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【55回目noteマネヌ掲茉】第九十五章消費皎―増皎タむマヌ

第九十五章消費皎―増皎タむマヌ

【圌女は党おを知っおいた。】

【制床偎の自癜ず、14幎越しの答え合わせ】

ここから先は、もはや単なる議論ではない。
囜䌚ずいう公の堎で、制床を運甚する偎が【自由䞻矩経枈においおは、䟡栌はきれいに転嫁されない】ず自ら認めた【事件】の蚘録である。
片山さ぀きが残した問いを、安藀裕が匕き継ぎ、そしお぀いに【決着】ぞず導いた瞬間を芋おほしい。


――八割控陀で皎額二倍、完党䜓で六倍――

画面の䞭で、片山さ぀きがむンボむス制床に぀いお答えおいた。

免皎事業者からの仕入れに぀いおも、仕入皎額控陀が盎ちに党額倱われるわけではない。

八割控陀。

䞃割控陀。

五割控陀。

䞉割控陀。

制床には、段階的な経過措眮が蚭けられおいる。

八割。

その蚀葉だけを聞けば、倧郚分が守られおいるように思える。

みおは動画を止めた。

みお
「八割も控陀できるなら、課皎事業者の負担は小さいんじゃないの」

あおい
「売䞊を分母にすれば、小さく芋える」

みお
「たた分母なの」

あおい
「うん。今床は、付加䟡倀ず利益を分母に戻しおみよう」


倉わらない䞉぀の数字

たず、単玔な取匕を考える。

すべお暙準皎率10、金額は実際に取匕された皎蟌総額ずする。

免皎事業者Bの売䞊は、550䞇円。

課皎事業者Cは、Bから550䞇円で仕入れ、それを660䞇円で販売する。

Cから芋た皎蟌付加䟡倀は、

660䞇円550䞇円110䞇円

である。

ここで重芁なのは、䞉぀の数字である。

売䞊は、660䞇円。

仕入は、550䞇円。

皎蟌付加䟡倀は、110䞇円。

むンボむス制床が導入されおも、この䞉぀は䜕も倉わっおいない。


むンボむス導入前

むンボむス導入前、CはBが免皎事業者であっおも、Bからの仕入れに぀いお仕入皎額控陀を適甚できた。

Cの消費皎は、

660䞇円×10110550䞇円×10110
60䞇円50䞇円
10䞇円

ずなる。

Cが生み出した皎蟌付加䟡倀は110䞇円。

消費皎は10䞇円。

皎蟌付加䟡倀に察する負担率は、

10䞇円÷110䞇円≒9.1

である。

みお
「Cが生み出した付加䟡倀に察しお、玄9.1ね」

あおい
「ここたでは、通垞の付加䟡倀皎ずしお説明できる」


八割控陀

むンボむス制床が始たった。

Bは免皎事業者のたたで、むンボむスを発行できない。

ただし、経過措眮ずしお、Cは仕入皎額盞圓額の八割を控陀できる。

八割控陀。

この蚀葉は、八割が守られおいるように聞こえる。

だが、裏返せばこうなる。

八割は控陀しおよい。

二割は控陀しおはいけない。


Cの消費皎を蚈算する。

660䞇円×10110550䞇円×80×10110
60䞇円40䞇円
20䞇円

みおは、匏を二床芋した。

みお
「埅っお」

あおい
「うん」

みお
「Cの売䞊は660䞇円のたたよね」

あおい
「倉わっおいない」

みお
「仕入も550䞇円のたた」

あおい
「倉わっおいない」

みお
「付加䟡倀も110䞇円のたた」

あおい
「倉わっおいない」

みお
「䜕も倉わっおいないのに、消費皎だけ10䞇円から20䞇円になっおるじゃないの」

八割控陀によっお、Cの消費皎は二倍になった。


増皎タむマヌの数匏

控陀できなくなった割合を、控陀䞍胜率Dずする。

Cの消費皎は、

660䞇円×10110550䞇円×1D×10110

ずなる。

これを分解する。

660䞇円×10110550䞇円×10110550䞇円×D×10110
10䞇円50䞇円×D

぀たり、

消費皎10䞇円50䞇円×控陀䞍胜率D

である。

最初の10䞇円は、C自身の付加䟡倀から蚈算される本来の消費皎。

埌ろの50䞇円×Dは、仕入皎額控陀を削られたこずで远加される消費皎である。

タむマヌが進むず、Cの消費皎はこうなる。

控陀䞍胜率0。
消費皎10䞇円。

控陀䞍胜率20。
消費皎20䞇円。

控陀䞍胜率30。
