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第章 / ○○○○○ - 誰が物語るべきか 【埌篇】 ビックリマンは、どのようにしお小孊生たちを熱狂させ、その倢から芚めさせたのか


 匕っ匵る圢になっおしたった「○○○○○」––––

 いよいよ、それを定矩しおいく––––ず蚀いたいずころだが、実は、もう【前篇】に曞いた「぀の新たな䟡倀」こそが「○○○○○」の真髄なのだ。

「❷最先端の゚ンタヌテック゚ンタメ × テクノロゞヌ」は、プロセスを民䞻化するコトで倚くの共創を促すコトにフォヌカスしおおり、それを掻甚すれば音楜の生挔奏ラむノが叀来より持っおいたリアルタむムか぀倚方向的に圱響し合うメタ・むンタラクティノな䜓隓を創出できる––––

 そしお、それこそが「❶回垰的だが新たな䟡倀」「繰り返す歎史から孊んだ枩故知新な知恵」でもある––––

 ぀の新たな䟡倀は、別の芖点から同じメ゜ッドを考察したに過ぎず、たった぀の––––

「 ○ ○ ○ ○ ○ な コ ト 」の 説 明 に な っ お い る 。

「 ○ ○ ○ ○ ○ 」に 入 る の は「 ナ ラ テ ィ ノ 」だ 。

− 
○○○○○・マヌケティング

ナ ラ テ ィ ノ ・ マ ヌ ケ テ ã‚€ ン グ


【 ナ ラ テ ィ ノ の  倧 キ ヌ ワ ヌ ド 】

・民䞻的Co-Creation
・同時性Real-Time
・高次/倚方向Meta-Interaction

 アルス・゚レクトロニカ䞖界最高峰のメディアアヌトの祭兞のシュトッカヌ氏の蚀葉を借り぀぀、この぀によっお起こる起こすべきコトを以䞋のようにたずめおみた。

 - - - - -

❶ 完成された過去ではなく、プロセスを楜しむ文化。それは、リアルタむムで民䞻的な情報であり、結果的に倚方向なコミュニケヌションを生む。

→ ドキュメント蚘録の鑑賞から、むベント蚘憶に残る䜓隓ぞ

→ オブゞェクト蚘録された過去のモノから、プロセス蚘憶されおいく珟圚進行圢のコトぞ

 - - - - -

❷ あらかじめ甚意された結論を持぀ストヌリヌではなく、色々な人々の刀断や行動で可倉し続ける結果を楜しむ文化。誰も未来を知らないコトを歓迎し、文脈も重芁芖する。

→ コンテンツ蚘録された過去のモノだけでなく、コンテクスト蚘憶されおいく珟圚進行圢のコトも

 - - - - -【 具 䜓 䟋 】

▶ ミシュランのガむドブックではなく食べログ秒埌には倉わる評䟡、評䟡する偎も評䟡されるミシュランのガむドブックは、矎食家特暩階玚である批評家による䞀方的で少なくずも䞀定期間固定的な情報だが、食べログは、リアルタむムに倉動する民䞻的な評䟡システムを有し、評䟡する偎も読者や店から評䟡されるなど倚方向的なコミュニケヌションが存圚する。

▶ 昔のプリクラ・アルバムではなくむンスタグラム閉じられた狭いコミュニティではなく、むンタヌネットずいう開かれたセカむに投皿される写真には、リアルタむムに倉動しおいく民䞻的な評䟡いいねやコメントなどが行われる。結果、発信者も、受信者も、むンスタグラムの運営サむドですら、癟幎埌はもちろん秒埌の結果さえ知らない。決められた未来がないからこそ、䜕床でも蚪問したくなる。

▶ 本ずいう物䜓を持぀蟞曞ではないりィキペディア䞀床、固定印刷されるず䞍倉である悪く蚀えばアップデヌトされない刷った瞬間から叀くなっおいくしかない情報を茉せ続ける蟞曞ず異なり、民䞻的にリアルタむムに曎新されおいく垞に「今」な蟞曞は、民䞻的であるからこそ、忖床のない情報を晒し、誰にもコントロヌルできないし、完成もしない。氞遠に線集ずいうプロセスにあり続けるモノではないコト。

 他にも––––

▶ iPhone旧型携垯電話ずは異なりアプリなど各個䜓ごずに垞に進化しおいく

▶ ディズニヌシヌのタヌトルトヌク芳客ずの倚方向に及ぶ察話がショヌの芁

▶ 初音ミク音楜面だけでなくビゞュアラむズ面でも民䞻化ネギを持った次創䜜など

▶ ビットコむン民䞻的なマむニングによる䞭倮集暩ではない分散型の䟡倀創出

 などが挙げられる。

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 民䞻的でリアルタむムな「垞倉性」を持぀コトで、予枬䞍胜なコンテクスト文脈を共創・共有させる結果、それらは、氞遠に、プロセス “に”  プロセス “で” あろうずする。

 ぀たり、完成するコトを嫌う  垞に倉化するコトを歓迎し続ける。

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 ナラティノな状態にあるあらゆるモノゎトは、固定された䞭倮集暩型ではなく、民䞻的な意向が反映され続ける分散型の可倉的流動的なプロセスにあるので、誰ひずりずしお、結果や完成を知芚するこずも予想するこずもできない。ゆえに、垞に、新たな䜓隓䟡倀が生たれ続ける。

 これをネガティノに捉えたのが「」ずも蚀える。極端な衚珟かも知れないが、ナラティノずは「」であろうずする反脆い姿勢だ。

【 悪ければ悪いほど良くなる反脆いずは 】

 僕は、そこにマヌケティング䞊の汎甚性を芋出そうずしおいる。

 たた、ナラティノの「民䞻化によるリアルタむムな可倉性」を担保するためには、最新のテクノロゞヌが䞍可欠で、「IoT※」ではなく「IoE※」の根源には、この発想こそが敷かれるべきだずも考えおいる。

※ IoTInternet of Thingsずは、電話テレビ電子レンゞ自動車などあらゆるモノがむンタヌネットに接続され、盞互に連携しおいる状態のコトを指す。䞀方、IoEInternet of Everythingは、IoTが物理的なモノだけを接続の察象ずしおいたのに察し、その抂念を拡倧し、ヒトコトプロセスデヌタなどあらゆるモノゎトが察象ずなる。たずえば、我々は、アップルりォッチなどりェアラブル・デバむスを装着するこずで健康状態を垞にりォッチ監芖しおもらえるし、YouTubeの再生回数プロセスは䞖界䞭からのアクセスで垞に民䞻的に増加し、芖聎者の内蚳地域別性別幎霢局などのデヌタをアナリティクス分析できたりもする。

