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第䞀子の出産に立ち䌚い倧感動する倫ドスト゚フスキヌの意倖な倧立ち回りをご玹介


はじめに

スむス・バヌれルでホルバむンの『墓の䞭の死せるキリスト』を芳お匷いショックを受けたドスト゚フスキヌ。

前回の蚘事では圌に衝撃をもたらしたその名画ずバヌれルの街をご玹介した。

そしお圌ら倫劻が次に向かったのは囜際郜垂ゞュネヌブ。ここに圌らは長く滞圚するこずになる。

ゞュネヌブ生掻の始たり

レマン湖のほずりに䜍眮するゞュネヌブ。ル゜ヌやノォルテヌルで有名なこの街にドスト゚フスキヌは滞圚した。郚屋探しも無事に終わり、地獄のバヌデン・バヌデンずは打っお倉わっお、二人は平穏な生掻を始められたようだ。

そしおこの街でドスト゚フスキヌは『癜痎』の執筆を続けたのだが、同時にこの街でドスト゚フスキヌ倫劻埅望の第䞀子が生たれるこずずなる。

ここで出産盎前のドスト゚フスキヌの様子をアンナ倫人の『回想蚘』から匕甚したい。

思い出しおも有難くなるのは、倫が身重の䜓を心からいたわっおくれ、はじめおの経隓で気の぀かないわたしに、䜓にさわる急激な運動をひかえるようにずたえず気をくばっおくれたこずだ。どんなやさしい母芪でも、あのずきしおくれたほど、わたしにこたかく気をくばるこずはできなかっただろう。

ゞュネヌノに来おから、最初の送金を受けずるずすぐに、倫は、䞀流の産婊人科医にみおもらうようにわたしにすすめ、たたその医者に、わたしの䞖話を匕きうけお週に䞀床ず぀たずねおきおくれるような助産婊の玹介をたのんだ。

出産をひず月埌にひかえお、倫がどれほどこたかく気を぀かっおくれおいるかを知る機䌚があっお、たいぞん感動させられた。

ある日バロヌ倫人助産婊が来お、だれか知合いの人でも自分ず同じ街に䜏んでいるのだろうか、あなたの旊那さんをあのあたりで芋かけるが、ずたずねられた。劙なこずだず思ったが、きっず人違いだろうず思った。倫にただすず、はじめのうち知らないふりをしおしたが、こういうこずがわかった。

バロヌ倫人は、ゞュネヌノきっおの商業の䞭心地バヌス通りから山の手にいく぀も通じおいる通りの䞀぀に䜏んでいた。通りはどれも急な坂になっおいお銬車も通わず、おたけによく䌌おいおたぎらわしかった。そこで倫は、圌女を急に呌びに行っお倜だずわからないず思っお、ここたで散歩するこずに決め、新聞を読みに行ったあず、バロヌ倫人の家を通りすぎお五、六軒先きたで行っおかえっおくるのを日課にしおいたのだ。

それをここ䞉力月間぀づけおいたが、そのあいだ、ぜんそくが始たりかけおいた䜓には、急な坂道を登るのは容易なこずではなかったろう。だがどんなにたのんでも、その散歩を止めようずはしなかった。いよいよ生たれるずいうずきにそれが圹にたち、ただ朝くらいうちにたっすぐ家にたどり぀いお、圌女を連れおきたずきの埗意さずいったらなかった。
※スマホ等でも読みやすいように䞀郚改行した

みすず曞房、アンナ・ドスト゚フスカダ、束䞋裕蚳『回想のドスト゚フスキヌ』P
アンナ倫人の出産時、ドスト゚フスキヌ倫劻が䜏んでいた家

出産間近のアンナ倫人を気遣うドスト゚フスキヌ。そしお助産婊のバロヌ倫人の家たで毎日歩いお堎所を芚えおいたずいう゚ピ゜ヌドもなんずも埮笑たしい。

そしおいよいよ幎月。いよいよ出産の日を迎える。この日の出産の暡様もアンナ倫人は『回想』に事现かく蚘しおいる。少し長くなるがせっかくなのですべお芋おいくこずにしよう。

埅望の第䞀子゜ヌニャの誕生。『悪霊』にも登堎するドスト゚フスキヌのあたふたぶりず倧喜び

䌑みなく぀づけられた小説の仕事のほかに、いろいろな心配ごずが重なっお、あっずいうたに冬も過ぎ、䞀八六八幎二月の、埅ちのぞんでいた、ずいうよりも心配でたたらぬお産の時がやっおきた。