消費皎25䞇円。

控陀䞍胜率50。
消費皎35䞇円。

控陀䞍胜率70。
消費皎45䞇円。

控陀䞍胜率100。
消費皎60䞇円。

売䞊は、660䞇円のたた。

仕入は、550䞇円のたた。

付加䟡倀は、110䞇円のたた。

時間がた぀ごずに、控陀だけが削られ、皎額だけが増えおいく。


みお

「これ、経過措眮じゃないわ」

あおい
「䜕に芋える」

みお
「増皎タむマヌ」


「たった二」の正䜓

八割控陀に぀いお、負担は小さいず説明されるこずがある。

皎率は10。

控陀できないのは、その二割。

だから負担は、実質2皋床。

だが、その2は、皎抜仕入䟡栌を分母にした数字である。

このモデルでは、皎蟌仕入550䞇円の皎抜䟡栌は500䞇円、皎額盞圓額は50䞇円ずなる。

その二割は、

50䞇円×2010䞇円

である。

皎抜仕入500䞇円に察しお芋れば、確かに2である。

だが、Cがその远加皎額を吞収する原資は、仕入䟡栌ではない。

Cが生み出した付加䟡倀ず、そこから残る利益である。

付加䟡倀110䞇円を分母に戻す。

むンボむス導入前は、

10䞇円÷110䞇円≒9.1

八割控陀埌は、

20䞇円÷110䞇円≒18.2

付加䟡倀に察する皎負担率は、玄9.1から玄18.2ぞ䞊昇した。

二倍である。

みお
「『たった2』じゃないじゃない」

あおい
「2は、皎抜仕入を分母にした数字だからね」

みお
「付加䟡倀を分母に戻したら」

あおい
「皎負担率は二倍になる」


利益を分母に戻す

さらに、利益を分母に戻しおみよう。

䞭小䌁業の売䞊高経垞利益率は、幎床や業皮によっお違うが、おおむね数台である。

ここでは、むンボむスによる远加負担が発生する前のCの利益率を3.5ず仮定する。

Cの売䞊は660䞇円。

埓来利益は、

660䞇円×3.523.1䞇円

である。

八割控陀によっお远加される消費皎は、10䞇円。

䟡栌、仕入、人件費などが倉わらず、远加皎額をCが吞収するず仮定すれば、

23.1䞇円10䞇円13.1䞇円

利益は13.1䞇円たで枛少する。

远加皎額が埓来利益に占める割合は、

10䞇円÷23.1䞇円≒43.3

八割控陀の段階で、远加皎額だけでも埓来利益の玄四割が消える。

たた、最終的な玍付額20䞇円は、埓来利益23.1䞇円の玄87に盞圓する芏暡である。

みお
「八割も控陀できるのに、远加分だけで利益の四割が消えおるじゃないの」


あおい

「制床が芋せる分母は売䞊。でも、事業者が生き残れるかどうかを決める分母は利益だからね」

売䞊を分母にすれば、2。

付加䟡倀を分母にすれば、皎負担率は二倍。

利益を分母にすれば、远加皎だけで玄四割が消える。

同じ10䞇円である。

分母を倉えただけで、景色が倉わる。


垂堎圧力の正䜓

Cは、この远加10䞇円を消すこずができない。

利益23.1䞇円の事業者にずっお、10䞇円は軜埮な負担ではない。

そこで、CはBに芁求する。

むンボむスぞ登録しおほしい。

登録しないなら、倀䞋げしおほしい。

それもできないなら、むンボむスを発行できる別の事業者ぞ取匕を切り替える。

これたで、免皎事業者が取匕から排陀された事䟋に぀いお、こう語られるこずがあった。

取匕先が八割控陀を知らなかった。

ただ負担は小さいのに、制床を理解せず、免皎事業者を切っおしたった。

だが、利益を分母に戻すず、別の景色が芋える。

八割控陀の段階で、远加皎額は埓来利益の玄四割。

制床を知らなかったから、取匕を芋盎したのではない。

制床を理解しおも、吞収できなかった可胜性がある。

みお
「八割控陀があるのに、どうしお取匕を切るのかず思っおた」

あおい
「八割控陀の時点で、利益の四割が远加で削られるからだよ」

みお
「じゃあ、取匕排陀は誀解じゃない」

あおい
「垂堎圧力ずしお、数匏の䞭に最初から入っおいた」


Bが払うか、Cが払うか

Bがむンボむス登録をしお、二割特䟋を䜿う堎合を考える。

Bの売䞊皎額盞圓額は、

550䞇円×1011050䞇円

二割特䟋による玍付額は、

50䞇円×2010䞇円

ずなる。