 本末転倒的に、独創であるコンテンツ䟋えば、アヌティストが生み出す音楜においお、共創コンテクストのみが重芁芖されるような事態も散芋されおいる。

「もし」の範疇を越えない䟋だが、YouTubeの共創コンテクスト再生回数いいねコメントなどの民䞻的な共創がデッドすれば民䞻的な曎新が䞀切なくなった堎合、それは、コンテンツ映像ずいう固定的で䞍倉的な過去の䞀定期間の蚘録のデッド少なくずもYouTube䞊では䞀切の䟡倀を持たなくなる状態ず盎結するような状況さえ、事実、可胜性ずしお存圚しおいる。

 想像しおみ欲しい。

 䞀切、星の倉動のない食べログ。
 䞀切、コメントの付かない投皿。
 䞀切、曎新のないりィキの情報。

 これらにカスタマヌが䟡倀を芋出すこずは、もはや、ない。

 ひず昔前たでは、芖聎者が接する媒䜓が、テレビであっおも、YouTubeであっおも、䌁業が制䜜するリッチな映像を䞭心ずした集暩的な芖聎が䞻だった。レコヌドメヌカヌも、自瀟の制䜜したミュヌゞックビデオの再生回数が䜕癟䞇回、䜕千䞇回ず増えおいくこずを目指しおいた。

 しかし、珟圚、YouTubeやTikTokをはじめずするプラットフォヌムでの芖聎は分散化が進み、人のカスタマヌが぀くる思い思いの手䜜り映像が平均しお䞇回再生されるこずで合蚈䞇回再生を達成するような珟象の方にこそ、倧きな䟡倀があるず考えられおいる。

 新たなマスメディアであるそれらの䞭で「オフィシャル to 受信型の党顧客  B2C評䟡やコメントずいった消極的な発信はする」ずいう構造を持぀「創成期」の䞭倮集暩的な閉じた系むンタラクティノ双方向コミュニティよりも、「各個人むンフル゚ンサヌvs 匷い情熱を持぀発信型のファン  P2PC2Cシェアずいう積極的な発信  応揎もする」ずいう小さく深いコミュニティが倚数ある「熟緎期」の状態の方が、匷い摩擊や高い熱を保有しおおり、結果、教宀や職堎での「クチコミ」ずいう旧型C2C拡散に取っお代わる各個人のSNS䞊での「カキコミ」ずいう新型C2C拡散を促進する機胜に、倧きな期埅が寄せられおいる。

 それらは、分散的で開かれた系のメタ・むンタラクションによる高次同時倚発的で倚方向性を有する豊かなコミュニケヌションを生む。

 noteは、たさに、ナラティノの最たるプラットフォヌムコミュニティなのかも知れない。

【 こ れ た で の äž­ 倮 集 æš© 的 な コ ミ ュ ニ テ ィ 圢 成 】

【 こ れ か ら の 分 散 型 で æ·± く 熱 い コ ミ ュ ニ テ ィ 圢 成 】

 ナラティノの定矩蚀語化ができたずころで、次は、その具䜓的な掻甚方に぀いお説明しおいく。

 ちなみに、䞀般に出回っおいるマヌケッタヌやセラピストの方々が定矩する「ナラティノ」ず、僕の定矩ずでは少しもしかするず、かなり異なるので、その点は、あらかじめお䌝えしおおきたい。

 どちらが正しいずいうようなこずでなく、理解を深める際の芖点がマヌケッタヌずメディア・アヌティストではたったく異なった結果だろうだからず蚀っお、この定矩がアヌトにしか䜿えないずいうこずはなく、倚くのビゞネスシヌンにも掻甚できる。


【 䞀般的なナラティノの解説これはこれでずおも玠晎らしいです 】



 話を戻す––––以䞋の぀に留意すれば、ナラティノな構造を生み出しやすいず蚀われおいる。

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【 ナ ラ テ ィ ノ を 創 出 す る 際 に 意 識 す べ き  倧 芁 玠 】

・ほど良い䞖界芳の提瀺蚭定
・盞察性を持぀関係   状況
・断片化した情報出し  玠材

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 むメヌゞしやすいように、ナラティノの最高傑䜜を぀玹介したいず思う––––「神話」ず「ビックリマン」だ。

 神話には、「倩囜ず地獄」や「神界ず魔界」のような察立構造があり、宗教的な䞖界芳がある。

「ナラティノ」は、「ナレヌション」や「ナレヌタヌ」ず同じく、「Narrate語る」ずいう語源を持っおいる。

 神話の起源は、民間の口承  民話玙などに文字で固定された『蚘録』ではない物語り、぀たり、蚘憶の継承にあり、断片化しおいるからこそ、むンタヌネットも手玙もない時代に広く拡散しおいった。

 断片的ずいうずネガティノなむメヌゞが付きたずうが、「䜙癜がある」ず蚀い換えるこずもできる。

 民衆によっお口述で䌝承されおきた集合知であるナラティノな物語りナラティノは、語り手がそれぞれの䞻芳で盛るコトができる可倉的な分、普遍か぀氞続的な魅力を保぀ずもすれば、高め続けるこずができたのだ。

 日本神話の代衚栌である叀事蚘ず日本曞玀––––西掋の代衚栌である旧玄聖曞ず新玄聖曞––––それぞれ前者は、謎に満ちあふれ䜙癜が倚く、だからこそ、いただにナラティノなプロセスにあり続けおいる。

 もう少し砕けた蚀い方をするず、アップデヌトされたくっおいる。

 叀事蚘には、黄泉の囜八岐倧蛇因幡の癜兎など今も通ずる魅力な話が倚いが、特暩階玚による歎史の固定、あるいは、捏造した蚘録ずいう意図の色濃い日本曞玀は、明らかに面癜みに欠ける。旧玄聖曞ず新玄聖曞も然りだ。

 叀事蚘の断片は、参加型の共創によっお、今なお、テレビゲヌムに草薙の剣が登堎したり、゚グみを抑えた絵本になったりず、氞遠に完成するこずのないナラティノなプロセスにあり続けおいる。

 コミックスは、アクアマンでギリシャ神話のポセむドンをサンプリングしたし、次に挙げるビックリマンも、デりスやダマトタケルなど䞖界各地の神話のキャラクタヌをうたく掻甚しおいる。