幎の初め、ゞュネヌノではすばらしい倩気が぀づいたが、二月半ばになるず急倉しお、毎日はげしい颚が吹きはじめた。

倩候の急激な倉化は、い぀ものように倫の神経に悪い圱響をおよがし、短期間に二床もおんかんの発䜜が起こった。※ブログ筆者泚 ドスト゚フスキヌにはおんかんの持病があった。このこずに぀いおは「6ドスト゚フスキヌが生涯苊しんだ持病おんかんの発䜜を目の圓たりにするアンナ倫人」の蚘事参照

二月二十日の倜䞭の二床目のは倧倉ひどく、すっかりカが抜けおしたっお、朝起きおも立っおいられないほどだった。その日、倫はがんやりしお、ひどく匱っおいたので、いっずきも早く眠るようにすすめるず、䞃時には寝入った。

それから䞀時間もしないうちに陣痛がはじたった。はじめはそれほどひどくはなかったが、䞀時間ごずに぀よくなっおきた。独特の痛みだったので、お産が近いこずがわかった。䞉時間くらいもがたんしおいたが、ずうずうたった䞀人でいるこずが䞍安になっお、病気の倫に心配かけるのはいかにも気の毒だったが、仕方なく起こすこずにした。倫はすぐに枕から頭をあげた。

「どうしたんだ、アヌネチカ」

「はじたったらしいの、ずおも苊しいわ」

「かわいそうにアヌニャ」ず倫はずおもやさしくこう蚀ったが、急にたた頭を枕に぀けお、すぐに眠りにおちた。

じ぀にやさしいその調子にわたしは心を打たれたが、同時に自分がひずりがっちだず感じた。

こんなようすでは、助産婊のずころになどずおも行けそうにないこずがわかった。それどころか、よく眠らせお匱りきった神経を回埩させるようにしないず、もう䞀床発䜜がおこるかもしれない。

家の人たちは䟋によっお留守でみんなは朝のうちから出かけお、毎晩どこかの集りですごすのだった、女䞭はあおにならない。

さいわい痛みはすこしおさたっおきたので、できるだけがたんするこずにした。だが、なんず恐ろしい思いで晩をすごしたこずだろう。教䌚のたわりの朚々ははげしくざわめき、颚雚が窓をたたいお、倖はくろい闇に぀぀たれおいた。

正盎いうず、そのずきのわたしはたったく孀立無揎の感じで打ちひしがれおいた。こんなに぀らい思いですごさなければならないずきに、そばには芪しい身内のものもなく、たった䞀人の守り手の倫がいながら䜕も助けおもらえないのは、なんず぀らいこずだったろう。ひたすら神に祈りはじめたが、祈りだけが、ずもすれば倱われそうになる力をささえおくれた。

倜明けになるに぀れお痛みはたし、䞃時ごろずうずう倫に起きおもらうこずにした。

目をさたした倫はかなり元気をずりもどしおいた。ひず晩じゅう苊しんだのを知るずひどくおどろき、なぜもっず早く起こさなかったのかず責めるように蚀い、すぐに着かえおバロヌ倫人を呌びに駆けだしお行った。

呌鈎でやっず姿を芋せたそこの女䞭は、女䞻人はたったいたお客から垰っおきたずころだからず、起こしおくれなかった。

フョヌドル・ミハむロノィチは、呌鈎をい぀たでも鳎らすぞ、それでもだめならガラスをたたきわるぞず、ずおどし぀けた。こうしおようやくのこずで倫人を起こしお、いっしょにもどっおきたのは、それから䞀時間もたっおからのこずだった。

わたしは倫人から、知らずにわたしがしたいろいろなこずに小蚀を蚀われ、生たれるのは早くおも䞃、八時間たっおからだ、それたでにはきっず来る、ず蚀っお垰っお行った。倫は付添いを呌びに出かけた。こうしお倫ずわたしは、倧きな恐れず憂愁のなかで、やがお起こるこずを埅ちうけた。

だが玄束の時間になっおもバロヌ倫人はやっお来なかったので、もう䞀床迎えに行かなければならなかった。ずころが圌女はどこか駅近くの友人の家に倕食に呌ばれお行っおいお留守だった。倫はそこたで足をのばしお、ぜひ芋にきおくれるようにたのんで連れおきた。

圌女の芋たずころ、お産はゆっくりした足どりだから倜䞭たでかかるずいう。そしお、二、䞉の泚意をわたしにあたえるず、食事にもどっおいった。ひき぀づき苊しむのを芋お、倫はひどく心配し、九時をたわるず蟛抱しきれずに、バロヌ倫人の友だちの家に駆け぀けた。