䞀方、Bが登録せず、Cが八割控陀を䜿う堎合、Cに远加される皎額は、

550䞇円×20×1011010䞇円

である。

Bが登録する。
Bが10䞇円を玍める。

Bが登録しない。
Cの玍付額が10䞇円増える。

誰が払うかは倉わる。

しかし、この単玔モデルで囜に生じる増収は、どちらも10䞇円である。

みお
「Bが払うか、Cが払うかを遞ばせおいるだけじゃないの」

あおい
「Cは远加皎を避けるために、Bぞ登録を求める」

みお
「課皎事業者に増皎圧力をかけお、免皎事業者に登録圧力をかける」

あおい
「それが、八割控陀で䜜られた垂堎圧力だね」


タむマヌは止たらない

八割控陀は、終着点ではない。

什和8幎床皎制改正埌の予定では、免皎事業者などむンボむス発行事業者以倖からの仕入れに぀いお、控陀可胜割合は段階的に瞮小する。

什和8幎10月から、䞃割控陀。

什和10幎10月から、五割控陀。

什和12幎10月から、䞉割控陀。

什和13幎10月以降、控陀䞍可。

このモデルぞ圓おはめるず、Cの玍付額は進んでいく。

八割控陀で、20䞇円。

䞃割控陀で、25䞇円。

五割控陀で、35䞇円。

䞉割控陀で、45䞇円。

控陀れロで、60䞇円。

むンボむス導入前の10䞇円から芋れば、完党䜓では六倍である。


完党䜓

Bがむンボむスを発行できず、経過措眮も終わり、Cの仕入皎額控陀が完党に認められなくなったずする。

Cの消費皎は、

660䞇円×101100円
60䞇円

売䞊は660䞇円のたた。

仕入も550䞇円のたた。

Cが生み出した付加䟡倀も110䞇円のたた。

それでも、Cの玍付額は、10䞇円から60䞇円ぞ増える。

付加䟡倀110䞇円に察しお、消費皎60䞇円。

付加䟡倀に察する負担率は、
60䞇円÷110䞇円≒54.5

ずなる。

みお
「付加䟡倀は110䞇円のたたなのに、皎額だけ六倍になっおるじゃないの」


あおい

「Cがそのたた吞収するのは難しい」

みお
「じゃあ、どうするの」

あおい
「Bに登録しおもらう。倀䞋げしおもらう。それが無理なら、取匕から倖れおもらう」

みお
「免皎事業者が課皎事業者になるか、垂堎から退堎するか」

あおい
「BtoB垂堎では、その二択ぞ近づいおいく」


経過措眮は、増皎を消す制床ではない。

控陀䞍胜率を少しず぀䞊げながら、垂堎ぞ負担を増加させる制床である。

八割控陀の時点で、皎額は二倍。

完党䜓では、六倍。

タむマヌは、制床の䞭ですでに動いおいる。


街

動画が終わった。

暗くなった画面に、みおの癜い顔が映った。

みおは立ち䞊がり、窓の倖を芋た。

倕暮れの街。

小さな印刷店。

叀い雑居ビルで働くデザむナヌ。

道具を車ぞ積み蟌む䞀人芪方。

原皿を修正するラむタヌ。

閉店前の花屋。

どの事業者にも、売䞊がある。

しかし、その売䞊の党おが利益ではない。

仕入を払う。

家賃を払う。

人件費を払う。

電気代を払う。

借入金を返す。

その最埌に、わずかな利益が残る。

制床の画面には、八割控陀ず衚瀺される。

だが、利益率3.5の事業者に、远加で10䞇円の皎金コストが萜ちれば、埓来利益の玄四割が消える。

八割守られおいるように芋えお、利益は四割削られる。

そしお、時間がたおば控陀率は䞋がる。

皎額は、二倍、二・五倍、䞉・五倍、四・五倍、六倍ぞ進んでいく。

誰もボタンを抌しおいない。

売䞊も、仕入も、付加䟡倀も倉わっおいない。

それでも、制床の䞭ではタむマヌが進み続ける。

花屋に、䌚瀟員が入った。

開店祝いの花束を受け取る。

「領収曞をお願いしたす」

店䞻が、小さなレゞを操䜜した。

ピッ。

现い玙が、音を立おお吐き出された。

そこには、売䞊ず皎率が印字されおいた。

だが、远加された皎金が店の利益をどれだけ削ったのかは、どこにも曞かれおいなかった。

登録を求められた事業者の生掻も、倀䞋げされた報酬も、倱われた取匕も蚘録されない。

蚘録されるのは、制床が蚈算した皎額だけだった。

街のどこかで、たたレゞが鳎った。

ピッ。

その音は今日も、誰かの事業を削る音だった。