 このように神話の「蚭定」「断片」「キャラクタヌ」などは、いただに、民䞻的な共創サむクルの氞続の䞭で自由自圚な躍動を続け、垞に新たなナラティノ物語りを生み出しおいる。時を超える共創によっお、各時代に合わせたアレンゞを斜されながら氞遠を刻むレゞェンドたちは、今埌も、倉わり続けるこずで、倉わらない䟡倀を創出し続けるはずだ。

 そしお、それは、絶察に、完成などしない。

 もう぀の䟋––––

 ビックリマンには、本来、以䞋のような歯抜け状態の情報しかなかった。

・ほど良い䞖界芳の提瀺蚭定倩界ず魔界
・盞察性を持぀関係状況倩䜿 vs 悪魔
・断片化した情報出し玠材説明䞍足のキャラクタヌ

 秀逞なキャラクタヌデザむンは、どちらがヒヌロヌ善で、どちらがノィラン悪か、誰が優秀なボスで、誰がポンコツな手䞋か、子䟛でも䞀目瞭然だった。レア床を高めるコレクタヌ魂を高めるヘッドず呌ばれるスペシャルなシヌルを぀くったのも功を奏した。

 裏には、簡単なキャラ玹介圹割の説明ず「噂」が蚘されおいた。

 たずえば、悪の芪玉「スヌパヌデビル」には『最近しばしば魔界から姿を消す』ずいう情報が添えられおおり、䞀方、倩界のナンバヌである「シャヌマンカヌン」ずいうキャラには『最近フヌドを目深に被った謎の人物ず䌚っおいる』ずリヌクが曞かれおいた。

 あえお残された䜙癜歯抜けを埋める䜜業は、小孊校・塟・習い事教宀、さらに分割されたクラスなど、かなり小さなコミュニティの䞭で、正解がない状態だからこそ、民䞻的な噂の延長ずしお、ずっず完成などせずに展開されおいった。

 ––––たさに、ナラティノだ

 ある小孊校の幎組では、誰かが぀くった盛った噂によっお「シャヌマンカヌンは悪魔偎のスパむだ」ずされおいたが、䞀人が組の友人にそれを話したずころ「それはガセネタで、シャヌマンカヌンは、むしろ、スヌパヌデビルを改心させようずしおいる」ず返される。

 今床は、それが組で物議を呌ぶ。

 組ず組の䞀郚の生埒が通う塟には別の小孊校の生埒がおり、そこでは「実は、シャヌマンカヌンがスヌパヌデりストップの座を狙っおいる」や「スヌパヌれりスずシャヌマンカヌンは恋愛関係にあるこれは、実際、僕の呚りにあった噂だ」ずいう新たな情報が出おくる––––

 このように参加型のストヌリヌ共創サむクルは、コンテンツを取り巻くファンの熱量を高めながら、ムヌノメントを広く倧きく成長させおいったのだ。

 物語を埋める断片を語り合う堎  小さいが深く濃密な共創コミュニティが、党囜各地に生たれるず、それぞれの集団の間を行き来する倚方向なコミュニケヌション・ルヌトクラブの遠埁や、芪の垰省に䌎う芪戚の子䟛同士の亀流なども圢成され、次々ず口承によるロヌカラむズが行われおいった。

 いわゆる「口コミ」だ––––こうしお、ビックリマンは、ナラティノにマヌケティングされおいく。

 ビックリマンが流行したもっずも重芁なファクタヌは「自由な嫌な蚀い方をするず盛れる噂の共創」に他ならない。

 前述の「コレクタヌ魂に火を付けたコト」をヒットの芁因に挙げがちだが、それは、流行した埌にこそ起こる結果論的な珟象であり、流行しおいないモノゎトにレアな䟡倀など発生しない。

 自分も含め、プロモヌションやマヌケティングにばかり重きを眮いおいるず、ナラティノを衚面的な構造ず捉えがちだが、実際には、クリ゚むションやプランニングの初期段階で、かなり内向的に、自発的に、ナラティノな芁玠を組み蟌んでおかなければ、効果は薄い。

 倧切なのは、ルヌトではなく、ルヌトを開拓する熱量を生む゚ンパワヌメントあらかじめカスタマヌ偎に身を委ねる勇気  蚭定・状況・キャラクタヌを決め付け過ぎない倧らかさだ。いざ、やろうずするず、これがなかなか難しい。

 グルヌプが、センタヌを決めるのをファンに委ねたようなコトで、今でこそ普通のように思うかも知れないが、圓時は、画期的なコトだったのだ。プロずはいえ個人であるたった人のプロデュヌサヌの目線では「遞ぶコトができない遞ぶ勇気が持おない人材」を、䞍特定倚数のカスタマヌが自発的に遞び出した結果に、音楜業界の䞭のボクも、驚いたこずがある。

「たさか、この子が遞ばれるのか」

 同時に、これが、䌁業ずカスタマヌの差だずも痛感した。

 所詮、レコヌドメヌカヌのプロデュヌサヌが個人がやれるコトなど高が知れおいる。であれば、どうせ、決めなければいけない「誰をセンタヌにするか」ずいうむベントを、ナラティノにすればいい。

 そうするだけで、新曲をリリヌスする前に、すでに「起こった未来垂堎芏暡」が調査できおしたうかも知れない。僕が、ナラティノをオフェンシノなマヌケティングず評䟡する理由はその「あらかじめ未来に先回りしたようなマヌケティング機胜」にある。

【 葛食北斎の浮䞖絵もナラティノ 】

 ––––話をビックリマンに戻す。

 ナラティノは、氞遠にプロセスにあり続けるコトであり、であれば、なぜ、今、ビックリマンは、か぀おのようにムヌノメントを起こせおいないのだろう

 誰が、どのようにしお、その䞀倧ムヌノメントであり、ナラティノの最高傑䜜を終わらせたのだろう

 それを明かす前に、もう䞀床、ナラティノの定矩を曞いおおく。

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❶ 完成された過去ではなく、プロセスを楜しむ文化。それは、リアルタむムで民䞻的な情報であり、結果的に倚方向なコミュニケヌションを生む。

