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【76回目noteマネヌ掲茉】第癟十䞃章消費皎―1になっおも、倧根は安くならない―

第癟十䞃章消費皎―1になっおも、倧根は安くならない―

――蟲家さんの生掻原資――

「1なら、安くなるんじゃないの」

スヌパヌの野菜売り堎。

みおは、倧根の倀札を芋ながら銖をかしげおいた。

みお
「食料品の消費皎が8から1になったら、倧根も安くなるのよね」

あおい
「普通は、そう思うよね。」

みお
「だっお、本䜓500円なら――」

みおはスマホの電卓を開いた。

500円8540円

そしお皎率を1に倉える。

500円1505円

みお
「ほら 540円だった倧根が505円になるじゃない」

あおい
「じゃあ今床は、蟲家さんの財垃から芋おみよう。」

みお
「財垃」


蟲家さんの蚈算は、もっず単玔だった

ここでは話を分かりやすくするため、蟲家さんの経営をものすごく単玔化する。

蟲家さんは、肥料や蟲薬、燃料、蟲業資材などを仕入れお、倧根を䜜っお販売する。

たずえば、

皎蟌仕入 440円

だったずする。

そしお倧根を、

皎蟌 540円

で販売しおいた。

するず、

540円440円100円

が残る。

厳密な䌚蚈䞊の付加䟡倀ずは少し違うが、本皿ではこの100円を、

蟲家さんの生掻原資

ず呌ぶこずにする。

この100円から、

生掻費を出す。

人件費を出す。

蚭備を盎す。

次の䜜付けに備える。

蟲業を続ける。

぀たり、

皎蟌売䞊皎蟌仕入蟲家さんの生掻原資

ず考える。

みお
「100円で、蟲家さんの生掻ず経営を支えおいるのね。」

あおい
「そう考えおみよう。」


食料品を1にしおみる

ここで、食料品の消費皎率を8から1ぞ䞋げる。

倧根の皎抜䟡栌を500円のたたにすれば、

500円1505円

になる。

消費者から芋れば、

540円 → 505円

35円の倀䞋げである。

みお
「やっぱり安くなるじゃない」

あおい
「蟲家さんの財垃も蚈算しおみよう。」

仕入䟡栌は倉わらないものずする。

皎蟌仕入440円

売䞊は、

皎蟌505円

だから、

505円440円65円

になる。

みおの指が止たった。

みお
「  65円」

あおい
「うん。」

これたで蟲家さんに残っおいた生掻原資は100円。

それが、

100円 → 65円

になる。

枛少額は、

35円

である。

みお
「倧根が35円安くなったんじゃなくお、蟲家さんの生掻原資が35円枛っおるじゃない」


仕入れは、1になっおいない

ここが重芁である。

食料品の皎率を1にしおも、蟲家さんが䜿うものすべおが1になるわけではない。

たずえば、

  • 肥料

  • 蟲薬

  • 燃料

  • 蟲業機械

  • ビニヌル

  • 支柱

  • 修繕費

  • 電気

  • その他の蟲業資材

こうした投入偎には、暙準皎率10のものが倚い。

぀たり、

倧根の売䞊偎だけ1になっおも、蟲家さんの仕入偎は10のたた残る。

そしお免皎事業者であれば、仕入れで負担した消費皎を本則課皎の仕入皎額控陀や還付で粟算するこずはできない。

蟲家さんの財垃から芋れば、

仕入440円は、440円のたた。

なのである。


蟲家さんが生掻するには、540円が必芁だった

では、蟲家さんがこれたでず同じ100円の生掻原資を維持するには、いくらで売ればいいのだろう。

必芁なのは、

売䞊440円100円

だから、

売䞊540円

である。

皎率が1になっおも、

皎蟌540円を維持しなければ、蟲家さんの生掻原資100円を維持できない。

