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PoCの先にある「社会実装のリアル」、そしてPOCKET RDが見た未来【イベントレポート・後編】

前編では政治・規制の現在地を、中編ではDCJPY・ステーブルコインの実装事例をお届けしました。全3回の最終回となる今回は、「PoCの先にある社会実装のリアル」をテーマにしたパネルディスカッションと、カンファレンスの総括、そしてPOCKET RDが今回のイベントを通じて感じたことをお伝えします。

※こちらの記事はイベントレポートの後編となります。
記事の一番下に前編・中編のリンクがございますので、初めてご覧になる方は、ぜひ前編よりご覧ください。

PoCの先にある「社会実装のリアル」──パネルディスカッション(セッション3)

官民のキーマンが登壇し、「PoCの段階を脱して実サービスとして自立させるにはどうすればいいか」をテーマにパネルディスカッションが行われました。登壇したのは、衆議院議員・デジタル大臣政務官の川崎ひでと氏と、富士通 執行役員常務(金融ビジネスグループ長)の八木勝氏です。

八木氏は、「単なるPoCの反復に留まるのではなく、実事業としてのローンチと現場実装への強い覚悟を持つべきだ」と主張。ビジネスとして自立するサービス設計の必要性を訴えました。

川崎ひでと衆議院議員は、政府機関の決済など高度な秘匿性が求められる領域において、ブロックチェーンの透明性とデータの機密保持をどう両立させるかという技術的な検討課題を指摘。全銀ネットなど既存システムとブロックチェーンをハイブリッドに結合する複雑さと、デジタル資産の移転における法的な第三者対抗要件の整理が、ビジネスを加速させるための必須条件だという指摘も、このセッションで語られました。

議論が深まる中、川崎ひでと衆議院議員はブロックチェーンの「本当の勝ち筋」について語りました。個人的に関心を持って取り組んでいるテーマとして挙げたのが、ダンスの振り付けです。作曲家や作詞家には印税という形で収入が入る一方、振り付けを手がけたダンサーや振付師には対価が入りにくく、著作権はあっても模倣されたことを証明する手段がないという課題を指摘。ブロックチェーンとモーションキャプチャーを組み合わせれば、その振り付けをいつ誰が作ったかをチェーン上で証明できるようになり、実際にそれを実現しようとしている日本のスタートアップがあると紹介しました。これまでできなかったことができるようになる点に、ブロックチェーンの本質的な価値があるという考えを示しました。

議論の後半では、基調講演で語られた「お金に色をつける」というテーマが、より身近な例で語り直されました。特定の使途にしか使えないよう制限をかけたお金や、企業の仕入れ専用に用途を限定したお金など、日常生活や実務に即した例を交えながら、スマートコントラクトによる用途制限の直感的な実用ポテンシャルが語られました。

「信頼できる基盤」がイノベーションの土台になる

閉会にあたり、富士通 執行役員常務(金融ビジネスグループ長)の八木勝氏が総括を行いました。富士通が提供する量子コンピューティング技術(デジタルアニーラ)を用いれば、複雑なネットワーク上での資産配分やリスク管理を高速に最適化できるといいます。同時に、AML/CFT(マネーロンダリング・テロ資金供与対策)に完全準拠した信頼性の高いインフラを構築していくことの重要性も語られました。

オンチェーン金融の完成は一社では成し遂げられない官民の枠を超えた連携である”チーム未来”を継続し、日本の金融競争力を次世代へ引き上げていく決意を表明し、カンファレンスは閉会となりました。

POCKET RDとして感じたこと

今回、代表の籾倉が登壇したセッション2では、NFTやトークンを実業に落とし込む具体的な事例として、宿泊権のリセール、地域NFTによる関係人口の創出などをお話しさせていただきました。政治・大手金融機関・通信キャリアという、普段はなかなか同じテーブルに乗らないプレイヤーたちと「実装のリアル」を議論できたことは、私たちにとっても大きな刺激になりました。

オンチェーン金融という大きな潮流の中で、POCKET RDは実業・地域に根ざしたユースケースづくりを通じて、これからも社会実装の一翼を担っていきたいと思います。

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