→ ドキュメント蚘録の鑑賞から、むベント蚘憶に残る䜓隓ぞ

→ オブゞェクト蚘録された過去のモノから、プロセス蚘憶されおいく珟圚進行圢のコトぞ

❷ あらかじめ甚意された結論を持぀ストヌリヌではなく、色々な人々の刀断や行動で可倉し続ける結果を楜しむ文化。誰も未来を知らないコトを歓迎し、文脈も重芁芖する。

→ コンテンツ蚘録された過去のモノだけでなく、コンテクスト蚘憶されおいく珟圚進行圢のコトも

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これを終息させるには、
逆のコトをすればいい。

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▶ 完成された蚘録を瀺し、プロセス普通の小孊生が奜き勝手に物語る次創䜜を楜しめなくする。それは、人の䜜者が決定した情報固定した過去であり、うたくいっおも双方向的なコミュニケヌションしか生たない。

→ むベント蚘憶に残る䜓隓からドキュメント蚘録の鑑賞ぞ

→ プロセス蚘憶されおいく珟圚進行圢のコトから、オブゞェクト蚘録された過去のモノぞ


▶ あらかじめ甚意された結論を持぀ストヌリヌにしお、特定の人の刀断や行動で固定された䞍倉の結果を楜しむ文化。圓然、䜜者は未来を知っおいるし、カスタマヌもそれが公になった瞬間、正解を知るコトを歓迎し、それを重芁芖する。

→ コンテンツ蚘録された過去のモノのみを重んじる

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 この「逆のコト」ずは、どんな人䌁業が行う、どんなコトだろう。

 たずえば、出版瀟が、小説やマンガにするずか
 たずえば、攟送局が、アニメや映画にするずか

 あなたが、もし、あるプロゞェクトを遂行しおいるずき、マスメディアからこのようなコラボレヌションの話が舞い蟌んできたら、どのような刀断をするだろうか––––僕なら、倧喜びで、すぐ、飛び぀く。ナラティノなんお、䞀旊、そっちのけだ

 ––––ビックリマンずいう倧きなムヌノメントを終わらせたのも、たさに、人気雑誌の連茉挫画化からのテレビアニメ化だった––––それらが最終回を迎えた瞬間––––小孊生たちが、ある皋床、自由に展開しおいた䌝承たちに「唯䞀解」が䞎えられた。

 共創次創䜜を語り合う機䌚を倱った小孊生たちは、嘘぀きになるこずを恐れ、閉口し、必然的に口コミルヌトは激枛し、それず共に、ビックリマンずいうコンテンツぞの熱自䜓も消滅しおいった。

 ビックリマンは、ナラティノの傑䜜䟋であるず同時に、可倉的なコンテクスト文脈のデッドが固定的なコンテンツをデッドさせるずいう珟象の代衚䟋でもある。

 補足しおおきたいが、これは、あくたでナラティノずいう目線だけで分析した結果論であっお、ビックリマンが、あのずき、マスメディアからの誘いを断っおいれば、栄枯盛衰の理を超えお、今なお熱狂的なナラティノを氞続させおいたかは、正盎、わからない。

 僕にずっお、ビックリマンは、小孊生時代の玠晎らしくも蟛い、぀たり、それだけ倢䞭になった思い出だし、その蚌拠に、僕なりの奜きなアニメ゜ングのトップには、ビックリマンの曲が必ず入る。

 挫画やアニメずのコラボレヌションが最終的に起こしたコトは、ナラティノ・マヌケティングずいう芳点からは間違いず蚀わざるを埗ないが、断じお、党䜓ずしお䞍正解だったわけではない。

 ずんでもなく倧きな利益や圱響をお菓子垂堎の内倖にもたらし、倚くの小孊生が、コミックの新刊やアニメの攟送を心埅ちにしおいた。

 あたりにもナラティノであったせいで、ビックリマンをこのように挙げおしたったコトで、圓時の関係者の皆さんが少しでも気分を害されたようであれば、深く、お詫び申し䞊げる。

 ず同時に、改めお、この堎を借りお、倧奜きだったビックリマンを賞賛したい。

 そしお、ビックリマンのこずを曞く以䞊––––僕は、もう぀、きちんず懺悔をしなければならない。いや、告癜するだけで、䜕も悔い改められおいないのだが、少なくずもここに曞かねばならないこずがある。

 ビックリマンが倧流行しおいた圓時、小孊生だった僕は、習っおいた剣道教宀の埌茩が玠晎らしいコレクションを持っおいるこずを知り、姑息にも接近し、䞍平等な共同コレクション蚈画を持ちかけたのだ。

 たしか、圌が持っおいないレアなシヌルを僕が持っおいたのを口実にしたはずだ––––心優しい圌は、その提案を受け入れおくれたいや、先茩ずいう立堎を利甚しお匷制めいた郚分もあったのだろう、きっず  本圓に、狡猟で、恥ずべき行為だ。

 僕たちは、数日亀代でコレクションを保管し合うこずになった––––数週間埌、県譊で他校も集たる合同緎習があった。僕は、意気揚々ずアルバムからヘッドだけを遞んで持参し、散々、芋せびらかした挙句、それを玛倱しおしたったおそらく盗難された––––。譊察眲内で起こったにも関わらず、茪ゎムで束ねたそれが出おくるこずはなかった。

 誰が盗んだんだ––––譊察の䞭なのに––––どうしお僕だけが––––垰るず、父に「泥棒はお前だ」ず激怒され、母にも芋攟された。この期に及んで、ただ、僕は、運が悪いずかそのような自分勝手で卑しい考えを巡らせおいた。利己的で、ク゜みたいな性栌は、今も、そのたただ。

 先方の家に謝りに行ったが、埌茩には䌚えなかった。圓然だ––––顔も芋たくないだろう  。玄関先で、代わりに察応しおくれた圌のお母さんの衚情を、今も忘れるこずができない。悲しい衚情だった。僕は取り返しの぀かないこずをしたのだず悟った。

 垰宅するも、父から敷居をたたぐこずを蚱されず、「䌚えるたで垰っおくるな」ず怒鳎られた。再蚪しおも、圌が出おくるこずはない。もう䞀床、自宅ず圌のお宅を埀埩し、最埌には「せめお、お母さんに土䞋座しおこい」ず蚀われ、そうしようずした––––本圓に迷惑だったず思う。

 土䞋座するのを止めた圌女が、固い衚情で䜕か蚀ったのに、それがどのような蚀葉だったか、たったく芚えおいない。悲しみだけでなく怒りのような正しい感情がより深たった顔を、欠片すら思い出せない。最初の悲痛な顔だけ芚えおおいお、怒りたで滲んだ顔の方には郜合良く蓋をしたのか––––どうやっおも思い出せないのだ。

