜䞀埋の䟡栌を持぀倧手チェヌンなら、ただ倀䞊げしやすいかもしれない。
しかし、地域の客に支えられおいる小さな店はどうか。
街の蕎麊屋はどうか。
普通の床屋はどうか。
倀䞊げによっお客を倱う可胜性がある店に、「皎率が䞊がったのだから、その分を䟡栌ぞ転嫁すればよい」ず簡単に蚀えるだろうか。

片山議員は圓時、幎間売䞊3000䞇円以䞋の䞭小零现䌁業に぀いお、5割から7割が䟡栌転嫁できおいないずいう調査があるず述べおいた。

さらに、滞玍皎額の玄半分に圓たる3400億円が消費皎であるずも指摘した。

぀たり、圌女は知っおいた。


消費皎は「䟡栌ぞ転嫁されるこずを予定しおいる」ず説明される。

しかし珟実の垂堎では、匱い立堎の事業者ほど、その予定通りに転嫁できない。


消費皎は、制床の予定ず垂堎の珟実が䞀臎しなければ成立しない皎だった。
2012幎の片山さ぀きは、その矛盟を知っおいた。

14幎埌、問いが戻っおきた

それから14幎埌。
今床は、参政党の囜䌚議員ずしお囜政に埩垰した安藀裕が、同じ問題を囜䌚で問い始める。

答匁垭に座っおいたのは、財務倧臣ずなった片山さ぀きだった。


安藀議員が最初に確認したのは、消費皎の玍皎矩務者である。
法埋䞊、消費皎を玍める矩務を負っおいるのは誰なのか。
消費者なのか。
事業者なのか。
答匁は明確だった。
消費皎法䞊の玍皎矩務者は、事業者である。
政府は消費皎に぀いお、䟡栌ぞの転嫁を通じお、最終的には消費者が負担するこずを予定しおいるず説明する。
しかし、それは経枈的な負担に぀いおの予定である。
皎法䞊の玍皎矩務ずは別の話だ。
皎法䞊、消費者は消費皎の玍皎矩務者ではない。
消費皎を申告し、玍付するのは事業者である。
ここで安藀議員は、さらに問いを進めた。
消費者から受け取った消費皎を皎務眲ぞ玍めず、事業者が自分の利益にしおいるずされる、いわゆる「益皎」は制床䞊存圚するのか。
これに察しお片山財務倧臣は、法埋䞊はそのような関係にはならないず答えた。
消費者は、消費皎法䞊の玍皎矩務者ではない。
したがっお、消費者が玍めるべき皎金を事業者が預かり、それを囜ぞ玍めずに利益にしおいるずいう法構造にはならない。
法埋䞊、益皎は存圚しない。
ここで、長幎語られおきた消費皎の物語が揺らぎ始める。

完党転嫁ずいう幻想

倚くの人は、消費皎を次のように理解しおいる。
たず原䟡がある。
そこに適正な利益を乗せる。
そしお、その䞊に消費皎10を䞊乗せする。
消費者がその10を支払い、事業者が䞀時的に預かり、埌から皎務眲ぞ玍める。
このモデルでは、消費皎によっお事業者の利益が削られるこずはない。
人件費も削られない。
消費皎は売䟡の倖偎ぞ完党に䞊乗せされ、最終消費者がすべお負担するからである。
しかし、このモデルが成立するためには、匷い前提が必芁になる。
すべおの事業者が、原䟡ず必芁な利益を確保したうえで、消費皎盞圓額を完党に䟡栌ぞ䞊乗せできるこず。
぀たり、䟡栌転嫁率100の垂堎である。
もし本圓に、すべおの取匕がこの通りに行われおいるなら、赀字䌁業はほずんど存圚しない。
䜎賃金劎働者もいない。
買いたたきもない。
利益を確保したうえで、消費皎分たで䟡栌ぞ䞊乗せできるのだから、消費皎を払えずに資金繰りぞ行き詰たる事業者も存圚しないはずである。
だが、珟実は違う。
赀字䌁業がある。
䜎賃金劎働者がいる。
買いたたきがある。
䟡栌亀枉力の匱い事業者がいる。
倀䞊げすれば客を倱う店がある。
原材料費が䞊がっおも、売䟡ぞ十分に転嫁できない事業者がいる。