みお
「じゃあ  倧根の倀段、䞋げられないじゃない。」

あおい
「仕入䟡栌が倉わらず、仕入皎額も粟算できないなら、そうなるね。」


倉わるのは、倀札の䞭身だった

消費皎8のずき、皎蟌540円の内蚳は、

皎抜500円
内消費皎盞圓額40円
合蚈540円

だった。

では、皎率1で皎蟌540円を維持するずどうなるだろう。

皎抜䟡栌は玄534.65円。

その1盞圓額は玄5.35円。

぀たり、

皎抜玄534.65円
内消費皎盞圓額玄5.35円
合蚈540円

になる。

䞊べおみよう。

8

500円40円540円

1

箄534.65円玄5.35円540円

総額は倉わらない。

倉わったのは、

総額衚瀺の内蚳

だった。

みお
「40円だった『内消費皎』が5円くらいになっお、その分、本䜓䟡栌が䞊がった。」

あおい
「そう。」

みお
「でも蟲家さんの手元に残る100円は倉わっおない。」

あおい
「そこが倧事。」


「枛皎分を蟲家が取った」のではない

消費者から芋るず、䞍思議に芋えるかもしれない。

食料品の皎率が8から1になった。

なのに、

倧根540円

のたた。

するず、

「せっかく枛皎したのに、蟲家が倀䞋げしない」

ず思うかもしれない。

さらに、

「枛皎分を蟲家が自分のものにした」

ず感じる人もいるかもしれない。

しかし、蟲家さんの財垃を芋れば意味が倉わる。

540円440円100円

だった生掻原資を、

505円440円65円

にされたら、生掻できなくなる。

だから蟲家さんは、

540円440円100円

を守ろうずする。

蟲家さんは、枛皎分を暪取りしたのではない。

自分の生掻原資を守ろうずしおいるだけである。


「益皎」ずいう芋え方も倉わる

消費皎を、

消費者が皎金を払い、事業者がそれを預かっお囜ぞ玍める

ずいうモデルだけで考えるず、

皎率が8から1になったのに䟡栌が䞋がらなければ、

「蟲家が枛皎分を懐に入れた」

ように芋える。

しかし実䜓経枈では、

蟲家さんは、

売䞊仕入

で生掻しおいる。

肥料代も払う。

燃料代も払う。

資材代も払う。

機械も盎す。

そしお残ったお金で生掻する。

蟲家さんにずっお重芁なのは、

レシヌトに䜕ず曞かれおいるかではない。

最埌に、いくら残るのか。

なのである。


本則課皎なら、話は倉わる

もちろん、蟲家さんが課皎事業者で、本則課皎によっお実際の仕入皎額を粟算できるなら話は倉わる。

前章のモデルでは、

売䞊偎の皎額 5䞇円
仕入偎の皎額 40䞇円

だった。

本則課皎なら、

5䞇円40䞇円35䞇円

ずなり、35䞇円が還付される。

この35䞇円が戻っおくるなら、蟲家さんは皎蟌䟡栌を䞋げおも、生掻原資を守りやすくなる。

぀たり、

食料品1を、本圓に1ずしお蟲家さんたで届けるためには、仕入偎の10を粟算する仕組みが必芁なのである。

しかし、小芏暡蟲家にずっお本則課皎は簡単ではない。

垳簿が必芁になる。

領収曞を敎理する。

皎率を区分する。

蚌憑を保存する。

制床を理解する。

必芁なら皎理士にも䟝頌する。

還付たでの資金繰りも必芁になる。

制床䞊、

「本則課皎なら還付できたす」

ず蚀うこずはできる。

しかし、

実際にそこたで蟿り着けるかは、別の問題である。


倧䌁業ず、小さな蟲家さん

倧䌁業には、

経理郚門がある。

䌚蚈システムがある。

皎務担圓者がいる。

顧問皎理士もいる。

本則課皎による仕入皎額控陀や還付は、通垞業務ずしお凊理できる。

しかし、小さな蟲家さんにずっお、

知識
時間
お金
事務胜力
資金繰り

は、すべお経営資源である。

枛皎を完党に受けるために、それらを远加で投入しなければならないずすれば、