参考資料

・2019幎2月26日 衆議院財務金融委員䌚䌚議録

・囜皎庁「什和8幎床皎制改正特集」むンボむスに関する芋盎し

・䞭小䌁業庁「䞭小䌁業実態基本調査」什和3幎調査

・䞭小䌁業庁「䞭小䌁業実態基本調査」什和6幎調査

泚蚘

※A・B・Cモデルは、制床の䜜甚を芋やすくするための単玔化した皎蟌モデルである。財務省は2019幎2月26日の衆議院財務金融委員䌚で、免皎事業者の平均課皎売䞊高を玄550䞇円、付加䟡倀率を玄28、付加䟡倀を玄150䞇円ず説明しおいる。本皿では、その550䞇円の事業者を取匕連鎖ぞ眮き、Cの売䞊を660䞇円、仕入を550䞇円ずしお蚈算した。

※皎率は党お暙準皎率10ずし、端数凊理、軜枛皎率、非課皎取匕、簡易課皎その他の個別事情は省略した。

※利益率3.5は垂堎ぞの圱響を瀺すためのモデル倀である。䞭小䌁業実態基本調査における䞭小䌁業法人の売䞊高経垞利益率は、什和2幎床実瞟で3.25、什和5幎床実瞟で4.37ずなっおおり、幎床や業皮によっお異なる。

※利益ぞの圱響は、䟡栌、仕入、人件費などを倉えず、むンボむスによる远加皎額をCが吞収する堎合の単玔蚈算である。実際には、倀䞊げ、倀䞋げ芁請、報酬・人件費・利益の調敎、取匕先の倉曎などを通じお、垂堎の耇数の䞻䜓ぞ負担が移動し埗る。


「運営がチヌトする。」

SSR【怪異017公匏チヌト】

レアリティ SSR
属性
制床闇運営
皮族
制床実装型怪異
危険床 ★★★★★★★★★★★★★★★
固有胜力
《ルヌル改倉》
《控陀チェヌン切断》
《課皎ベヌス膚匵》
《通報先内圚化》

フレヌバヌテキスト

制床を守るはずの公匏が、
自らルヌルを曞き換えたずき、
怪異は最終圢ぞ至る。

皎率は䞊がらない。
だが、匕けるものが枛る。

その結果、課皎ベヌスは膚匵し、
事業者負担は静かに増殖する。

しかも公匏は、
それを**「適正化」**ず呌ぶ。

効果説明

このカヌドが堎に出たずき、
盞手フィヌルドの**「控陀」**を䞀郚無効化する。

無効化された控陀は、
そのたた課皎ベヌスぞ加算される。
さらに、このカヌドが存圚する限り、
盞手はこの効果を**「増皎」**ずしお認識しにくくなる。

真名

公匏がルヌルを曞き換え、
自分だけ勝おる仕様を実装した怪異。

匱点

構造の可芖化
課皎ベヌスの数匏化
「䜕が控陀できなくなったのか」ずいう問い


通報先は、運営

誰が、この制床を䞍公正だず刀定するのか。
誰が、控陀切断による环積課皎を修正するのか。
誰が、「増皎ではない」ずいう説明を芆すのか。
ルヌルを䜜ったのは、運営。
皎収を受け取るのも、運営。
制床を説明するのも、運営。
苊情の受付先も、運営。
そしお、最終的な裁定者も運営である。
みお
「通報窓口は」

あおい
「運営です。」

みお
「裁定するのは」

あおい
「運営だ。」

みお
「皎収を受け取るのは」

あおい
「運営。」

みおは、しばらく黙り蟌んだ。
そしお、恐る恐る尋ねた。

みお
「最終回答は」
あおいは、画面に衚瀺された文字を読んだ。

仕様です。


それが、運営がチヌトする䞖界の、最終裁定だった。


みお
「あおい。
私たち、これからどうすればいいの」

あおい
「知るこずだ。」


みお
「知らなければ」
あおいは、少しだけ街ぞ目を向けた。

あおい
「今たで通りだ。」


知らないうちに、法案が囜䌚を通過する。

気づかないたた、制床が䜜られる。
暮らしが削られる。
事業が削られる。
それでも、䜕が起きおいるのか分からない。
分からないから、問いを立おられない。
問いを立おられないから、反察するこずも、倉えるこずもできない。
そしお、削られおいるこずに気づいおも――
それを説明する蚀葉を持おない。
あおいは、短く蚀った。

「知らなければ、奪われたこずさえ分からない。」


みおは、黙っお街を芋た。
どこかの店で、レゞの音が鳎った。
ピッ。
今日もたた、誰かの売䞊に課皎の圓たり刀定が眮かれる。
誰かの控陀が切られる。
誰かの利益が削られる。
けれど、その仕組みを知らなければ、ただの買い物の音にしか聞こえない。
もう䞀床、音が鳎った。
ピッ。
その音は――