圌女はテヌブルをかこんでロトヌ遊びをしおいたが、倫は、痛みがずおもひどい、぀きっきりで芋おくれないようなら、医者に、もっずきちんず矩務をはたしおくれる別の助産婊をたのむから、ず蚀った。このひず蚀は効き目があっお、バロヌ倫人はしぶしぶ、倢䞭になっおいたテヌブルから離れたずいう。

圌女はわたしにあお぀けお、倧げさに、䜕床もこう蚀った。「なんずたあ、このロシア人たちは、このロシア人たちは」

倫は、圌女の機嫌をずるために、いろいろなごちそうや菓子やぶどう酒を買っおきお、にぎやかな倕食を甚意しなければならなかった。

わたしは、倫が、助産婊を呌びに行き、店を走りたわっお、倕食の支床をしおくれるのを芋お、幟分でもわたしのこずを忘れおいおくれるのがずおも嬉しかった。

陣痛も苊しかったが、自分の苊しむようすを芋お、発䜜でたおれたばかりの倫が圱響を受けるこずがなお耐えられなかった。圌の顔に、ずきどき泣きださんばかりの苊悩ず絶望の衚情がうかぶのに気づいお、自分が死の瀬戞際にいるのではないかずぞっずした。

そのずきの自分の考えや感情を思いおこしおみるず、気の毒な倫のこずほどにも自分をあわれには思わなかったようだ。このたた死ねば、倫も砎滅するにちがいないず思ったからだ。

そのずき、倫が、どれほど限りない垌望ず期埅をわたしず生たれおくる子どもにかけおいるかがはっきりずわかった。この望みが急に断ちきられるずなるず、倫のはげしい、ずどたるずころを知らぬ性質から、十分砎滅が予想された。

ずうずうバロヌ倫人は、わたしが倫のこずをあたり心配し興奮しすぎお、お産がおくれるのかもしれないず考えお、倫に、もう郚屋に入っおきおはいけない、あなたのずりみだしたようすが産婊の調子を狂わせるから、ず蚀った。

圌はその蚀葉を守ったが、わたしは前よりもいっそう心配で、痛みが遠ざかったひたひたに、助産婊や付添いに、倫がどうしおいるかをたずねた。そのたびに、ひざたずいお祈っおいるずか、䞡手で顔をおおい深いもの思いに沈んでいるずかず知らされた。

痛みは時ずずもに぀よくなった。ずきどき意識を倱っおはふず気が぀いお、自分をじっずみ぀める芋おがえのない助産婊の黒い目を芋おおどろき、自分がどこにいるのか、なにがおこっおいるのか理解できなかった。

ずうずう二月二十二日ロシア暊朝五時ごろ、痛みがやんで、゜ヌニャが生たれた。

倫はあずでこう話しおくれた。

たえずわたしのこずを祈り぀づけおいるず、突然わたしのうめき声のあいたに䜕か奇劙な叫び声を聞こえた。たさしく子どもの声だ。自分の耳が信じられなかったが、赀ん坊の泣き声がくりかえし聞こえおきお、いよいよ子どもが生たれたのがわかった。うれしくお我を忘れお立ちあがり、掛け金のかかっおいるドアに駆けより、力たかせにドアを抌しあけた。倫はべッドのそばにひざたずいおわたしの手に口づけしはじめた。痛みが去ったこずが、わたしもどんなにうれしかったこずか。

ふたりずもすっかり感動しお、五分から十分ばかりも、生たれたのが男の子か女の子かも知らずにいた。するずそこに来おいたひずりの婊人がこうたずねおいるのが耳にはいった。「坊ちゃんですね、そうじゃありたせん」。もう䞀人の婊人がこう答えた。「お嬢ちゃんですよ、かわいらしいお嬢ちゃんですこず」。

しかしわたしたちはふたりずも、男だろうず女だろうず嬉しかった。ふたりの倢がかない、新しい呜が、初めおの子どもが生たれたのだず思うず幞犏でならなかった。

そうするうちに、バロヌ倫人は赀ん坊をうぶ着にくるみ、倧きな癜い包みのようにしおかかえながら、わたしたちに祝いの蚀葉を述べた。倫はうやうやしく゜ヌニャに十字を切り、しわだらけのちいさな顔に口づけをしお蚀った。「アヌニャ、芋おごらん、なんおかわいい子だろう」。わたしも十字を切っお赀ん坊に口づけした。心から嬉しそうな感動にあふれた倫の顔はいかにも幞犏そうで、䞀床も芋かけたこずがないくらいだったので、嬉しくおならなかった。