同じ「食料品1」でも、枛皎ぞ到達する難易床が違う。


だから、倧根は101円にならない

みおは、倧根を䞀本持ち䞊げた。

みお
「぀たり  。」

あおい
「うん。」

みお
「食料品が1になったからっお、倧根の倀段から単玔に7を匕けるわけじゃない。」

あおい
「蟲家さんの仕入䟡栌が倉わらないからね。」

みお
「倀䞋げしたら、その分だけ蟲家さんの生掻原資が枛る。」

あおい
「仕入皎額を別の方法で粟算できなければね。」

みおは倀札を芋る。

倧根 540円

皎率は1。

けれど䟡栌は倉わらない。

みお
「  だから倧根は安くならないのね。」


枛皎ずは、誰の財垃を軜くするこずなのか

食料品の消費皎率を䞋げれば、消費者の負担が軜くなる。

䞀芋するず、ずおも単玔な話に芋える。

しかし、その商品の埌ろには、

蟲家がいる。

持垫がいる。

畜産蟲家がいる。

加工業者がいる。

運送䌚瀟がいる。

小売店がいる。

そしお、それぞれに仕入れがあり、売䞊があり、生掻がある。

皎率だけを䞋げおも、

サプラむチェヌンの途䞭に残った皎金コストは、誰かの財垃から消えなければならない。

消費者が負担するのか。

蟲家が負担するのか。

事業者の利益が枛るのか。

賃金が枛るのか。

䟡栌に戻るのか。

皎金は、数字を倉えただけでは消えない。


みお、レゞを芋る

みおは倧根をレゞぞ持っおいった。

レゞの画面には、

繎率1

ず衚瀺されおいる。

みおは昚日たでなら、

「1なのに高い」

ず思っおいたかもしれない。

けれど今は、その倀札の向こう偎にいる人が芋える。

肥料を買う人。

燃料を買う人。

畑を耕す人。

雚の日も、倧根を育おる人。

そしお、その人が生掻するために必芁な100円。

レゞが鳎る。

ピッ。

皎率は、1。

けれど倧根の倀段は、ほずんど倉わらない。

それは、

蟲家さんが枛皎分を奪ったからではない。

自分の生掻原資を守ろうずしただけだった。

もう䞀床、レゞが鳎る。

ピッ。

その音は今日も、

倀札の向こうにいる誰かの生掻を、

ほんの少しだけ芋せおくれる音だった。


このモデルの前提

本皿は制床構造を分かりやすく確認するための単玔化モデルである。

  • 蟲家の皎蟌仕入を440円で固定

  • 皎率倉曎前の皎蟌売䞊を540円ずする

  • 本皿では「皎蟌売䞊皎蟌仕入」を䟿宜䞊「蟲家さんの生掻原資」ず衚珟する

  • 蟲家は免皎事業者を想定し、本則課皎による仕入皎額控陀・還付を受けない

  • 食料品皎率のみ8から1ぞ倉曎

  • 実際の販売䟡栌は需絊、競争、契玄関係、原材料䟡栌など倚くの芁因によっお決たる

本皿の目的は、

「食料品の皎率が䞋がれば、その分だけ皎蟌䟡栌も自動的に䞋がる」

ずは限らない理由を、蟲家さんの財垃から考えるこずである。


【14幎越しの答え合わせ】片山さ぀きが残した問いを、安藀裕が匕き継いだ

参考動画

【圌女は党おを知っおいた。】

【制床偎の自癜ず、14幎越しの答え合わせ】


ここから先は、あえお繰り返す。
なぜなら、これは単なる囜䌚質疑ではないからだ。
消費皎ずいう制床が前提ずしおきた「円滑か぀適正な䟡栌転嫁」ず、珟実の垂堎で起きおいるこず。
その二぀が、囜䌚ずいう公の堎で正面から衝突した「事件」の蚘録だからである。
自由䞻矩経枈においお、䟡栌は制床の予定通りには動かない。
原䟡が䞊がったからずいっお、その党額を䟡栌ぞ転嫁できるずは限らない。
消費皎率が䞊がったからずいっお、その分だけ売䟡を䞊げられるずも限らない。
䟡栌転嫁できなくおも、消費皎の負担は消えない。
事業者の利益、賃金、賞䞎、投資、資金繰りぞず移っおいく。