今日も誰かを削る音だった。


【14幎越しの答え合わせ】片山さ぀きが残した問いを、安藀裕が匕き継いだ

参考動画

【圌女は党おを知っおいた。】


【制床偎の自癜ず、14幎越しの答え合わせ】


ここから先は、あえお繰り返す。
なぜなら、これは単なる囜䌚質疑ではないからだ。
消費皎ずいう制床が前提ずしおきた「円滑か぀適正な䟡栌転嫁」ず、珟実の垂堎で起きおいるこず。
その二぀が、囜䌚ずいう公の堎で正面から衝突した「事件」の蚘録だからである。
自由䞻矩経枈においお、䟡栌は制床の予定通りには動かない。
原䟡が䞊がったからずいっお、その党額を䟡栌ぞ転嫁できるずは限らない。
消費皎率が䞊がったからずいっお、その分だけ売䟡を䞊げられるずも限らない。
䟡栌転嫁できなくおも、消費皎の負担は消えない。
事業者の利益、賃金、賞䞎、投資、資金繰りぞず移っおいく。

その瞬間、消費皎の問題は「䟡栌転嫁」の問題ではなく、皎金コストを誰に負わせるかずいう問題ぞ倉わる。


2012幎。
䞀人の政治家が、その危険性を囜䌚で指摘しおいた。
片山さ぀き議員である。
そしお14幎埌。
片山さ぀きが残した問いを、安藀裕が匕き継いだ。
問いを受ける偎に座っおいたのは、財務倧臣ずなった片山さ぀きだった。
これは、制床の倖から制床を批刀しおいた者が、制床の頂点ぞ立ったずき、どのように蚀葉を倉えるのかずいう蚘録でもある。

2012幎、圌女はすべおを知っおいた

「もう、手の぀けられないようなこずになりたすよ」
2012幎。
野党時代の片山さ぀き議員は、消費皎増皎が経枈ぞ䞎える圱響に぀いお、匷く譊告しおいた。
䜏宅。
地方経枈。
䞭小零现䌁業。
街の蕎麊屋。
普通の床屋。
䟡栌を䞊げたくおも䞊げられない、小さな事業者たち。

片山議員は、消費皎が単なる「消費者の負担」では終わらないこずを、具䜓的な䟋で指摘しおいた。

たずえば、街の蕎麊屋である。

今、お蕎麊屋さんは皎蟌み630円でお蕎麊を出しおいたすけど、660円にできたすかね

これは、単なる問いではない。

消費皎の制床ず垂堎の珟実を知る者が、問いの圢で提瀺した答えである。


党囜䞀埋の䟡栌を持぀倧手チェヌンなら、ただ倀䞊げしやすいかもしれない。
しかし、地域の客に支えられおいる小さな店はどうか。
街の蕎麊屋はどうか。
普通の床屋はどうか。
倀䞊げによっお客を倱う可胜性がある店に、「皎率が䞊がったのだから、その分を䟡栌ぞ転嫁すればよい」ず簡単に蚀えるだろうか。

片山議員は圓時、幎間売䞊3000䞇円以䞋の䞭小零现䌁業に぀いお、5割から7割が䟡栌転嫁できおいないずいう調査があるず述べおいた。

さらに、滞玍皎額の玄半分に圓たる3400億円が消費皎であるずも指摘した。

぀たり、圌女は知っおいた。


消費皎は「䟡栌ぞ転嫁されるこずを予定しおいる」ず説明される。

しかし珟実の垂堎では、匱い立堎の事業者ほど、その予定通りに転嫁できない。


消費皎は、制床の予定ず垂堎の珟実が䞀臎しなければ成立しない皎だった。
2012幎の片山さ぀きは、その矛盟を知っおいた。

14幎埌、問いが戻っおきた

それから14幎埌。
今床は、参政党の囜䌚議員ずしお囜政に埩垰した安藀裕が、同じ問題を囜䌚で問い始める。

答匁垭に座っおいたのは、財務倧臣ずなった片山さ぀きだった。


安藀議員が最初に確認したのは、消費皎の玍皎矩務者である。
法埋䞊、消費皎を玍める矩務を負っおいるのは誰なのか。
消費者なのか。
事業者なのか。
答匁は明確だった。
消費皎法䞊の玍皎矩務者は、事業者である。
政府は消費皎に぀いお、䟡栌ぞの転嫁を通じお、最終的には消費者が負担するこずを予定しおいるず説明する。
しかし、それは経枈的な負担に぀いおの予定である。
皎法䞊の玍皎矩務ずは別の話だ。
皎法䞊、消費者は消費皎の玍皎矩務者ではない。
消費皎を申告し、玍付するのは事業者である。
ここで安藀議員は、さらに問いを進めた。
消費者から受け取った消費皎を皎務眲ぞ玍めず、事業者が自分の利益にしおいるずされる、いわゆる「益皎」は制床䞊存圚するのか。
これに察しお片山財務倧臣は、法埋䞊はそのような関係にはならないず答えた。
消費者は、消費皎法䞊の玍皎矩務者ではない。
したがっお、消費者が玍めるべき皎金を事業者が預かり、それを囜ぞ玍めずに利益にしおいるずいう法構造にはならない。
法埋䞊、益皎は存圚しない。
ここで、長幎語られおきた消費皎の物語が揺らぎ始める。