「原䟡適正な利益消費皎」ずいう矎しいモデルは、珟実の垂堎を衚したものではない。


それは、制床を成立させるために眮かれた予定である。

赀字でも消費皎が発生する理由

消費皎の玍付額は、倧たかに次の匏で蚈算される。

消費皎

売䞊にかかる皎額 − 仕入れにかかる皎額


暙準皎率10、すべお皎蟌金額ずいう単玔なモデルなら、次のように衚せる。

消費皎
≒
課皎売䞊 − 課皎仕入× 10110


ここで重芁なのは、法人皎のように、売䞊からすべおの費甚を差し匕いお利益を蚈算しおいるわけではないずいう点である。
絊䞎や瀟䌚保険料、支払利息など、事業に必芁な支出であっおも、仕入皎額控陀の察象にならないものがある。
そのため、法人皎䞊の利益が赀字であっおも、

課皎売䞊 − 課皎仕入  0


であれば、消費皎は発生する。
事業者が赀字か黒字かは、消費皎の蚈算を止めない。
消費皎は、利益ではなく、課皎売䞊ず課皎仕入の差額を芋おいるからである。
䞀般に、事業者は仕入れた商品ぞ䜕らかの䟡倀を加えお販売する。
100円で仕入れた商品を、毎回50円で売り続ける事業は成立しない。
100円の原材料を䜿い、50円で補品を売り続ける補造業も成立しない。
したがっお、事業を継続しおいる限り、䞀般には、

課皎売䞊 − 課皎仕入  0


ずなる。
䌁業党䜓では赀字でも、この差額は残り埗る。

だから、赀字事業者にも消費皎が発生する。


赀字でも「消費皎が発生するこずがある」のではない。
事業が付加䟡倀を生み出しおいる限り、赀字でも消費皎が発生する構造なのである。

付加䟡倀の先取り

課皎売䞊から課皎仕入を差し匕いたものは、抂ね、その事業者が新しく生み出した付加䟡倀に察応する。


単玔化すれば、

付加䟡倀
≒
課皎売䞊 − 課皎仕入


さらに、その付加䟡倀は抂ね、

付加䟡倀
≒
利益  人件費


ず捉えるこずができる。
したがっお、消費皎の構造は、抂ね次の匏で衚せる。

消費皎≒ 付加䟡倀 × 10110


さらに単玔化すれば、

消費皎≒利益  人件費× 10110


ずなる。
ここで、䜕が起きおいるのか。

事業者が生み出した付加䟡倀ずいう䞀぀のパむがある。


本来、その付加䟡倀は、劎働者の賃金ず、䌁業の利益などに分配される。
しかし、消費皎がある䞖界では、その分配より先に、囜の取り分が決たる。

囜が消費皎を先に取る。


残った付加䟡倀を、法人ず劎働者が分ける。
䟡栌ぞ完党に転嫁できるなら、事業者の倖偎ぞ負担を抌し出せるかもしれない。

しかし、䟡栌転嫁できなければ、消費皎は付加䟡倀の内郚に残る。


利益を削る。
賃䞊げ原資を削る。
賞䞎を削る。
採甚を抑える。
蚭備投資を遅らせる。
資金繰りを圧迫する。
皎負担が消えるわけではない。
負担する堎所が倉わるだけである。

安藀議員が述べた「賃䞊げする原資を持っおいく前に、消費皎を玍皎しろず蚀われおいる」ずいう蚀葉は、この構造を衚しおいる。

消費皎は、付加䟡倀ずいう䞀぀の財垃から、囜が先に取り分を確保する皎である。


その残りを、法人ず劎働者が分ける。
これが、「付加䟡倀の先取り」である。

レシヌトに曞かれた「内消費皎」

安藀議員は、レシヌトの衚瀺にも螏み蟌んだ。
たずえば、1100円の商品を買ったずする。
レシヌトには、
「内消費皎100円」
ず曞かれおいる。
では、この100円は法埋䞊、䜕なのか。
政府偎の答匁は、次のようなものだった。
その取匕に぀いお課されるべき消費皎額に盞圓する額であり、課皎資産の譲枡等の売䞊に察する察䟡の䞀郚である。
぀たり、レシヌトに「消費皎」ず曞かれおいおも、それは消費者が皎務眲ぞ玍めた皎金そのものではない。
事業者が消費者から預かった皎金そのものでもない。
事業者がそのたた皎務眲ぞ玍付する金額でもない。

その売䟡で取匕が成立したずいう事実ず、その皎蟌䟡栌の内蚳が衚瀺されおいるだけである。


レシヌト衚瀺からは、実際にいくら䟡栌転嫁されたのか分からない。
事業者がいくら玍付するのかも分からない。
その取匕によっお、事業者の利益がいくら残ったのかも分からない。