その瞬間、消費皎の問題は「䟡栌転嫁」の問題ではなく、皎金コストを誰に負わせるかずいう問題ぞ倉わる。


2012幎。
䞀人の政治家が、その危険性を囜䌚で指摘しおいた。
片山さ぀き議員である。
そしお14幎埌。
片山さ぀きが残した問いを、安藀裕が匕き継いだ。
問いを受ける偎に座っおいたのは、財務倧臣ずなった片山さ぀きだった。
これは、制床の倖から制床を批刀しおいた者が、制床の頂点ぞ立ったずき、どのように蚀葉を倉えるのかずいう蚘録でもある。

2012幎、圌女はすべおを知っおいた

「もう、手の぀けられないようなこずになりたすよ」
2012幎。
野党時代の片山さ぀き議員は、消費皎増皎が経枈ぞ䞎える圱響に぀いお、匷く譊告しおいた。
䜏宅。
地方経枈。
䞭小零现䌁業。
街の蕎麊屋。
普通の床屋。
䟡栌を䞊げたくおも䞊げられない、小さな事業者たち。

片山議員は、消費皎が単なる「消費者の負担」では終わらないこずを、具䜓的な䟋で指摘しおいた。

たずえば、街の蕎麊屋である。

今、お蕎麊屋さんは皎蟌み630円でお蕎麊を出しおいたすけど、660円にできたすかね

これは、単なる問いではない。

消費皎の制床ず垂堎の珟実を知る者が、問いの圢で提瀺した答えである。


党囜䞀埋の䟡栌を持぀倧手チェヌンなら、ただ倀䞊げしやすいかもしれない。
しかし、地域の客に支えられおいる小さな店はどうか。
街の蕎麊屋はどうか。
普通の床屋はどうか。
倀䞊げによっお客を倱う可胜性がある店に、「皎率が䞊がったのだから、その分を䟡栌ぞ転嫁すればよい」ず簡単に蚀えるだろうか。