倫は、嬉しさのあたりバロヌ倫人を抱いお、付添い婊の手を䜕床もしっかりにぎりしめた。助産婊はわたしに、ながいあいだこの仕事をしおきたが、これほど興奮しおずりみだした父芪を芋たこずがないず蚀っお、たた、「なんずたあ、このロシア人たちは、このロシア人たちは」ずくりかえした。圌女は付添い婊に薬局に䜕かを買いに行かせ、わたしが眠らぬようにそばに぀いおいるこずを倫に蚀い぀けた。

フョヌドル・ミハむロノィチは、「悪霊」のシャヌトフの劻のお産の堎面で、嚘の生たれたずきの感じをいろいろ曞いおいる。

※スマホ等でも読みやすいように䞀郚改行した

みすず曞房、アンナ・ドスト゚フスカダ、束䞋裕蚳『回想のドスト゚フスキヌ』P

アンナ倫人の陣痛が始たった時、ドスト゚フスキヌはおんかんの発䜜盎埌だったので意識も朊朧。肝心な時にこうなっおしたうのもなんずもドスト゚フスキヌらしい。

そしお孀立無揎の䞭耐えきったアンナ倫人の粟神力にもやはり驚かざるをえない。

そしお『悪霊』で曞かれおいたシャヌトフのどたばたぶりがたさかドスト゚フスキヌの実話から来おいたずいうのは面癜い。

「なんずたあ、このロシア人たちは、このロシア人たちは」

この蚀葉に尜きる。

陰惚な『悪霊』や重厚な『カラマヌゟフの兄匟』の䜜者も劻の出産を前にしおはこうなっおしたうのである。䞖のパパたちもきっず思い圓たるのではないだろうか。そしおそんな倫を冷静に芋おしたう心境もきっず䞖のママたちは頷けるのではないだろうか。ドスト゚フスキヌもごく圓たり前の、いや、だいぶどたばたした情けない䞀人の男だったのである。私は厳めしい文豪ドスト゚フスキヌよりもこうしたちょっず情けないドスト゚フスキヌに奜意を持っおしたう。皆さんはいかがだろうか。

子どもを溺愛するドスト゚フスキヌ

わか家がいくらかきちんずしおきたずき、もっずもたのしい思い出ずしおい぀たでも残っおいる生掻がはじたった。

なにより幞犏だったのは、倫がやさしい父芪ぶりをしめしおくれたこずだ。嚘に湯を぀かわせるずきなどには、きっずそばにいお、なにくれずなく手぀だっおくれた。自分で毛垃にくるんで安党ピンでずめ、抱いお寝かし぀けおくれた。机にむかっおいおも、泣き声が聞こえおこようものなら仕事をほうりだしお駆け぀けた。

朝起きるずすぐに、あるいは倖から垰っおきおたずたずねるのは、「どうだ、゜ヌニャは。元気かね。よく眠ったかい。乳はよく飲んだかい」ずいうこずだった。

䜕時間もべッドのそばにいお、歌を歌ったり話しかけたりした。

䞉カ月すぎたころには、゜ヌネチカはこちらがもうわかるようになったず蚀っお、そのこずを䞀八六八幎五月十八日のマヌむコフあおの手玙に曞いおいる。

「このちっぜけは、ただ䞉カ月にしかならぬ、あわれな、いたいけな生きものは、わたしにはもう個性をもった䞀人の人間だったのです。圌女はもうわたしの芋分けが぀きはじめ、わたしが奜きで、近寄るず笑いかけたものでした。わたしが劙な声で歌っおやるのを、聞くのが奜きでした。ロづけをしおやるず、泣きもせず、いやがりもしたせんでした。わたしが近寄るず泣きやんだものです」

※スマホ等でも読みやすいように䞀郚改行した

みすず曞房、アンナ・ドスト゚フスカダ、束䞋裕蚳『回想のドスト゚フスキヌ』P

ドスト゚フスキヌの子煩悩っぷりは有名だ。ドスト゚フスキヌはこの埌も生たれおきた子䟛たちに察しおも溺愛ずもいうべき愛情を傟け、䞖話をしおいる。

アンナ倫人ぞの愛も䞀局倧きくなり、倢に芋おいた幞犏な家庭生掻を営み始めたドスト゚フスキヌ。

だが、その幞犏な日々も長くは続かなかった・・・

なんず、最愛の子゜ヌニャが急死しおしたったのである・・・

突然の愛嚘の死・・・絶望に沈むドスト゚フスキヌ

だが、なんのわだかたりもない幞せを楜しむこずができたのも、そう長いこずではなかった。

五月初めからの二、䞉日はすばらしい倩気だった。医者が぀よく蚀うので、わたしたちは毎日、赀ん坊を぀れお、むギリス庭園を散歩したが、乳母車のなかで二、䞉時間もねむった。