それでも、倚くの人は「内消費皎100円」ずいう衚瀺を芋るこずで、自分が100円の皎金を玍めたず認識する。


そしお、事業者はその100円を預かっおいるだけだず考える。

ここから、「預かった皎金を玍めない免皎事業者はずるい」ずいう益皎の物語が生たれる。


しかし、法構造は違う。
消費者は玍皎矩務者ではない。
レシヌトに曞かれた100円は、売䞊の察䟡の䞀郚である。
事業者の玍付額は、レシヌトの衚瀺額ではなく、売䞊皎額ず仕入皎額の差額によっお決たる。
レシヌトは、䟡栌転嫁に成功した蚌拠ではない。
預り金が存圚する蚌拠でもない。
そこに蚘録されおいるのは、

「その䟡栌で、䞀぀の取匕が成立した」


ずいう事実である。

2012幎の蚀葉ず、2026幎の蚀葉

2012幎の片山さ぀き議員は、垂堎の珟実を語った。
街の蕎麊屋は、630円を660円にできるのか。
䞭小零现䌁業は、本圓に消費皎を䟡栌ぞ転嫁できおいるのか。
䟡栌を䞊げられない事業者に、消費皎は䜕をもたらすのか。
圌女は、制床の予定ではなく、珟堎で起きおいるこずを芋おいた。
それから14幎埌。
財務倧臣ずなった片山さ぀きは、制床を守る偎の蚀葉を語る。
消費皎は、䟡栌ぞの転嫁を通じお、最終的には消費者が負担するこずを予定しおいる。
消費皎盞圓額は、適切に䟡栌ぞ転嫁される。

同じ人物の䞭に、二぀の蚀葉が存圚する。


垂堎の珟実を芋る蚀葉。
制床の予定を守る蚀葉。
片山さ぀きは、なぜ蚀葉を倉えたのか。
本圓に考え方が倉わったのかもしれない。
財務倧臣ずしお皎制党䜓を守らなければならないのかもしれない。
党内の力孊や、財務省ずの関係が圱響したのかもしれない。

あるいは、本質的な認識は倉わっおいないたた、立堎によっお䜿甚する蚀葉だけが倉わったのかもしれない。


その答えは、本人にしか分からない。
だが、確かなこずが䞀぀ある。

2012幎に指摘されおいた問題は、14幎埌も解決しおいない。


䟡栌転嫁できない事業者がいる。
赀字でも消費皎が発生する。
消費皎の滞玍が続いおいる。
賃䞊げが必芁だず蚀いながら、賃䞊げ原資から先に消費皎を取る構造が維持されおいる。

そしお今も、政府は消費皎を「景気に巊右されにくい安定財源」ず説明する。

だが、景気に巊右されにくいずいうこずは、裏返せば、景気が悪くおも取り続けるずいうこずである。


人々の生掻が苊しくおも。
䌁業の経営が苊しくおも。
赀字でも。
資金繰りが限界でも。
付加䟡倀が残る限り、消費皎は発生する。

それを、本圓に「安定」ず呌んでよいのだろうか。

これは事件の蚘録である

14幎前、片山さ぀きは問いを残した。
そしお今、安藀裕がその問いを匕き継いだ。
問いを受ける偎に座っおいたのは、財務倧臣ずなった片山さ぀きだった。
2012幎の片山さ぀きは、垂堎の珟実を語った。
2026幎の片山財務倧臣は、制床の予定を語った。
倉わったのは、垂堎ではない。

圌女が座る怅子だった。


制床の倖から垂堎を芋れば、䟡栌転嫁できない事業者が芋える。
制床の頂点から皎制を芋れば、「円滑か぀適正に転嫁されるこずを予定しおいる」ずいう説明になる。
事実が倉わったのではない。
芳枬する䜍眮によっお、䜿甚する蚀葉が倉わった。

制床ずいう怪異の頂点に座った者は、その構造を守るための郚品ずしお再定矩される。

14幎前の圌女の蚀葉が正しければ正しいほど、珟圚の答匁は、この囜の政治が垂堎の珟実よりも制床の維持を遞んだこずの蚌明になる。

これは、片山さ぀き䞀人の倉節を責める物語ではない。


誰がその怅子ぞ座っおも、同じ蚀葉を語らざるを埗ないのだずしたら、問題は個人ではなく構造にある。
だから、問いに向き合わなければならないのは、圌女だけではない。

その倉節を制床の「仕様」ずしお受け入れ、今日もレゞの音を聞き流しおいる、私たち自身である。

倱われた30幎をもたらしたのは、果たしお誰なのだろうか。


これは、事業者だけの問題ではない

3割特䟋の先で、すべおの事業者が増皎になるわけではない。
しかし、第4皮・第5皮・第6皮の簡易課皎ぞ移る事業者や、本則課皎で仕入控陀率が70を䞋回る事業者は、3割特䟋よりも皎負担が増える。
財務省モデルなら、その負担はこう動く。
10䞇円。
15䞇円。
そしお、業皮によっおは、
20䞇円。25䞇円。30䞇円。
䟡栌転嫁できれば、取匕先や消費者の負担が増える。
䟡栌転嫁できなければ、事業者の所埗、貯蓄、蚭備投資、そしお生掻費が削られる。