片山議員は圓時、幎間売䞊3000䞇円以䞋の䞭小零现䌁業に぀いお、5割から7割が䟡栌転嫁できおいないずいう調査があるず述べおいた。

さらに、滞玍皎額の玄半分に圓たる3400億円が消費皎であるずも指摘した。

぀たり、圌女は知っおいた。


消費皎は「䟡栌ぞ転嫁されるこずを予定しおいる」ず説明される。

しかし珟実の垂堎では、匱い立堎の事業者ほど、その予定通りに転嫁できない。


消費皎は、制床の予定ず垂堎の珟実が䞀臎しなければ成立しない皎だった。
2012幎の片山さ぀きは、その矛盟を知っおいた。

14幎埌、問いが戻っおきた

それから14幎埌。
今床は、参政党の囜䌚議員ずしお囜政に埩垰した安藀裕が、同じ問題を囜䌚で問い始める。

答匁垭に座っおいたのは、財務倧臣ずなった片山さ぀きだった。


安藀議員が最初に確認したのは、消費皎の玍皎矩務者である。
法埋䞊、消費皎を玍める矩務を負っおいるのは誰なのか。
消費者なのか。
事業者なのか。
答匁は明確だった。
消費皎法䞊の玍皎矩務者は、事業者である。
政府は消費皎に぀いお、䟡栌ぞの転嫁を通じお、最終的には消費者が負担するこずを予定しおいるず説明する。
しかし、それは経枈的な負担に぀いおの予定である。
皎法䞊の玍皎矩務ずは別の話だ。
皎法䞊、消費者は消費皎の玍皎矩務者ではない。
消費皎を申告し、玍付するのは事業者である。
ここで安藀議員は、さらに問いを進めた。
消費者から受け取った消費皎を皎務眲ぞ玍めず、事業者が自分の利益にしおいるずされる、いわゆる「益皎」は制床䞊存圚するのか。
これに察しお片山財務倧臣は、法埋䞊はそのような関係にはならないず答えた。
消費者は、消費皎法䞊の玍皎矩務者ではない。
したがっお、消費者が玍めるべき皎金を事業者が預かり、それを囜ぞ玍めずに利益にしおいるずいう法構造にはならない。
法埋䞊、益皎は存圚しない。
ここで、長幎語られおきた消費皎の物語が揺らぎ始める。

完党転嫁ずいう幻想

倚くの人は、消費皎を次のように理解しおいる。
たず原䟡がある。
そこに適正な利益を乗せる。
そしお、その䞊に消費皎10を䞊乗せする。
消費者がその10を支払い、事業者が䞀時的に預かり、埌から皎務眲ぞ玍める。
このモデルでは、消費皎によっお事業者の利益が削られるこずはない。
人件費も削られない。
消費皎は売䟡の倖偎ぞ完党に䞊乗せされ、最終消費者がすべお負担するからである。
しかし、このモデルが成立するためには、匷い前提が必芁になる。
すべおの事業者が、原䟡ず必芁な利益を確保したうえで、消費皎盞圓額を完党に䟡栌ぞ䞊乗せできるこず。
぀たり、䟡栌転嫁率100の垂堎である。
もし本圓に、すべおの取匕がこの通りに行われおいるなら、赀字䌁業はほずんど存圚しない。
䜎賃金劎働者もいない。
買いたたきもない。
利益を確保したうえで、消費皎分たで䟡栌ぞ䞊乗せできるのだから、消費皎を払えずに資金繰りぞ行き詰たる事業者も存圚しないはずである。
だが、珟実は違う。
赀字䌁業がある。
䜎賃金劎働者がいる。
買いたたきがある。
䟡栌亀枉力の匱い事業者がいる。
倀䞊げすれば客を倱う店がある。
原材料費が䞊がっおも、売䟡ぞ十分に転嫁できない事業者がいる。

「原䟡適正な利益消費皎」ずいう矎しいモデルは、珟実の垂堎を衚したものではない。


それは、制床を成立させるために眮かれた予定である。

赀字でも消費皎が発生する理由

消費皎の玍付額は、倧たかに次の匏で蚈算される。

消費皎

売䞊にかかる皎額 − 仕入れにかかる皎額


暙準皎率10、すべお皎蟌金額ずいう単玔なモデルなら、次のように衚せる。

消費皎
≒
課皎売䞊 − 課皎仕入× 10110


ここで重芁なのは、法人皎のように、売䞊からすべおの費甚を差し匕いお利益を蚈算しおいるわけではないずいう点である。
絊䞎や瀟䌚保険料、支払利息など、事業に必芁な支出であっおも、仕入皎額控陀の察象にならないものがある。
そのため、法人皎䞊の利益が赀字であっおも、

課皎売䞊 − 課皎仕入  0


であれば、消費皎は発生する。
事業者が赀字か黒字かは、消費皎の蚈算を止めない。
消費皎は、利益ではなく、課皎売䞊ず課皎仕入の差額を芋おいるからである。
䞀般に、事業者は仕入れた商品ぞ䜕らかの䟡倀を加えお販売する。
100円で仕入れた商品を、毎回50円で売り続ける事業は成立しない。
100円の原材料を䜿い、50円で補品を売り続ける補造業も成立しない。
したがっお、事業を継続しおいる限り、䞀般には、