 本圓に救いようがないず思う。

 結局、その埌、先方から電話が入り、「もう、倧䞈倫ですから」ずいうこずで、それ以䞊は、䜕もしなかった。䜕もしない息子の代わりに、父芪が駆けずり回っおようやく手に入れた箱買いのビックリマンを枡しに行ったず蚘憶しおいる。こちらの申し出も䞁重にお断りされた。

 僕は、ビックリマンを通じお、自分の䞭に、確かに存圚する倚皮倚様な「悪」を自芚した。

 戻っおきた初めお芋る箱買いのそれを開封する欲望ず手を止められなかった。

 䞭からキラキラず光るヘッドが出おきたが、それは、酷く、燻んで芋えた。だから、僕は、テレビアニメが最終回を迎えるより前に、そのムヌノメントから離れた。あんなに欲しかったシヌルは、もう、自分が抱える闇の化身で、悪魔より倩䜿が憎たらしく芋えた。

「お前自分こそが悪だ」––––そう、思った。

 離脱した理由が、せめお「圌ぞの莖眪」であっおくれず願うが、「燻んで芋えたからかも知れない」ずいう疑念は拭えない。

 今も、それらを思い出すず、よく自分のような者が䞖間にいられるなず、自責、埌悔、䜕よりそんな想いを持ったずころで巻き戻しようのない過去に察する無力感や怒りで狂いそうになる。

 よく出来た人だった埌茩は、その埌も、剣道を続けおくれた。逆に、どうしお、僕は、蟞めなかったのだろう––––「憎たれっ子、䞖に憚る」ずいう蚀葉の刃は、ずっず、自分自身に向いおいる––––

 結局、䜕ひず぀償えないたた、償わないたた、今に至る  。

 どれだけ倧人になっおも、取り戻し方は芋付からない。おそらく、そんな郜合のいい方法などない。

 あのずき、どうやっお、埌茩やそのお母さん、それから、自分の家族らず過ごす日垞ぞず戻っおいったのか、分からない。䜕日、萜ち蟌んでいたのかも忘れた––––––––なぜ、今、のうのうず笑ったりするこずができるのか––––平然ず歩いおいられるのか––––その延長線䞊でずっず萜ち蟌んでいられないのか––––理解に苊しむ。

 忘れないように晒すこずぐらいしかできないけど、これからも、ずっず、詫びながら、恥じながら、なのに、人生を過ごしおしたっおいる。

− 
音楜業界は、
なぜ、倉化が激しい倉化に脆いのか


 固定的で䞍倉的なず、曞いた時点で、もはやだが「音源」ずいうモノが、本来の音楜文化コンサヌトなどが誇っおいた「ナラティノ」を損なわせた真犯人だ。

 音楜の優䜍性を、ほが、捚おさせたず蚀っおも過蚀ではない。

 正確には「音源を聎くコト」のみでは、音楜文化業界のナラティノな可胜性が狭たっおいる状態を招いた––––だからこそ、その呚蟺のコトを発達させお、それを補っおきた。

 もう䞀床、第章【前篇】の冒頭で瀺した衚を瀺す。

 もし、僕が、皆さんに、きちんずナラティノを共有できおいればそう、願うばかりだが、音楜業界やレコヌドメヌカヌが、いかにナラティノなコトで救われおきたのか––––きっず、感じおもらえるはずだ––––ただし、最初の行以倖  

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【 幎 代  テ ク ノ ロ ゞ ヌ で 生 た れ た モ ノ  èµ· こ っ た コ ト 】

・幎代レコヌド
▶ い぀でも奜きなトキに個人で音楜を聞けるコト

・幎代ラゞオ攟送
▶ 無料で聎けるコト  楜曲をリク゚ストできるコト

・幎代カヌラゞオ
▶ 車で音楜を持ち運べるモバむルできるコト
▶ 車での移動ずいうプロセスを音楜で挔出するコト

・幎代ゞュヌクボックス
▶ 曲をバックに螊るコト
▶ 呚囲に自らの音楜センスを自慢するひけらかすコト
いずれも音楜を共有するトキの挔出

・幎代カセットテヌプ
▶ 曲目や曲順を自由に線集できるコト
       りォヌクマン
▶ 個人が音楜をモバむルできるコト
車に乗っおいるトキ以倖のあらゆる日垞にを付䞎した
       
▶ 楜曲を頭出しできるコト
▶ ランダム再生できるコトただし、アルバムの十数曲ではほが無意味
       ラゞカセ
▶ 自分なりのミックステヌプを手軜に぀くれるコト
       カラオケ
▶ 音楜むンストを䜿っお歌うコト

・幎代
▶ 個人が音楜を制䜜できるコト

・幎代iPODmp3ずFirewire
▶ 倧量の音楜をモバむルできるコト次䞖代のりォヌクマン
▶ それに䌎いランダム再生が機胜しはじめたコト
       VOCALOID
▶ 歌えない人でも楜曲制䜜できるコト
       YouTube/ニコニコ動画
▶ 個人が音楜を配信できるコト
ボカロず動画投皿サむトで、パヌ゜ナル・レヌベルに近い機胜

・幎代Spotify
▶ ありずあらゆる音楜をモバむルできるコト
▶ 曲目や曲順を自由に線集しお発信できるコト
ラゞカセ  ラゞオ攟送 + アマチュア無線
▶ ランダム再生がより機胜し、レコメンド機胜ずなったコト
レコヌド店の店員が曞くポップ  音楜評論家  音楜雑誌
       TuneCore個人が音楜を配信できるコト
▶ 完党なるパヌ゜ナル・レヌベル機胜
        TikTok
▶ 音楜を䜿っお螊るコト  撮圱した動画を発信するコト

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 ナラティノ・マヌケティングの芖点から、この歎史を読み解くず、音 “楜” 業界が倉化に脆いのではなく、音 “源” ビゞネス行目だけが倉化に脆いこずがよく分かる。

 音源ずいう「䞀床、録音固定されおしたれば䞍倉の––––そもそもアヌティストずいう個が創䜜しお孀高に発信するからこそ䟡倀のあるコトである––––民䞻的・同時性・高次/倚方向ずは真逆に䜍眮する独創的・䞍倉性・䞀方的であるコトが重んじられる」レコヌド蚘録は、ナラティノずは正反察にあるためだろう。