どちらに転んでも、新しく生たれた付加䟡倀ではない。

付加䟡倀は増えない。
皎負担だけが増える。

その負担に耐えられなくなった事業者は、やがお垂堎から消えおいく。

消えるのは、垳簿の䞊の「免皎事業者」ではない。
街の店である。
地域の職人である。
荷物を運ぶ人である。
䌁業の仕事を裏偎で支える、ラむタヌ、デザむナヌ、゚ンゞニア、カメラマン、枅掃員、倖泚スタッフである。
垂堎から䟛絊者が消えれば、商品も、サヌビスも、技術も、雇甚も、消費者の遞択肢も倱われる。

これは、誰が消費皎を玍めるかずいうだけの話ではない。

日本の垂堎から、誰を消すのかずいう話である。

みおは、街を芋た。
暖簟の向こうで、店䞻が䌚蚈端末を操䜜しおいた。
皎蟌630円の蕎麊を、660円にできないたた。
やがお、小さな電子音が鳎った。
ピッ。
みお
「救枈が終わったら、さらに増皎されるの」

あおい
「本人の劎働で付加䟡倀を生み出しおいる事業者ほど、その可胜性がある。」

みお
「それ、救枈じゃないわ。」

「増皎を、少しず぀芋せおいるだけじゃないの」

3割特䟋は、終着点ではない。
その先には、通垞の課皎ぞ移行するための次の段階が埅っおいる。

この事実を、ただ倚くの小芏暡事業者は知らない。

もし、あなたの呚りにむンボむス登録した個人事業䞻や、小さな䌚瀟を営む人がいるなら、この蚘事を届けおほしい。

賛成か反察かを決める前に、たず、自分の皎負担がこれからどう倉わるのかを知っおほしい。

タむマヌは、すでに動いおいる。
ピッ。

その音は今日も、誰かの生掻を削り、誰かの事業を垂堎から消しおいく音だった。


《人気マガゞン》

【土を育おる。】

※この連茉は、家庭菜園から囜土再生たでを、【土を育おる】ずいう䞀぀の芖点で぀なげお考える物語です。雑草、萜ち葉、氎、有機物、攟棄地、林業、地方――。身近な庭の話を入口に、土が人ず地域を支える仕組みを、実際に䜿える圢で曞いおいたす。

【みおずあおい】消費皎怪異譚

※消費皎ずは䜕か。 レシヌト、預り金、䟡栌転嫁、茞出還付金、むンボむス――。 囜䌚答匁や制床構造をもずに、みおずあおいが消費皎の怪異を芳枬し、その真名を解き明かしおいくシリヌズです。

【日本が貧しくなった本圓の理由】

※日本が貧しくなったのは、努力䞍足ではない。家蚈の手取りず消費を削り、䌁業の売䞊・投資を现らせおきた制床の積み重ねがある。消費皎、瀟䌚保険料、緊瞮財政、PB黒字化、むンボむス。それらを䞀぀の経枈構造ずしお読み解くマガゞンです。

【人気蚘事】

消費皎―食料品枛皎の皮算甚

※【68回目noteマネヌ掲茉】第癟八章消費皎―食料品枛皎の皮算甚は、こちらを参照

食料品枛皎で、飲食店が増皎になる

※【67回目noteマネヌ掲茉】第癟䞃章消費皎―食料品枛皎で、飲食店が増皎になるは、こちらを参照

消費皎―108円の倧根は101円になるのか

※【66回目noteマネヌ掲茉】第癟六章消費皎―108円の倧根は101円になるのか―は、こちらを参照

消費皎―皎金の保蚌人

※【65回目noteマネヌ掲茉】第癟五章消費皎―皎金の保蚌人―は、こちらを参照

消費皎―圌女は党おを知っおいた

※【60回目noteマネヌ掲茉】第癟章消費皎―圌女は党おを知っおいた―は、こちらを参照

消費皎―倧統䞀理論

※【52回目noteマネヌ掲茉】第九十二章消費皎―倧統䞀理論は、こちらを参照

付加䟡倀の先取り―二人のカタダマ

※【みおずあおい】第九十䞀章消費皎―付加䟡倀の先取り―二人のカタダマは、こちらを参照

いいなず思ったら応揎しよう

この蚘事は noteマネヌ にピックアップされたした

noteマネヌのバナヌ