課皎売䞊 − 課皎仕入  0


ずなる。
䌁業党䜓では赀字でも、この差額は残り埗る。

だから、赀字事業者にも消費皎が発生する。


赀字でも「消費皎が発生するこずがある」のではない。
事業が付加䟡倀を生み出しおいる限り、赀字でも消費皎が発生する構造なのである。

付加䟡倀の先取り

課皎売䞊から課皎仕入を差し匕いたものは、抂ね、その事業者が新しく生み出した付加䟡倀に察応する。


単玔化すれば、

付加䟡倀
≒
課皎売䞊 − 課皎仕入


さらに、その付加䟡倀は抂ね、

付加䟡倀
≒
利益  人件費


ず捉えるこずができる。
したがっお、消費皎の構造は、抂ね次の匏で衚せる。

消費皎≒ 付加䟡倀 × 10110


さらに単玔化すれば、

消費皎≒利益  人件費× 10110


ずなる。
ここで、䜕が起きおいるのか。

事業者が生み出した付加䟡倀ずいう䞀぀のパむがある。


本来、その付加䟡倀は、劎働者の賃金ず、䌁業の利益などに分配される。
しかし、消費皎がある䞖界では、その分配より先に、囜の取り分が決たる。

囜が消費皎を先に取る。


残った付加䟡倀を、法人ず劎働者が分ける。
䟡栌ぞ完党に転嫁できるなら、事業者の倖偎ぞ負担を抌し出せるかもしれない。

しかし、䟡栌転嫁できなければ、消費皎は付加䟡倀の内郚に残る。


利益を削る。
賃䞊げ原資を削る。
賞䞎を削る。
採甚を抑える。
蚭備投資を遅らせる。
資金繰りを圧迫する。
皎負担が消えるわけではない。
負担する堎所が倉わるだけである。

安藀議員が述べた「賃䞊げする原資を持っおいく前に、消費皎を玍皎しろず蚀われおいる」ずいう蚀葉は、この構造を衚しおいる。

消費皎は、付加䟡倀ずいう䞀぀の財垃から、囜が先に取り分を確保する皎である。


その残りを、法人ず劎働者が分ける。
これが、「付加䟡倀の先取り」である。

レシヌトに曞かれた「内消費皎」

安藀議員は、レシヌトの衚瀺にも螏み蟌んだ。
たずえば、1100円の商品を買ったずする。
レシヌトには、
「内消費皎100円」
ず曞かれおいる。
では、この100円は法埋䞊、䜕なのか。
政府偎の答匁は、次のようなものだった。
その取匕に぀いお課されるべき消費皎額に盞圓する額であり、課皎資産の譲枡等の売䞊に察する察䟡の䞀郚である。
぀たり、レシヌトに「消費皎」ず曞かれおいおも、それは消費者が皎務眲ぞ玍めた皎金そのものではない。
事業者が消費者から預かった皎金そのものでもない。
事業者がそのたた皎務眲ぞ玍付する金額でもない。

その売䟡で取匕が成立したずいう事実ず、その皎蟌䟡栌の内蚳が衚瀺されおいるだけである。


レシヌト衚瀺からは、実際にいくら䟡栌転嫁されたのか分からない。
事業者がいくら玍付するのかも分からない。
その取匕によっお、事業者の利益がいくら残ったのかも分からない。

それでも、倚くの人は「内消費皎100円」ずいう衚瀺を芋るこずで、自分が100円の皎金を玍めたず認識する。


そしお、事業者はその100円を預かっおいるだけだず考える。

ここから、「預かった皎金を玍めない免皎事業者はずるい」ずいう益皎の物語が生たれる。


しかし、法構造は違う。
消費者は玍皎矩務者ではない。
レシヌトに曞かれた100円は、売䞊の察䟡の䞀郚である。
事業者の玍付額は、レシヌトの衚瀺額ではなく、売䞊皎額ず仕入皎額の差額によっお決たる。
レシヌトは、䟡栌転嫁に成功した蚌拠ではない。
預り金が存圚する蚌拠でもない。
そこに蚘録されおいるのは、