 それでも、「どこでもドアが普及した時代の航空䌚瀟の飛行機の機䜓」ず同じように、垞に倉化するプロセスを歓迎できる䜙裕がない「レコヌドずいうモノ自䜓」の呚蟺にナラティノな䜓隓䟡倀を付䞎しおいくコトは可胜だった。

 航空䌚瀟が、機䜓ではなく空枯に、あるいは、機䜓の䞭に無理やりスペヌスを぀くりその代わりに単䟡を䞊げお実珟したコトは、「飛行機に乗っおもう」ではなく「ファヌストクラスずいう、移動ずいう䞻目的からすれば、䞀芋、無駄にも芋える絢爛豪華にプロセスを挔出し、ステヌタスを䞎える」ずいう意識で、「メむン商材であるモノの性胜」ではなく「その呚蟺の䞖界芳」を創り䞊げるコトで生たれた。

 同じく、レコヌドメヌカヌも、「音源を聎いおもらう」から「音源聎取ずいう䞻目的からすれば、䞀芋、無駄にも芋える絢爛豪華にプロセスを挔出し、ステヌタスを䞎える」ずいう意識で、「音源メディアの高音質」ではなく「音楜を聎くモノの呚蟺にあるコト」である––––

・握手刞握手䌚に参加する暩利
・豪華ブックレットフォトブック付きなど
・音源をプロモヌション掻甚しお無料に近い圢で配垃しお  たずえば、ナヌザヌがプラットフォヌムで自由に音源を䜿えるように解攟するコトなど、コンサヌトでビゞネスする

 など、呚蟺の䜓隓䟡倀の創出でビゞネスしおきた。

 ポむントは、芖聎芚情報以倖の実装、あるいは、ナラティノだ。

 握手䌚は、その䞡方を兌ね備えおいる。握手䌚に参加できる回数ぱンパワヌメントされおいるし、そこに「競争原理」や「掚しを掚す」など、アヌティスト⇄ファンではなく、ファン vsファンずいうC2Cのメタ・むンタラクションが蚭蚈されおいる。

 豪華ブックレットは、基本、觊芚ずいう䟡倀を重んじた商品なので、芖聎芚情報以倖の実装のみに特化したモノ売りであったが、最近は、ファンが自由にフォトブックの䞭身をカスタマむズできるようなメタ・むンタラクションを仕蟌んでいる。ここたでくるずナラティノず蚀える。

 ナヌザヌがプラットフォヌムで楜しむコトは、前述の通り、ナラティノの暩化だ。

 このように、ナラティノはマストではないし、あらゆるモノゎトに無理矢理に適甚できるコトではない。が、あればあるに越したこずはなく、ファンダムを匷化できる斜策に繋がるケヌスが倚い。

 プランニングができたずき、最終チェックの段階で、「これ、ナラティノ入っおる」––––ず、自問自答し、入っおいない堎合、入れられそうかを怜蚎するのを癖付けるず反脆いず思う。

 このように歎史を振り返るず、録音ずいう新たなテクノロゞヌによっお生たれた「音源固定的なモノ」を取り巻く「文化倉遷するコト」は、音楜産業を倧きく前進させた「もっずもナラティノなコト䞖玀を垭巻したムヌノメント」だったのかも知れない。

 ビヌトルズずゞェフ・゚メリックが新たな録音衚珟手法を詊みたり、今もどこかで、䞖界䞭のギタリストたちが新たな゚フェクトの䜿い方を発明しようず詊行錯誀を繰り返しおいる。内なる䜙癜を持たない音源でさえ、その呚蟺にある録音文化ずいう郚分で、民䞻的で、い぀たで経っおも完成しないからこそ、氞遠が宿るプロセス「ナラティノ」の䞊を歩いおいるのかも  。

 それは「共創」ずいう地図のない旅で、コントロヌルも量り知るこずもできない。

 方䜍磁針が狂っおいるなんお思わないこずだ。

 ビゞネスずいう䞖界線を越えれば、そこは、混沌ず䞍条理こそが理の非情でマッドマックスなセカむなのだ。

− 
音楜だからだけが䞍利なコトは、
音楜だからだけができるコト


音楜業界にずっお、音楜だから䞍利なコトは、
リスナヌにずっおは、音楜だから䟿利なコト。
音楜だから䞍利なコトを、音楜だからできるコトに。
音楜だけが䞍利なコトを、音楜だけができるコトに。

 結局、珟代におけるレコヌドメヌカヌの圹割ずは䜕なのか––––

 むンタヌネット䞊に無料であふれる音楜––––い぀でもどこからでもアクセスできる「䞖界䞭のすべおの音楜」や「歎史䞊のあらゆる音楜」を、近い将来、完党に網矅できちゃうかも知れない無限倧の仮想音楜倉庫「スポティファむ」や「YouTube」––––

 残念だけど、音楜を知るコトも、音楜を聎くコトも、音楜を䜿うコトさえ、倧量に萜ちおいる垂れ流しの情報を济びるような手軜さで、可胜な限り、時短や省略したいただのプロセスになっおいるような時代だ。

 音楜は、人々の生掻や若者の青春を圩る背景から、本圓にただのバックグランドミュヌゞックになり぀぀あるのかも––––そんな匱気さえよぎる。

 でも、ちゃんず愛されおいるず感じられるずきもある。

 やっぱり、音楜䜓隓は、日垞ではなく、非日垞ずしお、䟡倀があるず信じられる瞬間が確かにある。

 芖聎芚情報しか持たないレコヌドメヌカヌのメむン商材、音源やミュヌゞックビデオは、物流が必芁なくなっお、ディレクタヌずいうからにはディレクションすべきなんだけど、挔出できるプロセスやスペヌスがほがなくなっお、れロずむチの進法で送れるようになっちゃったから、その副䜜甚で、誰でも簡単にコピヌできお、僕らはコピヌを売っおたもんだから困り果おお、デゞタラむズっお新しいその波に乗っかっおみたら、それはもう荒波で、い぀の間にか、売っおる぀もりが、慈善事業でもないのに無料で配るようになっおお、リスナヌ改めナヌザヌが買うのは、音楜でも、圓然、音源でもなくお、じゃあ、䜕 っお蚀ったら、プランなんだよ––––「ヶ月、聎き攟題」ずかそういうの––––で、反脆いから粘っおいた暩利城収ビゞネスも、ブロックチェヌンが発達するず、仕事にはならなくなるかも  。

 これら、音楜業界にずっおの「䞍郜合な真実」を、
「音楜が売れない」ずか「音楜が瀟䌚から必芁ずされおいない」ず、
 蚀い切るのは、ビゞネス偎の独り善がりで、卑屈な解釈なのだ。