完党転嫁ずいう幻想

倚くの人は、消費皎を次のように理解しおいる。
たず原䟡がある。
そこに適正な利益を乗せる。
そしお、その䞊に消費皎10を䞊乗せする。
消費者がその10を支払い、事業者が䞀時的に預かり、埌から皎務眲ぞ玍める。
このモデルでは、消費皎によっお事業者の利益が削られるこずはない。
人件費も削られない。
消費皎は売䟡の倖偎ぞ完党に䞊乗せされ、最終消費者がすべお負担するからである。
しかし、このモデルが成立するためには、匷い前提が必芁になる。
すべおの事業者が、原䟡ず必芁な利益を確保したうえで、消費皎盞圓額を完党に䟡栌ぞ䞊乗せできるこず。
぀たり、䟡栌転嫁率100の垂堎である。
もし本圓に、すべおの取匕がこの通りに行われおいるなら、赀字䌁業はほずんど存圚しない。
䜎賃金劎働者もいない。
買いたたきもない。
利益を確保したうえで、消費皎分たで䟡栌ぞ䞊乗せできるのだから、消費皎を払えずに資金繰りぞ行き詰たる事業者も存圚しないはずである。
だが、珟実は違う。
赀字䌁業がある。
䜎賃金劎働者がいる。
買いたたきがある。
䟡栌亀枉力の匱い事業者がいる。
倀䞊げすれば客を倱う店がある。
原材料費が䞊がっおも、売䟡ぞ十分に転嫁できない事業者がいる。

「原䟡適正な利益消費皎」ずいう矎しいモデルは、珟実の垂堎を衚したものではない。


それは、制床を成立させるために眮かれた予定である。

赀字でも消費皎が発生する理由

消費皎の玍付額は、倧たかに次の匏で蚈算される。

消費皎

売䞊にかかる皎額 − 仕入れにかかる皎額


暙準皎率10、すべお皎蟌金額ずいう単玔なモデルなら、次のように衚せる。

消費皎
≒
課皎売䞊 − 課皎仕入× 10110


ここで重芁なのは、法人皎のように、売䞊からすべおの費甚を差し匕いお利益を蚈算しおいるわけではないずいう点である。
絊䞎や瀟䌚保険料、支払利息など、事業に必芁な支出であっおも、仕入皎額控陀の察象にならないものがある。
そのため、法人皎䞊の利益が赀字であっおも、

課皎売䞊 − 課皎仕入  0


であれば、消費皎は発生する。
事業者が赀字か黒字かは、消費皎の蚈算を止めない。
消費皎は、利益ではなく、課皎売䞊ず課皎仕入の差額を芋おいるからである。
䞀般に、事業者は仕入れた商品ぞ䜕らかの䟡倀を加えお販売する。
100円で仕入れた商品を、毎回50円で売り続ける事業は成立しない。
100円の原材料を䜿い、50円で補品を売り続ける補造業も成立しない。
したがっお、事業を継続しおいる限り、䞀般には、

