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31歳、夢が決まっていないまま、ロンドンに来た。

ロンドンに来た。

そう書くと、ずいぶん思い切ったことをした人のように見える。

けれど実際の私は、到着してすぐに映画の主人公のような高揚感に包まれたわけではなかった。
14時間の長時間フライトから解放されてとにかく一息つきたかったので、大きなトートバッグを背負いながら重いスーツケースを両手で2個引きずって、まずコーヒーを探していた。

ロンドンに着いて、最初に探したもの。

2026年7月、私は羽田空港から東京を離れ、YMSというビザを使ってロンドンへやって来た。

見慣れた日本を、いったん離れる日。

31歳。
夢がはっきり決まっていたわけではない。

「ロンドンで絶対にこれを成し遂げる」と言えるほど、立派な目標を用意してきたわけでもない。

ただ、このまま日本に生まれて日本で育って、同じ場所に立ち続けているのもどうなのかな、とここ数年心のどこかで考えていた。

私の当たり前が世界からすると全く当たり前じゃなかったことを、海外へ行くたびに感じたからだと思う。
この世には私が知っている世界なんてほんのわずかなことなんだな、と。

せっかくこの世に生まれて、人生一度きりだし、もっと知らない世界を見てみたい。

じゃあ思い切って日本を飛び出してみよう、とふと思ったのだ。

ロンドンに来てからの生活は、思っていたよりもずっと地味だ。

最初の10日間はドミトリーホテルで暮らした。

節約のためスーパーで値段を見比べ、慣れないキッチンでご飯を作り、家を探した。

ロンドンのスーパーで、最初に買ったもの。

英語が早くて聞き取れず、相手の表情からどうにかして意味を推測することなんてほとんどだ。

Instagramに載せると、赤いバスも古い建物も、それだけで少し絵になる。

写真にすると、ロンドンはいつも少し格好いい

けれど、その写真の外側では、バスや地下鉄の暑さにヒイヒイ言ったり、物価の高さに驚いたり、知らない街でGoogleマップを何度も開いたりしている。

海外で暮らすというのは、毎日が冒険というより、毎日の小さな当たり前を、ひとつずつ作り直していくことなのかもしれない。


ちなみに、ロンドンへ来たからといって、これまで続けてきた仕事を手放したわけではない。

バイクやモータースポーツの仕事も、文章を書くことも、映像で発信することも、私の中ではこれまでの続きにある。

ただ、立つ場所が変わった。

日本からでは見えなかった景色や、ヨーロッパにいるからこそ出会える人、ここで初めて抱く感情を、これからは自分の言葉で残していきたいと思っている。

この先、ロンドンで何が待っているのかは、まだ分からない。

英語が思うように話せず落ち込む日も、東京が恋しくなる夜も、きっとあると思う。
それでも今は、自分で選んでここまで来たことを、少しだけ誇らしく感じている。

そして、それは背中を押してくれて、今でも応援してくれている日本にいる大切な人たちがいたからこそ、私は踏み出せたんだと思う。

Instagramには街の景色を。
YouTubeには動いている日々を。
そしてnoteには、そのとき私の心に残ったものを書いていきます。

うまくいったことだけではなく、迷っている途中のことも。

31歳、夢はまだ決まっていない。
でも今、私はロンドンにいる。

新しい「こころの旅」を、これからも一緒に歩いてもらえたら嬉しいです。

このnoteでは、旅や日常の中で心に残ったことを、エッセイとして綴っています。これからも読んでみたいと思っていただけたら、フォローしてもらえると嬉しいです。

もう少し個人的な気持ちや、写真だけでは伝えきれないロンドンの日々は、これからメンバーシップにも少しずつ綴っていきます。


著者プロフィール
小野木里奈

1995年、東京生まれ。俳優として活動しながら、バイクや旅を中心に、テレビ、連載、YouTubeなどを通して発信。
2026年、31歳でYMSビザを使い、初めて海外で暮らすためにロンドンへ。英語も、住む家も、働く場所も、ほとんど何も決まっていないところから生活を開始。
実際に暮らしてみると、SNSの短い投稿だけでは残しきれないものばかり。英語が通じなかったときの悔しさ、知らない人の優しさ、文化の違いに戸惑った瞬間。そして、何でもない日常が少しずつ自分の暮らしへ変わっていく感覚。
そうした小さな変化を忘れないために、ロンドン生活をきっかけにエッセイを書き始める。
ここでは、海外生活の華やかな部分だけではなく、うまくいかなかったことや、そのとき本当に考えていたことも含めて記録する予定。
他SNSでは、ロンドンでの暮らしや旅、仕事の日常を発信中。

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