「音楜が売れなくなった」のではなく、
 お客さんが、音楜を、
 僕たちレコヌドメヌカヌが望むプロセスで買わなくなっただけのこず。

 カスタマヌだけではない。

 音源ではビゞネスしない音源をリスナヌには売らなかったアヌティストがグラミヌ賞を獲るような珟状たで起こった。

 圌の䜜品は、すべお、無料ダりンロヌドか、スポティファむなどサブスクリプション型のストリヌミングサヌビスぞの提䟛音源そのものを買うずいうプロセスを螏たず、アプリのナヌザヌが聎いおいるだけの状態で、ラむノやグッズの販売のみで、音楜業界を生き抜き、倢を叶えた。

 チャンス・ザ・ラッパヌ––––
 圌は、たさに、そうやっお「チャンス」をモノにした。
 そこにレコヌドメヌカヌが入り蟌める䜙地はない。

 買い手だけでなく、倧切な商材アヌティストからも盞手にされず、省略すべき察象ず看做された切ない補造業こそ「レコヌドメヌカヌ」なのだ。

 アヌティストが契玄しおくれないずいうのは、仕入れができない状態––––たさに、四面楚歌だ。

 リスナヌにずっお「最高の利䟿性や信頌性」を持぀遞択肢が巚倧な流通網を有するレコヌドメヌカヌであるずいう時代の終焉––––アヌティストにずっおの「最倧のタヌニングポむント」がメゞャヌ・レヌベルずの契玄ずいう時代の終焉––––

 ドラえもんがいるパラレルワヌルドの䞖玀では、移動する手段ずしおは「い぀でもどこでもドア」があれば十分なのに、移動にあえおプロセスを残し、それを挔出する鉄道䌚瀟が生き残っおいるはずで、同じく、音楜を聎く手段ずしおは「い぀でもどこでもYouTube」があれば十分なこの䞖界の䞖玀で生き残りを図るレコヌドメヌカヌは、レコヌディング音源制䜜だけでなく、それを、知っお、買っお、楜しむずいう党プロセスを、あえお回りくどくし、ディレクション挔出しおいく必芁がある。

 それを「回りくどい」ず思わせず、「楜しい」ず思わせる「魔法」が必芁だ。

【 どこでもドアが普及した遠い未来の鉄道䌚瀟に぀いお 】

 ディズニヌランドは、富士急ハむランドやナガシマスパヌランドに比べれば、叀いずか、短いずか、怖くないずか、芋方によっおは劣るゞェットコヌスタヌを、あえお回りくどく乗らせお普通であれば苊痛でしかない䞊ぶ時間にこそ䟡倀があるようにしお  反脆く来堎者を楜したせる魔法を熟知しおいる。

 音楜業界の䞭のボクにずっお、たさに倢ず魔法の囜だ。

 もちろん、ミッキヌマりスずいうキャラクタヌやディズニヌ映画ずいう魔法も倧きいが、それだけではなく、スペヌスマりンテンであれば宇宙、スプラッシュマりンテンであれば西郚開拓時代ずいった䞖界芳のデザむンなどで、埅ち時間を楜しく匷化しおいる。

 埅おば埅぀ほど楜しい  反脆い悪ければ悪くなるほど良くなる状態に持ち蟌んでいる。

 リスナヌにずっお「音楜をレコヌドやずいう物䜓にしお流通するコト」が「音楜を聎く唯䞀の手段か぀もっずも䟿利な環境」であった時代はずうに過ぎ去り、スポティファむなどの普及によっお、物流だろうが、非物質的なデゞタラむズしおむンタネット䞊で送る流通だろうが、「音源を䞀方的に流通させるずいう圹割」そのものが、ビゞネスずしお終焉に差し掛かっおいる珟圚––––

 近い将来、ブロックチェヌンによっお、決枈や暩利城収面での垂堎介入すら必芁なくなるかも知れない反脆い音楜出版瀟※の事業ですらC2Cになり、䞭間搟取業者でしかない䌁業の介入にメリットを芋出しおもらえなくなる可胜性が高い。

※ 珟圚、日本の音楜における暩利城収ビゞネスは、ただただC2Cには適さない。よくヒット曲が぀でもあれば、幎収䜕千䞇円みたいな話があるが、それは、カラオケや攟送で楜曲が䜿われるたびに、きちんず暩利城収がされおいるからだ。どこかの小さなスナックで歌われたり、地方の小さな局でオン゚アされたり、毎日のように音楜は䜿われおいる––––そのすべおをりォッチし、そのたびに著䜜暩䜿甚料を城収するずいうのは、かなり倧倉なシステムだ。それこそ、ブロックチェヌンがあれば枈む話だが––––そんな技術のない時代から、ずっず、その回数を数え、䜿甚者から料金を城収し、暩利者に分配するシステムが敎っおいた。それが、JASRACず音楜出版瀟なのだ。YouTubeで再生されるたび、TikTokで䜿われるたび、俗っぜく蚀えばチャリンチャリンずお金になっおいくのも、城収分配システムがあっおこそ––––攟送局、カラオケチェヌン、TikTok、スナックなど倚皮倚様な䜿甚者から料金を城収し、それを音楜出版瀟に分配するずころたでを担うのがJASRACだ。音楜出版瀟は、それを、楜曲ごずに䜜家ぞ䜜詞者/䜜曲者––––倚いずきには曲に぀き人以䞊の䜜家が存圚する堎合もあれば、マナヌの異なる海倖の䜜家ず囜内䜜家の合䜜もある支払う郚分を担う。もちろん、䞡者ずも、マヌゞンを取っおビゞネスしおいるが、C2Cに向かない理由は、JASRACが個人ずは契玄しないずいう点にある––––JASRACの行き届いた城収機胜を利甚するには、必然的に音楜出版瀟ず契玄する必芁があるずいうこずだ。個人が、党囜接々浊々/倚皮倚様な䜿甚者から、いちいち䜿甚料を城収するのは䞍可胜だし、音楜を配信するだけ著䜜暩を持っおいるだけでは暩利収入は埗られない––––だから、珟圚のアヌティストは䞭間搟取されたずしおも音楜業界の暩利ビゞネスに頌るしかない。将来、ブロックチェヌンがもっず発達し、普及すれば、ここたで「反脆い」ず評䟡しおきた暩利ビゞネスですら、危うくなる。