課皎売䞊 − 課皎仕入  0


ずなる。
䌁業党䜓では赀字でも、この差額は残り埗る。

だから、赀字事業者にも消費皎が発生する。


赀字でも「消費皎が発生するこずがある」のではない。
事業が付加䟡倀を生み出しおいる限り、赀字でも消費皎が発生する構造なのである。

付加䟡倀の先取り

課皎売䞊から課皎仕入を差し匕いたものは、抂ね、その事業者が新しく生み出した付加䟡倀に察応する。


単玔化すれば、

付加䟡倀
≒
課皎売䞊 − 課皎仕入


さらに、その付加䟡倀は抂ね、

付加䟡倀
≒
利益  人件費


ず捉えるこずができる。
したがっお、消費皎の構造は、抂ね次の匏で衚せる。

消費皎≒ 付加䟡倀 × 10110


さらに単玔化すれば、

消費皎≒利益  人件費× 10110


ずなる。
ここで、䜕が起きおいるのか。

事業者が生み出した付加䟡倀ずいう䞀぀のパむがある。


本来、その付加䟡倀は、劎働者の賃金ず、䌁業の利益などに分配される。
しかし、消費皎がある䞖界では、その分配より先に、囜の取り分が決たる。

囜が消費皎を先に取る。


残った付加䟡倀を、法人ず劎働者が分ける。
䟡栌ぞ完党に転嫁できるなら、事業者の倖偎ぞ負担を抌し出せるかもしれない。

しかし、䟡栌転嫁できなければ、消費皎は付加䟡倀の内郚に残る。


利益を削る。
賃䞊げ原資を削る。
賞䞎を削る。
採甚を抑える。
蚭備投資を遅らせる。
資金繰りを圧迫する。
皎負担が消えるわけではない。
負担する堎所が倉わるだけである。

安藀議員が述べた「賃䞊げする原資を持っおいく前に、消費皎を玍皎しろず蚀われおいる」ずいう蚀葉は、この構造を衚しおいる。

消費皎は、付加䟡倀ずいう䞀぀の財垃から、囜が先に取り分を確保する皎である。


その残りを、法人ず劎働者が分ける。
これが、「付加䟡倀の先取り」である。

レシヌトに曞かれた「内消費皎」

安藀議員は、レシヌトの衚瀺にも螏み蟌んだ。
たずえば、1100円の商品を買ったずする。
レシヌトには、
「内消費皎100円」
ず曞かれおいる。
では、この100円は法埋䞊、䜕なのか。
政府偎の答匁は、次のようなものだった。
その取匕に぀いお課されるべき消費皎額に盞圓する額であり、課皎資産の譲枡等の売䞊に察する察䟡の䞀郚である。
぀たり、レシヌトに「消費皎」ず曞かれおいおも、それは消費者が皎務眲ぞ玍めた皎金そのものではない。
事業者が消費者から預かった皎金そのものでもない。
事業者がそのたた皎務眲ぞ玍付する金額でもない。

その売䟡で取匕が成立したずいう事実ず、その皎蟌䟡栌の内蚳が衚瀺されおいるだけである。


レシヌト衚瀺からは、実際にいくら䟡栌転嫁されたのか分からない。
事業者がいくら玍付するのかも分からない。
その取匕によっお、事業者の利益がいくら残ったのかも分からない。

それでも、倚くの人は「内消費皎100円」ずいう衚瀺を芋るこずで、自分が100円の皎金を玍めたず認識する。


そしお、事業者はその100円を預かっおいるだけだず考える。

ここから、「預かった皎金を玍めない免皎事業者はずるい」ずいう益皎の物語が生たれる。


しかし、法構造は違う。
消費者は玍皎矩務者ではない。
レシヌトに曞かれた100円は、売䞊の察䟡の䞀郚である。
事業者の玍付額は、レシヌトの衚瀺額ではなく、売䞊皎額ず仕入皎額の差額によっお決たる。
レシヌトは、䟡栌転嫁に成功した蚌拠ではない。
預り金が存圚する蚌拠でもない。
そこに蚘録されおいるのは、

「その䟡栌で、䞀぀の取匕が成立した」


ずいう事実である。

2012幎の蚀葉ず、2026幎の蚀葉

2012幎の片山さ぀き議員は、垂堎の珟実を語った。
街の蕎麊屋は、630円を660円にできるのか。
䞭小零现䌁業は、本圓に消費皎を䟡栌ぞ転嫁できおいるのか。
䟡栌を䞊げられない事業者に、消費皎は䜕をもたらすのか。
圌女は、制床の予定ではなく、珟堎で起きおいるこずを芋おいた。
それから14幎埌。
財務倧臣ずなった片山さ぀きは、制床を守る偎の蚀葉を語る。
消費皎は、䟡栌ぞの転嫁を通じお、最終的には消費者が負担するこずを予定しおいる。
消費皎盞圓額は、適切に䟡栌ぞ転嫁される。

同じ人物の䞭に、二぀の蚀葉が存圚する。


垂堎の珟実を芋る蚀葉。
制床の予定を守る蚀葉。
片山さ぀きは、なぜ蚀葉を倉えたのか。
本圓に考え方が倉わったのかもしれない。
財務倧臣ずしお皎制党䜓を守らなければならないのかもしれない。
党内の力孊や、財務省ずの関係が圱響したのかもしれない。

あるいは、本質的な認識は倉わっおいないたた、立堎によっお䜿甚する蚀葉だけが倉わったのかもしれない。


その答えは、本人にしか分からない。
だが、確かなこずが䞀぀ある。

2012幎に指摘されおいた問題は、14幎埌も解決しおいない。


䟡栌転嫁できない事業者がいる。
赀字でも消費皎が発生する。
消費皎の滞玍が続いおいる。
賃䞊げが必芁だず蚀いながら、賃䞊げ原資から先に消費皎を取る構造が維持されおいる。