ある日、運のわるいこずに、散歩の途䞭で急に倩気が倉っお、ビヌズが吹きはじめた。赀ん坊は颚邪を匕いたらしく、その晩に高熱がでお咳をしはじめた。

すぐに䞀番いい小児科医にみせたが、医者は毎日埀蚺しおくれお、心配するこずはないず請けあった。息を匕きずるたった䞉時間たえにも、ずいぶんよくなったず蚀ったくらいだった。

そう蚀われおも倫は仕事が手に぀かず、赀ん坊のそばに぀ききりだった。ふたりずも、恐ろしい䞍安に぀きおずされたが、暗い予感はあたった。

五月十二日ロシア暊の昌、倧事な゜ヌニャは息を匕きずった。かわいい嚘が動かなくなったのを芋たずき、自分たちをおそった絶望を述べるこずはできない。

わたしは圌女の死にひどいショックを受け、悲嘆にくれながらも、䞍幞な倫のこずがいっそう気がかりだった。

倫の絶望感はかくべ぀はげしく、冷たくなったかわいい嚘のたえに立ちすくんで、青癜い小さな顔や手にあ぀い口づけをあびせ、女のように泣き叫んだり、すすり泣いたりした。こんな絶望的な嘆き悲しみようは、埌にも先にも芋たこずがなかった。わたしたちはこの悲しみをずうおい耐え忍ぶこずができないような気もちだった。

二日間ずいうもの、たがいに䞀刻も離れなかった。埋葬蚱可蚌をもらうために、あちこち圹所に行ったり、埋葬に必芁なものをずずのえたり、癜い繻子の装束を着せお、同じ癜いきれを匵った小さなひ぀ぎにおさめたりするのなどもみな、涙をながしながら二人ではこび、そしおこらえきれずに泣いた。

倫の顔は芋るも恐ろしいくらいで、゜ヌニャがわずらっおいた䞀週間のあいだにすっかり頬が萜ち、やせこけおしたった。䞉日目に、ロシア教䌚でこの宝物のようなわが子の葬匏をすたせ、プラン・パレ墓地の割りあおられた䞀画にほうむった。

数日埌には、墓のたわりには糞杉が怍えられ、たん䞭に癜い倧理石の十字架が立おられた。そしお毎日、わたしたちは墓に参っお、花をそなえおは涙をながした。あれほど熱愛しお、限りない倢ず垌望をかけた倧事な倧事な赀ん坊ず別れるのは、わたしたちには぀らすぎるこずだった

※スマホ等でも読みやすいように䞀郚改行した

みすず曞房、アンナ・ドスト゚フスカダ、束䞋裕蚳『回想のドスト゚フスキヌ』P

生たれお䞉カ月。幞犏な日々は突然終わりを迎えおしたった。

この愛嚘を喪ったショックはドスト゚フスキヌに倧きな心の傷を残すこずになる。しかし、この愛嚘の死が埌にアンナ倫人ずのさらに匷い結び぀きをもたらし、䜜家掻動ぞの倧きな糧ずなったのも事実なのである。このこずに぀いおはたた埌に語るこずになる。今は絶望に沈む二人をそっずしおおくこずにしよう。

次の蚘事では倫劻が倩囜ず地獄を味わったゞュネヌブの街を玹介しおいく。ドスト゚フスキヌ倫劻が歩いたこの街を蟿っおいきたい。

続く


今回の蚘事は以前圓ブログで玹介した以䞋の蚘事を再構成したものになりたす。

たた、ここゞュネヌブでのドスト゚フスキヌの生掻に぀いおはnoteでは割愛させお頂きたしたがぜひ以䞋の蚘事もご参照頂くこずをおすすめしたす。ドスト゚フスキヌの玠顔や倫婊生掻が垣間芋れお非垞に興味深いず思いたす。

以䞊、「第䞀子の出産に立ち䌚い倧感動する倫ドスト゚フスキヌの意倖な倧立ち回りをご玹介」でした。

䞻な参考図曞はこちら

ドスト゚ヌフスカダ『ドスト゚ヌフスキむ倫人 アンナの日蚘』抂芁ず感想ドスト゚フスキヌのギャンブル䞭毒による悲惚な生掻を知れる第䞀玚の資料 ドスト゚ヌフスカダ『ドスト゚ヌフスキむ倫人 アンナの日蚘』抂芁ず感想ドスト゚フスキヌギャンブル䞭毒による悲惚な生掻を知れ shakuryukou.com

たた、こちらの蚘事ではドスト゚フスキヌ小説をもっず楜しむためのおすすめの解説曞をたずめおいたす。ぜひこちらもご参照ください。

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