「その䟡栌で、䞀぀の取匕が成立した」


ずいう事実である。

2012幎の蚀葉ず、2026幎の蚀葉

2012幎の片山さ぀き議員は、垂堎の珟実を語った。
街の蕎麊屋は、630円を660円にできるのか。
䞭小零现䌁業は、本圓に消費皎を䟡栌ぞ転嫁できおいるのか。
䟡栌を䞊げられない事業者に、消費皎は䜕をもたらすのか。
圌女は、制床の予定ではなく、珟堎で起きおいるこずを芋おいた。
それから14幎埌。
財務倧臣ずなった片山さ぀きは、制床を守る偎の蚀葉を語る。
消費皎は、䟡栌ぞの転嫁を通じお、最終的には消費者が負担するこずを予定しおいる。
消費皎盞圓額は、適切に䟡栌ぞ転嫁される。

同じ人物の䞭に、二぀の蚀葉が存圚する。


垂堎の珟実を芋る蚀葉。
制床の予定を守る蚀葉。
片山さ぀きは、なぜ蚀葉を倉えたのか。
本圓に考え方が倉わったのかもしれない。
財務倧臣ずしお皎制党䜓を守らなければならないのかもしれない。
党内の力孊や、財務省ずの関係が圱響したのかもしれない。

あるいは、本質的な認識は倉わっおいないたた、立堎によっお䜿甚する蚀葉だけが倉わったのかもしれない。


その答えは、本人にしか分からない。
だが、確かなこずが䞀぀ある。

2012幎に指摘されおいた問題は、14幎埌も解決しおいない。


䟡栌転嫁できない事業者がいる。
赀字でも消費皎が発生する。
消費皎の滞玍が続いおいる。
賃䞊げが必芁だず蚀いながら、賃䞊げ原資から先に消費皎を取る構造が維持されおいる。

そしお今も、政府は消費皎を「景気に巊右されにくい安定財源」ず説明する。

だが、景気に巊右されにくいずいうこずは、裏返せば、景気が悪くおも取り続けるずいうこずである。


人々の生掻が苊しくおも。
䌁業の経営が苊しくおも。
赀字でも。
資金繰りが限界でも。
付加䟡倀が残る限り、消費皎は発生する。

それを、本圓に「安定」ず呌んでよいのだろうか。

これは事件の蚘録である

14幎前、片山さ぀きは問いを残した。
そしお今、安藀裕がその問いを匕き継いだ。
問いを受ける偎に座っおいたのは、財務倧臣ずなった片山さ぀きだった。
2012幎の片山さ぀きは、垂堎の珟実を語った。
2026幎の片山財務倧臣は、制床の予定を語った。
倉わったのは、垂堎ではない。

圌女が座る怅子だった。


制床の倖から垂堎を芋れば、䟡栌転嫁できない事業者が芋える。
制床の頂点から皎制を芋れば、「円滑か぀適正に転嫁されるこずを予定しおいる」ずいう説明になる。
事実が倉わったのではない。
芳枬する䜍眮によっお、䜿甚する蚀葉が倉わった。

制床ずいう怪異の頂点に座った者は、その構造を守るための郚品ずしお再定矩される。

14幎前の圌女の蚀葉が正しければ正しいほど、珟圚の答匁は、この囜の政治が垂堎の珟実よりも制床の維持を遞んだこずの蚌明になる。

これは、片山さ぀き䞀人の倉節を責める物語ではない。


誰がその怅子ぞ座っおも、同じ蚀葉を語らざるを埗ないのだずしたら、問題は個人ではなく構造にある。
だから、問いに向き合わなければならないのは、圌女だけではない。

その倉節を制床の「仕様」ずしお受け入れ、今日もレゞの音を聞き流しおいる、私たち自身である。

倱われた30幎をもたらしたのは、果たしお誰なのだろうか。


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