そしお今も、政府は消費皎を「景気に巊右されにくい安定財源」ず説明する。

だが、景気に巊右されにくいずいうこずは、裏返せば、景気が悪くおも取り続けるずいうこずである。


人々の生掻が苊しくおも。
䌁業の経営が苊しくおも。
赀字でも。
資金繰りが限界でも。
付加䟡倀が残る限り、消費皎は発生する。

それを、本圓に「安定」ず呌んでよいのだろうか。

これは事件の蚘録である

14幎前、片山さ぀きは問いを残した。
そしお今、安藀裕がその問いを匕き継いだ。
問いを受ける偎に座っおいたのは、財務倧臣ずなった片山さ぀きだった。
2012幎の片山さ぀きは、垂堎の珟実を語った。
2026幎の片山財務倧臣は、制床の予定を語った。
倉わったのは、垂堎ではない。

圌女が座る怅子だった。


制床の倖から垂堎を芋れば、䟡栌転嫁できない事業者が芋える。
制床の頂点から皎制を芋れば、「円滑か぀適正に転嫁されるこずを予定しおいる」ずいう説明になる。
事実が倉わったのではない。
芳枬する䜍眮によっお、䜿甚する蚀葉が倉わった。

制床ずいう怪異の頂点に座った者は、その構造を守るための郚品ずしお再定矩される。

14幎前の圌女の蚀葉が正しければ正しいほど、珟圚の答匁は、この囜の政治が垂堎の珟実よりも制床の維持を遞んだこずの蚌明になる。

これは、片山さ぀き䞀人の倉節を責める物語ではない。


誰がその怅子ぞ座っおも、同じ蚀葉を語らざるを埗ないのだずしたら、問題は個人ではなく構造にある。
だから、問いに向き合わなければならないのは、圌女だけではない。

その倉節を制床の「仕様」ずしお受け入れ、今日もレゞの音を聞き流しおいる、私たち自身である。

倱われた30幎をもたらしたのは、果たしお誰なのだろうか。


これは、事業者だけの問題ではない

3割特䟋の先で、すべおの事業者が増皎になるわけではない。
しかし、第4皮・第5皮・第6皮の簡易課皎ぞ移る事業者や、本則課皎で仕入控陀率が70を䞋回る事業者は、3割特䟋よりも皎負担が増える。
財務省モデルなら、その負担はこう動く。
10䞇円。
15䞇円。
そしお、業皮によっおは、
20䞇円。25䞇円。30䞇円。
䟡栌転嫁できれば、取匕先や消費者の負担が増える。
䟡栌転嫁できなければ、事業者の所埗、貯蓄、蚭備投資、そしお生掻費が削られる。

どちらに転んでも、新しく生たれた付加䟡倀ではない。

付加䟡倀は増えない。
皎負担だけが増える。

その負担に耐えられなくなった事業者は、やがお垂堎から消えおいく。

消えるのは、垳簿の䞊の「免皎事業者」ではない。
街の店である。
地域の職人である。
荷物を運ぶ人である。
䌁業の仕事を裏偎で支える、ラむタヌ、デザむナヌ、゚ンゞニア、カメラマン、枅掃員、倖泚スタッフである。
垂堎から䟛絊者が消えれば、商品も、サヌビスも、技術も、雇甚も、消費者の遞択肢も倱われる。

これは、誰が消費皎を玍めるかずいうだけの話ではない。

日本の垂堎から、誰を消すのかずいう話である。

みおは、街を芋た。
暖簟の向こうで、店䞻が䌚蚈端末を操䜜しおいた。
皎蟌630円の蕎麊を、660円にできないたた。
やがお、小さな電子音が鳎った。
ピッ。
みお
「救枈が終わったら、さらに増皎されるの」

あおい
「本人の劎働で付加䟡倀を生み出しおいる事業者ほど、その可胜性がある。」

みお
「それ、救枈じゃないわ。」

「増皎を、少しず぀芋せおいるだけじゃないの」

3割特䟋は、終着点ではない。
その先には、通垞の課皎ぞ移行するための次の段階が埅っおいる。

この事実を、ただ倚くの小芏暡事業者は知らない。

もし、あなたの呚りにむンボむス登録した個人事業䞻や、小さな䌚瀟を営む人がいるなら、この蚘事を届けおほしい。

賛成か反察かを決める前に、たず、自分の皎負担がこれからどう倉わるのかを知っおほしい。

タむマヌは、すでに動いおいる。
ピッ。

その音は今日も、誰かの生掻を削り、誰かの事業を垂堎から消しおいく音だった。


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