 そんな、無料の玠晎らしい音源があちこちに萜ちおる時代に、「固定的な音楜を聎くだけ」の䟡倀は䞋がり続け、瀟䌚はそれに察䟡や時間を払うこずに寛容ではない––––にも関わらず、レコヌドメヌカヌは良い楜曲であればあるほど、無料で聎けるようにしたがる売りたがらないずいう自己矛盟さえ孕んでいる。

 普通、メヌカヌずいうのは、もっずも自信のある商品に、宣䌝費を投入し、倚くの人にその良さを知っおもらう代わりにたくさん売れるコト  ヒットを目指すものだ。ずころが、レコヌドメヌカヌは、倧量の宣䌝を行うコト広めるコトず無料で商品をばら撒くコト売らないコトを䞀緒くたにしおしたっお、本来、最終目暙に眮くべき「ヒットたくさん売れる」ずいうモチベヌションを持぀のは、もはや、間違いかも知れないのだ。

 売れるのは、レコヌドメヌカヌの぀くった音源じゃなく、アヌティストそのもので、スポティファヌのプランであり、コンサヌトチケットやグッズだ。

 チャンス・ザ・ラッパヌは、事実、その方法で成功を掎んだ。

 だから、レコヌド䌚瀟っおのは、ずっくになくなった。
 呉服屋がなくなっお、癟貚店になったみたいに––––

 本圓だ––––皆さんが、今、レコヌドメヌカヌず思っお芋おいる䌚瀟のほずんどは、䞀床、死んで、音楜䜓隓創出䌁業に生たれ倉わっおいる。

 音楜を発信する偎ずそれを享受する偎、぀たり、アヌティストずファンの間に存圚するプロセスを、ただの行為ずしお捉えず、省略したくないトキ䜓隓に化けさせる。それが、今の僕たちの仕事だ。

 僕たちは、か぀お、音楜を぀くっお、音楜を売っおいればよかった。でも、呉服屋が呉服だけを売っおいたら、い぀たで経っおも癟貚店にはならなかったろ だから、僕たちも、音楜だけじゃなく、音楜にた぀わるあらゆる䜓隓を぀くっお、あらゆるモノを売らないずいけない。倚皮倚様なモノを売るための倚圩なコトづくりをしなきゃならない。

 音楜のよろずや––––でも、だからこそ、今のレコヌドメヌカヌの仕事は、カラフルで楜しい。ぶっちゃけ、音楜理論に粟通しおいる必芁はない。ファンずしお音楜文化を楜しんできた経隓こそ䞍可欠だ。

 音楜を぀くるプロはアヌティストであっお、レコヌドメヌカヌで働くボクらは、音楜の楜しみ方を぀くるプロ––––

 だから、音楜業界で働く資栌は「音楜を奜き」っおだけで十分だし、それ以䞊に䟡倀のあるこずはない––––音楜が奜きで経理ができる人––––音楜は奜きだけど楜噚挔奏はできない人––––熱心な远っかけだった人––––そんな人たちが掻躍するのが「レコヌドメヌカヌ」ずいう名前の「音楜䜓隓創出䌁業」だ。

 これを、䞖間では、ダむバヌシティ・むンクルヌゞョンっお呌んだりもする。


【 旧    床 ビ ゞ ネ ス平面的円か ら 新    床 ビ ゞ ネ ス立䜓的球ぞ 】
か぀おは、マスメディア䞻に、雑誌・新聞・ラゞオ・テレビを甚いお
宣䌝を行い、レコヌド店に流通させお、を買っおもらっおいたレコヌドメヌカヌが
䞀床、デッドしお音楜䜓隓創出䌁業に生たれ倉わったこずで、䟋えば––––

ミュヌゞックビデオずいう「広め方」カスタマヌからすれば「知り方」で
サブスク型のストリヌミングサヌビスずいう「届け方」カスタマヌなりの「聎き方」で
クラりドファンディングずいう「売り方」今らしいカスタマヌの「買い方」で
音楜を聎くだけでない様々なプロセスを楜しんでもらう必芁が生じた

そのためには、䜕どんなモノやサヌビスを売るか ではなく
「〜の仕方」ずいうプロセスコトやトキの挔出 「䜓隓䟡倀の創出」を行う必芁がある

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「音源の制䜜」ではなく「音楜にた぀わる䜓隓䟡倀の創出」こそがディレクタヌの本文であるなら、その業務に必芁なのは、挔奏力楜兞音感など音楜そのものぞの知識や技術ではなく、音楜の呚蟺にあるコトに察する情熱ず経隓だ。

 音楜業界が求める人材は、音楜の制䜜者や発信者ナヌザヌずしおの熟緎者ではなく、音楜のファンや受信者リスナヌずしおの熟緎者前者であるに越したこずはないがマストではない––––ずにかく「音楜が奜き」だった人––––

 ずは、
 音楜のプロではなく、
 音楜ファンのプロなのだ。

商品が匷いかはさおおき、技術を脆い、暩利を反脆い存圚ず捉えるこずもできる

【 マ ガ ゞ ン 】

人間に限っお䞖界の半分以䞊は「想像による創造」で出来おいる。

鳥は自由に囜境を飛び越えおいく
人がそう呌ばれる「幻」の「壁」を越えられないのは
物質的な高さではなく、粟神的に没入する深さのせい

某レコヌド䌚瀟で音楜ディレクタヌずしお働きながら、クリ゚ティノ・ディレクタヌずしお、アヌト広告建築人工知胜地域創生ファッションメタバヌスなど倚皮倚様な業界ず運良く仕事させおもらえたボクが、叀くは『神話時代』から『ルネサンス』を経お『どこでもドアが普及した遠い未来』たで、史実ず、考察ず予枬、芳枬ず垌望を亀え、プロトタむピングしおいく。

音楜業界を目指す人はもちろん、「」ず「」の良くも悪くもな歎史レファレンスず未来将来性を知りたいあらゆる人向け。

 本圓のタむトルは––––

「本圓の商品には付録を読み終わるたではできれば觊れないで欲しくっお、
 付録の最埌のペヌゞを先に読んで音楜を聎くのもできればやめお欲しい。
 たた、この商品に収録されおいる音楜は誰のどの曲なのか非公開だから、
 音楜に関するこずをむンタヌネット䞊で䞖界䞭に晒すなんおこずは  」


【 自 å·± 玹 介 ず 目 次 】

【 プ ロ ロ ヌ グ 】



いいなず思ったら応揎しよう